快適に眠るためには寝室の環境を整えることが大切ですが、寝室環境の重要な要素の一つに「湿度」があります。
寝室の温度には気を付けていても、湿度にまでは気が回っていない方も多いのではないでしょうか。
快眠するためには、どれぐらいの湿度が理想的なのかを知っておかなければなりません。また、湿度が高かったり低かったりする場合にコントロールする方法も把握する必要があります。
この記事では、快眠に最適な寝室の湿度や湿度が高い時・低い時の対処法、寝室で加湿する時の注意点を解説します。
寝室の湿度を適切に保つ重要性
寝室で快適に過ごすためには、適切な湿度や温度を保つことが重要です。特に湿度は睡眠の質や健康面に大きく影響するため、適度に調整する必要があります。
例えば、湿度が低いと風邪を引く原因になるほか、湿度が高い場合はジメジメとして寝にくい環境になります。健康な体を保ちつつしっかり眠るためにも、寝室の湿度はこまめにチェックしましょう。
寝室の最適な湿度は50〜60%
理想的な寝室の温度は通年50%~60%程度です。湿度がこの範囲でない場合は、調整する必要があります。
湿度を調整するには除湿機や加湿器を使うほか、ペットボトルや洗濯物を使う方法もあります。まずは、以下の状況でどのような影響があるかを解説します。
- 寝室の湿度が50%よりも低い場合
- 寝室の湿度が60%よりも高い場合
寝室の湿度が50%よりも低いとどうなる?
湿度が低い場合に考えられる影響の一つが、「乾燥による肌荒れ」です。乾燥すると肌のバリア機能が低下し、わずかな刺激にも敏感となって、かゆみの原因となる場合があります。
また、空気中の水分が少ないことで、ウイルスが空気中を漂う時間が長くなります。その結果、風邪を引きやすくなるので注意が必要です。
寝室の湿度が60%よりも高いとどうなる?
寝室の湿度が高いと寝具に湿気がこもりやすくなり、「寝苦しさ」の一因となります。
また、湿度60%以上の多湿な状況は、カビやダニが発生しやすい環境です。カビやダニはアレルギー反応を引き起こすほか、入眠時や就眠中にかゆみを引き起こし、睡眠の質を低下させます。
次の章では、寝室の湿度が高い時と低い時に役立つ対処法を解説します。家にあるもので試せる方法も紹介しているので、ぜひ実践してください。
寝室の湿度を下げる方法
寝室の湿度が高いと、ムシムシして寝苦しく感じてしまいます。寝室の湿度を下げる方法としては、主に以下が挙げられます。
- 除湿機やエアコンの除湿機能を利用する
- 窓やドアを開けて寝室の換気を行う
- 凍ったペットボトルを利用する
- 吸湿性の高い寝具を使う
- 布団やマットレスなどの寝具を干す
それぞれの方法を詳しく説明します。
除湿機やエアコンの除湿機能を利用する
部屋の湿度を下げるためには、湿気を除去することが重要です。
除湿を行う場合は、除湿機やエアコンの除湿機能の利用がおすすめです。
除湿器には空気清浄機能やマイナスイオンを発生させるような効果が付いているものもあり、除湿だけでなく空気を綺麗にして環境を整える効果が期待できます。
窓やドアを開けて寝室の換気を行う
湿気の多い空気が部屋に溜まっているのであれば、窓やドアを開けて換気を行い部屋の湿度を下げましょう。
1ヶ所開けるだけでも効果的ですが、風の通り道ができるように2ヶ所以上の窓やドアを開けると、なお良いです。
ただし夏場などは、窓やドアを開けると湿気が増す可能性があるため、注意が必要です。
凍ったペットボトルを利用する
空気中に含まれる水分は、冷たい液体に触れると気体から液体へと状態変化を起こします。
部屋に凍ったペットボトルを置いておくと、この現象により空気中の水分を液体にして取り出せるので、部屋の湿度を下げられます。
冷やしたペットボトルでも同様の効果は期待できますが、温度が低いほど作用は長時間継続するため凍らせておきましょう。
また、液体化した水分で床やテーブルが濡れないように、ペットボトルの下にはタオルなどを引いておくことがおすすめです。
吸湿性の高い寝具を使う
寝室の湿度を下げるには、吸湿性の高い寝具を使うのも効果的です。吸湿性の高い寝具は空気中の水分を吸収し、寝室の湿度を軽減してくれます。
また、寝汗が原因で寝具の中の湿度が高くなってしまう場合は、吸湿性が高い素材を取り入れた布団を使いましょう。例えば、冬場は吸湿性が高くて暖かいウール素材、夏場は汗を吸い取ってくれるパイル地を使った布団を使うと、湿度が軽減されて気持ち良く眠れます。
布団やマットレスなどの寝具を干す
空気中に水分がたくさん含まれていると、その水分を布団やマットレスが吸い込む可能性があります。
そのような布団やマットレスを使用していると、上述の方法で部屋の湿度を下げても、室内のジットリした感じが拭えません。
部屋の湿度を下げるのと同様に、布団やマットレスを干したり陰干ししたりして、中に溜まった湿気の除去も心がけましょう。
なお、羽毛布団の干し方は下記の記事で詳しく解説しています。
寝室の湿度を上げる方法
寝室の湿度が低いと、朝起きた時に喉を痛めていたり、睡眠中に軽い脱水症状になったりする可能性があります。
寝室の湿度を上げるには、主に以下の方法があります。
- 加湿器やエアコンの加湿機能を利用する
- 洗濯物を部屋干しする
- 濡れたタオルをハンガーにかけて吊るす
- 霧吹きを用いて空間にスプレーする
それぞれの方法を、詳しく説明します。
加湿器やエアコンの加湿機能を利用する
部屋の湿度を上げるためには、空気中の水分を増やす(=加湿する)必要があります。
加湿を行うには、加湿器やエアコンの加湿機能の利用がおすすめです。
ただし、加湿機能付きのエアコンはあまり多くないため、エアコンで加湿したい場合は機能を確認する必要があります。
加湿器は部屋の真ん中付近に置くと、部屋全体を効率良く加湿できます。加湿器のすぐ近くに家具があると家具が傷む可能性があるので、少し離れた所に設置しましょう。
洗濯物を部屋干しする
洗濯物を部屋干しすると、洗濯物が乾く時に洗濯物に含まれる水分が空気中に放出されるため、加湿器を付けた時と同じような効果が期待できます。
加湿器を利用する場合と同様に、洗濯物を家具や壁の近くに干すのはあまり望ましくありません。
また、干す際にはエアコンやサーキュレーターを利用して空気を循環させ、水分が1ヶ所に溜まらないように工夫しましょう。
濡れたタオルをハンガーにかけて吊るす
部屋干しする洗濯物がない場合には、タオルを濡らしてハンガーに吊るしても、同じような効果を得られます。
部屋の乾燥具合によって、「タオルをどの程度濡らすか」を調節しましょう。
コップに水を入れて部屋に置いても、水面からの蒸発作用によって同様の効果が期待できます。ただし、濡れタオルを利用する場合よりも、加湿できる範囲は狭いです。
霧吹きを用いて空間にスプレーする
より直接的に加湿する場合は、霧吹きを利用して空間にスプレーする方法もあります。
空気中だけでなくカーペットやカーテンなどにも軽くスプレーしておくと、より効果的です。
ただし、加湿しすぎるとカビが生える可能性があるため、その点には注意しましょう。
なお、寝室の湿度を上げる方法は以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひこちらもご一読ください。
寝室を加湿する時の注意点
部屋が乾燥している場合には加湿が重要ですが、先述したように湿度が高いとカビやダニが発生する可能性があります。カビやダニを防止するために、以下の点に注意してください。
- 加湿器は窓から離して使う
- しっかり換気を行う
- 定期的にマットレスや布団を干す
それぞれを以下で詳しく説明します。
加湿器は窓から離して使う
窓の温度は、ほぼ外気温と同じぐらいに冷えています。
そのため、加湿器から出た水分を多く含む空気が窓に当たると、すぐに冷えて水分が液体に凝縮します。結果、水が溜まってカビが繁殖しやすくなるので、窓の近くでの加湿器の利用は控えましょう。
しっかり換気を行う
空気中の過度な水分を除去するには、換気が手っ取り早い対策です。
また、換気をする際は風の通り道をつくるために2ヶ所以上の窓やドアを開けることで、効率的に部屋の換気を行えます。
クローゼットや押し入れの中なども湿気が溜まりやすいため、定期的に扉を開けて換気を行いましょう。
定期的にマットレスや布団を干す
加湿して部屋の湿度を適正にすることは重要ですが、マットレスや布団に湿気が溜まったままだとカビの温床になります。
そのため、マットレスや布団は、定期的に干して湿気を除去することが望ましいです。特に湿気の溜まりやすい夏場は、干す頻度を増やしたほうが良いでしょう。
マットレスには天日干しできないものもありますが、その場合は風通しの良いところに陰干しでも問題ありません。
なお、布団の干し方は以下の記事でも紹介しているのでご覧ください。
まとめ
快眠のためには、部屋の湿度を50%~60%程度にキープすることが大切です。湿度が低すぎると乾燥による肌荒れなどが起き、高すぎるとカビやダニが発生する可能性があります。
湿度が高い場合は除湿器の利用や換気、湿度が低い場合は加湿器の利用や洗濯物の部屋干しなどによって、湿度をコントロールしましょう。
ただし、過剰な水分はカビの原因になりやすいので、加湿する場合には注意が必要です。
空気中の水分だけでなく寝具が吸収している湿気にも注意して、適宜天日干しや陰干しをして湿気を除去しましょう。