寝室に常夜灯を設置することで、「真っ暗だと眠れない」という方でも安心して眠りやすくなります。しかし、「寝室は明るくても問題ないのか」「常夜灯を寝室に設置するメリットは?」と、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では、常夜灯の役割、寝室に常夜灯を設置するメリットと注意点などを紹介します。寝室にぴったりな常夜灯の選び方も解説するので、ぜひ参考にしてください。
常夜灯とは夜間つけておく薄暗い照明
常夜灯とは、名前のとおり夜の間ずっとつけておく薄暗い照明です。
例えば、常夜灯の例として、昔多く見られたプルスイッチ照明(紐を引っ張り点灯するタイプ)があります。プルスイッチ照明は紐を引いて照明の明るさが変更でき、何段階かにわかれた明るさの中で、やや薄暗さのあるオレンジ色の光が、主に常夜灯として使われています。
電球の中でもメジャーな白熱球は、あたたかな灯りが特徴で、クリプトン球やハロゲン球などいくつかの種類があります。特にナツメ電球は低電力で発光できて寿命が長く、サイズも大きくないため、常夜灯としてよく使われる種類です。
また、常夜灯と呼ばれるのは天井に設置された照明だけではありません。ベッドサイドのテーブルに置きやすい小さな常夜灯をはじめ、足元に設置しやすいコンパクトなサイズのものや人感センサーを搭載したものなど、さまざまな種類の常夜灯が販売されています。
寝室に常夜灯を設置するメリット
寝室で常夜灯をつけるメリットには以下の点があります。
- 真っ暗だと落ち着かない方でもリラックスして眠れる
- 夜中に起きた際も安全に移動できる
それぞれのメリットを詳しく紹介します。
真っ暗だと落ち着かない方でもリラックスして眠れる
寝室に明かりが一切なく真っ暗な状況だと、「真っ暗だと眠れない」「不安に感じる」という方もいるでしょう。常夜灯を寝室に設置することで、ほのかな灯りでリラックスでき、安心して眠りやすくなります。
就寝前には、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」が分泌され、自然な眠りが促されますが、明るい光を浴びるとメラトニンの分泌は抑制されます。スムーズに入眠するためには、明るすぎない寝室で寝ることが理想です。
その点、常夜灯の光はあたたかみのあるオレンジ色であり、睡眠に影響を与えにくいとされています。
「真っ暗だと不安」と感じる場合、寝室の照明を控えめな明るさにすることで、睡眠を妨げずスムーズに入眠でき、熟睡感を得ることも期待できます。
また、真っ暗だと眠れない方が、無理して寝室の灯りを消して眠ろうとすると、かえってストレスを感じる可能性があります。真っ暗な寝室では本能的に不安を感じ、悪夢を見ることが増えるかもしれません。
快眠するためには、常夜灯の有無も含め、自分がリラックスできる寝室環境を作ることが大切です。
夜中に起きた際も安全に移動できる
夜中に目が覚めてトイレやリビングなどに移動したい際に、部屋が真っ暗だと転倒や怪我をする恐れがあります。寝室に常夜灯があることで、移動時にしっかり足元を確認でき、安全に動きやすくなるでしょう。
特に高齢者は夜間にトイレに行くケースが多いです。寝室やトイレまでの動線上に常夜灯を設置することで、夜間の怪我を軽減できるでしょう。常夜灯を廊下に設置する場合は、2〜3m間隔で配置することが理想だとされています。
また、なかには地震を感知して点灯する商品などもあり、常夜灯は非常時に安全に移動するためも役立ちます。
常夜灯の明るさが睡眠に影響する場合があるので注意
寝室に常夜灯を設置するのには、前述したとおりいくつかのメリットがありますが、一方で注意したいポイントもあります。
常夜灯を含め、寝室の照明が明るすぎると、睡眠に影響する可能性があります。主に以下の影響が考えられるため、注意しましょう。
- 「メラトニン」分泌の抑制による寝つきの悪化
- 夜中の中途覚醒
- 体内時計の乱れからの睡眠の質低下
前述のとおり、寝室の照明が明るすぎるとメラトニンの分泌が抑制され、眠気がなかなか訪れず、寝付きが悪くなる可能性があります。
また、常夜灯の明るさで夜中に目覚める可能性がある点にも注意が必要です。目に入る光が強すぎると睡眠の妨げになりやすく、入眠できたとしても、明るさが原因で夜中に起きてしまう可能性があります。
常夜灯の明かりで途中起床したわけではなく、夜中にトイレなどで起きた場合にも、再び寝付くのに常夜灯の明かりが妨げとなる可能性もあり得ます。
こうして夜中に目覚めたり、スムーズに入眠できなかったりすると、翌日のパフォーマンスに影響を及ぼすことになるかもしれません。
さらに、寝室に明るすぎる照明を設置している場合、脳が覚醒して体内時計が乱れやすく、睡眠の質の低下を招く可能性があるのも懸念点です。体内時計の乱れや睡眠の質の低下は、糖尿病リスクの上昇や肥満、熟睡障害などの原因になる可能性があります。
寝室の照明が睡眠に与える影響については、以下の記事でも詳しく解説しています。
睡眠に影響を与えない理想的な寝室の明るさとは?
睡眠の質を良い状態で保つためには、寝室内の明るさを0.3ルクス程度にすると良いとされています。0.3ルクスは障子や薄いカーテン越しの月明かり程度の明るさです。周囲がかろうじて見える0.3ルクス程度であれば、睡眠の質を維持しやすくなります。
一方、30ルクスを超えると睡眠の質に影響するといわれています。30ルクスとは、ロウソクを20cmの距離で見た場合(10~15ルクス)と、街灯の下(50~100ルクス)の間くらいの明るさです。
寝室に常夜灯を設置する場合は、明るすぎず低照度の常夜灯を選ぶと良いでしょう。
寝室にぴったりな常夜灯の選び方
寝室にぴったりな常夜灯を選ぶ際は、以下のポイントをおさえて自分に合ったものを選びましょう。
- 色や明るさの種類で選ぶ
- おしゃれなデザインで選ぶ
- 操作のしやすさで選ぶ
それぞれ詳しく解説します。
色や明るさの種類で選ぶ
常夜灯を選ぶ際、まずは照明の色・明るさをチェックしましょう。睡眠時の視界に入る寝室の常夜灯は、温かみのある暖色系の色を選ぶと落ち着きやすいです。あまりにも白すぎる光だと、寝つきにくいとされています。
日中に使う明かりは白色、常夜灯として使う暗めの明かりは暖色系という形で、色を自由に変更できる照明を使っている場合、白色から暖色系の光へと切り替えるタイミングは、就寝1~2時間ほど前がおすすめです。
また、常夜灯の明るさを数段階に切り替えられる商品も多く販売されています。明るさを何段階かで調節ができるものだと、好みやシーンに合わせて細かく設定できるため便利です。
おしゃれなデザインで選ぶ
寝室を洒落た雰囲気に演出したいなら、デザインを重視するのも一つの手です。おしゃれな常夜灯を設置すれば、寝室の雰囲気がワンランクアップします。
また、キャラクターや動物のデザインを採用した、可愛らしい見た目の常夜灯も多く販売されています。自分の好きなデザインの常夜灯を選んで、心が落ち着く空間を作りましょう。
操作のしやすさで選ぶ
寝室でリラックスして過ごすために、常夜灯の操作性もチェックしたいポイントです。常夜灯の中には、リモコンがついていて操作性に優れた商品もあります。
また、人感センサーが搭載された商品では、人の動きに合わせてライトアップすることが可能です。夜中ずっと照明をつけっぱなしにすることに抵抗があるなら、このようなタイプの常夜灯も候補にすると良いでしょう。
そのほか、タイマー機能のあるものもおすすめです。タイマー機能が搭載されていれば、眠りにつくまでは明かりをつけておき、睡眠中は消灯するように設定ができます。
まとめ
寝室に常夜灯を設置することで、暗闇では眠りにつきにくい方でもリラックスして眠りやすくなります。夜中にトイレに起きる場合、足元が見やすくなることで転倒や怪我のリスクを軽減できるのもメリットです。
しかし、寝室が明るすぎると睡眠に悪影響を与えるため、寝室に常夜灯を設置する場合は、適した色・明るさの商品を選ぶことが重要です。寝室にぴったりの常夜灯を活用して、リラックスできる就寝環境を作りましょう。