疲れた足のケアやむくみ対策として、足を上げて寝る方法に興味がある方は多いのではないでしょうか。足を上げて寝ることには、むくみ改善や疲労回復などの効果が期待できますが、誤った方法で行うと体に負担がかかることもあります。
この記事では、足を上げて寝ることのメリットやデメリット、注意点を詳しく解説します。また、足を上げる具体的な方法や足枕などのおすすめグッズも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
足を上げて寝るメリット
足を上げて寝る方法には、足枕やクッションの上に足を載せる方法、足側が上がる電動ベッドを使う方法などがあります。
足を上げて寝ることには、主に以下の4つのメリットがあります。
- 足のむくみ改善が期待できる
- 疲労回復に繋がりやすい
- 腰痛対策ができる
- 膝痛対策ができる
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
足のむくみ改善が期待できる
足のむくみは、足の皮膚の下に必要以上に水分が溜まることで生じます。また、長時間の立ち仕事やデスクワークによって足をあまり動かさないと、足に血液が溜まってむくみに繋がることがあります。
このような一時的な症状には、足を上げて寝ることで足のむくみ改善が期待できます。足を上げて寝ると重力によって血液が心臓に戻りやすくなり、水分も体の上部に流れやすくなるためです。
普段から足のむくみに悩んでいる方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
疲労回復に繋がりやすい
長時間立ちっぱなしで足を酷使する、悪い姿勢を長時間続けるなど、足が疲れるとふくらはぎの筋肉が硬くなることがあります。すると、足に血液やリンパ液などが滞り、足先に老廃物が溜まって疲れに繋がりやすくなります。
足を上げて寝ることで足に溜まった血液やリンパ液が流れやすくなり、疲労回復に繋がることが期待できます。
腰痛対策ができる
腰痛で眠れない時は、足を上げて寝ると腰痛対策になります。
足を伸ばして寝ると、骨盤や骨盤周辺の筋肉が足先の方へ引っ張られ、骨盤や腰に負担がかかって痛みを感じることがありますが、足の下に足枕などを入れて高く上げることで膝が曲がると骨盤や背骨への負担を軽減しやすいです。
腰痛対策としては、仰向けになった状態で膝の下に足枕やクッションを入れ、足全体を上げるようにしましょう。
膝痛対策ができる
就寝時に膝が痛い場合、足を上げて寝ると膝への負担を減らせることがあります。
膝に痛みを感じる方は、膝の関節が伸びにくくなっていることが多いです。就寝中、伸びにくくなっている膝の関節が重力によって無理に伸ばされると、痛みを感じることがあります。
就寝中に膝痛対策をしたい時は、仰向けになって膝の下に足枕やクッションを入れましょう。足を下から支えると膝が伸びにくくなり、膝にかかる負担が減らせます。
なお、膝が痛い方は、うつ伏せで寝ると膝の血流が悪くなることがあるほか、横向きで寝ると太ももやすねの骨が捻れることがあるため注意が必要です。
足を上げて快適に寝る方法
足を上げて寝る時は足先だけを上げるのではなく、ふくらはぎも含めて足全体を上げましょう。足枕やクッションを使って足を上げる場合、足首あたりに置くイメージがあるかもしれませんが、足先だけ不自然に高くなると腰や膝の痛みに繋がる可能性があります。
足枕やクッションを置く位置は足先ではなく、膝裏から足先まで全体が上がる位置に置いてください。
また、足枕やクッションは高さ10cm〜15cm程度のものを選び、足の高さを心臓よりも高くします。足の位置が低すぎると、効果が期待できないため注意が必要です。
自分が気持ち良いと思える高さに足の位置を調整すると、快適な眠りに繋がりやすくなります。
足を上げて寝る際の注意点
前述のとおり、足を上げて寝ることにはさまざまなメリットがありますが、足の上げ方を誤るとデメリットが生じる可能性があります。
足を上げて寝ることで生じる可能性があるデメリットは、主に以下のとおりです。
- 足の上げ方を誤ると、膝や腰に負担がかかり逆効果になる
- 足がしびれる場合がある
- 足先が高く上がるなどの不自然な姿勢になると寝付きにくくなる
それぞれのデメリットについて解説します。
足の上げ方を誤ると、膝や腰に負担がかかり逆効果になる
足を上げて寝ると腰痛対策になる反面、足の上げ方を誤ると膝や腰に負担がかかることがあります。足の上げ方を誤った例として、足枕の位置が合っていない、電動ベッドの高さを上げすぎたなどのケースが挙げられます。
足の上げ方を誤ると、血液が上手く流れない、膝を痛める、腰に負担がかかるなど、逆効果になる可能性があるため注意が必要です。
足がしびれる場合がある
高すぎる足枕を使った場合や電動ベッドの足側を高く上げすぎた場合など、足を上げる位置が高すぎると足がしびれることがあります。長時間足が高すぎる位置にあると足の血の気が引き、足先に血液が循環しにくくなってしびれに繋がります。
足先が高く上がるなどの不自然な姿勢になると寝付きにくくなる
足を上げることによって、例えば足先だけが極端に高く上がるなどの不自然な姿勢になると、寝付きにくくなることがあります。足を上げることに慣れるまでは、足元が気になって睡眠の質の低下を招くこともあるかもしれません。
また、姿勢に違和感があると寝苦しさを感じることがあり、睡眠の途中で目覚める可能性も懸念されます。
足を上げて寝るとダイエットや血圧改善に繋がる?
足を上げて寝ると血液が流れやすくなることから、「足を上げて寝ると痩せる」「血圧が改善する」などと噂されることがあります。
しかし、これは医学的な治療ではありません。足を高く上げて寝たからといって、例えば「血圧が元に戻る」などの効果は得られないとされています。
ダイエットをしたい場合は運動をする、治療目的の場合は医師に相談するなどして、正しい方法で改善を目指しましょう。
足を上げて寝る時のおすすめグッズ
足を上げて寝る時のおすすめグッズには、以下の3つがあります。
- 足枕(フットピロー)
- バスタオル
- クッション
それぞれの特徴を紹介するので、自分の好みに応じて選びましょう。
足枕(フットピロー)
足を上げて寝る時は、専用に作られた足枕(フットピロー)がおすすめです。足枕は高さや大きさ、形状の種類が豊富にあり、自分に合ったものを選べます。腰痛が気になる人は膝下枕も検討しましょう。
足枕の効果や選び方について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
バスタオル
足枕がない時は、身近にあるバスタオルで代用することも可能です。バスタオルを以下の手順で折りたたみ、厚みを出して使います。
- バスタオルを横半分に折る
- 長さが半分になるように折る
- バスタオルの端からきつめに巻く
- 巻き終わりの部分を下にして置く
上記の足枕を使用する場合、足を部分的に支える姿勢にならないように注意が必要です。バスタオルを折る回数や巻き方を工夫して、自分に合った高さに調整しましょう。
また、完成した足枕が狭い場合には、足枕を2つ作り、左右の足をそれぞれ乗せても良いです。
クッション
バスタオル以外に、クッションも足枕の代わりとして使えます。小さいクッションを使うと、寝返りを打った時に足が落ちる可能性があるため、足全体を支えられるように幅が広いクッションを使いましょう。
ただし、厚みがあるクッションを使うと、理想的な寝姿勢が保てず体に負担がかかりやすくなるため、ご注意ください。
まとめ
足のむくみや疲れが気になる時は、足枕などを使って足を上げて寝ると改善に繋がることが期待できます。
ただし、足の上げ方を誤ると腰や膝に負担がかかり、寝付きにくくなるデメリットが生じる可能性があるため、自分が気持ち良い高さに調整することが大切です。
足を上げて寝ることは治療ではないため、足の疲れやむくみなどが一向に改善しない場合は、医療機関の受診を検討しましょう。