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2023.02.07 更新

【医師監修】猫背の改善が期待できる寝方を紹介!枕なしで寝ることによる悪影響なども解説

【医師監修】猫背の改善が期待できる寝方を紹介!枕なしで寝ることによる悪影響なども解説

デスクワークやスマホを操作する時、猫背になることで肩や首に痛みが生じて、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

「農耕民族」だった日本人は遺伝的に猫背になりやすいと考えられており、他国と比べても猫背の人が多いという話もあります。

もうすでに実感している方もいるかもしれませんが、猫背は放っておくとさまざまな体調不良に繋がるリスクがあるため、気になっているのであれば、早めの対処がおすすめです。

この記事では、猫背を改善するための寝方や、日常的にできる改善方法などを紹介します。

猫背の人が枕なしで寝ることによる影響についても解説するので、猫背に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

  1. 猫背の方におすすめの寝方を紹介
  2. 横向き寝・うつぶせ寝は避ける
  3. 猫背の方は仰向け寝がおすすめ
  4. 枕なしで寝ても猫背に悪影響はない?
  5. 猫背を改善したい方に試して欲しい対策
  6. タオルを腰の下に入れる
  7. 膝を曲げてクッションを入れる
  8. 寝方以外も見直して猫背の改善に取り組もう
  9. 日中に無理な姿勢にならないよう注意する
  10. 定期的なストレッチを心がける
  11. 筋トレを行う習慣を身に付ける
  12. まとめ

猫背の方におすすめの寝方を紹介

背中の骨は、首から腰にかけて緩やかなS字カーブを描いているのが本来の状態です。一方で「猫背」とは、頭部分が前に出て背骨が丸まった状態になることを指します。

頭部分が前に出ることによって首や肩に頭の重さがかかると、首こりや肩こりの原因になることがあるため注意が必要です。姿勢が悪いと体に負担がかかって筋肉が緊張するので、腰痛や頭痛を引き起こす原因にもなり得ます。

さらに、姿勢によって内臓が圧迫されると自律神経の乱れに繋がるケースもあるので、猫背の方は意識して姿勢を正すことが大切です。

猫背になる原因としては、日中に背中が丸まった姿勢を長時間続けることや、前屈みでパソコンを覗くなど姿勢の悪さが挙げられます。

それだけでなく、就寝中の姿勢が崩れていることで猫背になってしまうこともあるため、日中だけでなく就寝中の姿勢にも気を配るよう心がけてください。

猫背の方が就寝する時、ぜひ意識してほしいことが2点あります。

  • 横向き寝・うつぶせ寝は避ける
  • 猫背の方は仰向け寝がおすすめ

それぞれの内容について、以下で詳しく紹介します。

横向き寝・うつぶせ寝は避ける

猫背の方に「横向き寝」や「うつぶせ寝」はおすすめしません。

体の片側を下にして寝る横向き寝では、背中が丸まりやすく猫背の原因となるほか、肩が内側に入ることによって「巻き肩」を引き起こす可能性もあります。

巻き肩になると肋骨の動きが悪くなり、肩こりや首こりに繋がるケースもあるため気を付けなくてはなりません。

一方、うつぶせ寝はお腹を下にして寝る姿勢なので背中が丸まる可能性は少ないですが、息をするために首を左右どちらかに曲げることになります。

睡眠中に長時間にわたって首がねじれることにより、寝違え・首こり・歯並びのずれなど、体にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があるため、うつぶせ寝の姿勢も避けることが賢明です。

猫背の方は仰向け寝がおすすめ

猫背の方には、枕を後頭部に当てて上を向いた姿勢で眠る「仰向け寝」がおすすめです。

仰向け寝は、首から背中にかけて立っている時の自然な形を保ちやすい姿勢なので、睡眠中の体に負担がかかりにくい傾向があります。

特に理想的とされるのが、立っている時のような「背骨が緩やかなS字カーブを描く状態」をキープできる仰向け寝の姿勢です。

マットレスや枕などの寝具を選ぶ際には、この寝姿勢がキープできるような高さや硬さがあるアイテムを選びましょう。

睡眠は、人生の3分の1を占めるとされるほど長時間行うものなので、間違った寝方をしていると、猫背を悪化させてしまう可能性があります。

猫背に悩む方は、日頃から意識的に仰向け寝の姿勢で寝られるよう心がけてみましょう。

入谷栄一

入谷栄一

いりたに内科クリニック院長

自分が猫背かどうか、セルフチェックする方法をご紹介します。まず、 壁に「かかと」「背中」をつけて真っ直ぐ立ちましょう。この時、「後頭部」「右肩」「左肩」「お尻」「かかと」の5点が壁にすべてついていれば、正しい姿勢をとれています。すべてついていない場合は猫背、あるいは望ましくない姿勢であるといえます。

枕なしで寝ても猫背に悪影響はない?

猫背の方のなかには、「枕を使わないで寝たほうが楽だ」と感じている方がいらっしゃるかもしれません。

猫背の方は、首の骨である頚椎(けいつい)の緩やかなカーブが失われている可能性があります。枕は、頚椎のカーブに沿う形で頭と首を支えるものなので、頚椎が真っすぐになっていると、枕を使って寝ることが不快に感じることもあるでしょう。

しかし、枕を使わないほうが楽だからといって、枕なしで寝ることは基本的におすすめしません。

なぜなら枕には、頭をしっかりと支えることで首にかかる負担を減らし、首から背中にかけて緩やかなカーブを描く姿勢をキープするという役割があるからです。

使っている枕が体に合っていない場合は、枕を使わずに寝たほうが楽だと感じる可能性もありますが、それならば、自分の体に合う枕を選んで理想的な寝姿勢をキープすることが大切だといえます。

枕なしで寝ると首や肩に痛みが生じる可能性があるほか、寝姿勢が崩れて寝返りが打ちづらくなるなどのデメリットもあるため、注意しましょう。

就寝中には、体の出っ張った部分を中心にして体圧による負荷がかかった状態なので、上手に寝返りを打って体圧を分散させる必要があります。

もしかすると、使っている枕が合っていないだけの可能性もあることを含め、「枕なしで寝たほうが楽だから使わない」と決めつけず、自分に合う枕を探して使うことをおすすめします。

猫背を改善したい方に試して欲しい対策

就寝中に背中が丸まって猫背になることを防ぐためにも、身近なアイテムを使って日頃から取り組める対策があります。

寝ている時に対策を行って猫背の改善を目指す方は、下記の方法を試してみてください。

  • タオルを腰の下に入れる
  • 膝を曲げてクッションを入れる

それぞれの方法について、下記で詳しく紹介します。

タオルを腰の下に入れる

前述のとおり、背中が曲がった状態の猫背の方には、背中のカーブを自然に保ちやすい「仰向け寝」の姿勢がおすすめです。

しかし、睡眠中には無意識的に寝返りを打つため、その度に体が動いて知らないうちに横向き寝やうつぶせ寝の姿勢になってしまうこともあると思います。

寝返りや寝相によって仰向け寝以外の姿勢になることを防ぐためには、タオルを使って対策を行いましょう。

方法は簡単で、折り畳んだタオルを腰の下に入れて寝るだけです。

腰とマットレス・敷布団の間にタオルが挟まることで体が動きづらくなり、寝返りを打った際に姿勢が変わることなく、仰向け寝の姿勢をキープしやすくなる可能性があります。

ただし、これはあくまでも一時的な対策となるため、体に違和感がある時には無理をせず取りやめるようにしてください。

膝を曲げてクッションを入れる

「仰向け寝になると腰が痛い」という猫背の方には、クッションを使った対策の方法がおすすめです。
仰向け寝になった状態で膝を曲げ、膝の下にクッションを入れて眠ると、前に反った腰のカーブが和らいで腰への負担を軽減しやすくなります。

膝を曲げると、腰回りの筋肉や背骨の緊張が緩和できるうえに、腰に体圧が集中することを防げるため、腰の負担が気になる方でも快適に眠りやすくなる場合があるでしょう。

また、こちらもタオルを使った方法と同様に一時的な対策となるため、クッションを使用しても楽にならない場合には中断するようにしてください。

寝方以外も見直して猫背の改善に取り組もう

寝方以外も見直して猫背の改善に取り組もう

猫背を改善させるためには、上述したとおり就寝中の姿勢に気を配ることが大切です。それ以外にも、日中起きている時間帯に取り組める対策もあります。

猫背の方が、寝姿勢のほかに気を付けるべきポイントは下記のとおりです。

  • 日中に無理な姿勢にならないよう注意する
  • 定期的なストレッチを心がける
  • 筋トレを行う習慣を身に付ける

それぞれについて、詳しい内容を以下で紹介します。

日中に無理な姿勢にならないよう注意する

猫背を改善させるためには、自分の姿勢の癖を把握して、普段から無理のない姿勢を保つよう心がけることが大切です。

座っている時には骨盤を起こして背中を真っすぐにし、立っている時には背中が曲がらないように重心を意識しましょう。

また、スマホを見る時には顔の位置まで高くする、パソコンを操作する時には首を曲げずに済むよう高さを調整するなど、状況に応じた対策を行ってください。

猫背の原因となっている日中の無自覚な癖を見つけて、意識的に改善させることを目指しましょう。

定期的なストレッチを心がける

職業によっては、パソコン作業や長時間の立ち仕事がどうしても必要な方もいると思います。そのような場合には、筋肉が硬くならないよう定期的にストレッチを行いましょう。

例えば、肩甲骨を回したり引き寄せたりするなど、筋肉は定期的に動かすことでほぐれるため、少しの隙間時間に取り入れることをおすすめします。

自宅で簡単にできる猫背改善のストレッチとして「肩甲骨のストレッチ」を紹介するので、時間を見つけて行ってみてください。

  1. 立った状態で両足を肩の幅に広げる
  2. 両手を後ろで組んで背筋を伸ばす
  3. そのまま肩甲骨を引き寄せるように腕を上げる
  4. 数十秒のセットを2回ほど繰り返す

もし時間やお金に余裕があるのであれば、定期的に整体に通って体のメンテナンスを行っても良いでしょう。

入谷栄一

入谷栄一

いりたに内科クリニック院長

肩甲骨以外に、背骨の周りの脊柱起立筋をほぐすことも重要です。具体的なストレッチ方法は、次のとおりです。

①椅子に腰掛けて、背筋を伸ばす
②背筋を伸ばした状態で、ゆっくりと腰を後ろにひねる
③深呼吸しながら20秒間キープ
④息を吐きながらゆっくりと戻す
⑤反対側も同様に行う

筋トレを行う習慣を身に付ける

腹筋や背筋が衰えていると、理想的な姿勢をキープすることが難しくなり猫背になりやすくなります。日常的な姿勢を整えつつ腹筋や背筋を鍛えることで、無理なく自然な姿勢を保つことを目指しましょう。

一般的な筋トレとして、地面につけた背中を持ち上げる「腹筋」、うつぶせ寝になって胸を持ち上げる「背筋」があります。

ほかにもおすすめなのが「レッグレイズ」という方法で、この筋トレを行うことで腸腰筋が鍛えられると、体幹が安定するため猫背改善にも効果が期待できるとされています。

レッグレイズの詳しいやり方は、下記のとおりです。

  1. 仰向けに寝て腕を下に真っすぐ伸ばす
  2. 腕で安定を図りながら両足を真上に伸ばしていく
  3. 両足が真上に上がったらゆっくり下ろす
  4. 足の上下を繰り返し10回×3セット行う

筋トレは一時的に行っても効果が薄いため、毎日の習慣にして継続することを心がけましょう。

まとめ

猫背の方は、日中の姿勢と寝ている時の姿勢どちらも意識して、無理のない背骨の状態をキープすることが大切です。

就寝中は、立っている時の自然な背骨の形を保ちやすい「仰向け寝」で寝ることをおすすめします。横向き寝やうつぶせ寝をすると、巻き肩や寝違えに繋がる可能性があるため、避けたほうが無難です。

猫背を改善させる対策として、日常的に取り組める方法はたくさんあります。

この記事で紹介した、姿勢を意識する・ストレッチを行う・筋トレに励むという3つの対策のなかから、自分が始めやすいと思うものからチャレンジしてみると良いでしょう。

この記事の監修者
入谷栄一
入谷栄一いりたに内科クリニック院長
総合内科専門医、呼吸器専門医、アレルギー内科専門医、がん治療認定医。地域密着型でエビデンスに基づいた治療を続ける一方、わかりやすい説明が好評でさまざまなメディアでも活躍。近年、運転業務に関わる企業に対して睡眠時無呼吸症候群健診に力を入れている。https://www.iritani.jp/
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