きちんと睡眠を取ったのに、起床後に体が凝り固まっており、疲労感が残っているのであれば、睡眠のあいだ体の全身に力が入っている可能性があります。
寝姿勢が悪く体がストレスを感じる状況に置かれていると、体がリラックス状態へ移行できず睡眠の質が低下する可能性があるため注意が必要です。
体に不調があらわれるのを防ぐためにも、睡眠中に力が入っているのであれば早めに対処しましょう。
この記事では、睡眠中に力んでしまう原因や改善方法について解説します。
睡眠中に体が凝り固まることに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
睡眠中に全身に力が入ることで起こる症状
就寝中、全身に力が入っていると、数時間にわたって筋肉が緊張した状態が続き、肩や首、背中などが「寝こり」の状態になります。
就寝時間を確保していても疲れがとれず、「寝たのに疲れる」状態なのであれば、慢性的な寝こりが原因かもしれません。
睡眠中、全身に力が入っていると、すっきり目覚められないことが増える、日中に眠気が残る、歯ぎしりや頭痛が起こるといった悪影響も考えられるため、睡眠中にはリラックスした状態を保つことが大事です。
就寝中に体に力が入るのは、上手くリラックスできないまま就寝していることで引き起こされます。筋肉が凝り固まって心身の緊張状態が続くと、不眠や睡眠の質の低下にも繋がるため注意しなくてはなりません。
睡眠中に力が抜けない原因とは?
睡眠中、体に力が入ったままになる原因として、以下のことが挙げられます。
- 窮屈な姿勢で寝ている
- 生活習慣の影響を受けている
- ストレスが溜まっている
それぞれについて、詳しく解説します。
窮屈な姿勢で寝ている
窮屈な姿勢で寝ていると、体に力が入りやすくなります。例えば、パートナーや赤ちゃん、ペットと一緒に就寝すれば、無意識のうちに周りに気を使うことになるため、体を動かしにくくなるでしょう。
また、マットレスや枕が体に合っていないと、無理な寝姿勢となって寝返りが打ちづらくなります。マットレスの横幅が狭く、落ちることを避けるために自然と寝返りが少なくなることも、体に力が入った状況となる原因です。
マットレスサイズについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
生活習慣の影響を受けている
普段の生活習慣が知らずのうちに影響して、就寝中に力が入る状況を引き起こしている可能性があります。
特に、熟睡を妨げる以下の行動には注意が必要です。
- 就寝直前にブルーライトを浴びている
- 就寝直前に食事をとっている
- 就寝前にカフェインやアルコールを摂取している
就寝直前に食事をとると、入眠する時にも消化活動が優先して行われるので、体がしっかり休まらない状態となります。就寝前に覚醒作用があるカフェインやアルコールを摂取することも、睡眠を妨げる原因の一つです。
このように、体が眠る体制をとれていないと、睡眠の質が低下して体のこりに繋がるケースがあります。
また、デスクワークが多い職場で働いている方は、体を動かす機会が少ないため筋肉が凝り固まりやすいです。さらに、体の冷えは筋肉の緊張に繋がるため、冷え性の方は体を温める工夫を行うことをおすすめします。
ストレスが溜まっている
ストレスを受けることで心身が緊張状態になると、眠りが浅くなって全身に力が入りやすい状態を招きます。
日常生活を送るうえで日々ストレスは受けるものですが、溜めるのではなく上手く発散させることが大事です。
また、眠りの浅さには、体のさまざまな機能をコントロールする「自律神経」が関係しているため、生活習慣を見直して自律神経のバランスを整えると良いでしょう。
自律神経のバランスが乱れたままの状態では、不眠症や過眠症といった「睡眠障害」に繋がる可能性があります。
ストレスによって体に力が入る状態が長期間続いているのであれば、睡眠の質を高める行動に取り組み、睡眠障害の症状があらわれた際には、必要に応じて医療機関の受診も検討してください。
体の力を抜いて熟睡したいなら「筋弛緩法」がおすすめ
睡眠中、無意識に力が入る状態を解消する方法の一つに「筋弛緩法」があります。筋弛緩法とは、アメリカのエドモンド・ジェイコブソン博士が考案したリラクゼーション法です。
およそ100年前に発表されて以来、ヨガのメニューや不眠症の改善対策などに取り入れられています。意図的に力を入れたり抜いたりすることによって、無意識のうちに体に力が入る状態を解消することが目的です。
- 筋弛緩法の基本動作
- 筋弛緩法のやり方
ここからは、筋弛緩法の詳細について、上記の項目ごとに解説します。
筋弛緩法の基本動作
筋弛緩法では、体の部位ごとに10秒間力を入れ、その後15秒間力を抜くという動作を繰り返します。とても簡単なので、思いついた時にいつでも取り組みやすいです。
横になった状態でも椅子に座った状態でも行えますが、できるだけリラックスした環境で取り組みましょう。ベルトや時計などの体を締め付けるものは外して、照明が明るすぎない静かな環境で行ってください。
筋弛緩法のやり方
ここからは、筋弛緩法の取り組み方について体の部位ごとに解説します。
まずは鼻から大きく息を吸い、口からゆっくりと吐く「腹式呼吸」でリラックスしましょう。続いて、体の部位ごとに「力を入れる」「力を抜く」動作を行います。
- 手
1. 両腕を前に伸ばし、手の平を上に向け、親指を内側に入れた状態で握りこぶしを作り、10秒間握る
2. 両手を広げて膝の上に置き、15秒間脱力する - 腕
1. 力こぶを作るようにして、10秒間脇を締める
2. 両手を広げて膝の上に置き、15秒間脱力する - 肩
1. 両肩を耳の近くまで上げ、10秒間力を入れる
2. ストンと肩を下げ、15秒間脱力する - 首
1. 顔を右方向に回して10秒間キープした後、正面を向いて15秒間脱力する
2. 続けて、左も同じように行う - 背中
1. 腕に力こぶを作るようにし、10秒間肩甲骨を寄せる
2. 両手を広げて膝の上に置き、15秒間脱力する - 顔
1. 10秒間目と口をぎゅっと閉じ、奥歯を噛みしめる
2. 口を開けて15秒間脱力する - お腹
お腹に手を当て、へこませながら10秒間力を入れた後、15秒間脱力する - ふくらはぎ
1. 両脚を前に伸ばし、つま先を自分の方向へ10秒間そらす
2. 脚を下げて15秒間脱力する - 太もも
1. 両足を前に伸ばし、つま先を自分と反対側へ10秒間伸ばす
2. 脚を下げて15秒間脱力する
筋弛緩法を終えると、体の緊張感がほぐれて全身が温まっていることがわかるでしょう。
すべて行っても15分程度なので、休憩時間や寝る前の運動として取り入れてください。
睡眠時は無駄な力を抜こう!筋弛緩法以外でリラックスして眠る方法4つ
就寝中に力まないようにするには、普段から心身ともにリラックスしておくことも大切です。
- ストレッチを行う
- 睡眠環境を整える
- 食生活を見直す
- 体を温める
ここからは、日常的に取り入れやすいリラックス方法を紹介します。
ストレッチを行う
就寝前に軽めのストレッチを取り入れると、リラックス状態の「副交感神経」が優位になって眠りにつきやすくなります。ストレッチを習慣づけることで肩こりや腰痛の予防にも繋がるため、同じ姿勢が長時間続くデスクワークの方などは特に試してみてください。
ストレッチを行うと硬くなった筋肉の血流が促されるので、就寝中に力むという悩みだけでなく、すでに体の痛みやこりが生じて悩んでいる方にも効果的といえるでしょう。
- 全身のストレッチ:①仰向けに寝転がって両腕と両脚を伸ばす②上下に引っ張られるように背伸びした状態を保つ
- 肩甲骨のストレッチ:①四つん這いになってお尻を後ろに突き出す②そのまま背中を伸ばした状態を保つ
- 首のストレッチ:①座った状態で背筋を伸ばす②後頭部に手を置いたまま下を向き、首筋を伸ばす
肩甲骨のストレッチは肩こりの予防や緩和、首のストレッチは首のこりに効果的です。体のこりが気になる方は、ぜひ日常生活に取り入れましょう。
睡眠環境を整える
マットレスが狭くて寝返りを打てない、隣に寝ている人が気になって窮屈になるなど、寝具の状況が影響して体に力が入っているのであれば、必要に応じて寝具の買い替えをおすすめします。
マットレスは、体圧分散性に優れており、適度な反発力のあるものが寝返りを打ちやすいです。2人以上で寝る方や体格が良い方は、ベッドのサイズも見直しましょう。
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また、寝具だけでなく、室温や照明も就寝しやすい状態に整えることが大切です。
- 照明:蛍光灯など明るすぎるものは避け、暖色系・間接照明を活用する
- 室温:適温に整える(夏は25〜26℃、冬は22〜23℃)
そのほか、体がリラックスした状態で入眠できるように、脳を覚醒させるブルーライトの光は就寝前に浴びないようにしてください。
就寝中に全身に力が入るのは、寝つきづらい環境が原因だと感じるのであれば、ぜひ改善に取り組んでスムーズに入眠できるよう努めましょう。
食生活を見直す
生活リズムを崩さないためにも、毎日3食をできる限り同じ時間帯にとりましょう。
忙しくて朝食を食べない方もいるかもしれませんが、朝食には体内時計をリセットする重要な役割があるため、毎日の朝食を抜くのはおすすめできません。
入眠時に消化器官が働いていると眠りが妨げられるため、夕食をとるタイミングは就寝時刻の3時間前までを目安にすると良いです。
脂っこい食事ばかりにするのではなく、野菜や発酵食品も取り入れて健康的な食事内容を心がけてください。
体を温める
リラックスした状態で眠りにつくためにも、入浴や温かい飲み物によって体を温めてから寝床に入ることをおすすめします。
おすすめの入浴方法は、就寝時刻の90~120分前までに、38℃ほどのぬるめのお湯に浸かる方法です。25〜30分ほど入浴すると体の芯から温まり、就寝時刻あたりに体温が下がって自然と眠気を誘います。
ただし、熱めのお湯で入浴すると、通常であれば日中に働く「交感神経」が優位な状態になって寝つきづらくなるため、避けたほうが無難です。
また、就寝前にホットミルクやハーブティー、白湯などを飲むと、体が温まるだけでなく心もリラックスします。就寝前には、カフェインやアルコールが含まれる飲み物は控えて、体が温まるものを選ぶようにしてください。
まとめ
就寝中、全身に力が入ってしまう方は、窮屈な寝姿勢や日々の生活習慣が引き金となっている可能性があります。無意識のうちに縮こまった姿勢とならないよう、狭すぎる場所での就寝は避けましょう。
力まずに眠るためにはリラックスした状態で眠りにつくことが重要なので、就寝環境や生活習慣を見直して、スムーズに入眠できる環境を整えてはいかがでしょうか。
また、無駄な力を抜くための方法として筋弛緩法に取り組むのもおすすめです。とても簡単な方法で体の力みを解消できるため、ぜひ試してみてください。