無意識のうちにバンザイ寝になり、夜中や朝に腕がしびれて困った経験がある方もいるのではないでしょうか。
就寝中の寝姿勢は、腕のしびれをはじめとして体にさまざまな影響を与えます。腕のしびれを防ぐためには、正しい寝姿勢を意識することが大切です。
この記事では、バンザイ寝をすると腕がしびれる理由や、体に与える悪影響についてわかりやすく解説します。腕がしびれた時におすすめのストレッチも紹介するので、ぜひ試してみてください。
バンザイ寝をすると腕がしびれるメカニズム
バンザイ寝とは、その名前のとおり両手を上げてバンザイのポーズをして寝る姿勢のことです。
基本的に、体の発達が未熟な赤ちゃんがバンザイ寝をすることが多いですが、なかには大人の方でもバンザイ寝をするケースもあります。
バンザイ寝をすると腕がしびれるのは、両手を上げた状態が続くと、肩や腕の動脈や神経が伸びた状態になり、手の先まで血液が届きにくくなるためです。あるいは、肩や腕が布団から出たままの状態が続き、冷えから血行不良になってしびれることもあります。
なお、腕や体がしびれる理由はバンザイ寝だけではありません。病気をはじめとして、バンザイ寝以外の理由によってしびれが起きている場合もあるため、しびれがひどい時には医療機関を受診することを推奨します。
バンザイ寝をしやすい人の特徴と原因
赤ちゃんがバンザイ寝をするのは普通のことですが、大人の方が頻繁にバンザイ寝をする場合、何らかの原因があると考えられます。バンザイ寝をしやすい人の主な特徴は、以下のとおりです。
- 肩や背中がこっている
- 姿勢が悪い
- 肥満体質
- ストレスを抱えている
肩や背中がこっていると、楽な寝姿勢を求めるうちに、体が無意識にバンザイの姿勢をしてしまうことがあります。腕を広げたバンザイの姿勢をすると、背筋が伸びて筋肉が緩むことから、体が楽に感じるためです。
また、姿勢が悪い人や肥満体質の人は、背中が丸まって呼吸が浅くなりやすい傾向にあります。バンザイ寝をすると胸が広がって呼吸しやすくなるため、無意識に手を上げることがあるようです。
さらに、ストレスを抱えていると呼吸が浅くなって酸素が不足しやすくなるので、酸素を多く取り込むためにバンザイ寝をするケースも考えられます。
なお、鼻が詰まっていたり猫背だったり、寝返りが上手に打てていなかったりなど、ほかにも考えられる原因はさまざまあります。
バンザイ寝は体に悪影響を及ぼす可能性がある
バンザイ寝を続けると、以下のように体に悪影響を及ぼすことがあります。
- 血行不良になる
- 腕や肩が冷える
- 慢性的に体が痛む
長時間バンザイ寝をすると、肩から腕にかけて動脈や神経が伸びた状態になり、血行不良になることがあります。
また、冬にバンザイ寝をすると、腕や肩が布団から出たまま長時間過ごすことになるため、体が冷えやすくなります。腕や肩が固まった状態のまま冷えると筋肉がこりやすくなり、慢性的な痛みに繋がることも考えられます。
バンザイ寝を予防する方法
姿勢の悪さや呼吸の悪さが原因でバンザイ寝をしている場合、これらの原因を解消させることが大切です。
姿勢の悪さを自覚しているなら、昼夜問わず姿勢を正して、前かがみになる姿勢を避けましょう。肩や首の筋肉がこらないように、普段からストレッチでほぐしておくのもおすすめです。
また、体に合わない寝具を使うと寝姿勢が不安定になり、体がバランスをとるためにバンザイ寝をすることがあります。硬すぎず柔らかすぎず、体を正しく支えられるマットレスを使用するとバンザイ寝を予防しやすくなるため、必要に応じて使用を検討してみてください。
もし呼吸が浅くて酸素を取り込めていない状態なら、自律神経を整えてストレスを解消させましょう。ウォーキングやヨガなどの軽い運動で気分転換して、入浴をシャワーで済ませず湯船に浸かれば、血行促進になるうえにリラックスもできます。
バンザイ寝でしびれた時におすすめのストレッチ
バンザイ寝で腕や体がしびれた時は、なるべく早く対処したいものです。ここでは、しびれた時におすすめのストレッチを2つ紹介します。
- 胸の前面のストレッチ
- 逆さま首伸ばしのストレッチ
もし体が動かしにくければ無理せず、必要に応じて専門家に相談してから行いましょう。痛みがひどい場合や長く続く場合は、自分で対処せずに医療機関を受診してください。
胸の前面のストレッチ
胸から腕にかけてしびれた時は、以下の手順でストレッチを行いましょう。
1. 壁の横に立ち、しびれている腕を床と平行に上げ、手のひらを壁につける
2. 手を壁につけたまま、体を少しずつ壁と反対方向にねじる
3. 体が伸びた状態を20秒ほどキープする
胸から腕の筋肉をしっかり伸ばすイメージで行うと、固まっていた筋肉が伸びてしびれが緩和されやすくなります。
逆さま首伸ばしのストレッチ
首から腕にかけてしびれた時には、以下のストレッチがおすすめです。
1. 足を肩幅に開いて立ち、両手を背中側に回す
2. 親指をもう片方の手で握り、腕を伸ばしたまま手を少し上側にあげる
3. 胸を開いて20秒ほどキープする
ストレッチをする時には、背筋を伸ばして胸を開くことを意識すると効果的です。
ここで紹介した2つのストレッチは、毎日続ければ猫背や肩こりの予防にも繋がります。体がしびれた時だけでなく、普段から行って習慣にするのも良いでしょう。
まとめ
両手を上げて眠るバンザイ寝は、姿勢の悪さと呼吸の浅さが主な原因です。バンザイ寝を続けると血行不良や冷え、体の痛みに繋がる可能性があるため、紹介した予防法を実践してみてください。
筋肉がこっているとバンザイ寝になりやすいので、しびれが生じた時だけでなく、毎日ストレッチを行って筋肉をほぐすと良いでしょう。また、寝具が合わない場合もバンザイ寝に繋がることがあるため、硬すぎず柔らかすぎないマットレスの使用をおすすめします。
しびれがひどい場合や長く続く場合は、バンザイ寝だけでなくほかの原因も考えられるため、一度医療機関を受診して適切な診察を受けましょう。