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2022.11.28

【医師監修】睡眠と骨の成長の関係は?眠りの質を高める方法や骨を丈夫にする食品も紹介

【医師監修】睡眠と骨の成長の関係は?眠りの質を高める方法や骨を丈夫にする食品も紹介

「寝る子は育つ」と昔からいわれているように、睡眠は体の成長において重要な要素の一つです。骨の成長にも睡眠は影響しており、質の高い睡眠をとるほど丈夫な骨を作りやすくなります。

この記事では、睡眠と骨の成長の関係性や質の高い睡眠をとる方法を紹介します。

  1. 睡眠と骨の成長の関係性
  2. 質の高い睡眠は骨粗しょう症の対策にも繋がる
  3. 睡眠の質を高める方法
  4. 就寝前に軽くストレッチをする
  5. 温かい飲み物を飲んで体温を上昇させる
  6. 夕食は就寝3時間前までに済ませる
  7. リラックスする
  8. 体に合っている枕やマットレスを使う
  9. 骨を強くする栄養素と食べ物
  10. まとめ

睡眠と骨の成長の関係性

普段の食事や運動など骨の成長にはさまざまな要素が関わっていますが、睡眠もその中の一つです。骨の成長には、睡眠中に分泌される成長ホルモンが大きく影響しています。

成長ホルモンとは、骨を強く成長させるために必要なホルモンのことです。睡眠中に分泌された成長ホルモンは血液と一緒に全身をめぐり、骨や筋肉をはじめとしたさまざまな部分に作用して「成長促進因子(ソメトマジン)」を作ります。この成長促進因子の働きにより骨の先端の軟骨細胞が増え、骨は成長していきます。

成長ホルモンは深い睡眠をとるほど盛んに分泌されるため、太くて丈夫な骨作りには、質の高い睡眠が欠かせません。

武井智昭

武井智昭

高座渋谷つばさクリニック 院長

成長ホルモンの分泌量を増やすには睡眠が基本ですが、リラックスした環境で過ごすこと、筋肉トレーニングを実施することも方法としてあります。

質の高い睡眠は骨粗しょう症の対策にも繋がる

深い睡眠をとって多くの成長ホルモンを分泌することは、骨粗しょう症の対策にも繋がります。なぜなら、成長ホルモンは骨の成長を促すほか、骨を強くする役割も持っているためです。

骨粗しょう症とは、骨の強度が低下して骨折しやすい状態になってしまう病気のことです。発症すると、転倒してしまう、あるいは家具にぶつかってしまうなど、少しの衝撃が加わっただけで骨折してしまいます。

骨の強度に大きく影響する骨密度は、加齢とともに減少します。そのため、歳を重ねている人ほど骨粗しょう症に対する予防が大切です。心配な方は成長ホルモンの分泌を促すためにも、睡眠の質を見直したうえでより深く眠れるように意識しましょう。

武井智昭

武井智昭

高座渋谷つばさクリニック 院長

骨粗しょう症の発症は、運動不足である人、外出をあまりせずに日光に浴びる機会が少ない人、乳製品の摂取量が少ない人、閉経が早い方に多いです。

睡眠の質を高める方法

先述したように、強くて丈夫な骨を作るには睡眠の質を高め、より深く眠ることが大切です。ここでは睡眠の質を高める方法を紹介するので、ぜひ実践してみてください。

  • 就寝前に軽くストレッチをする
  • 温かい飲み物を飲んで体温を上昇させる
  • 夕食は就寝3時間前までに済ませる
  • リラックスする
  • 体に合っている枕やマットレスを使う

各方法の内容を詳しく解説します。

就寝前に軽くストレッチをする

睡眠の質を高めるには、就寝前のストレッチが効果的です。ストレッチをすると体の緊張がほぐれ、より寝つきが良くなります。肩こりをはじめとした血行不良からくる体の不調も防ぎやすくなるので、ぜひ習慣として取り入れてみましょう。

また、暗めの部屋でストレッチをするとリラックス効果が高まり、安眠しやすくなります。よりリラックスしたい方は、ゆっくりと深呼吸をしながら行うと良いでしょう。

ただし、ストレッチの際に激しく体を動かすと、逆効果になる可能性があるので注意してください。睡眠の質を高めることを目的に行うストレッチは、軽めのものに留めることをおすすめします。

温かい飲み物を飲んで体温を上昇させる

人間の体は、深部体温が低くなると眠気が訪れる仕組みになっています。

深部体温は夜になると自然と下がっていきますが、より効率良く下げたい場合は就寝前に温かい飲み物を飲むのがおすすめです。温かい飲み物を飲んで深部体温が上昇すると、その後体温が下がっていく際に自然と眠気が訪れてくれます。

ただし、アルコールやカフェインが含まれている飲み物は、睡眠の妨げとなるので注意してください。アルコールはお酒全般、カフェインはコーヒーやエナジードリンク、煎茶などに含まれています。就寝前に飲むのなら、白湯やホットミルク、ホットココアなど、刺激が少ない飲み物を選ぶと良いでしょう。

夕食は就寝3時間前までに済ませる

夕食の時間帯は、遅くなりすぎないように気をつけましょう。就寝直前に食事をすると睡眠中に消化活動が行われる影響で休息をとっている脳が刺激されてしまい、目が覚めやすくなってしまいます。

消化活動にかかる時間は、一般的に2時間〜3時間だといわれています。そのため、夕食はできるだけ就寝3時間前までに済ませておくと良いでしょう。残業などでどうしても夕食の時間が遅くなってしまう場合は、脂分が少ない消化しやすいメニューを心がけてください。

リラックスする

リラックスする

不安やストレスで就寝前に心身が緊張状態にあると、なかなか入眠することができません。自然と眠りに入るには、就寝前にリラックスして過ごすことが大切です。

リラックスする方法はさまざまですが、例として「アロマを焚く」「聴き心地が良い音楽を流す」「読書する」などが挙げられます。自分に合う方法でリラックスし、就寝の時間までゆったりと過ごしましょう。また、寝る30分前にはスマホやパソコンは使わず、照明を落とすとよいでしょう。

体に合っている枕やマットレスを使う

使っている寝具が体に合っていないと、寝にくさを感じて熟睡できない場合があるので注意してください。

例えば、「枕が高すぎて眠りにくい」「マットレスが柔らかすぎる」など、眠る時に違和感を覚えるような寝具を使っている場合、寝つきの悪さや眠りの浅さに繋がります。睡眠の質を高めるためにも、寝具は自分に合った製品を使いましょう。

骨を強くする栄養素と食べ物

丈夫な骨を作るためには、睡眠だけでなく普段の食事に気を配ることも重要です。骨の成長に繋がる栄養素を摂取できる食事を心がけることで、より丈夫な骨を作ることができます。

骨の成長に関係する栄養素は数多くありますが、代表的なものには下記の4種類があります。

骨を強くする栄養素と食べ物

栄養素の種類栄養素を多く含んでいる食べ物
カルシウム・チーズ
・ヨーグルト
・小魚
・ひじき
ビタミンD・秋刀魚
・シイタケ
・エノキ
・キクラゲ
ビタミンK・キムチ
・ほうれん草
・小松菜
・納豆
タンパク質・カツオ
・マグロ
・鶏肉
・豚肉

表にあるように、骨を強くするにはカルシウム以外の栄養素も必要です。ビタミンDはカルシウムの吸収率を高める作用があり、ビタミンKには骨の形成を促す作用があります。また、骨の主成分の一つであるタンパク質の摂取も欠かせません。

しかし、骨に良いからといっても、食事の内容が偏りすぎてしまうのは体に良くありません。食事のメニューを決める時は、栄養のバランスが取れているかどうかもよく考えましょう。

武井智昭

武井智昭

高座渋谷つばさクリニック 院長

骨を強くするためには、食事以外にも、定期的な筋肉トレーニングなどの運動習慣を保つこと、しっかりとした睡眠をとり生活習慣が乱れていないことが大切です。

まとめ

骨の成長に必要不可欠な成長ホルモンは、質の高い睡眠をとることで分泌されやすくなります。より丈夫な骨を作るためにも、普段の眠りが浅い方はこの機会に睡眠の質を見直しましょう。

また、強い骨を作るには、カルシウムをはじめとした栄養素を習慣的に摂取することも大切です。食事の際は食材に含まれている栄養素をチェックし、骨作りに必要な栄養が不足しないように心がけましょう。

この記事の監修者
武井智昭
武井智昭高座渋谷つばさクリニック 院長
高座渋谷つばさクリニック 院長。0歳から100歳まで、1世紀を診療するプラリマリケア医。現在は、普段よくある健康相談に加えて、新型コロナウイルスの診断・治療・ワクチンの他、体と心の両者のアプローチが必要とある後遺症外来に取り組んでいる。診療科目は内科・小児科・アレルギー科。
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