寝室が暑すぎたり寒すぎたりする場合は、部屋の温度を調整できるエアコンが役立ちます。しかし、「寝る時にエアコンを使いたい」と思っていても、電気代の心配から使用するか悩む方もいるでしょう。
この記事では、寝る時にエアコンを使ったほうが良いのかどうか、冷房や暖房を使用する際のコツなどについて解説します。
寝る時はエアコンを使うのがおすすめ
夏の熱帯夜で寝苦しい日や冬の寒くて眠れない日などは、積極的にエアコンを使うことをおすすめします。エアコンの使用を我慢していると、寝室の温度が原因で眠れない場合があるためです。
眠れない日々が続くと体のだるさや眠気に繋がってしまい、日中のパフォーマンスも落ちてしまいます。睡眠の質を高めるためにも、エアコンは積極的に使いましょう。
寝る時にエアコンを使う際のコツ【冷房編】
エアコンには冷房と暖房の2つの使い道がありますが、それぞれの機能を活用して寝やすい環境を整えるために下記のようなコツがあります。
- 最適な温度は25℃~26℃、湿度は60%以下
- 熱帯夜は一晩中つけておく
- 扇風機と併用して使う
- 就寝30分前にエアコンをつけて上側に風をあてておく
最適な温度は25℃~26℃、湿度は60%以下
夏などの暑い季節では温度を低めに設定したくなりますが、体を冷やさないためにも温度は下げすぎないようにしましょう。一般的に、快適に眠れる温度は25℃~26℃といわれています。
また、暑苦しさを感じる熱帯夜では、温度だけでなく湿度の調整も重要です。夏は湿度が高くなりやすく、寝室がジメジメして眠れない可能性があります。ジメジメとした熱帯夜は湿度を60%以下に調整すると眠りやすくなるので、意識してみてください。
熱帯夜は一晩中つけておく
熱帯夜だとエアコンが切れたタイミングで室内がすぐに暑くなり、暑苦しさから途中で目が覚めたり眠りが浅くなったりする可能性があります。朝までぐっすり眠るためにも、熱帯夜はエアコンを一晩中つけておくと良いでしょう。
また、「エアコンはつけっぱなしだと体に悪い」というイメージを持たれやすいですが、基本的には問題ないといわれています。ただし、体が冷えると体調不良に繋がる可能性があるため、適切な温度を保ちましょう。
久野伸夫
めぐろ内科クリニック 院長
低温環境下では眠りが浅くなり中途覚醒が増えることがわかっています。冷風が直接当たるような場合、その都度眠りが浅くなり覚醒へと向かいます。
また、体が冷えたまま朝を迎えると、血行不良から内臓が冷えで体が重くだるい感じになったり、筋肉が硬直して体のこわばった感じが現れたりします。
冷房をつけっぱなしにした場合デメリットはある?
熱帯夜はエアコンを一晩中つけておくと快適な室温を保ちやすくなります。とはいえ、つけっぱなしによるリスクやデメリットがないか不安な方もいるでしょう。とくに「電気代が高くつくのでは」という点が気になるところです。
しかし、エアコンはつけっぱなしで使っても、電気代が極端に高くなることはありません。むしろ、こまめにスイッチをオン・オフするより、エアコンをつけっぱなしにしたほうが消費電力を抑えられ、電気代が安くなるといわれています。
ただし、スイッチがオフの状態で作動する機能が搭載されたエアコンを使っている場合、「つけっぱなしにするとその機能が使えなくなってしまう」というデメリットが発生するので注意してください。
このようなエアコンを使っている方は、必要に応じてスイッチを一時的にオフにするなどして対応しましょう。
扇風機と併用して使う
エアコンの冷房をつける際は、扇風機やサーキュレーターと併用して使うことをおすすめします。冷たい空気は下に溜まる性質を持っているため、下に溜まった冷たい空気を扇風機など循環させると寝室全体を涼しくすることが可能です。
就寝30分前にエアコンをつけて上側に風をあてておく
夏の暑い夜は天井や壁に熱がこもりやすく、エアコンをつけてから寝室の温度が下がるまでに時間がかかる場合があります。そのため、エアコンは就寝時につけるのではなく、就寝30分前につけておくことをおすすめします。
また、できれば上側に向けて風をあてておくと良いでしょう。上にある冷たい空気は下に下がる仕組みのため、上側に向けて風を当てると温度のムラがなく、部屋全体を快適な温度に保ちやすくなります。
寝る時にエアコンを使う際のコツ【暖房編】
続いて、エアコンを暖房として使うコツを紹介します。
最適な温度は22℃~23℃、湿度は50%〜60%
冬の寝室の理想的な温度は22℃〜23℃です。温度を上げすぎてしまうと、暑苦しさを感じて眠れなくなってしまう可能性もあるので注意してください。
また、暖房範囲を小さくするためにも、エアコンの使用時はドアやクローゼットなどの隙間を閉めておくと良いでしょう。
このほか、湿度にも気を配ることが大切です。冬の季節は乾燥しやすく、喉の痛みなど体の不調に繋がる場合があります。健康な状態を維持するためにも、寝室の湿度は50%〜60%を目安に保ちましょう。
久野伸夫
めぐろ内科クリニック 院長
湿度が低く乾燥した状態では、寝ている間に鼻やのどが乾燥し風邪などを引きやすくします。そのため鼻水やのどの痛みなどの症状で睡眠の質を落としてしまいます。
一晩中つけておく
快適に眠るためにも、エアコンは一晩中つけておくことをおすすめします。一晩中エアコンをつけることに抵抗がある方は、電気毛布や湯たんぽを使うなどして温度の低下に備えましょう。
なお、冷房と同様に、エアコンの仕様によっては、必要に応じてスイッチを一時的にオフにするなどして対応しましょう。
暖房は就寝30分前につけておく
暖房をつけるタイミングは、就寝30分前がおすすめです。寝室の温度が低いと、寒さにより入眠がしにくいでしょう。
しかし、就寝30分前に暖房をつけておけば、ベッドに入るタイミングで丁度良い温度に調整されるため、入眠しやすくなります。
エアコンを使う以外にも睡眠の質を高める方法はある
熟睡するために睡眠の質を高めたい方は、エアコン以外の要素にも目を向けてみましょう。睡眠の質は室温や湿度を調節するだけでなく、下記の方法でも高めることができます。
- ストレッチなど体を軽く動かす習慣をつける
- 就寝90分〜120分前に入浴する
- 温かい飲み物を飲んで体温を上昇させる
- 夕食は就寝3時間前までに済ませる
- 心身をリラックスさせる
- 体に合った寝具を使う
以下ではそれぞれの方法について解説するので、睡眠の質を高めたい方はぜひ実践してみてください。
ストレッチなど体を軽く動かす習慣をつける
普段運動する機会が少ない方は、ストレッチなどで体を動かす習慣をつけることをおすすめします。運動する習慣があると寝つきが良くなり、睡眠の質をより高めることができます。とくに夕方から夜にかけての運動は効果的なので、時間に余裕がある方は意識すると良いでしょう。
ただし、激しい運動は睡眠を妨げてしまう場合があるので注意してください。睡眠の質を高めるために運動をするのなら、ストレッチやウォーキングなど、軽い内容の運動に留めましょう。
また、就寝前にストレッチをすると体の緊張をほぐすことができるため、より眠りやすくなります。寝つきが良くない方は、ぜひ試してみてください。
就寝90分〜120分前に入浴する
人の体は、深部体温が低くなると眠くなる仕組みになっています。そのため、寝つきを良くしたい方は就寝前に深部体温を下げるように工夫しましょう。
就寝時間の90分〜120分前に入浴をすると、深部体温は上昇し、お風呂上がりに下がります。体温が下がる際に眠気が訪れてくれるので、よりスムーズに入眠することが可能です。
ただし、お風呂の温度が熱すぎたり、入浴の時間が長すぎたりすると体が覚醒してしまうので注意してください。入浴の温度と時間は、38℃のぬるめのお湯で25分~30分程度、半身浴の場合は約40℃のお湯で30分程度がおすすめです。
久野伸夫
めぐろ内科クリニック 院長
お湯の温度が42℃以上の高温浴では交感神経が刺激され心身が活性化します。一方、40℃程度までの湯温では副交感神経が働きリラックスできることがわかっています。
また、入浴時間が長いと、汗をかくため脱水状態となり、体にストレスがかかるため交感神経が活発になると考えられます。
温かい飲み物を飲んで体温を上昇させる
深部体温をコントロールして睡眠の質を高めたい方は、入浴だけでなく温かい飲み物を飲むのもおすすめです。
就寝前に温かい飲み物を飲めば、体温が上昇した後に下がっていく過程で眠気を誘発させることができます。
また、飲み物には数多くの種類がありますが、就寝前に飲む場合は白湯やホットミルクなど、刺激が少なく落ち着けるものがおすすめです。ただし、アルコールやカフェインが入っている飲み物は、睡眠の妨げとなるので注意してください。
夕食は就寝3時間前までに済ませる
睡眠の質を高めたい場合、夕食は就寝の3時間前までに済ませておくのが理想です。就寝直前に夕食をとってしまうと睡眠中に消化活動が行われる影響により、睡眠の質が下がる可能性があります。
消化活動は、一般的に2時間〜3時間かかるといわれています。そのため、就寝の3時間前までに夕食を済ませておけば、消化活動に睡眠を妨げられずに眠ることができるでしょう。
心身をリラックスさせる
「眠る前に考えごとをしてしまい、なかなか寝つけない」といった経験のある方もいるのではないでしょうか。このように心身が緊張状態だと眠りにくくなってしまうため、就寝前はリラックスすることが重要です。
「アロマオイルを焚く」「ヒーリングミュージックを聴く」「読書する」など、リラックスする方法はさまざまあります。就寝前に心身が落ち着かない場合は、自分に合ったリラックス方法を試してみましょう。
体に合った寝具を使う
睡眠の質を高めるには、普段使っている枕やマットレスなどの寝具にこだわることも大切です。寝室の温度を眠りやすい状態に保てていても、「枕が高すぎる」「マットレスが硬すぎる」など寝具が体に合っていないと、寝づらさを感じます。
普段寝にくさを感じている方は、この機会に体に合った寝具に買い替えてみると良いでしょう。
NELLマットレスは、一般的なマットレスに使用されるコイル数の約2倍以上のポケットコイルを使用し、優れた体圧分散性と適度な反発力があるため、寝返りがしやすく綺麗な寝姿勢が得られます。
また、NELLマットレスなら「120日間フリートライアル期間」が設けられています。
自宅で実際に使用しながら、自分の体に合っているかどうかをじっくり試せるので、この機会にぜひNELLマットレスを検討してみてください。
NELLマットレスの詳細は、こちらから確認できます。
まとめ
「寝る時にエアコンをつけるのは体に良くない」と思われやすいですが、適度な温度や湿度を保てていれば問題ありません。エアコンをつけずに我慢していると寝つきが悪くなってしまう可能性があるため、寒さや暑さを感じた時は積極的に使うことをおすすめします。
また、睡眠の質を高めるためには、自分の体に合った寝具を使う、普段から体を動かすなど、寝室の温度以外の要素も意識することが大切です。
普段あまり眠れていない方は、ぜひこの記事を参考に睡眠の質を改善してください。