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2024.03.14 更新

【医師監修】あくびが止まらないのはなぜ?生あくびとの違いや原因、予防方法など解説

【医師監修】あくびが止まらないのはなぜ?生あくびとの違いや原因、予防方法など解説

日々の生活で、あくびは無意識のうちに出るものです。

しかし、あくびが止まらなかったり、普段よりも多く出たりなど、普段との違いを感じると、「もしかして病気?」と不安になることもあるでしょう。

多くの場合、気にする必要はないものの、まれに病気のサインとしてあくびが出ている可能性もあるため、注意が必要です。 また、あくびには眠気から生じるあくびと、眠気がないのに生じる生あくびがあります。

この記事では、あくびが出る仕組みやあくびが止まらない原因、あくびと生あくびの違いを解説します。

そのほか、あくびが止まらない時の予防法も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

  1. あくびが出る仕組みとは
  2. 生あくびとは
  3. あくびが止まらないよくある原因3つ
  4. 脳の酸欠状態
  5. 隠れた病気
  6. 他人のあくびによって誘発される
  7. あくびと生あくびの見分け方
  8. あくびが止まらない場合に考えられる疾患
  9. 睡眠障害
  10. 起立性低血圧
  11. 自律神経失調症
  12. 心筋梗塞、脳梗塞
  13. あくびが止まらない場合の予防法
  14. 十分に睡眠をとる
  15. 適度な運動を取り入れる
  16. 鉄分を摂取する
  17. 深く呼吸をする
  18. まとめ

あくびが出る仕組みとは

あくびとは、主に眠い時や疲れている時に出る生理現象です。退屈している時や緊張している時もあくびが出やすい状況になります。

実際、あくびのすべてが解明されているわけではなく、まだわからない部分が多いことが現状です。

人間が1日の間にあくびをする回数は、平均で7~8回ほどです。

特に朝の起床後と夜の就寝前に多くあくびが出ることから、あくびは睡眠と深く結び付きがあります。

藤堂紗織

藤堂紗織

Alohaさおり自由が丘クリニック 院長

あくびは、脳を覚醒させるために、酸素をたくさん取り込もうとするため起床時に集中します。また、就寝時は、脳をリラックスさせようとするために生じます。

生あくびとは

あくびは眠い時や疲れている時に出ると先述しました。一方で、眠くないにもかかわらず、あくびが出る場合もあります。このように眠くはないのに出るあくびを「生あくび」といいます。生あくびの詳しい原因は後述しますが、ストレスや緊張状態が続いた時に起きるともいわれています。

あくびと生あくびは、「脳に酸素を多く取り込むため」や「脳に冷たい空気を送るため」など、なぜ起きるのかは諸説ありますが、いずれも起きる明確な原因は分かっていません。

あくびと生あくびの見分け方については、後ほど解説します。

あくびが止まらないよくある原因3つ

眠気や疲労感がある時に出やすいあくびですが、あくびが止まらない原因として、以下の3つが考えられます。

  • 脳の酸欠状態
  • 隠れた病気
  • 他人のあくびによって誘発される

それぞれ詳しく解説します。

脳の酸欠状態

眠くなくてもあくびが出る場合、脳が酸欠状態になっていることが考えられます。

脳の酸欠状態とは、呼吸によって体内に十分な酸素を取り込めず、脳まで酸素が行きわたらない状態です。

脳の酸欠状態は決して珍しいことではなく、周辺環境や体調によって誰にでも起こり得ます。

周辺環境でいうと、例えば満員電車のように人が密集している状況や狭い室内では、酸素が不足して呼吸が浅くなりやすい状態です。

また、貧血の時にも脳が酸欠状態になります。酸素は血液の流れに乗って体のすみずみに運ばれますが、貧血状態になると血液が薄くなり、体内に十分な酸素が行きわたりません。

その結果、体がより多くの酸素を取り込もうとしてあくびが出ます。ほかにも、乗りもの酔いや疲労などの体調不良によって、あくびの回数が増えることもあります。

隠れた病気

ほとんどの場合、あくびがたくさん出ても問題はありません。しかし、隠れた病気によってあくびが出ている可能性もあります。

慢性的にあくびが出る場合、睡眠障害による寝不足が関係しているかもしれません。十分に睡眠時間を確保できていても、睡眠の質が低ければ体や脳は休まらず、気づかないうちに寝不足に陥っているケースがあります。

また、睡眠障害以外にも、頭痛や起立性低血圧などの予兆として見られる場合や、自律神経失調症などの症状として見られる場合もあります。

これらの病気が原因であくびが出る場合は注意が必要です。もし、あくびが続く原因がわからない場合には、一度病院を受診しても良いでしょう。

他人のあくびによって誘発される

脳の酸欠状態や病気以外のあくびの原因として、他人のあくびも考えられます。隣にいる人があくびをすると、自分もあくびが出た経験はありませんか。

このように、他人のあくびから誘発される場合もあります。なお、他人のあくびを見るだけでなく、あくび声を聞いたり、あくびの文章を読むことでも誘発されるとされています。

あくびと生あくびの見分け方

急にあくびが止まらなくなった場合は、重大な病気の前兆としてあらわれている可能性があります。また、病気の前兆としてあくびが出る場合、あくび以外にも明らかな異常が見られることが多いです。

そのため、「眠くもないのにあくびが出る」「あくびと一緒に冷や汗が出たり手が震えたりする」などの症状があれば、病院を受診しましょう。

なお、生あくびについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひご一読ください。

生あくび
【医師監修】生あくびとは?原因や通常のあくびとの見分け方、病気との関連性など解説

あくびが止まらない場合に考えられる疾患

あくびが止まらないことによるリスク

病気の前兆としてあくびが出ている場合、考えられる病名は具体的に以下のとおりです。

  • 睡眠障害
  • 起立性低血圧
  • 自律神経失調症
  • 心筋梗塞、脳梗塞

上記の病気を順番に解説します。

睡眠障害

睡眠障害とは、眠りたいのに眠れない「不眠症」、睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」などが挙げられます。

睡眠障害を患うと、健康を維持するために必要な睡眠時間が足りない、あるいは睡眠の質が低下している可能性があり、日中にあくびが生じやすくなります。日中の活動に支障が出るだけでなく、ほかの病気に繋がる可能性もあるため、早期に治療しましょう。

起立性低血圧

起立性低血圧は、立ちあがる際にめまいや立ちくらみが起こる病気です。前兆として、あくびや冷や汗、吐き気などがあります。

たまに起こるのであれば問題ありませんが、何回も症状が出るようなら、病院を受診する必要があります。

自律神経失調症

自律神経失調症とは、臓器の働きを調節する「交感神経」と「副交感神経」のバランスが乱れた状態のことです。バランスが乱れたままだと、体が緊張して血圧は上がり、リラックスできない状態が続きやすくなります。

自律神経失調症の症状はあくびだけでなく、頭痛やしびれ、動悸、疲労感、不眠などの症状も伴う場合があります。まずは、食事内容や睡眠時間などの生活習慣を見直しましょう。

心筋梗塞、脳梗塞

心筋梗塞や脳梗塞などの病気は血管が詰まるため、脳が酸欠状態になりあくびが出るケースがあります。

また、心筋梗塞や脳梗塞によってあくびが出る場合、冷や汗や吐き気などの症状があらわれるケースがほとんどです。命に関わる病気なので、特に注意しなくてはなりません。

長く症状が続く場合や明らかに異常を感じた時には、あくびをただの生理現象と甘く見ずに、病院を受診しましょう。

藤堂紗織

藤堂紗織

Alohaさおり自由が丘クリニック 院長

動悸などがある場合は循環器内科、または精神科を受診しましょう。また、心配なことがある、不安感がある時は心療内科の受診をおすすめします。

あくびが止まらない場合の予防法

寝不足や生活習慣が原因であくびが出る場合、原因を見直すことであくびを改善できる可能性があります。

なお、先述したような、疾患の疑いのある症状が出ている場合にはできるだけ医師に相談しましょう。

  • 十分に睡眠をとる
  • 適度な運動を取り入れる
  • 鉄分を摂取する
  • 深く呼吸する

それぞれ以下で詳しく解説するため、生活習慣が乱れている自覚がある方は、予防法としてぜひ実践してください。

ただし、体調に大きな違和感がある方は、病気に繋がるリスクを避けるためにも、早めに病院を受診しましょう。

十分に睡眠をとる

睡眠時間が足りず、日中も眠気が収まらない場合は、十分な睡眠時間を確保しておくことが一番です。

中には、きちんと睡眠時間をとっているものの、睡眠の質が低いことから、自覚がないまま寝不足になっているケースもあります。

長く眠れば良いのではなく、すっきり起きられるよう睡眠の質を高めることが重要です。自分に必要な睡眠時間を知って確保し、質の良い睡眠をとると、寝不足が改善する場合があります。

また、寝具が合わないことや、就寝環境が合っていないことが原因で睡眠の質が低下しているのであれば、枕やマットレスなどを見直すことも効果的です。

例えば、体に合うマットレスや枕を選べば深く眠れるようになり、眠りの質が高まるかもしれません。

適度な運動を取り入れる

デスクワークや勉強などで同じ姿勢が続く場合、合間にストレッチや軽い運動を取り入れることをおすすめします。

長時間同じ姿勢でいると、血行不良になり酸素が全身に行き渡らなくなります。血流を促すためにも、体を動かして筋肉をほぐすことが大切です。

運動は、スクワットや散歩のように、日常生活に取り入れやすく簡単なもので構いません。

また、適度な運動による適度な疲労感は、寝つきをよくする効果にも繋がります。同時に、ストレス発散にも効果的です。

鉄分を摂取する

貧血を防ぐために、鉄分を豊富に含む食材を意識的に摂取しましょう。

鉄分には、体に吸収されやすい「ヘム鉄」と、吸収されにくい「非ヘム鉄」の2種類があります。それぞれを多く含む食材の代表例は、以下のとおりです。

栄養素名食材
ヘム鉄が豊富・煮干し
・レバー
・しじみ
・あさり
・ほたて
・牡蠣
非ヘム鉄が豊富・小松菜
・枝豆
・水菜
・ほうれん草
・サニーレタス
・ブロッコリー

日本人の食生活では、非ヘム鉄を含む食材の摂取割合が多い傾向があります。しかし、十分な量の鉄分を摂取するには、ヘム鉄と非ヘム鉄のバランス良い摂取が大切です。

そして、吸収率を上げるために、たんぱく質やビタミンCが含まれる食材と一緒に摂ることも心がけましょう。

藤堂紗織

藤堂紗織

Alohaさおり自由が丘クリニック 院長

市販の鉄剤などは添加物も多く、貧血がなかなか改善しにくいものが多いです。海外のものは逆に多く入りすぎており、肝臓を痛めることもあります。

鉄剤を内服するならサプリメントより医療機関で処方してもらうことをおすすめします。

深く呼吸をする

仕事やプライベートでストレスを感じると、心身ともに緊張状態となり、知らないうちに呼吸が浅くなっていることがあります。

脳の酸欠を防ぐためにも、意識的に深呼吸をして、酸素を多く取り込みましょう。深呼吸を繰り返すことで自律神経のバランスが整い、ストレスが緩和する効果も期待できます。

深呼吸の基本的なやり方は、鼻から深く息を吸い、口から吐く方法です。起床後から就寝前までに、10回程度の深呼吸を取り入れることをおすすめします。

深呼吸を繰り返すことで緊張がほぐれ、リラックスする効果も得られるため、日々の習慣としてぜひ取り入れてください。

まとめ

あくびとは、誰もが経験する生理現象です。ただし、あくびの頻度が多く悩んでいる方は、睡眠や食生活、運動の生活習慣の見直しから始めましょう。

あくびが出ること自体に問題はありません。しかし場合によっては、次のような病気の前兆や症状としてあくびが出ているケースも考えられます。

  • 睡眠障害
  • 起立性低血圧
  • 自律神経失調症
  • 心筋梗塞、脳梗塞

また、あくびだけでなく、「ひどい頭痛」「動悸」「手のしびれ」などの異常を伴う場合には注意が必要です。「大丈夫だろう」と自己判断せず、病院の受診をおすすめします。

そして、睡眠の質が低下していることから日中にあくびが出ている場合は、質の良い睡眠がとれるように枕やマットレス、寝室の環境を整えましょう。

この記事の監修者
藤堂紗織
藤堂紗織Alohaさおり自由が丘クリニック 院長
Alohaさおり自由が丘クリニック 院長。日本医科大学卒業後、日本医科大学附属武蔵小杉病院研修医/内科専修医、善仁会丸子クリニック院長勤務を経てAlohaさおり自由が丘クリニック院長へ就任。ホームドクターとして家族全員の様子を知り治療していきたい、と思い家族みんなの笑顔を目指しています。

※医師が特定の商品を推奨しているわけではありません。

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