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2024.01.22 更新

【医師監修】呼吸法で睡眠の質アップ?入眠時に取り入れたい4つの方法も解説

【医師監修】呼吸法で睡眠の質アップ?入眠時に取り入れたい4つの方法も解説

呼吸を意識することで快眠できるようになるといわれていますが、どういった要素が睡眠に影響を与えているのでしょうか。

また、呼吸法を実践するために、睡眠に良いといわれている呼吸法の種類、およびそれらの方法についても、気になる方も多いでしょう。

この記事では、睡眠に良い呼吸法、呼吸法で快眠できる理由、睡眠に良い呼吸法の種類などについて、説明します。

  1. 睡眠に良い呼吸法とは
  2. 呼吸法で快眠できる理由
  3. リラックス効果がある
  4. 体を温める
  5. 呼吸に集中することで眠りやすくなる
  6. 睡眠に良い呼吸法の種類
  7. 腹式呼吸法
  8. 丹田呼吸法
  9. 呼吸カウント法
  10. ヨガの呼吸法
  11. 呼吸法以外で質の良い睡眠を取る方法
  12. 寝る前にストレッチなど軽く体を動かす
  13. 就寝3時間前までに夕食を摂り、規則正しい食生活を意識する
  14. 就寝時間の約90~120分前に入浴する
  15. 温かい飲みもので体温を上昇させる
  16. 就寝前のアルコールやカフェインの摂取を控える
  17. アロマを焚いたり心地良い音楽を聴いたりしてリラックスする
  18. 体に合う寝具(マットレスや枕など)を使う
  19. まとめ

睡眠に良い呼吸法とは

睡眠に良い呼吸法とは

自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。普段は交感神経が優位ですが、質の良い睡眠をとるためには、入眠する際に自律神経を交感神経優位から副交感神経優位に変えていくことが重要です。

副交感神経を優位にする方法はさまざまですが、その中の一つが「呼吸法」です。呼吸法を意識することで、寝付きが良くなる可能性があります。

呼吸法で快眠できる理由

呼吸法で快眠できるようになる理由としては、主に以下のようなことが挙げられます。

  • リラックス効果がある
  • 体を温める
  • 呼吸に集中することで眠りやすくなる

それぞれの理由について、詳しく説明します。

リラックス効果がある

呼吸法の一つである腹式呼吸には、多くの空気を体に取り込むことによって体の不調や心の不安定さを整える作用があります。

緊張やストレスを感じている状態が続くと、呼吸をきちんと行えなくなり、体に十分な酸素を送れなくなります。

腹式呼吸を行うことで刺激や不安を取り除いてリラックスできるので、寝付きが良くなることが考えられます。

体を温める

呼吸に意識を向けて横隔膜を大きく動かすことで、内臓が刺激されて血流が良くなります。

人間の体は深部体温が下がることで、自然と眠気を感じるようになっています。そのため、呼吸に意識を向けて一度体を温めることで、その後の快適な眠りに繋がるでしょう。

呼吸に集中することで眠りやすくなる

呼吸を意識することで呼吸に集中できるので、呼吸以外の余計な情報をシャットアウトすることができます。

現代はさまざまな情報を気軽に得られるようになってきていますが、そのせいで頭の中に色々な情報が常に存在するようにもなっています。

呼吸に集中すると、余計な情報をカットして気分を落ち着かせることができるので、眠りやすくなります。

睡眠に良い呼吸法の種類

睡眠に良い呼吸法の種類としては、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 腹式呼吸法
  • 丹田呼吸法
  • 呼吸カウント法
  • ヨガの呼吸法

それぞれの呼吸法について、詳しく説明します。

腹式呼吸法

腹式呼吸法は、体内の空気をすべて吐き出し、その後お腹を空気で膨らませるようなイメージで鼻から空気を吸い込む呼吸法です。

お腹に空気がしっかりたまったと感じたら、吸った時の倍程度の時間をかけて、口からゆっくりと吐き出します。

これを繰り返すことで、交感神経優位の状態から副交感神経優位の状態に切り替えることができるので、睡眠の質が高まることが期待できます。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

腹式呼吸を意識する時は、仰向けになり、お腹に手をのせてお腹の動きを感じます。両膝をたてたほうが横隔膜の動きを感じやすいでしょう。

丹田呼吸法

丹田呼吸法は、おへその数cm下あたりにある「丹田」を中心として、お腹をしっかりと動かす呼吸法です。

下半身が安定するように軽くあぐらをかき、背筋をピンと伸ばして軽く目を閉じ、右手または両手を丹田に置きます。丹田に意識を集中させて、身体の中にある空気をすべて口から吐き出し、その後、鼻から空気を吸いましょう。

その後、少し長めに口から息を吐きます。息を吸うのも吐くのもゆっくりと行うことが重要です。

息を吸った時お腹が膨らみ、吐いた時お腹がへこんだ状態になることを意識して、これを10回程度繰り返します。そうすることで副交感神経優位の状態になり、睡眠の質が向上します。

呼吸カウント法

呼吸カウント法は、その名のとおり息を吸って吐いてという動作を、カウントしながら行う呼吸法です。代表的なものに「4-7-8呼吸法」があり、その具体胃的なやり方は以下のとおりです。

  1. 息を完全に吐き切る
  2. 鼻から息を吸いながら4つ数える
  3. 息を止めて7つ数える
  4. 息をゆっくり吐き出しながら8つ数える

呼吸に意識を持っていくことで、余分な情報を遮断して眠りやすい状態に持っていくことができます。

ヨガの呼吸法

ヨガは呼吸に大きな比重を置いているため、呼吸法にも胸式呼吸法、ウジャイ呼吸法など、いろいろな種類があります。

胸式呼吸法は胸の部分に意識を向けて、肺を広げて行う呼吸法です。姿勢を整えて息を吸いながら胸を広げることで、肺が大きく広がります。睡眠の質を高めたい時だけでなく、気分転換したい時や気持ちをリフレッシュさせたい時にも効果的です。

ウジャイ呼吸法は、喉の奥を閉じて行う呼吸法です。息を吸う時も吐く時も、喉に意識を向けながら呼吸を行います。睡眠の質を高めるだけでなく、集中力を高めるなどの効果も期待できます。

呼吸法以外で質の良い睡眠を取る方法

呼吸法は睡眠の質を向上させるのに効果的な方法の一つですが、呼吸法以外で質の良い睡眠を取る方法としては、主に以下のようなことが挙げられます。

  • 寝る前にストレッチなど軽く体を動かす
  • 就寝3時間前までに夕食を摂り、規則正しい食生活を意識する
  • 就寝時間の約90~120分前に入浴する
  • 温かい飲みもので体温を上昇させる
  • 就寝前のアルコールやカフェインの摂取を控える
  • アロマを焚いたり心地良い音楽を聴いたりしてリラックスする
  • 体に合う寝具(マットレスや枕など)を使う

それぞれの方法について、詳しく説明します。

寝る前にストレッチなど軽く体を動かす

上述したように、人の体は「深部体温」が下がることで眠気を感じるようになっています。

通常は手足などの末端部分から熱を放出して温度を下げていますが、これが上手く行われないと睡眠の質が下がる可能性が考えられます。

足裏や手先といった末端部分のストレッチを行って血行を良くし、熱を上手く放出できるようにすることで、睡眠の質を高められるでしょう。

就寝3時間前までに夕食を摂り、規則正しい食生活を意識する

規則正しい食生活を心がけることも、睡眠の質を向上させるためには重要です。寝る直前に食事をすると、食べたものを消化するために胃腸が活発に動いている状態で眠りにつくことになります。

胃腸が活発に動いている分、肉体が熟睡できない状態になっているので、睡眠の質は低下してしまいます。

食べたものを胃腸が分解し終えるには、約3時間が必要なので、就寝時間の3時間前までには夕食を食べ終えておくよう心がけましょう。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

一方で、就寝直前の飲水は胃腸の働きには関係ありません。ただし、尿意によって夜間目覚めてしまうことを考えると、就寝直前の飲水は控え、1時間前までにしておいたほうが良いでしょう。

就寝時間の約90~120分前に入浴する

寝る直前の入浴は、睡眠の質を高めるうえでは好ましくありません。そのため、就寝時間の約90~120分前に入浴することを意識しましょう。

お湯の温度および入浴時間は、38℃のぬるめのお湯に25分~30分程度浸かることがおすすめです。そうすることで副交感神経が優位になり、睡眠の質が高められるでしょう。

熱いお風呂に浸かることがお好きな方もいると思いますが、熱いお風呂に入ると交感神経が優位になります。交感神経が優位になると興奮状態になってしまい眠りにくくなるので、睡眠の質を高めるという観点からはおすすめできません。

温かい飲みもので体温を上昇させる

温かい飲みものは、体の内側から体温の上昇を促すのに役立ちます。

上述したように、体温が下がる時に自然と眠気も生じるので、睡眠前のリズムを整えるのにおすすめです。白湯やカモミールティーといったノンカフェインのものを選ぶと良いでしょう。

就寝前のアルコールやカフェインの摂取を控える

アルコールは神経に作用したり代謝によって尿意をもたらしたりする可能性があるので、就寝前に摂取する「寝酒」は避けましょう。

また、カフェインにも覚醒作用があるため、コーヒー・緑茶・チョコレートといったカフェインを含むものを摂取することも、就寝の3〜4時間前から控えるようにしましょう。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

糖質が大量に含まれている飲みものや、冷たすぎる飲みものを摂取すると、消化器に負担がかかるため就寝前の摂取は避けたほうが良いでしょう。

アロマを焚いたり心地良い音楽を聴いたりしてリラックスする

リラックスすることで副交感神経が優位になり、眠りにつきやすくなります。

リラックスするための方法は人それぞれなので、上述したようにぬるめのお風呂にゆっくりと浸かったり、アロマを焚いたり好きな音楽を聴いたりするのも良いでしょう。

ただし、ゲームなどは画面からの強い光が影響して眠りにくくなるので、睡眠前のリラックス方法としてはあまり好ましくありません。

体に合う寝具(マットレスや枕など)を使う

睡眠環境を見直して体に合った寝具を使うことでも、眠りの質を高められる可能性があります。今利用しているものよりも自分に合った寝具を選ぶことで、熟睡できるようになるかもしれません。

特に寝具の硬さや体圧分散性は睡眠の質に大きく影響するので、それらの点を意識して寝具選びを行うことで、睡眠環境を効果的に改善できるでしょう。

まとめ

呼吸法にはリラックス効果や体を温める効果があるので、呼吸を意識することは睡眠の質を高めることに繋がります。睡眠に良い呼吸法としては、丹田呼吸法や呼吸カウント法などが挙げられるので、自分にとってしっくりくる方法を実践すると良いでしょう。

また、呼吸法以外にも睡眠の質を高めるのに効果的な方法はあります。寝る前にストレッチをしたり、暖かい飲みものを飲むようにしたりして、睡眠の質を高めることを意識してみてください。

この記事の監修者
齋藤幹
齋藤幹さいとう内科・循環器クリニック院長
1996年北海道大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院にて内科研修。その後東京大学医学部付属病院(循環器内科)や専門病院での経験を経て、2019年に「さいとう内科・循環器クリニック」を開業。医学博士、内科認定医、総合内科専門医、循環器専門医・指導医、臨床研修指導医。
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