体型維持や健康管理のために筋トレを行う方は多いと思いますが、筋トレを行った後に強い眠気に襲われたことはないでしょうか。
筋トレ後に眠気が生じた場合、すぐに寝ること自体は問題ありませんが、注意点があります。また、筋トレ後に予定があり、眠気を防ぐ方法があれば知りたい方もいるでしょう。
この記事では、筋トレ後に眠気が生じる原因や眠たい時の寝方、筋トレ後に眠くならないための対処法などを解説します。
- 筋トレ後に眠気が生じる原因
- 筋トレによる疲労の蓄積
- 血糖値の低下
- 筋トレで分泌される成長ホルモンの影響
- 筋トレ直後の急激な体温低下
- 副交感神経優位
- 筋トレ中に起こる眠気への対処法
- 筋トレ後にすぐ寝ても大丈夫?
- 筋トレ後は15分程度の仮眠で済ませる
- 休んでも眠気が取れないのはオーバートレーニング症候群の可能性も
- 筋トレ前後にできる!筋トレ後の眠気対策と対処法
- 糖分やタンパク質を摂取する
- カフェインを摂取する
- 筋トレの内容を軽めにする
- ストレッチで急激な体温低下を防ぐ
- 体温が下がる前にシャワーを浴びる
- 筋トレ後に眠くならないために普段から意識したいこと
- バランスの良い食生活を心がける
- なるべくストレスを溜めない
- 睡眠の質を高める工夫をする
- 筋トレの質向上を目指すなら睡眠習慣を見直そう
- まとめ
筋トレ後に眠気が生じる原因
筋トレ後に眠気が生じる理由には、主に以下のものが考えられます。
- 筋トレによる疲労の蓄積
- 血糖値の低下
- 筋トレで分泌される成長ホルモンの影響
- 筋トレ直後の急激な体温低下
- 副交感神経優位
それぞれの理由を詳しく解説します。
筋トレによる疲労の蓄積
筋トレは体に負荷をかける行為のため、実施した後は疲労が溜まります。
激しいトレーニングで破壊された筋肉を修復するために、脳と体が休息を欲して眠気を感じると考えられます。
血糖値の低下
筋肉を動かす際にはエネルギーとしてブドウ糖が消費されるため、筋トレ後には血糖値が下がります。その結果、脳に栄養が不足し、眠気が生じやすくなります。
筋トレで分泌される成長ホルモンの影響
筋トレをすると、血中の乳酸濃度が高まります。乳酸濃度が高まると、ペプチドホルモンと呼ばれる成長ホルモンの分泌が促進されます。
成長ホルモンは本来、睡眠時に活発に分泌されるものです。そのため、成長ホルモンが分泌されることで、眠気が誘発されると考えられます。
筋トレ直後の急激な体温低下
人間は深部体温が低下することで眠気が生じる仕組みになっており、特に急激な深部体温の低下は、より眠気を引き起こしやすいとされています。
筋トレ中は血管が拡張して血流が増加し、体温が上昇します。しかし、運動をやめると汗が冷えることによって体温が急激に下がります。
この一連の体温の変化が睡眠時と似た体温の動きとなるため、眠気が生じると考えられます。
副交感神経優位
体の働きを司る自律神経には、活動している時に優位になる交感神経と、リラックスしている時に優位になる副交感神経があります。
筋トレ中は交感神経が優位ですが、筋トレが終わると体をリラックスさせるために副交感神経が優位になります。このように、自律神経がシフトチェンジする影響で、眠気が誘発されます。
なお、仮眠の効果や適切なとり方を詳しく知りたい方は、下記記事もご覧ください。
筋トレ中に起こる眠気への対処法
眠気は筋トレ後だけでなく、筋トレ中に襲ってくることもあります。筋トレ中に眠気を感じてトレーニングに集中できない時は、以下の方法で眠気対策を行いましょう。
- 水分をしっかり摂る
- 適度な休憩を入れる
- 筋トレ前にウォームアップとストレッチを行う
水分補給は乾いた喉を潤すだけでなく、眠気の原因である脱水症状を防ぐことにも繋がります。 トレーニングに集中している時も水はこまめに飲みましょう。
また、トレーニングの合間は適度に休息をとることがおすすめです。体の疲れが取れることで、眠気を防ぎやすくなります。
トレーニング前に眠気を感じる場合は、ウォームアップとストレッチを入念に行いましょう。適度に体を動かして筋肉が活性化すると、眠気を覚ましやすくなります。
筋トレ後にすぐ寝ても大丈夫?
ここまで紹介したとおり、筋トレ後は疲労の蓄積やホルモンの分泌、副交感神経の影響などにより、眠気が生じることがあります。そのため、筋トレ後に眠気が生じること自体は普通のことで、眠気に応じて寝ることも問題ありません。
ただし、寝方を間違えるとその後の行動に影響する可能性があるため、注意が必要です。また、眠気の種類によっては注意が必要なケースもあります。
以下では、筋トレ後の睡眠と注意が必要な眠気を紹介します。
筋トレ後は15分程度の仮眠で済ませる
眠気を我慢すると集中力が低下し、作業のパフォーマンスが悪くなる可能性があります。そのため、筋トレ後に眠気がある際には、軽い仮眠をとり、頭をすっきりさせることをおすすめします。
仮眠をとることで期待できる効果は以下のとおりです。
- 疲労感が軽減される
- 覚醒作用がある
- 認知力や注意力が高まり、作業効率が上がる
- 仕事や勉強へのモチベーションを維持できる
ただし、仮眠時間が長すぎると目覚めが悪くなるだけでなく、夜間の深い眠りを妨げる要因にもなり得ます。そのため、仮眠時間は15~30分程度に留めましょう。
休んでも眠気が取れないのはオーバートレーニング症候群の可能性も
筋トレ後に眠気や倦怠感が続く場合は、「オーバートレーニング症候群」に陥っている可能性があるため、注意が必要です。
オーバートレーニング症候群とは、筋トレによる疲労が積み重なり、体が慢性疲労状態となる状態です。オーバートレーニング症候群の症状は段階的に進行し、軽い負荷のトレーニングでも辛く感じ、疲れやすくなります。
また、睡眠障害や全身の倦怠感、食欲不振、うつ状態などの弊害が生じることもあるため、日常生活にも影響を及ぼす可能性があります。
オーバートレーニング症候群を防ぐためには、トレーニングの量に合った休養や睡眠、栄養補給を心がけることが大切です。体調によってはトレーニングの負荷を抑えることも検討しましょう。
もしトレーニングを休んでも改善が見られない場合は、医療機関での受診を検討することをおすすめします。なお、一般的な受診先はスポーツ内科ですが、症状によって受診先が異なるため、わからない場合はかかりつけ医などに相談しましょう。
筋トレ前後にできる!筋トレ後の眠気対策と対処法
筋トレ後に眠くなり困っている方は、眠気への対処や対策をとることが有効です。筋トレ後に起こる眠気への対策・対処法は、主に以下の方法が考えられます。
- 糖分やタンパク質を摂取する
- カフェインを摂取する
- 筋トレの内容を軽めにする
- ストレッチで急激な体温低下を防ぐ
- 体温が下がる前にシャワーを浴びる
それぞれを詳しく解説します。
糖分やタンパク質を摂取する
上述のように、血糖値の低下は眠気が生じる理由の1つです。筋トレ前に糖分を摂っておくことで血糖値の極端な低下を防げるため、眠気を防ぎやすくなります。
タンパク質は傷ついた筋肉の修復に役立つため、糖分と一緒に事前に摂取することがおすすめです。
ただし、筋トレ前に食べ過ぎるとトレーニング中に気分が悪くなる可能性があるため、食べる量には注意しましょう。
カフェインを摂取する
カフェインは睡魔の撃退に効果的です。集中力アップと脂肪燃焼の効果も期待できるため、筋トレ前に摂取しましょう。筋トレの30分前くらいに摂取することがおすすめです。
筋トレの内容を軽めにする
筋トレの負荷が軽ければ疲労が溜まりづらく、眠気も生じにくくなります。負荷を軽くするには、ダンベルの重さを軽くしたり、セット数を普段より減らしたりするなどの方法が考えられます。
鍛えたい部位や筋トレ後の予定を考慮して負荷を調整しましょう。
ストレッチで急激な体温低下を防ぐ
眠気が生じる理由の1つに、急激な体温低下があります。筋トレ後にクールダウンを何も行わないと体温が急激に下がるため、ストレッチを行って体温の低下を緩やかにすることが重要です。
また、かいた汗をそのままにすることも体温を下げる原因になるため、すぐに汗を拭いて着替えることも忘れないようにしましょう。
体温が下がる前にシャワーを浴びる
前述したように、筋トレ後の急激な体温低下は眠気を生じさせます。そのため、汗をかいた後はそのままにせず、体温が下がる前にシャワーを浴びることがおすすめです。
シャワーの温度は少し高めに設定すると、交感神経の働きが活発になり、急激な体温低下も防げるため、眠気防止に効果が期待できます。
筋トレ後に眠くならないために普段から意識したいこと
筋トレ後の眠気を抑えるために、普段の生活から意識したい習慣があります。
- バランスの良い食生活を心がける
- なるべくストレスを溜めない
- 睡眠の質を高める工夫をする
それぞれの項目を詳しく解説します。
バランスの良い食生活を心がける
タンパク質を多く摂取することは、筋トレで傷付いた筋肉を効率的に修復するために重要です。
しかし、タンパク質ばかりに偏って栄養バランスを意識しないのは望ましくありません。栄養バランスが悪いと、常に倦怠感があったり眠気を感じたりして、筋トレに悪影響を及ぼす可能性もあります。
筋トレの効果を最大限発揮するためにも、バランスの良い食事を心がけましょう。
なるべくストレスを溜めない
ストレスが溜まっている状態だと、しっかりと眠れないだけでなく、寝ても疲労がなかなか取れません。
そのままの状態では、常に少し疲労が溜まっている状態で筋トレを行うことになるため、終わった後の疲労感もさらに大きくなり、より一層眠気が生じやすくなります。
ストレスの原因を突き止めて対処したり、こまめに発散したりすることを心がけると良いでしょう。
睡眠の質を高める工夫をする
睡眠の質が低いと、長時間寝ても疲れが取れにくい可能性があります。
質の高い睡眠とは以下のような睡眠を指します。
- 睡眠と覚醒のリズムが保たれている
- 夜中に目が覚めることなく朝まで熟睡できる
- 寝床に就いてからスムーズに入眠できる
なお、長時間の睡眠が必ずしも睡眠の質を高めるわけではないことを理解しておきましょう。
睡眠の質を高める方法を詳しく知りたい方は、下記記事もご覧ください。
筋トレの質向上を目指すなら睡眠習慣を見直そう
睡眠は、筋肉の成長を促したり、肉体疲労を効率良く回復させたりするために重要な役割を果たします。筋トレの質を高めたいなら、筋トレの方法や頻度などだけでなく、日々の睡眠習慣にも気を配りましょう。
筋トレの質向上を目指しており、質の高い睡眠をとるために意識すべき睡眠習慣は、以下のとおりです。
- 自分の睡眠スタイルを把握する
- 十分な睡眠時間を確保する
睡眠スタイルは人それぞれであり、ほかの人にとって最適なスタイルが自分にも合うとは限りません。
自分にとって最適な「就寝時刻」と「起床時刻」を把握して、なるべくその時間に沿って睡眠をとることを心がけましょう。
また、最適な睡眠時間も人によって異なります。一般的には6~8時間程度が最適とされていますが、8時間睡眠が理想的である人が6時間しか寝ていなければ、睡眠時間が足りていないことになります。
自分にとって最適な睡眠時間を把握したうえで、その時間を確保することが重要です。
睡眠の重要性や、睡眠の質を向上させる方法をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
まとめ
筋トレ後に眠気が生じるのは、疲労の蓄積、血糖値の低下、成長ホルモンの影響など、さまざまな理由が考えられます。
トレーニング前に糖分やタンパク質、カフェインを摂取したり、筋トレの内容を軽めにしたりすることで、筋トレ後に起こる眠気に対処できます。どうしても眠気を我慢できない時は、思い切って15~30分程度の仮眠をとるのもおすすめです。
また、普段の生活でも、バランスの良い食生活や適度なストレス解消、質の高い睡眠をとることを心がけましょう。質の高い睡眠のためには、自分に合った睡眠スタイルや睡眠時間の把握が大切です。
質の高い睡眠を確保し、筋トレの効果を十分に得られるようにしましょう。