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2022.12.05 更新

【医師監修】逆流性食道炎を軽減する寝方とは?症状の原因や予防方法を紹介

【医師監修】逆流性食道炎を軽減する寝方とは?症状の原因や予防方法を紹介

寝ている時に胃酸が込み上げてくる方は逆流性食道炎の可能性があります。

逆流性食道炎は「食事を楽しめない」「ぐっすりと眠れない」といった日常生活への悪影響に及ぶ可能性があるため、症状に悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

逆流性食道炎は自然に治る場合もあるといわれていますが、悪化するケースでは吐血などの症状を起こす場合もあるといわれています。

現在症状が気になっている方やこれまで逆流性食道炎になったことがある方は、原因を特定し、改善や予防に努めましょう。

この記事では逆流性食道炎の主な原因と症状、予防方法や症状を軽減する寝方などを紹介するので、悩んでいる方は参考にしてください。

  1. 逆流性食道炎とは?
  2. 逆流性食道炎の原因
  3. 逆流性食道炎の具体的な症状
  4. 逆流性食道炎の予防方法
  5. 逆流性食道炎の症状を抑える寝方を紹介
  6. 左側を下にして横向きで寝る
  7. 上半身を高くして寝る
  8. まとめ

逆流性食道炎とは?

逆流性食道炎とは、強い酸性の胃液や胃で消化される途中の食物が食道に逆流し、食道粘膜が炎症を起こす病気のことを指します。

主な症状として胸やけ胸の痛みなどがあります。

以下で、具体的な原因や症状について詳しく紹介するので、心当たりがある方は参考にしてください。

逆流性食道炎の原因

胃と食道の間には胃酸の逆流を防ぐための下部食道括約筋がありますが、加齢・食事の内容・肥満・姿勢などによって胃酸の逆流を防ぐ機能が低下すると、逆流性食道炎が起こりやすくなります。

原因は人によって異なりますが、主に考えられる原因の具体例を紹介すると下記のようなものがあります。

食生活・生活習慣によるもの・暴飲暴食や早食い
・咀嚼回数が少ない
・炭酸飲料やアルコールの過剰摂取
・喫煙
・食後すぐに横になる
姿勢・体型によるもの・肥満傾向にある
・仕事などで前屈みになることが多い
・背中が曲がっている
・ベルトなどで腹部を締め付けている
・就寝時に使う枕が低い

上記以外の原因として、一時的なストレスなどによって食道の過敏性を異常に高めてしまうこと(知覚過敏)も原因となる場合があります。

逆流性食道炎の具体的な症状

逆流性食道炎の具体的な症状の例としては下記のような物が挙げられます。

  • 胸やけ
  • 呑酸(どんさん)
  • 口内炎
  • 咳・喘息
  • 前胸部の違和感・不快感
  • のどの違和感

なかには症状によって眠れなくなる人がいるほか、自覚症状がないケースもあるなどさまざまです。

吉良文孝

吉良文孝

東長崎駅前 内科 クリニック院長

逆流性食道炎の症状のうち、血を吐いてしまう、食べてもすぐに吐いてしまう、痛くて呑み込めないなどの症状の際は胃カメラを実施できる医療機関に受診しましょう。

逆流性食道炎の予防方法

逆流性食道炎の予防として日常的に心がけるポイントとしては下記のような物が挙げられます。

食生活での予防・脂肪分が多いものを避ける
・逆流を起こしやすい食品を避ける
・食べ過ぎを避ける(胃液の分泌を抑える)
生活習慣での予防・食後すぐに横にならない
・腹部を締め付ける服装やベルトを避ける
・前かがみの姿勢を避ける
・寝る時は上半身を高くする
・喫煙を控える

特に夕食など寝る前の食事には気を配りましょう。

また、アルコールだけではなくコーヒーや香辛料、酸っぱいものは胃酸の分泌を増やす可能性があるので摂りすぎないように注意が必要です。

一方で、食品のなかでもビタミンUを含む下記のようなものは胃の粘膜を修復する効果があるとされているため、適度に摂取することをおすすめします。

  • キャベツ
  • レタス
  • ブロッコリー
  • トマト
  • セロリ

なお、現在では逆流性食道炎の治療は薬物治療が主体となっているため、症状が改善せずに悩んでいる場合は医師に相談し適切なアドバイスや処方箋を出してもらうことをおすすめします。

吉良文孝

吉良文孝

東長崎駅前 内科 クリニック院長

逆流性食道炎の疑いがある時は、多少の辛いものは問題ないですが、過度に辛い物を摂取すること、炭酸飲料を一気に飲むこと、は避けましょう。また脂肪分が多いものを摂取することも控えたほうが症状の悪化はしにくいです。

逆流性食道炎の症状を抑える寝方を紹介

寝ている最中に胃酸の逆流を感じる場合は、寝方によって症状を抑えることを意識してみましょう。

逆流性食道炎の症状を抑える寝方として、下記の2つを紹介します。

  • 左側を下にして横向きで寝る
  • 上半身を高くして寝る

上記のような寝方がなぜ逆流性食道炎の症状を抑えるかについて、以下で詳しく紹介するので症状に悩んでいる方は参考にしてください。

左側を下にして横向きで寝る

逆流性食道炎の方は寝る際に左側を下にし、横向きで寝ると良いといわれています。

理由としては、左側を下にしたほうが下部食道括約筋への圧が低下するため、胃酸が逆流しにくいとされているからです。ただし、体の作りには個人差があり、場合によっては効果がない可能性もある点は覚えておきましょう。

また、横向き寝の場合は肩が下側にくるため、仰向け寝の時より高めの枕を用意すると寝姿勢を崩さずに寝ることができます。

なお、どのような寝方をする場合でも食後すぐに横になると逆流性食道炎の原因となりやすいので食事は睡眠の3〜4時間前には済ませておきましょう。

上半身を高くして寝る

仰向けで寝る際には上半身を軽く起こして寝ると胃酸の逆流を防ぎやすいとされています。

上半身を軽く起こした状態にするには、枕を少し高めにするほか、上半身から枕の下までにかけてタオルを敷くなどして高さを調整するという方法なども良いでしょう。

ただし、枕を高くしたりタオルを敷いたりすると睡眠中に体へかかる圧力(体圧)の分散が上手くいかず、肩こりや腰痛などに繋がるリスクもあります。

一時的な逆流性食道炎の対策としてはおすすめですが、もし根本的な解決を目指すのであれば寝方だけで症状を抑えようとするのではなく、通常の姿勢でも症状に悩まないように逆流性食道炎を改善することも大切です。

前述したような逆流性食道炎の原因となる生活習慣や食生活を避け、改善を目指しましょう。

吉良文孝

吉良文孝

東長崎駅前 内科 クリニック院長

丸まった姿勢やうつ伏せで寝るなど、おなかに圧力がかかる体制で寝ることは避けましょう。寝る際は、左側を下にし、横向きで寝ることをおすすめします。

まとめ

逆流性食道炎は食生活や生活習慣、日頃の姿勢のほかストレスなどが原因として起こる病気です。

一般的に薬物によって治療が行われることが多いため、症状が改善しない方は医師に相談し適切な処方箋を出してもらいましょう。

そのほか、日常的にも逆流性食道炎の原因となるような習慣を控え、逆流性食道炎を起こさないための努力も大切です。今回紹介したことを参考にして症状の改善・予防を目指してください。

この記事の監修者
吉良文孝
吉良文孝東長崎駅前 内科 クリニック院長
東長崎駅前 内科 クリニック院長。東京慈恵会医科大学 医学部医学科卒業後、東京警察病院 消化器内科に入局。JCHO東京新宿メディカルセンターへ消化器内科医長、株式会社サイキンソーにCMEOへ参画、都内内科クリニックや健診専門クリニックを経て、西武池袋線東長崎駅前に内科・胃腸内科・内視鏡内科である東長崎駅前内科クリニックを開設。
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