目の下のクマが気になっている方のなかには、睡眠不足や不眠症が原因だと感じている方もいらっしゃるかもしれません。顔の目立つ位置にあるクマは見た目的にも気になるため、できるだけ早く対処したいでしょう。
気になるクマを解消させるためには、クマができる理由を把握したうえで、適切な対処法に取り組むことが大切です。
この記事では、クマの原因が睡眠不足によるものなのか、ほかの原因なのか、判別する方法などを解説します。クマが気になる時の対処法や日頃からできる予防法なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
クマと不眠症の関係性を解説
そもそも、クマと睡眠に関係性はあるのでしょうか。ここでは、不眠症がクマの原因となるのかどうか、以下の2点について解説します。
- 不眠症とは何か
- 不眠症とクマの関係性
目の下のクマの原因を知るために、睡眠障害の一つである不眠症についても理解しておきましょう。
不眠症とは生活に影響を及ぼす睡眠トラブルが続く病気のこと
不眠症とは、睡眠に関するトラブルが1ヶ月以上続き、日中に眠気が生じたり集中力が低下したり、日常生活に影響を及ぼす病気のことです。
不眠症には入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害という4種類があり、それぞれ特徴が異なります。不眠症の種類と特徴は、以下の表のとおりです。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 入眠障害 | なかなか寝付けず、眠るまでに30分〜1時間以上かかる |
| 中途覚醒 | 眠りについたあとの眠りが浅く、何度も目が覚める |
| 早朝覚醒 | 本来起きる予定の時間よりも2時間以上前に目が覚め、再び眠れない |
| 熟眠障害 | 睡眠時間は十分とっているのに、ぐっすり眠った感じがしない |
不眠症のなかで最も多い症状は、入眠障害だといわれています。
また、不眠症の症状には個人差があり、不眠症だからといって上記4種類すべての症状があらわれるわけではありません。一つだけ症状があらわれるケースや複数あらわれるケースなど、人によって症状の出方はさまざまです。
不眠症でクマができることもある
目の下のクマは、不眠症が原因となってできることもあります。不眠症の症状の一つに睡眠不足がありますが、睡眠不足は目の下のクマを引き起こす原因となるものです。
睡眠不足になると血行不良に陥り、血液の酸素濃度が低下して血液の色が黒っぽくなるため、血色が悪くなった血管が皮膚の薄い目の下にクマとしてあらわれます。
つまり、不眠症だからといって必ずクマができるのではなく、不眠症による睡眠不足がクマを引き起こしている可能性があるということです。
不眠症は病気なので、自己流の努力で完治させられるものではありません。もし不眠症かもしれないと感じたら、医療機関を受診して適切な診断を受けましょう。
目の下のクマには3つの種類がある
前述のとおり、目の下のクマは睡眠不足によってできることがあります。しかし、クマができる原因は睡眠不足以外にもあり、クマがあるから必ず睡眠不足だというわけではありません。
目の下のクマは大きく分けて以下の3種類があり、それぞれ原因が異なります。
- 寝不足によってできる「青クマ」
- くすみや色素沈着が原因の「茶クマ」
- 肌のたるみが影のように見える「黒クマ」
それぞれのクマについて、原因をわかりやすく解説します。
寝不足によってできる「青クマ」
睡眠不足や不眠症によってできるクマは、「青クマ」に該当します。
睡眠不足だけでなく、パソコンやスマホ操作によって目を酷使することや、冷え性による血行不良なども、青クマが発生する原因の一つです。
前述したように、目の周りで血行不良が起こると血液の酸素濃度が低くなり、暗い色になった毛細血管が皮膚から透けて見えることで、青っぽいクマがあらわれます。
自分のクマが青クマかどうか判別するには、目の下のクマを引っ張ってみてください。もしクマが薄くなれば、青クマである可能性が高いといえます。
くすみや色素沈着が原因の「茶クマ」
「茶クマ」は、くすみや色素沈着によって起こるもので、睡眠不足とは関係ありません。肌への摩擦やメイク残りなどが原因となって、茶色いクマのように見えます。
目の下を引っ張った時に、クマも一緒に動くようであれば茶クマだといえるでしょう。茶クマは青クマのように皮膚内部の色ではなく、皮膚の表面についた色なので、皮膚を引っ張った時には皮膚と同じように動きます。
肌のたるみが影のように見える「黒クマ」
「黒クマ」は、目の下の段差が影になって暗く見えている状態です。肌にハリがなくなってたるんだり、筋肉が衰えたりすることによって目立ちやすくなります。
目の下の筋肉が衰えてできるクマなので、茶クマ同様、睡眠不足とは関係ないといえるでしょう。目の回りの脂肪がたるんだり膨らんだりするのは、加齢による影響が大きいようです。
目の下を引っ張ってたるみをなくした時に、クマが薄くなれば黒クマである可能性が高いといえます。
不眠症や睡眠不足による青クマへの対処法
目の下にできたクマを引っ張ってみて、青クマだと判別できた場合、青クマを解消させるための対策に取り組みましょう。ここからは、睡眠不足が原因で青クマができた時に使える、おすすめの対処法を2つ紹介します。
青クマの対処法として取り組める2つの方法は、以下のとおりです。
- マッサージで目元の血行を促す
- 蒸しタオルで目元を温める
ただし、青クマができる原因が不眠症かもしれないと感じているなら、まずは医療機関を受診しましょう。不眠症であれば、医師による適切な診断やアドバイスを受けながら、目の下の血行不良の改善を目指していくことを推奨します。
以下の対処法は、目の下の青クマが不眠症と関係していないケースでのみ試すようにしてください。
マッサージで目元の血行を促す
目の下の血行を促すためには、マッサージする方法がおすすめです。指に力が入りすぎないように、薬指で優しく目元をほぐしましょう。
目元のマッサージは、以下の手順で行います。
- 目頭から目尻へ、円を描くように目の周りをマッサージする
- こめかみや耳の周りを優しくマッサージする
血液の流れを意識しながら3回ほど繰り返し、優しくマッサージして血行を促しましょう。
また、目の周囲は皮膚が薄いため、クリームやオイルなどを使ってすべりを良くして、皮膚に負担がかからないように注意してください。
蒸しタオルで目元を温める
血行を良くするためには、蒸しタオルで目元を温めるのも効果的です。電子レンジを使用すれば簡単にできるので、ぜひ試してみてください。
蒸しタオルの作り方は、以下のとおりです。
- タオルを水で濡らして、適度に水分が残るように絞る
- タオルを丸めて電子レンジに入れ、600Wで30秒〜1分ほど温める
上記の手順で作った蒸しタオルを目の上にのせて、2〜3分程度そのままにしてじっくりと目元を温めましょう。
ただし、熱すぎる蒸しタオルは火傷の恐れがあるため、気持ちいい温度になるまで冷ましてから使ってください。
睡眠不足を改善させるために生活習慣を見直す方法
睡眠不足による青クマが気になるなら、そもそも睡眠不足にならないように努めることも大切です。睡眠不足を改善するには、生活習慣を見直して睡眠の質を向上させましょう。
生活習慣を見直すポイントは、以下の4つがあります。
- 食事の内容やタイミングに気を付ける
- 適度な運動を習慣にする
- ゆっくり入浴して血行を促進させる
- 快適に眠れるように就寝環境を整える
それぞれ詳しく解説するので、ぜひ日常に取り入れてみてください。
食事の内容やタイミングに気を付ける
朝食をしっかり食べると体内時計をリセットできます。3食きちんと食べて規則正しい食生活を心がけましょう。体内時計が整えば、朝起きて夜に眠るという生活リズムが作られるため、夜になると自然な眠気が促されやすくなります。
一方、脳が覚醒するのを避けるために、就寝前にアルコールやカフェインを摂取することは控えてください。消化活動が睡眠を妨げることもあるため、就寝3時間前には食事を済ませておくことも大切です。
また、食事によって血行を促進したい場合は、葉酸や鉄分が含まれている食材を取り入れる方法もあります。体を温めて血行を促すためには、温かい飲み物を飲む方法もおすすめです。
適度な運動を習慣にする
血行不良によって生じる青クマを改善するために、適度な運動を行って血行を促進しましょう。運動によって体が疲れると、夜になって自然な眠気が促されるメリットもあります。
適度に汗をかく運動としては、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。人間は、体温が上昇して下降するタイミングで眠気が促されるため、運動を行うのは就寝時刻の3時間ほど前が理想的だとされています。
激しい運動は刺激となり、逆に目を覚ましてしまうことがあるため、運動の内容と取り組むタイミングには注意してください。
ゆっくり入浴して血行を促進させる
青クマは血行不良が原因で起こるため、体を温めて血行を良くしましょう。お風呂をシャワーで済ませるのではなく、日頃から湯船にしっかり浸かって、全身を温めるとより効果が期待できます。
入浴で睡眠の質を向上させるには、就寝する約90～120分前に、38℃のぬるめのお湯で25分～30分程度ゆっくり浸かる方法がおすすめです。
この時、ストレスや疲れがたまっている方は、お気に入りの入浴剤でリラックスすると良いでしょう。就寝前にリラックスし、自律神経のうち「副交感神経」が優位な状態になると、体を休めるモードに切り替わるためスムーズな入眠が期待できます。
快適に眠れるように就寝環境を整える
毎日快適に眠りたいなら、寝室や寝具などの就寝環境を整えることも大切です。
まず、寝室を快適な空間に保つために、温度と湿度を調整しましょう。温度は、夏場は25℃〜26℃、冬場は22℃〜23℃に設定し、湿度は通年50％〜60％が理想的だとされています。
また、照明を消して暗くする、静かな環境で眠るなど、落ち着いて眠れる環境を用意してください。真っ暗な環境で眠るのが不安な方は間接照明を利用し、寝る前に音楽を聴きたい方はタイマー機能を活用すると良いでしょう。
さらに、就寝中の肌に直接触れる寝具は、自分にとって快適に感じるアイテムを揃えると睡眠の質が向上しやすくなります。マットレスや枕は、自分の体に合っており寝心地良く感じるものを選びましょう。
パジャマはジャージやスウェットではなく、体を締め付けないものを着用するとリラックスしやすくなります。夏場は通気性が良い素材、冬場は保温性が高い素材など、季節に合わせて素材を使い分けると、より快適な眠りに繋がるでしょう。
まとめ
睡眠不足と目の下にできるクマには、関係性があると考えられています。単なる睡眠不足でなく不眠症を疑う場合は、医療機関を受診して適切な診断を受けましょう。
クマは大きく分けて3種類ありますが、睡眠に関係しているのは青クマです。青クマは睡眠不足が引き起こす血行不良によってできるため、マッサージや蒸しタオルで血行を促進させて対策を行いましょう。
また、睡眠不足による青クマを改善するには、睡眠の質を向上させることも重要です。この記事で紹介した方法を取り入れながら、食事や運動、入浴といった生活習慣を見直すことで、青クマの解消を目指していってください。
