朝起きた時、肩の痛みに悩んでいらっしゃる方は多いのではないでしょうか。日々のストレスや寝室の温度などが原因となり、朝起きた時に肩の痛みを感じる場合があります。
寝起きの肩の痛みを解消・軽減するためには、原因と対処法の把握が必要です。この記事では、朝起きた時に肩が痛くなる原因・対処法を紹介します。
朝起きた時に肩の痛みを感じる主な原因
寝起きの肩の痛みに悩んでいる方は、まず原因を把握しましょう。朝起きた時に肩の痛みを感じる主な原因として考えられるのは下記の四つです。
- 枕の高さが合っていない
- 室温が低く筋肉がこわばっている
- 歯ぎしりをしている
- 自律神経が乱れている
それぞれの原因について、詳しい内容を順番に見ていきましょう。
枕の高さが合っていない
朝に肩の痛みを感じる方は、使っている枕の高さが合っているか確認しましょう。
枕の高さが自分に合っていない場合は、首周りの負担が増えてしまい、血行不良を引き起こすことがあります。
血行不良を引き起こすと、肩こりや肩の痛みに繋がる可能性があるので注意してください。
室温が低く筋肉がこわばっている
室温の低さも肩の痛みに繋がるので注意が必要です。
室温が低いと首や肩周りの筋肉がこわばってしまい、筋肉の血流が悪くなりやすいです。
血流が悪くなると新陳代謝が悪化し疲労物質が溜まり、その結果筋肉が硬くなってしまいます。硬くなった筋肉が血管を圧迫することで血液の循環がさらに悪くなり、肩の痛みに繋がります。
歯ぎしりをしている
歯ぎしりをする時に使う顎周辺の筋肉は、肩にかけて多くの筋肉が繋がっています。
歯ぎしりをするとその分筋肉に疲労感が溜まり、痛みやこりなどの肩の違和感に繋がる可能性があります。
歯ぎしりをする原因としては、「歯の詰めものが合っていない」「ストレスを溜めている」などが考えられます。ひどい場合は、最寄りの歯科医院に相談してみましょう。
自律神経が乱れている
人は自律神経の「交感神経」と「副交感神経」のバランスを取ることで健康を維持しています。このうち、交感神経は身体を活動しやすい状態にするのが主な役割です。
一方、副交感神経は呼吸や心拍数を下げ、身体の回復や精神をリラックスさせるのが主な役割で、睡眠時は副交感神経が優位となります。
しかし、精神的にストレスを溜めすぎると、本来副交感神経が優位となる時間帯でも交感神経が興奮し、血管が縮小してしまいます。その結果、血行不良を引き起こし、肩のこりや痛みに繋がる場合があります。
高野勇人
たかの整形外科 院長
起床時の肩の痛みで医療機関を受診した場合、問診(生活習慣、仕事内容など)や診察から痛みの部位をある程度特定し、レントゲン検査や超音波検査を行います。神経などにも原因がありそうな場合はMRI検査などを行います。
横向き寝が原因で肩が痛くなる場合も
普段横向きで寝ている方は、その姿勢が肩の痛みの原因となっているかもしれません。横向きで寝る場合は、上半身の体重が下側に位置する肩に加わることで負担がかかり、背骨と肩甲骨を繋ぐ筋肉が常に引っ張られている状態になります。
引っ張られている筋肉は硬くなり、肩の痛みに繋がる場合があります。
また、横向きに寝ていると、重力の影響で肩に負担がかかり「巻き肩」になる可能性があるので注意してください。
巻き肩とは、肩の位置が通常よりも前方へとスライドした状態のことです。巻き肩による姿勢の悪さが、肩こりや痛みに繋がる場合があります。
なお、巻き肩は病名ではなく姿勢のことです。そのため、普段の姿勢に気を付けていれば防ぐことができます。
高野勇人
たかの整形外科 院長
医療機関での巻き肩の治療について、巻き方は主に姿勢が原因であるため、運動リハビリテーションを中心に姿勢矯正、背部や肩周囲のストレッチ筋肉トレーニング、日常生活指導を行います。
朝起きると肩が痛い場合の対処法
ここからは、朝起きた時に肩の痛みを感じる方に向けて、おすすめの対処法を紹介します。
- 体に合った枕を使う
- お風呂にゆっくり入る
- ストレスを溜めないようにする
- 姿勢に気を付ける
- ストレッチをする
- 使っている寝具を見直す
以下で各対処法を解説するので、ぜひ参考にしてください。
体に合った枕を使う
枕が高い、または低いと感じる方は、この機会に自分に合った枕を使うようにしましょう。自分に適した高さの枕を使うことで、血行不良による肩の痛みを防ぎやすくなります。
なお、枕の高さは仰向けになった時、首の骨が緩やかなS字カーブを描いている状態を保てるのが理想的だといわれています。買い替える際は、意識してみてください。
このほか、自分の体格に合った枕を使うことも大切です。枕が体格に合っていれば寝返りが打ちやすくなり、血行不良を防げます。一般的な枕は「約50×35cm」「約63×43cm」「約70×50cm」の3種類があるので、体格に合いそうなサイズの枕を選びましょう。
サイズ選びに迷った際は、基本サイズとなる「約63×43cm」を選ぶことをおすすめします。
また、羽毛やパイプなど、枕によって使われている素材は異なります。触感を比べてみたうえで、自分が寝やすいと感じた素材を使用した枕を選ぶと良いでしょう。
お風呂にゆっくり入る
お風呂に入ると血行が良くなり筋肉がほぐれるため、肩こりによる痛みを緩和できます。いつもシャワーだけで入浴を済ませていた方は、お風呂にゆっくり浸かってみると良いでしょう。
ただし、お風呂の温度が高すぎると、筋肉が硬直してしまい逆効果になるので注意してください。痛みを緩和するためにお風呂に浸かる際は、38℃のぬるめのお湯に25分~30分程度浸かることをおすすめします。
42℃の熱めのお湯であれば、浸かる時間を5分程度に留めましょう。半身浴の場合は、約40℃のお湯に30分程度浸かると体の疲れが抜けやすくなります。
ストレスを溜めないようにする
肩の痛みの原因となる歯ぎしりや自律神経の乱れを防ぐには、普段からストレスを溜めないことが大切です。
好きな趣味を見つける、自分の使える時間を増やすなど、ストレスを溜めないように工夫しましょう。
姿勢に気を付ける
寝起きに肩の痛みを感じる場合は、悪化させないためにも日中の姿勢に気を付けましょう。
特に座っている際は、背中が丸くなって肩が前に出ている状態になりやすいので注意してください。この姿勢だと肩が腕の重さによって下に引っ張られてしまい、痛みが出やすくなります。
座る際は、胸を張って目線を下げないようにすると、肩への負担が減り痛みを抑えられる可能性があります。デスクワークの方など、日中に座っている場面が多い方は意識してみてください。
高野勇人
たかの整形外科 院長
肩の痛みをはじめとした体の不調を防ぐには、上記の説明のとおり、まずは姿勢に気を付けることです。体を冷やさないようにする、同姿勢を続けない(デスクワークであれば30分に一度は椅子から立ち上がる)ことも挙げられます。
ストレッチをする
肩の痛みに悩んでいる方は、日常にストレッチを取り入れてみると良いでしょう。ストレッチをして血流を促したり、筋肉をほぐしたりすることで、肩のこりや痛みが軽減する場合があります。
ここではおすすめのストレッチを二種類紹介するので、ぜひ実践してみてください。
肩甲骨のストレッチ
肩甲骨のストレッチには、背中から肩にかけて楽になる効果があります。具体的な手順は下記のとおりです。
- 両ひじを曲げて肩より上に上げる
- 息を吐きながら5秒かけて両ひじをゆっくり後ろに引く
- 肩甲骨を寄せたままひじを下げて脱力する
- 上記手順を5回繰り返す
肩甲骨を肋骨から剥がすような感覚で行うのがポイントです。肩のこりや痛みなどを普段から予防するためにも、習慣的に行うことをおすすめします。
使っているマットレスを見直す
肩の痛みを感じる方は、使っているマットレスを見直してみましょう。体に合っていないマットレスを使用していると、寝返りが打ちにくくなる分、肩の痛みの原因となる血行不良を引き起こす可能性があります。
普段から寝にくさを感じている方は、寝返りの打ちやすいマットレスに変えることをおすすめします。
寝返りの打ちやすいマットレスであれば、寝返りが適度に打てる分、血流が促進され、血行不良を防げます。
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まとめ
ストレスや歯ぎしり、自律神経の乱れなど、肩の痛みに繋がる原因はさまざまです。
朝起きた時に肩が痛いと感じる方は、痛みの原因を把握したうえで対策方法を行うことが大切です。
寝姿勢に気を付ける、ストレッチを行う、枕を買い替えるなどして対処しましょう。