この記事のまとめ
- 夜の眠気は、体内時計や深部体温、睡眠圧などの働きによって生じる
- 朝の日光や日中の運動、入浴、照明などを整えることで、夜に自然な眠気が訪れやすくなる
- 生活習慣を見直しても眠れない状態が続き、日中の生活に支障がある場合は医療機関への相談を検討する
「明日は早いのに目が冴えて眠れない」「布団に入っても頭がぐるぐる回って寝付けない」と悩んだ経験は誰にでもあるのではないでしょうか。早く眠りたいと焦るほど、かえって眠気が遠のいてしまうケースも少なくありません。
眠気は、単に「寝よう」と思えば訪れるものではなく、体内時計や深部体温、日中の活動量など、さまざまな要素が関係して生じます。そのため、夜になってから対策するだけでなく、日頃の生活習慣を整えることも大切です。
この記事では、夜に自然と眠気が訪れる仕組みや眠れない原因を解説するとともに、布団の中で実践できる眠くなる方法や、毎日の習慣で眠くなりやすい体をつくる方法も紹介します。夜眠れずに困っている方はぜひご一読ください。
- この記事のまとめ
- そもそも夜に眠くなる理由は?
- 起きている時間が長くなると睡眠圧が溜まる
- 深部体温が下がるタイミングで眠気が訪れる
- 副交感神経が優位になるとリラックスして眠りやすい
- メラトニンの分泌で自然と眠くなる
- 普段の就寝時間を過ぎても眠くならない原因
- スマホやパソコンの操作
- カフェインやアルコールの摂取
- 刺激物の摂取
- ストレスや緊張
- 喫煙
- 季節の違い
- 不眠症
- 夜に自然と眠くなるために意識したい習慣
- 規則正しい起床時刻を保つ
- 起床時は日光を浴びて体内時計をリセットする
- 毎朝ご飯を食べる
- 夕食は就寝の3時間前までに済ませる
- 定期的に運動する習慣を身につける
- 睡眠環境を整える
- 寝る前の準備で取り入れたい眠くなる方法5選
- 温かい飲み物で体を内側から温める
- リラックスできるアロマを焚く
- 38〜40℃のお湯に浸かって深部体温をコントロールする
- ヒーリングミュージックやホワイトノイズを流す
- 寝室の照明を落として落ち着いた空間にする
- 眠くなるために布団の中でできるリラックス方法5選
- 腹式呼吸でリラックスする
- 筋弛緩法で心身の緊張をほぐす
- 軽めの静的ストレッチをする
- 眠気を誘うツボを押す
- 手のひらやおでこを冷やして熱放散を促す
- 眠れない時に無理に眠ろうとしない
- 眠れないまま朝を迎えた時はどう対処するべき?
- 快眠するには寝具も重要
- マットレスを見直すならNELL マットレス スイートがおすすめ
- まとめ
そもそも夜に眠くなる理由は?
「夜になれば自然に眠くなる」と思っている方は多いかもしれませんが、その背景では以下の4つの働きによって眠気が生じています。
- 起きている時間が長くなると睡眠圧が溜まる
- 深部体温が下がるタイミングで眠気が訪れる
- 副交感神経が優位になるとリラックスして眠りやすい
- メラトニンの分泌で自然と眠くなる
それぞれの理由を詳しく解説します。
起きている時間が長くなると睡眠圧が溜まる
睡眠圧とは、起きている時間が長くなるにつれて高まる「眠ろうとする力」のことです。朝に目覚めてから活動を続けることで徐々に睡眠圧が溜まり、夜になると眠気を感じやすくなります。
一方、日中に長時間の昼寝をしたり、休日に遅くまで眠ったりすると、夜までに十分な睡眠圧が溜まらず、普段の就寝時刻になっても眠くならない場合があります。
深部体温が下がるタイミングで眠気が訪れる
深部体温とは、脳や内臓など体内部の温度を指します。人の体は深部体温が下がる過程で強い眠気が訪れる仕組みのため、深部体温が下がりにくい状態のままだと布団に入ってもなかなか眠気は訪れません。
入浴や温かい飲み物で一時的に体を温めることで、その後の体温低下に合わせて自然な眠気が訪れます。
副交感神経が優位になるとリラックスして眠りやすい
自律神経には活動時に優位になる「交感神経」と、リラックス時に優位になる「副交感神経」の2種類があります。本来は夜になると副交感神経に切り替わりますが、ストレスや緊張で交感神経が優位のままだと脳が興奮し、眠気が訪れにくくなります。
呼吸法やストレッチ、ツボ押しなどの手法は、副交感神経を意図的に刺激してリラックス状態を作り出すアプローチです。
メラトニンの分泌で自然と眠くなる
メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれる物質で、夜になると脳から分泌されて自然な眠気を促します。しかし、夜のスマホやパソコンのブルーライト、明るすぎる寝室の照明はメラトニンの分泌を抑制してしまうため、就寝前は強い光を避けることが大切です。
なお、これら4つの要因は独立したものではなく、互いに連動しています。朝の光によって体内時計を整え、日中に活動して睡眠圧を溜めることで、夜の体温低下が起こりやすくなり、副交感神経への切り替えもスムーズになります。
普段の就寝時間を過ぎても眠くならない原因
夜に自然な眠気を促すためには、眠くならない原因を把握し、睡眠を妨げている要素を取り除くことが大切です。眠れない原因は人によって異なりますが、主に以下が挙げられます。
- スマホやパソコンの操作
- カフェインやアルコールの摂取
- 刺激物の摂取
- ストレスや緊張
- 喫煙
- 季節の違い
- 不眠症
それぞれの原因の詳しい内容を順番に見ていきましょう。
スマホやパソコンの操作
就寝前のスマホやパソコンの操作は、眠れなくなる原因の1つです。
寝る前にスマホやパソコンを操作すると、画面から発せられる青色光(ブルーライト)によって脳が「昼だ」と錯覚し、「メラトニン」の分泌量が抑制されて眠れなくなってしまいます。
そのため、就寝の2時間前までにスマホやパソコンの操作をやめ、ストレッチをしたりアロマを焚いたりして体をリラックスした状態に導きましょう。
「つい操作してしまった」という事態を防ぐためにも、就寝時はスマホやパソコンを寝具から遠い位置に置くことをおすすめします。
カフェインやアルコールの摂取
カフェインは覚醒作用があるため、寝る前に摂取すると寝付きが悪くなります。
コーヒーや緑茶、チョコレートにもカフェインが含まれるため、寝る前に摂取する習慣のある方は、カフェインを含まない飲み物に変えましょう。どうしてもカフェインを摂取する場合は、寝る5〜6時間前に摂取するようにしてください。
また、就寝前にアルコールを摂取すると寝付きは早くなるものの、眠りが浅くなるため睡眠の質が低下する可能性があります。「寝付きを良くしたいから」と寝る前にアルコールを摂取している場合は悪循環に繋がるため、寝酒は避けましょう。
なお、カフェインやアルコールの摂取が睡眠にもたらす悪影響については、以下の記事で詳しく解説しています。
刺激物の摂取
唐辛子など刺激が強い食べ物の就寝前の摂取は避けましょう。
就寝前に刺激が強い食べ物を摂取すると、交感神経が刺激されて脳が興奮状態になったり、胃腸の粘膜に負担がかかったりして眠れなくなる可能性があります。
就寝前の刺激物の摂取は控えて、心身がリラックスした状態を保てるよう意識すると良いでしょう。
ストレスや緊張
ストレスを溜めすぎると、自律神経の乱れに繋がったり、寝る前に考えごとをしてしまったりして眠れなくなる場合があります。寝付けたとしても、眠りが浅くなります。
ストレスの感じ方は人それぞれですが、真面目な方や自己肯定感の低い方、他人からの評価を気にしすぎる方などは、比較的ストレスを感じやすいといわれています。
日々のストレスを溜め込みすぎないためにも、適度な運動や他人との会話の機会を設けて適度に発散しましょう。
渥美正彦
医療法人上島医院院長
自律神経には、日中の活動時に働く「交感神経」と、リラックス時や睡眠時に働く「副交感神経」があります。
通常、夜になると自然に副交感神経への切り替えが起こりますが、強いストレスや不安を抱えていると交感神経の興奮が寝る前まで続き、脳が覚醒して眠れなくなってしまいます。
眠れない夜は焦らず、まずは深呼吸や軽いストレッチなどで、意図的に副交感神経を優位にさせる(リラックスする)ことを優先しましょう。
喫煙
タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があり、就寝前に喫煙すると寝付きが悪くなる可能性があります。
血中のニコチンは約2時間で半減するため、就寝前の喫煙は避け、喫煙から就寝まで2時間は空けたほうが良いでしょう。
なお、ニコチンは依存性が高い化学物質です。喫煙から時間が空くと離脱症状として不安感が生じ、睡眠に悪影響をもたらす可能性があります。より良い睡眠を実現したいなら、将来的に禁煙することも視野に入れましょう。
季節の違い
特定の時期にだけ眠りにくさを感じる場合は、季節の違いに原因があるかもしれません。
人の睡眠時間は季節によって変化する傾向があります。日照時間の影響などにより、秋や冬の時期は、ほかの季節に比べて睡眠時間が長くなりやすいとされています。
そのため、睡眠時間が変化する季節の変わり目は、寝付くまでに時間がかかる可能性があります。
不眠症
眠れない状態がしばらく続き、日中の生活にも支障が出ている場合は、不眠症の可能性も考えられます。
不眠症とは、「熟眠感を得られない」「なかなか入眠できない」などの睡眠障害により、日中に倦怠感や意欲低下、集中力低下などの不調が出る病気です。
主な原因は、生活リズムの乱れやストレスなどです。加齢によって増加傾向にあり、60歳以上では半数以上が不眠症に悩んでいるといわれています。
生活リズムの改善や適度なストレス発散によって、症状が和らぐ可能性があります。まずは、規則正しい生活やストレスを溜め込まない過ごし方を意識しましょう。
生活習慣を見直しても改善しない場合は、医療機関への相談をおすすめします。
渥美正彦
医療法人上島医院院長
不眠症は、単に「眠れない」だけでなく、日中の強い眠気や集中力低下など、生活に支障が出ている状態を指します。
症状は大きく分けて、寝つきが悪い「入眠障害」、夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」の3タイプがあります。ぐっすり眠った気がしない「熟眠障害」も重要な症状ですが、不眠症以外でも起こり得るため注意が必要です。
生活習慣を見直してもこれらの不調が週3回以上、1ヶ月以上続く場合は、睡眠外来や心療内科などの受診をご検討ください。
夜に自然と眠くなるために意識したい習慣
夜に自然と眠くなる体をつくるためには、毎日の生活習慣を整えることが大切です。以下では、今日から取り入れたい6つの習慣を解説します。
- 規則正しい起床時刻を保つ
- 起床時は日光を浴びて体内時計を整える
- 毎朝ご飯を食べる
- 夕食は就寝の3時間前までに済ませる
- 定期的に運動する習慣を身につける
- 睡眠環境を整える
規則正しい起床時刻を保つ
睡眠と覚醒は体内リズムによってコントロールされており、毎日一定の時刻に起床することで体内リズムが整い、質の高い睡眠がとれるようになります。
一方、起床時刻や就寝時刻が日によって大きく前後すると、体内時計が乱れて生活リズム全体に悪影響が及ぶ可能性があります。
特に注意したいのは休日の過ごし方です。休日前の夜更かしや休日の長時間睡眠は体内リズムを崩す代表的な原因であり、翌週の平日の睡眠リズムにも影響します。休日と平日の起床時刻はなるべく合わせましょう。
起床時は日光を浴びて体内時計をリセットする
人の体には、日中の活動と夜間の休息のリズムを自然に切り替える「体内時計」が備わっています。
しかし、体内時計の周期は24時間よりやや長く、活動と休息のリズムを24時間周期で刻むためには、体内時計を毎日リセットしなければなりません。
体内時計は朝の光を浴びることでリセットされ、そこから14〜16時間後に自然とメラトニンが分泌されて眠気が訪れます。起床後はまずカーテンを開けて日光を浴びることを習慣にしましょう。体内時計が正しいリズムを刻んでいれば、夜の時間帯に自然と眠気が訪れるようになります。
体内時計の役割をより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
毎朝ご飯を食べる
朝食は朝の光と並んで体内時計を整える要素の1つです。朝起きてからご飯をしっかり食べることで、各臓器の末梢時計も整いやすくなります。反対に、朝食を抜くと末梢時計がリセットされず、体内時計のずれに繋がります。
朝食で摂りたい栄養素は、タンパク質に含まれるトリプトファンです。朝に摂取すると日中はセロトニンに変化し、夜になるとメラトニンに変化します。
効率的にタンパク質を摂取したい方は、以下の食品を朝食に取り入れましょう。
- 卵
- 魚介類
- 豆類(豆腐、納豆など)
- 乳製品
- 肉類
夕食は就寝の3時間前までに済ませる
人が食べ物を口にした後は、消化活動を行うために脳や内臓の働きが活発になります。寝る直前に食事をした場合は就寝のタイミングで消化活動が行われ、眠りにくくなるため注意してください。
体内で行われる消化活動が完了するまでには数時間かかります。消化活動に睡眠を妨げられないよう、夕食は就寝の3時間前までに済ませましょう。
なお、寝る直前の食事がもたらす影響は以下の記事で詳しく解説しています。
定期的に運動する習慣を身につける
日中に体を動かして脳や体に疲労を蓄積させることで、夜に向けて「睡眠圧(眠ろうとする力)」がしっかりと溜まります。休日に長すぎる昼寝を避けることも、この睡眠圧を夜までキープするために重要です。
取り入れやすい運動としておすすめなのは有酸素運動です。有酸素運動は体が適度に疲労を感じるため、夜に寝付きやすくなります。ただし、激しい運動はかえって眠りにくくなるため、軽めのウォーキングやランニングを取り入れましょう。
また、運動は寝る3時間前程度の夕方から夜にかけて行うと、眠りに効果的といわれています。寝る直前の運動は、激しい運動と同様に眠りを妨げる原因になるため避けましょう。
睡眠環境を整える
睡眠環境の整備は、眠くなりやすい体づくりの土台です。以下のポイントを意識して快適な睡眠環境を整えましょう。
- 温度:夏場は25〜26℃、冬場は22〜23℃を目安に調整
- 湿度:通年50〜60%に調整
- 寝具:体に合うマットレス・枕を使う
- 寝間着:吸湿性・通気性の良いパジャマを着る
ジャージやスウェットは気軽に着られるため部屋着には向いていますが、肌触りや吸水性の観点から寝間着には適さない製品が多いです。普段部屋着のまま寝ている方は、パジャマなどの睡眠用に作られた衣類を着用しましょう。
朝から夜までの生活習慣を整えることに加えて、就寝前の過ごし方を工夫すると、自然な眠気を促しやすくなります。次に、寝る前に取り入れたい方法を紹介します。
寝る前の準備で取り入れたい眠くなる方法5選
布団に入る前に少し時間がある場合は、以下の方法を取り入れると眠りやすくなります。
温かい飲み物で体を内側から温める
就寝前に温かい飲み物を飲んで一時的に体温を上昇させると、その後の体温が下がったタイミングで眠気が生じます。そのため、眠れずに困っている時は、ホットミルクや白湯などの温かい飲み物を飲みましょう。
ただし、覚醒作用のあるカフェインを含む緑茶やコーヒー、睡眠の質を低下させるアルコールは逆効果のため避けましょう。
なお、寝る前におすすめの飲み物については、以下の記事で詳しく解説しています。
渥美正彦
医療法人上島医院院長
就寝前に温かい飲み物を飲む最大のメリットは、「深部体温(脳や内臓の温度)」のコントロールです。温かいものを飲んで胃腸から体を温めると、手足の毛細血管が開き、熱を外に逃がそうとする働き(熱放散)が強まります。人はこの深部体温が急激に下がるタイミングで強い眠気を感じるため、寝付きが良くなるのです。
飲むタイミングは就寝の1時間〜1時間半前が理想的です。カフェインを含まない白湯や麦茶を選びましょう。
リラックスできるアロマを焚く
不安やストレスが原因で寝付けない方は、リラックス効果のあるアロマを焚いてみてください。リラックスすると不安やストレスを緩和できるほか、呼吸も自然と深くなるため、より眠りやすくなります。
普段アロマを焚かない方は、この機会に自分のお気に入りのアロマを探すと良いでしょう。良さそうなアロマが見つからない時は、安眠用として販売されているアロマをおすすめします。
38〜40℃のお湯に浸かって深部体温をコントロールする
人は深部体温(脳や内臓の温度)が下がるタイミングで強い眠気を感じます。就寝の90〜120分前に、38〜40℃のぬるめのお湯に25〜30分ほど浸かり、意図的に深部体温を一度上げることで、その後の反動で体温が下がり、スムーズな入眠に繋がります。
ただし、お湯の温度が熱すぎたり、入浴時間が長すぎたりすると逆効果になるため注意してください。
ヒーリングミュージックやホワイトノイズを流す
静かすぎる環境だとかえって眠れない方や、外の騒音が気になって寝付けない方は、音による入眠サポートを試してみましょう。入眠効果の期待できる音の種類は以下のとおりです。
- ヒーリングミュージック:アンビエント音楽やクラシック音楽など
- ホワイトノイズ:換気扇やテレビの砂嵐のような「サーッ」と聴こえる音
- 環境音:雨音、波の音、焚き火の音など
ヒーリングミュージックと環境音には心身のリラックス効果、ホワイトノイズには周囲の騒音をかき消すマスキング効果が期待できます。
取り入れ方はスマホアプリ、動画サイト、専用のホワイトノイズマシンなど、さまざまな選択肢があります。自分が落ち着くと感じる音を見つけて、就寝時間まで小さな音で流しておきましょう。
ホワイトノイズを取り入れる具体的な方法を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
寝室の照明を落として落ち着いた空間にする
寝室の照明が明るいことにより、メラトニンの分泌が抑えられて寝付きが悪くなっている可能性もあります。
メラトニンは体内時計を調整し、自然な眠りを促す働きのあるホルモンです。起床から14〜16時間後に分泌され、就寝に向けて体を眠りやすい状態へ導きます。
しかし、メラトニンの分泌が始まってから強い光を浴びると、脳が昼と勘違いして分泌が抑制されてしまいます。その結果、睡眠や覚醒のリズムがずれ、普段の就寝時間に寝付けなくなる可能性があります。
就寝時に寝室の照明を明るくしている方は、就寝時間が近付いたタイミングで照明を落とすか、または明るさを下げると良いでしょう。
就寝前の準備を整えても、布団に入ってから緊張や考えごとによって眠れない場合があります。そのような時は、布団の中で心身をリラックスさせる方法を試してみましょう。
眠くなるために布団の中でできるリラックス方法5選
眠気を促すには、体をリラックスさせて副交感神経を優位にすることや、深部体温を下げやすい状態に整えることが大切です。
ここでは、布団に入った後に心身の緊張をゆるめる方法を紹介します。すぐに眠れることを保証するものではありませんが、眠れない夜の対処法として取り入れやすい方法です。
腹式呼吸でリラックスする
腹式呼吸とは、お腹を動かして行う呼吸法です。腹式呼吸によって内臓を動かすと副交感神経が刺激され、体をリラックスした状態に導きます。眠れない時は、以下の手順に沿って腹式呼吸を行ってください。
- お腹を膨らませるように鼻からゆっくり息を吸い込む
- 口からゆっくり息を吐き出す
息を吐き出す時は、お腹を凹ませつつ体の中の悪いものを出し切るようなイメージで吐くことがポイントです。
筋弛緩法で心身の緊張をほぐす
筋弛緩法(きんしかんほう)とは、筋肉に力を入れてからすぐに脱力し、体の緊張をほぐすリラクゼーション法です。体の緊張がほぐれることで、より眠りやすくなります。
以下の筋弛緩法は寝ながら行えるため、ぜひお試しください。
- 肩に力を入れて5秒ほどキープする
- 息を吐きながら肩の力を抜く
- この手順を2回ほど繰り返す
軽めの静的ストレッチをする
ストレッチには反動をつけずにゆっくり筋肉を伸ばす「静的ストレッチ」と、反動をつけて勢いよく動かす「動的ストレッチ」の2種類があり、寝る前に向いているのは前者です。
静的ストレッチは筋肉の緊張がほぐれて眠りやすくなりますが、動的ストレッチは交感神経を刺激してしまうため、かえって入眠を妨げる可能性があります。
以下では「うつ伏せ」「仰向け」の体勢で行えるストレッチの例を紹介します。
- うつ伏せで寝た状態で腕をバンザイするように頭上に伸ばす
- 息を吸いながら右脚と左腕を少し宙に浮かせる
- 息を吐き、再び吸いながら浮かせた手足を外側に伸ばすように付け根から上げる
- 反対側の手足も同様に繰り返す
- 仰向けで寝てゆっくり息を吐く
- 息を吸いながら両腕を頭上に伸ばす
- 息を吐きながら一気に脱力する
以下の記事では、寝る前にストレッチを行う際のポイントを紹介しています。眠れない場合の対策としてストレッチの実践を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
眠気を誘うツボを押す
ツボ押しは東洋医学に由来する手法で、睡眠に効果が期待できるツボを刺激すると、脳がリラックスして眠りやすくなります。以下では、不眠緩和の代表的なツボ「失眠(しつみん)」の押し方を紹介します。
失眠は足の裏側、かかと中央の凹んだ部分にあるツボで、神経を落ち着かせて眠気を誘う効果があります。失眠の押し方は以下のとおりです。
- イスに座って片手で足首を持つ
- 反対側の手で握りこぶしを作る
- 作った握りこぶしで失眠を20回程度ゆっくり叩く
なお、失眠のほかにも内関(ないかん)、労宮(ろうきゅう)、百会(ひゃくえ)など、睡眠への効果が期待できるツボはさまざまあります。それぞれの効果や押す際の注意点を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
手のひらやおでこを冷やして熱放散を促す
手のひらや額には体温調節に関わる血管が通っており、適度に冷やすことで体内の熱が逃げやすくなります。布団に入ってもなかなか体温が下がらず眠気が訪れない時は、以下の方法で放熱を促しましょう。
- 手のひらに保冷剤をタオル越しに数分のせる
- 額やこめかみに冷感タオルを軽く置く
- 寝苦しい夜は手足を布団の外に出して放熱を促す
ただし、冷やしすぎると血管が収縮して逆効果になるため、心地よく感じられる程度にとどめてください。
眠れない時に無理に眠ろうとしない
朝早いにもかかわらず眠れない時は、布団の中で頑張って眠ろうとしてしまうものです。
しかし、眠気のないタイミングで無理に眠ろうとすると、かえって眠れなくなるため注意してください。「眠らないといけない」というプレッシャーが体の緊張を高め、余計に眠れなくなるだけでなく、脳が「布団=眠れない苦しい場所」と誤って学習してしまいます。
20分経っても眠れない場合は、思い切って一度布団から出てしまうのも良い方法です。薄暗い部屋でストレッチをするなど、本当に眠気が来るまで布団に戻らないことが、脳の緊張を解く近道です。
眠れないまま朝を迎えた時はどう対処するべき?
眠るためにさまざまな方法を試しても、場合によっては眠れないまま朝を迎えることもあるでしょう。寝不足の状態で日中を過ごさなければいけない時は、以下の対処法を実践してみてください。
- まずは日光を浴びて体内時計をリセットする
- 強い眠気がある場合はカフェインを摂取する
- 軽いストレッチで眠気を覚ます
- お昼休みなどの空いた時間に15〜30分程度の仮眠をとる
なお、以下の記事では、寝不足の状態で仕事を乗り切る方法を詳しく解説しています。十分に眠れないまま仕事をしなければいけない場合は、ぜひ参考にしてください。
快眠するには寝具も重要
眠くなる方法にはさまざまありますが、ぐっすりと眠るためには何よりも睡眠環境を整えることが重要です。
就寝時に自分が「寝にくい」と感じる環境で寝ようと思っても、なかなか寝つくことはできません。
寝室の温度や照明を調整するだけでなく、マットレスや寝具などにもこだわって理想的な睡眠環境に近付けましょう。
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「米軍式睡眠法」とは何ですか?
「米軍式睡眠法」は、アメリカ軍で採用されたとされるリラクゼーション法をもとに紹介されることが多い入眠法です。発想は筋弛緩法と近く、顔・肩・腕・脚と全身を順番に脱力し、副交感神経を優位にさせます。
習得には慣れが必要なため、毎晩繰り返してコツをつかむことが大切です。
「認知シャッフル睡眠法」にも入眠効果はありますか?
「認知シャッフル睡眠法」は、カナダの認知科学者リュック・ボードワン博士が提唱した入眠法です。頭の中で無関係な単語やイメージを次々に思い浮かべ、論理的な思考を遮断し、脳を眠りやすい状態に導きます。
考え事が頭から離れず眠れない方に適しており、腹式呼吸や筋弛緩法と組み合わせるとより効果的です。
大人になると眠りにくくなりますか?
加齢とともに眠りの悩みは増える傾向があります。厚生労働省e-ヘルスネット「不眠症」によると、一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、60歳以上では半数以上に認められています。
原因はストレスや薬剤の副作用など多岐にわたるため、症状が長引く場合は専門医への相談をご検討ください。
男性と女性で寝付きに違いはありますか?
女性は月経周期の影響で睡眠に変化が出やすい傾向があります。月経前や月経開始とともに眠気が増す方もいれば、寝付きが悪くなる方もいるなど、変化の現れ方は人それぞれです。
黄体期(高温期)は基礎体温が高めに保たれるため、体温の上下のメリハリが失われて睡眠の質が下がりやすいといわれています。月経前は普段以上に規則正しい生活を意識しましょう。
「4-7-8呼吸法」はどのような手順で行う呼吸法ですか?
「4-7-8呼吸法」は、アメリカのアンドルー・ワイル博士が提唱したとされる呼吸法で、以下の手順で行います。
・4秒かけて鼻から息を吸う
・7秒間息を止める
・8秒かけて口から息を吐く
・上記を1セットとして4回繰り返す
息を吐く時間を長くとることで副交感神経が優位になり、心拍数や血圧が落ち着きます。呼吸が苦しいと感じる場合は無理に4・7・8秒にこだわらず、短い時間から慣らしましょう。
まとめ
夜眠れずに悩んでいる方は、就寝前の対策だけでなく、起床時刻や朝の光、日中の活動、食事、入浴など、1日の過ごし方を整えることが大切です。
まずは、毎日同じ時刻に起きる、朝に日光を浴びる、長時間の昼寝を避けるなど、取り入れやすい習慣から始めましょう。布団に入っても眠れない場合は、呼吸法などで心身の緊張をほぐしたり、一度布団から出たりする方法もあります。
生活習慣を見直しても眠れない状態が続き、日中の生活に支障が出ている場合は、睡眠外来や心療内科などへの相談を検討してください。
