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2022.11.29 更新

【医師監修】すぐ寝る人は実は睡眠不足?気絶との違いや過眠に繋がる病気を詳しく紹介

【医師監修】すぐ寝る人は実は睡眠不足?気絶との違いや過眠に繋がる病気を詳しく紹介

寝つくまでにかかる時間は人それぞれです。入眠に時間がかかる方がいる一方で、ベッドに入ってからすぐに眠れる方もいます。寝つくまで時間がかかる方にとって、すぐに眠れる人は羨ましいと思うこともあるでしょう。

しかし、あまりにもすぐ眠ってしまう場合は、普段の睡眠が不足している可能性があるので注意が必要です。この記事では、すぐに眠ってしまう理由や睡眠の質を高める方法について解説します。

  1. すぐに眠ってしまう理由や気絶との違い
  2. 日中にすぐ寝る人は過眠の可能性も
  3. 睡眠不足
  4. 睡眠の質の低下
  5. 就寝前のアルコールやカフェインの摂取
  6. 薬の副作用
  7. 過眠の症状に繋がる主な疾患
  8. 花粉症
  9. 睡眠障害
  10. 精神疾患
  11. 過眠症
  12. 睡眠の質を高める方法
  13. 就寝前に軽くストレッチをする
  14. 温かい飲み物を飲んで体温を上昇させる
  15. 夕食は就寝3時間前までに済ませる
  16. アロマや聴き心地の良い音楽でリラックスする
  17. 体に合っている枕やマットレスを使う
  18. まとめ

すぐに眠ってしまう理由や気絶との違い

ベッドに入ってすぐに眠りにつけるのは健康な証拠だとイメージされやすいですが、極端に入眠までの時間が早い場合は普段の睡眠が足りていない可能性があるので注意してください。

人間の眠気の強さは、主に体内時計と睡眠負債の2つによって決まります。体内時計とは、生体リズムを調節してくれるメカニズムのことです。日中は心身を活動状態に導き、夜は心身をリラックスさせて眠気を強めてくれる役割を持っています。

一方の睡眠負債は、目覚めてから経過した時間や寝不足が続いた期間、睡眠の質などによって決まります。あまりにもすぐに眠ってしまうのは、普段の寝不足によって睡眠負債が蓄積しすぎてしまい、心身が限界状態にあったためだと考えられます。

睡眠負債を解消するには、必要な睡眠時間を確保したうえで睡眠の質を高めることが大切です。寝不足気味の方は、自分の睡眠に問題がないかどうかを見直してみてください。

また、睡眠と気絶は別々の現象です。睡眠は体内の疲れをとるために必要なメンテナンスである一方、気絶は脳の血流が減少することで突然意識が消失する現象を指します。

ベッドに入ってすぐに眠っているのは睡眠をとっている可能性が高いですが、一般的に睡眠がとれない状況で突然倒れる、または姿勢に崩れが見られる場合は、気絶している可能性も考えられます。

日中にすぐ寝る人は過眠の可能性も

就寝時ではなく日中にすぐ眠ってしまう方は、過眠の可能性を疑いましょう。過眠とは、本来起きているはずの時間帯に耐えきれないほどの眠気があらわれる状態のことです。過眠の原因はさまざまですが、多くの場合は下記の4つに原因があります。

  • 睡眠不足
  • 睡眠の質の低下
  • 就寝前のアルコールやカフェインの摂取
  • 薬の副作用

以下で各原因の内容を見ていきましょう。

睡眠不足

過眠に繋がる原因のなかでも多いのが睡眠不足です。睡眠が不足すると睡眠負債がたまってしまい、日中の過度な眠気に繋がります。睡眠が足りていないと感じる方は、この機会に自分の睡眠時間を見直してみると良いでしょう。

なお、必要な睡眠時間は人によってそれぞれですが、一般的には6時間〜8時間が理想だとされています。

睡眠の質の低下

睡眠時間が足りていたとしても、睡眠の質が低いとぐっすりと眠った感覚を得られません。熟睡できずに眠りが浅い日々が続くと、日中の眠気に繋がってしまうので気をつけましょう。

特に普段受けているストレスが多い方、音や光が漏れているなど寝室の環境に問題がある方は、睡眠の質が低下しやすいです。

就寝前のアルコールやカフェインの摂取

就寝前のアルコールやカフェインの摂取

就寝前に一息つくために、コーヒーやお酒を飲んでいる方もいるでしょう。しかし、就寝前のアルコールやカフェインの摂取は、過眠の原因となるので注意してください。

アルコールやカフェインには眠りを浅くする作用が含まれており、就寝前に飲むと睡眠の質の低下や寝不足に繋がってしまいます。

薬の副作用

日中の強い眠気は、薬の副作用によって引き起こされている可能性も考えられます。副作用が気になる方は、服用のタイミングをずらして対策すると良いでしょう。

ただし、医師の指示によって薬を服用している場合は、自分の判断で服用するタイミングを変えることは避けてください。指示とは違うタイミングで薬を服用すると、症状の悪化に繋がる可能性もあります。薬の副作用である眠気に悩む方は、まず薬を処方してくれている医療機関に相談しましょう。

瀬尾達

瀬尾達

瀬尾クリニック院長

薬の副作用による睡眠障害の症状には、不眠、日中の眠気、睡眠時の幻覚に伴って異常行動を起こす睡眠随伴症などがあります。ただ、薬剤誘発性睡眠障害のメカニズムはほとんど明らかになっていないため、薬剤の副作用と気付かずに睡眠薬が処方されているケースも少なくありません。

病気の治療を受けている人で、薬を飲み始めてから不眠が起こった場合、その薬が不眠の原因かもしれません。このような不眠を、「薬剤性不眠」といいます。

薬剤性不眠が疑われるときには、薬と一緒にもらった 薬剤情報提供書 を見直して、その薬に不眠の副作用がないか、確認しましょう。 もし、薬の副作用の可能性があれば、主治医と相談して、薬を変えたり減らしたりすると、眠れるようになることがあります。

過眠の症状に繋がる主な疾患

過眠の症状は、睡眠不足だけでなく疾患によってあらわれることもあります。例えば、下記の4種類は日中の強い眠気に繋がる可能性がある疾患です。

  • 花粉症
  • 睡眠障害
  • 精神疾患
  • 過眠症

過眠の原因が疾患にある場合、まずは治療を優先する必要があります。以下で各疾患の特徴を紹介するので、症状に思い当たる点がある方は医療機関に相談してください。

花粉症

花粉症は、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となってアレルギー症状を引き起こす病気です。体内に入ってきた花粉に対して体の免疫機能が過剰に働くことで発症し、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状があらわれます。

また、花粉症にかかると鼻呼吸で息をするのが難しくなるため、自然と口呼吸をする回数が増えます。しかし、口呼吸は体内に取り組める空気の量が鼻呼吸に比べると少ないです。その結果、脳が酸素不足に陥り、強い眠気が生じることがあります。

瀬尾達

瀬尾達

瀬尾クリニック院長

花粉症の治療は、まず薬によって症状を抑える「対症療法」を行います。特にくしゃみや鼻水など症状を抑える「抗ヒスタミン薬」とアレルギー反応そのものを抑制する「抗アレルギー薬」があります。

これらに加えて目にかゆみがある場合は「点眼薬」や鼻閉が強い場合は「点鼻薬」を使用します。それ以外に、手術治療や免疫治療などが行われます。

睡眠障害

睡眠障害とは、睡眠に関連した病気の総称のことです。病気の種類によっては睡眠の妨げとなる症状が生じ、満足に眠れなくなることで日中の眠気に繋がります。なかでも下記の3種類は、睡眠不足に繋がる症状が生じる疾患として広く知られている睡眠障害です。

病気の種類症状の主な特徴
睡眠時無呼吸症候群大きないびき、無呼吸による中途覚醒や熟眠感の欠如
むずむず脚症候群体の下肢に生じるゾワゾワとした不快感
周期性四肢運動障害片足や両足に生じるピクピクとした異常運動

精神疾患

精神疾患によっては、睡眠障害が症状として生じる場合があります。

例えば、うつ病や双極性障害は睡眠障害が生じやすい代表的な精神疾患です。寝つきの悪さや中途覚醒、朝早すぎる時間に目が覚めてしまう早朝覚醒などが症状としてあらわれます。

過眠症

過眠症とは、日中に強い眠気が生じる病気の総称のことです。主な病気としてはナルコレプシーや特発性過眠症などが挙げられます。

ナルコレプシーは強い眠気に加え、通常では眠らないような状況でも居眠りしてしまうのが特徴の病気です。例えば、運転中や歩行中は覚醒状態にあるのが一般的ですが、ナルコレプシーを発症するとこのような状況でも突然眠ってしまい、日常生活に大きな支障が出てしまいます。

また、特発性過眠症もナルコレプシーと同様に、過剰な眠気と居眠りを特徴とする病気です。人によっては、頭痛や胃の痛み、腹痛、動悸などの症状があらわれる場合もあります。

瀬尾達

瀬尾達

瀬尾クリニック院長

一般的に過眠症の原因は、はっきりと解明されていない場合が多いですが、有力な原因は遺伝によって引き起こされているというものです。また、多くの過眠症は二次性(ある疾患に関連して発生する病気や症状のことある疾患に関連して発生する病気や症状のこと)による原因です。一般的な原因は下記の5つがあります。

「うつ病、不安障害、双極性障害に処方された向精神薬の副作用や離脱」「薬物やアルコールの乱用」「脳障害、非定型うつ病、尿毒症、線維筋痛症」「子供のインフルエンザ」「ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害などの睡眠障害」

睡眠の質を高める方法

睡眠に関する問題を抱えている方は、この機会に睡眠の質を見直しましょう。夜にぐっすり眠ることで、日中の眠気は抑えやすくなります。ここでは睡眠の質を高める方法を紹介するので、参考にしてください。

  • 就寝前に軽くストレッチをする
  • 温かい飲み物を飲んで体温を上昇させる
  • 夕食は就寝3時間前までに済ませる
  • アロマや聴き心地の良い音楽でリラックスする
  • 体に合っている枕やマットレスを使う

以下で詳しい方法を順番に紹介します。

就寝前に軽くストレッチをする

睡眠の質を高めたい方は、就寝前のストレッチを習慣にするのがおすすめです。ストレッチによって筋肉がほぐれると心身をリラックスした状態に導いてくれる副交感神経の働きが活発となり、寝つきが良くなります。

また、暗い部屋でストレッチを行う場合は、より高いリラックス効果に期待できます。ただし、激しい動きは睡眠の妨げとなってしまうので、ストレッチはゆったりとした負担の少ないものにしましょう。

温かい飲み物を飲んで体温を上昇させる

人間の体は深部体温が低くなると休息状態となり、自然な眠気が訪れる仕組みになっています。

深部体温は夜の時間帯に下がっていきますが、よりスムーズに下げるには眠る前に温かい飲み物を飲むのが効果的です。温かい飲み物を飲んで体温が上昇すると、その後体温が下がる際に眠気が訪れてくれます。

また、飲み物の種類は白湯やホットミルク、ホットココアなど、飲んでいてリラックスできるものを選ぶのがおすすめです。リラックスすることで副交感神経が活発になるため、より高い安眠効果を得られます。

夕食は就寝3時間前までに済ませる

睡眠の質を高めるには、夕食の時間が遅くなりすぎないように気をつけることも大切です。夕食をとるのが就寝直前になってしまうと、睡眠中に行われる消化活動によって休息をとっている脳が刺激されてしまい、目が覚めやすくなる可能性があります。

一般的に、消化活動にかかる時間は2時間〜3時間だといわれています。消化活動が終わっている状態で眠るためにも、夕食は就寝3時間前まで、遅くとも2時間前までには済ませておきましょう。

アロマや聴き心地の良い音楽でリラックスする

不安やストレスによって就寝前に心身が緊張状態にあると、寝つきが悪くなる可能性があります。そのため、就寝前はできるだけリラックスして過ごすことを心がけましょう。

簡単にリラックスできる方法を探している方には、就寝前の音楽鑑賞がおすすめです。自然音が入った曲やクラシックには安眠効果があるといわれており、就寝前に再生すると睡眠の質が向上する可能性があります。
このほか、「気分が落ち着くアロマを焚く」「読書する」なども定番のリラックス方法です。時間に余裕がある時に、自分に合ったリラックス方法を探してみると良いでしょう。

体に合っている枕やマットレスを使う

枕やマットレスなどの寝具は、体に合った製品を使いましょう。寝具は高さ・硬さが各製品で異なるため、使う人の体格や好みによって合うかどうかが変わってきます。

使っている寝具が体に合っていない場合は寝にくさを感じてしまい、なかなか熟睡することができません。ベッドに横になった時に違和感を感じる方は、この機会に自分に合っている寝具への買い替えを検討すると良いでしょう。

まとめ

スムーズに入眠できるのは良いことですが、入眠にかかる時間が短すぎる場合は日頃の睡眠が不足している可能性があります。気になる方は普段の睡眠の質や睡眠時間を見直し、問題がある場合は改善していきましょう。

また、日中の時間帯でもすぐに眠ってしまう場合、過眠の症状に繋がる疾患を発症している可能性も考えられます。症状に少しでも思い当たる点がある方は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

この記事の監修者
瀬尾達
瀬尾達瀬尾クリニック院長
瀬尾クリニック院長。クリニックでの診療のほか、医学教育に力を入れ、現在でも、京都大学医学部講師、兵庫医科大学講師、大阪歯科大学講師はじめ多くの大学で講義を行うほか、クリニックでも研修医の指導を行う。ネットの口コミサイトや週刊誌で全国1位の耳鼻咽喉科に選ばれた。『めまい』『突発性難聴』『メニエール病』『花粉症』『音声医学』などを得意として、マスコミ、テレビ出演多数。先祖代々の耳鼻咽喉科で、両親や兄弟,親戚もすべて耳鼻咽喉科医師の全国有数の耳鼻科一族でもある。
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