普段から寝不足気味で悩んでいる方の中には、「昼寝で寝不足を解消できるのでは」と思っている方もいるのではないでしょうか。適切な昼寝の時間や効果的な昼寝の方法を知りたい方もいるかと思います。
この記事では、昼寝は寝不足に効果的か、昼寝にはどのような効果があるか、昼寝を行う際の注意点などを説明します。
また、そもそも寝不足にならないために睡眠の質を向上させる方法についても把握しておくことがおすすめです。
- 昼寝は寝不足に効果的?
- 昼寝の効果
- 仕事効率・学習能力の向上
- 集中力の向上
- リフレッシュ効果
- 疲労回復
- 覚醒作用
- 効果的な昼寝のポイント
- 昼寝は15〜30分程度に抑える
- 昼寝をする時間は午後3時前
- 暗く静かな環境がおすすめ
- 昼寝前にカフェインを摂取する
- 昼寝の注意点
- 長く寝過ぎない
- 布団で寝ない
- 寝不足は質の高い睡眠で解消しよう
- 寝る前にストレッチなど軽く体を動かす
- 就寝3時間前までに夕食を摂り、規則正しい食生活を意識する
- 就寝時間の約90~120分前に入浴する
- 温かい飲み物で体温を上昇させる
- 就寝前のアルコールやカフェインの摂取を控える
- アロマを焚いたり心地良い音楽を聴いたりしてリラックスする
- 体に合う寝具(マットレスや枕など)を使う
- まとめ
昼寝は寝不足に効果的?
寝不足状態での昼寝には、一定の効果があります。ただし、昼寝によって寝不足そのものが解消するわけではないことは、きちんと認識しておかなければなりません。
寝不足が蓄積されると、睡眠負債を抱えることになります。睡眠負債とは、寝不足が蓄積されて陥る慢性的な睡眠不足で、睡眠負債を抱えると仕事などのパフォーマンスの低下にも繋がります。パフォーマンスを落とさないためにも、寝不足は早めの解消を心がけましょう。
昼寝の効果
昼寝で寝不足を解消できるわけではありませんが、以下のような効果が期待できます。
- 仕事効率・学習能力の向上
- 集中力の向上
- リフレッシュ効果
- 疲労回復
- 覚醒作用
それぞれの効果について、詳しく説明します。
仕事効率・学習能力の向上
昼寝で認知力や注意力が高まることが見込まれるため、仕事や勉強へのモチベーションを維持できます。そのため、仕事の効率や学習能力の向上が期待できるでしょう。昼寝をする時間の分だけ仕事や勉強の時間は削られますが、起きた後で十分なパフォーマンスを発揮できます。
集中力の向上
寝不足が続くと注意力が散漫になり、集中力も低下します。思考の柔軟性もなくなるため、特にクリエイティブな発想は難しくなるでしょう。昼寝は、集中力や注意力を一定以上に維持する、または高めるために、効果的です。
リフレッシュ効果
昼寝をして脳を一度スッキリさせることで、リフレッシュ効果が期待できます。特に昼食の後は、血糖値も高くなって頭がボーッとなりやすいため、短時間昼寝をして頭をスッキリさせることで、仕事や勉強にも取り組みやすくなります。
疲労回復
朝起きてから脳をずっと働かせて続けていると、疲労が溜まってしまいます。昼寝によって、脳内に蓄積した疲労の解消が可能です。
覚醒作用
脳が疲れていると、ぼんやりした状態で仕事や勉強を行うことになります。昼寝により脳の状態が一度リセットされるため、適度に覚醒した状態を維持できるでしょう。ぼんやりした状態と覚醒した状態では仕事の生産性も大きく変わってきます。
効果的な昼寝のポイント
昼寝を効果的にするためには、以下に挙げるポイントを意識することが重要です。
- 昼寝は15〜30分程度に抑える
- 昼寝をする時間は午後3時前
- 暗く静かな環境がおすすめ
- 昼寝前にカフェインを摂取する
それぞれのポイントを詳しく説明します。
昼寝は15〜30分程度に抑える
昼寝をする場合、寝すぎるのは好ましくありません。目安の時間としては、15~30分程度です。それ以上の時間になってしまうと体が熟睡モードに切り替わってしまい、目覚めが悪くなります。
昼寝をする時間は午後3時前
昼寝をするタイミングも重要です。昼寝の効果が高まる時間帯は起床から約8時間後とされています。自身の起床時間を踏まえて考える必要がありますが、7時起きの場合は午後3時前の昼寝がおすすめです。昼寝の時間が遅すぎると、その日の晩の寝つきが悪くなる可能性があります。
暗く静かな環境がおすすめ
昼寝を短時間で済ませるためには、寝ようと思ったタイミングですぐに寝る必要があります。寝入りを容易にするためには、暗く静かな環境がおすすめです。職場に仮眠室や休憩室などがあれば使用しましょう。暗さに関してはアイマスクを使用するか机にうつ伏せで寝ることがおすすめです。
昼寝前にカフェインを摂取する
昼寝の後、スッキリと目覚めることも重要です。適切な時間でスッキリと目を覚ますためには、事前にカフェインを摂取しておくことがおすすめです。昼寝をしている間に血液中のカフェイン濃度が高まるため、覚醒しやすくなります。カフェインの効果は30分程で発揮されるため、昼寝の前に飲んでおくと、スッキリと目を覚ましやすいでしょう。
昼寝の注意点
昼寝をする際には、「長く寝すぎない」「布団で寝ない」といったことに注意する必要があります。それぞれの注意点について、以下で詳しく説明します。
長く寝過ぎない
昼寝の時間が長過ぎると、起きた時に依然として睡眠が続いているような状況になることがあります。これは睡眠慣性と呼ばれており、倦怠感や頭がぼんやりとした症状が続いてしまいます。また、長めの昼寝をすると、その日の晩の寝つきが悪くなることがあります。そういった点も踏まえて、昼寝の時間は15〜30分程度に抑えるようにしましょう。
布団で寝ない
昼寝はあくまでも「軽い睡眠」なので、本格的に眠るものではありません。布団などで横になってしまうと体が熟睡モードに入ろうとするので、スッキリと目覚められなくなります。横にならない状態であれば、首にある交感神経節が適度に刺激されるので、熟睡を防ぐ効果があります。
職場で仮眠室を使用する時は、布団が用意されている場合でも、布団で横にはならずにゆったりとリラックスできる姿勢での昼寝を心がけましょう。
寝不足は質の高い睡眠で解消しよう
睡眠不足や睡眠負債は、昼寝完全に解消できるわけではありません。そのため、日頃から質の高い睡眠を心がけ、なるべく睡眠負債を抱えないよう意識する必要があります。
質の高い睡眠をとるための方法としては、主に以下が挙げられます。
- 寝る前にストレッチなど軽く体を動かす
- 就寝3時間前までに夕食を摂り、規則正しい食生活を意識する
- 就寝時間の約90~120分前に入浴する
- 温かい飲み物で体温を上昇させる
- 就寝前のアルコールやカフェインの摂取を控える
- アロマを焚いたり心地良い音楽を聴いたりしてリラックスする
- 体に合う寝具(マットレスや枕など)を使う
それぞれの方法について、詳しく説明します。
寝る前にストレッチなど軽く体を動かす
人の体は、内蔵の体温である「深部温度」が下がることで、自然と眠気が生じるようになっています。普段は手足などの末端部分から熱を放出して温度を下げていますが、血行が悪いと上手く熱が放出されないためなかなか寝付けず、睡眠の質が低下しやすいです。
足裏や手先といった末端部分のストレッチを行って血行を良くすると、熱を上手く放出できるようになり睡眠の質の向上が期待できます。
就寝3時間前までに夕食を摂り、規則正しい食生活を意識する
規則正しい食生活を心がけることも、睡眠の質を向上させるためには効果的です。寝る直前に食事をすると、食べたものを消化するために胃腸が活発に動いているまま眠ることになりますが、この状態は睡眠に適していません。
そのため、食事をとるタイミングにも注意する必要があります。食べたものを胃腸が分解し終わるには、約3時間が必要なので、寝る時間から逆算して夕食を食べ終える時間を決めましょう。
就寝時間の約90~120分前に入浴する
寝る直前の入浴は、睡眠の質を高めるうえでは好ましくありません。就寝時間の約90~120分前の入浴を意識しましょう。また、入浴時間は25~30分程度、お湯の温度は38℃程度のぬるめが理想的です。そうすると副交感神経が優位の状態になり、睡眠の質の向上に繋がります。
熱いお風呂に入ると、交感神経が優位になって逆に眠りにくくなってしまいます。熱いお風呂に入りたい場合は、入浴時間を短めにして調整しましょう。
温かい飲み物で体温を上昇させる
温かい飲み物は、体の内側から体温の上昇を促す作用があります。上述したように深部体温が下がると眠気も自然と生じるので、睡眠前に温かい飲み物を飲むことは、睡眠のリズムを整えるという点で効果的です。
ただし、カフェイン入りのものを飲むと目が冴えて眠りにくくなるので、ハーブティーや白湯などのノンカフェインのものを選ぶようにしましょう。
就寝前のアルコールやカフェインの摂取を控える
アルコールは、神経に作用したり代謝によって尿意をもたらしたりする可能性があるので、睡眠前の飲酒は控えましょう。また、先ほども少し触れましたが、カフェインには覚醒作用があるため、コーヒー・緑茶・チョコレートといったカフェインを含むものの摂取も、控えることが賢明です。
アロマを焚いたり心地良い音楽を聴いたりしてリラックスする
リラックスすると副交感神経が優位になるので、眠りにつきやすくなります。アロマや音楽など、自分なりの方法でリラックスしましょう。
ただし、スマホの画面など、寝る直前に強い光を長時間見るという行為は睡眠の質を低下させる可能性があるため、スマホやゲームなどでのリラックスは避けることをおすすめします。
体に合う寝具(マットレスや枕など)を使う
睡眠環境を見直して体に合った寝具を使うと、眠りの質を高めやすくなります。特に寝具の硬さや体圧分散性(体にかかった圧力を分散させること)は睡眠の質に大きく影響するので、それらの点を意識して寝具選びを行うと、睡眠環境を効果的に改善できます。
まとめ
昼寝によって寝不足そのものが解消するわけではありませんが、寝不足の状態に対しては一定の効果があります。昼寝には集中力の向上や疲労回復といった効果があるため、頭がぼやけている状態をリフレッシュさせて、仕事の生産性を向上させることが期待できます。
また、昼寝をする場合は15~30分程度に抑えたり、昼寝の前にカフェインを摂取したりといったポイントを意識しましょう。
寝不足を解消するためには、日常的に質の高い睡眠をとることが重要です。寝る前にストレッチをして軽く体を動かしたり、温かい飲み物を飲んで体温を上昇させたりして、質の高い睡眠をとるための習慣を身に付けましょう。