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2022.01.20 更新

睡眠で体力を消耗する理由とは?疲労回復のメカニズムや快適な睡眠をとる方法を紹介

睡眠で体力を消耗する理由とは?疲労回復のメカニズムや快適な睡眠をとる方法を紹介

基本的に質の高い睡眠をとることで、疲労回復ができると考えられますが「寝ることで体力を消耗するのはなぜ?」と疑問に感じている方もいるかもしれません。

この記事では、睡眠で体力を消耗する理由や、睡眠による疲労回復のメカニズムをわかりやすく解説し、質の高い睡眠をとる方法についても紹介します。

睡眠と体力の消耗がどのような関係になっているのかわからない方や、自分が快適に日常を過ごせるために必要な睡眠時間がわからない方などは参考にしてください。

  1. 寝ることにも体力がいるのはなぜ?睡眠と体力の関係性を紹介
  2. 睡眠中の基礎代謝はエネルギーを使う
  3. 加齢による早寝早起きも体力や睡眠時間に関係している
  4. 睡眠による疲労回復のメカニズムとは
  5. 疲労回復のために必要な睡眠時間はどのくらい?
  6. 疲労回復するために質の高い睡眠をとる方法
  7. 規則正しい生活習慣で体内時計を整える
  8. 就寝の90~120分前にぬるめのお湯で入浴する
  9. 適度な運動を取り入れる
  10. カフェインを含まない温かいものを飲む
  11. 就寝直前にスマホ・パソコンなどの使用を控える
  12. 熟睡できる自分の体に合った快適な寝具を使う
  13. 寝室を快適な睡眠環境に整える
  14. まとめ

寝ることにも体力がいるのはなぜ?睡眠と体力の関係性を紹介

睡眠には、主に疲労回復の効果があります。

しかし、睡眠中は体のさまざまな機能が生命維持のために働いているため、寝ている間にも多くのエネルギーが必要とされているのです。

以下、睡眠で体力を消耗する理由について、詳しく解説します。

睡眠中の基礎代謝はエネルギーを使う

人は生活活動や運動などで活動している時以外にも、生命維持のための「基礎代謝」や、食事する際に起こる消化・吸収に伴う「食事誘発性熱産生(しょくじゆうはつせいねつさんせい)」によって、エネルギーが消費されています。

個人の体質などによっても異なる可能性がありますが、1日の全エネルギーにおける大まかな消費割合を紹介すると以下のとおりです。

エネルギー消費活動消費割合
生活活動約30%
食事誘発性熱産生約10%
基礎代謝約60%

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」

睡眠中は主に上記のうち、心身の健康を保つために心臓や中枢系が働いており、基礎代謝として必要なエネルギーの消費が行われています。

加齢による早寝早起きも体力や睡眠時間に関係している

一般的に知られているように、睡眠はエネルギーが必要な反面、心身の疲労回復効果もあります。

そのため、正しい睡眠習慣を身につけることは体力の回復にも繋がりますが、一方で睡眠不足が続くと集中力や注意力の低下による日中の活動や、うつ病など精神面に悪影響を及ぼす可能性もあります。

そして、日中の活動に影響が出ないように、適切な睡眠時間を確保する必要がありますが、睡眠時間は加齢による体力の低下に伴い短くなるといわれています。

年齢ごとの平均睡眠時間は下記のとおりです。

年齢層睡眠時間の平均
10歳代前半約8時間以上
25歳約7時間
45歳約6.5時間
65歳約6時間

出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」

上記のように、年齢とともに睡眠時間が減少する理由の一つには、加齢による体力の低下や、活動量が下がることによる消費カロリーの低下などがあるといわれています。

睡眠による疲労回復のメカニズムとは

近年の脳科学の研究では、疲れが発生するメカニズムが徐々に解明されてきており、心身に負荷がかかると下記のような反応が起こり、疲労に繋がるとされています。

  • 副交感神経機能が低下する
  • 酸化ストレスを増加させる
  • 修復エネルギーの生産が低下する
  • 免疫系細胞からの分泌物が炎症を起こす
  • 神経伝達機能が抑制される

出典:「疲労回復の3つの方法!疲れた時はお試しを!」

疲労の種類は主に「末梢性疲労(まっしょうせいひろう)」と「中枢性疲労(ちゅうすいせいひろう)」に分類でき、それぞれ下記のような違いがあります。

疲労の種類概要
末梢性疲労スポーツなどで体を動かし、筋肉などを働かせるための物質やエネルギーが枯渇することによる疲労
中枢性疲労仕事や人間関係での心理的・精神的ストレスや、長時間のパソコン作業などで視神経や脳が緊張するなどして起こる疲労

睡眠は、脳や体の休息時間であり、上記のような疲労を回復させるために最も重要な要素と考えられています。

そのため、疲労を感じたら早めに十分な睡眠をとることを心がけましょう。

もし睡眠をとっても疲労が回復しない場合、何かしらの病気の可能性があることを視野に入れて医療機関での受診をおすすめします。

疲労回復のために必要な睡眠時間はどのくらい?

疲労回復のためにはどれくらいの睡眠時間が必要なのか、わからない方もいるのではないでしょうか。

一般的に理想的な平均睡眠時間はおよそ6〜8時間とされています。

ただし、これはあくまでも20歳以上の日本人で睡眠時間が6時間以上8時間未満である人の割合がおよそ6割を占めるためであり、一つの目安として使われていると把握しておきましょう。

実際には、体質や年齢、季節などによって最適な睡眠時間は人によって異なるため、一概に「最適な睡眠時間は〇時間」と定義されているわけではありません。

例えば、前述のとおり加齢によって睡眠時間が減少されるとされていますが、これは病気ではなく、ごく自然なことなので「平均睡眠時間が8時間より少ない」などと心配する必要もありません。

自分に合う睡眠時間を知りたい場合は「日中に眠気で困らない程度の睡眠」を基準にして決めると良いでしょう。

もし平均睡眠時間より短くても、日中に眠気がなく、快適に過ごせるのであれば平均的な睡眠時間を過度に気にする必要はありません。

疲労回復するために質の高い睡眠をとる方法

疲労回復するために質の高い睡眠をとる方法

紹介したとおり、睡眠は体力を必要としますが、それ以上に疲労回復の効果があるため、良い健康状態を維持することや、日中を活動的に過ごすためには欠かせない要素の一つです。

睡眠で体力を消耗するだけではなく、しっかり疲労を回復させるためには、以下のような行動を心がけ、質の高い睡眠をとることが大切です。

  • 規則正しい生活習慣で体内時計を整える
  • 就寝の90~120分前にぬるめのお湯で入浴する
  • 適度な運動を取り入れる
  • カフェインを含まない温かいものを飲む
  • 就寝直前にスマホ・パソコンなどの使用を控える
  • 熟睡できる自分の体に合った快適な寝具を使う
  • 寝室を快適な睡眠環境に整える

それぞれの内容について以下で詳しく紹介するので、日常に取り入れて満足度の高い睡眠を目指してください。

規則正しい生活習慣で体内時計を整える

睡眠は食事などと同じく生活習慣の一つです。

そのため、生活習慣を整えることは体内時計を整え、睡眠リズムを整えることに繋がります。特に就寝・起床時間は毎日決まった時間になるように心がけましょう。

就寝・起床時間が崩れていれば、どんなに健康的に運動したり、食生活を整えてたりしていても快眠には繋がらないといわれているので、注意が必要です。

就寝・起床時間のほか、体内時計を整える規則正しい生活習慣の一例を紹介すると下記のとおりです。

  • 朝起きて太陽光を浴びる
  • 栄養バランスが良く、規則正しい食事を心がける
  • 平日・休日でも睡眠時間を一定にする

例えば、もし睡眠不足や夜ふかしで体内時計が狂っている場合は、体内時計をリセットする役割がある太陽の光を浴びましょう。

太陽の光を浴びると分泌される「セロトニン」は、夜に眠気を促す「メラトニン」という物質の原料となるため、入眠時刻が徐々に安定していくとされています。

睡眠時間がバラバラな方が質の高い睡眠をとるには、無理に矯正しようとするのではなく、まずは体内時計を整えることを心がけましょう。

就寝の90~120分前にぬるめのお湯で入浴する

入浴には、体温の上昇やリラックス効果があるため、自然な入眠や質の高い睡眠を得るために効果的です。

人は体温が上昇し、低下し始めるタイミングで眠気が起こるとされているため、就寝の90~120分前に入浴することで、リラックスするとともに就寝時に自然な眠気がきて心地良く入眠できる可能性が高まります。

簡単に取り入れられることなので、ぜひ実践してみてください。ただし、熱いお湯での入浴はかえって体を興奮させ、寝付きの悪さに繋がるため注意しましょう。

おすすめの入浴方法やお湯の温度、入浴時間は以下のとおりです。

  • 入浴は38℃のぬるめのお湯で25分~30分程度
  • 42℃の熱めのお湯であれば5分程度
  • 半身浴なら約40℃のお湯で30分程度

適度な運動を取り入れる

ウォーキングや散歩などの有酸素運動を行うことで、緊張がほぐれてストレスを発散できるほか、適度な肉体的な疲労により、質の高い睡眠が期待できます。

また、運動にも体温の上昇効果があるため、寝る3時間前ほどに軽めの運動を行うと、寝床に入るタイミングで体温が下がりはじめ、自然な入眠に繋がる可能性がありおすすめです。

就寝前に運動するなら、心拍数が上がらないストレッチヨガをおすすめします。激しい運動は交感神経が活発になり眠りが浅くなるので控えましょう。

カフェインを含まない温かいものを飲む

ご存じの方も多いかもしれませんが、カフェインには覚醒作用があり寝付きの悪さや睡眠の質の低下に繋がるため就寝前の摂取は控えましょう。

カフェインを含む飲み物の一例を紹介すると以下のとおりです。

  • コーヒー
  • 緑茶
  • 紅茶
  • ココア
  • 栄養・健康ドリンク剤
  • エナジードリンク

一般的な方では就寝前3~4時間、敏感な方の場合は4~5時間前には摂取を控えることをおすすめします。

一方で、カフェインレスの温かい飲み物は心身のリラックス効果や体温の上昇効果によって、快適な入眠や質の高い睡眠に繋がる可能性があるためおすすめです。

以下、就寝前におすすめの飲み物の一例として挙げられるものです。

  • 白湯
  • 生姜湯
  • ハーブティー
  • ホットミルク

就寝直前にスマホ・パソコンなどの使用を控える

スマホやパソコンなどの機器から発される「ブルーライト」は強い可視光線で、太陽光にも含まれているとされています。

寝る前にスマホやパソコンのブルーライトを浴びると脳が「昼だ」と錯覚するほか、ブルーライトのような明るすぎる光は、眠気を促すメラトニンという脳内ホルモンの分泌を妨げにもなります。

また、スマホやパソコン操作はメールやゲームにより夜ふかしの原因にもなり睡眠不足の原因にもなるため、就寝前の操作は控えましょう。

就寝前には部屋を暗くし、自分がリラックスできる音楽を聞いたり、アロマ・お香を使ったりして眠りに入る準備をすることで、質の高い睡眠が期待できます。

熟睡できる自分の体に合った快適な寝具を使う

マットレスなどの寝具は、疲労回復のための快適な睡眠に大きく影響します。

もしマットレスが自分の体に合っていない場合、疲労回復を妨げるだけではなく、肩こりや腰痛、寝起きの体調不良などに繋がることもあるため、注意しましょう。

例えば、自分にとってマットレスが硬すぎる場合、体が沈み込まず肩や腰など体の一部で体重を支えることになり、血行不良を起こし肩こりや腰痛、寝起きのだるさに繋がります。

一方で、自分にとってマットレスが柔らかすぎる場合には、体が沈み込んでしまい寝返りが打ちづらくなります。

寝返りは睡眠中に体の部位が長時間圧迫されることによって起こる血行不良をリセットするための生理現象です。寝返りを上手く打てないと、体の不調などに繋がる可能性があります。

質の高い睡眠を取るには、体の一部への負担を軽減する「体圧分散性」と、理想的な寝姿勢をキープでき、快適な寝返りをサポートしてくれる「適度な反発力」を併せ持ったマットレスを選ぶことが大切です。

質の高い睡眠によって疲労を回復し、日中に活き活きと活動したいのであればマットレスなどの寝具選びにはこだわりましょう。

寝室を快適な睡眠環境に整える

マットレスなどの寝具とともに、寝室の温度、湿度、光、音にも気を配ることで、より質の高い睡眠が期待できます。

使用している寝具の性能や着ているパジャマ、体質などによっても快適に感じる温度・湿度は異なりますが、夏場は25℃〜26℃、冬場は22℃〜23℃、湿度は通年50%〜60%が理想的な室内環境とされています。

また、寝床は温度33±1℃、湿度50%±5%ほどが快適といわれています。温度・湿度のほかにも、照明の加減や周辺の音環境にも気を配るとなお良いでしょう。

「カーテンが薄い」「テレビを付けっぱなしで寝ている」など、睡眠環境が快適ではない場合、寝付きが悪くなったり、寝ていても深い眠りには入れなかったりなどの原因に繋がるため、マットレスなどの寝具と合わせてこだわることをおすすめします。

まとめ

睡眠に体力が必要といわれる理由は、睡眠中にも体は生命維持活動を続けているためです

ただし、睡眠には心身の疲労回復効果もあるため「睡眠を減らすことは体力温存に繋がる」ということではありません。

一方で、「長く寝ればより体力が回復する」ということでもないうえ、長時間睡眠は体内時計が乱れ、生活リズムを崩す原因になるためおすすめしません。

睡眠は長い、短いなどの「時間」ではなく「質」の高さが重要です。睡眠が快適にとれているかは「日中に眠気で困らない程度の睡眠であるか」を基準に考えましょう。

今回紹介した睡眠の質を高める方法を参考にして、生活習慣やマットレスなどの寝具を見直し、快適な睡眠を目指してください。

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