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2024.01.18 更新

【医師監修】足がむくみやすい主な原因を6つ解説!生活に取り入れやすい予防策も紹介

【医師監修】足がむくみやすい主な原因を6つ解説!生活に取り入れやすい予防策も紹介

長時間車に乗った時やお酒を飲み過ぎた時など、足がむくんだ経験がある方は多いでしょう。

足のむくみが頻繁に起こると、病気かもしれないと不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。

足がむくむ原因には、生活習慣によるものや加齢によるものなど、さまざまなケースがあります。むくみに対して適切な対処を行うには、まず自分のむくみの原因を知ることが大切です。

この記事では、足のむくみが気になる方に向けて、むくみの原因や病気との関連性などを解説します。むくみの解消・予防法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

  1. 足のむくみの原因は大きく分けて6種類ある
  2. 水分量の不足
  3. 食生活の乱れ
  4. 長時間の同じ姿勢
  5. 疲労と睡眠不足
  6. 運動不足による筋力低下
  7. 加齢
  8. 慢性的に足のむくみが続く場合は病気の可能性もある
  9. 足のむくみを解消させる3つの方法
  10. マッサージでリンパの流れを整える
  11. 足を置く位置や姿勢に気を付ける
  12. 入浴して血流を促進する
  13. 足のむくみを予防する4つの方法
  14. 塩分・アルコールを控えた食生活にする
  15. 日常生活に運動を取り入れる
  16. 睡眠不足が原因なら睡眠の質を高める
  17. むくみ対策できる弾性ストッキングを使う
  18. まとめ

足のむくみの原因は大きく分けて6種類ある

体のなかでも、足は特にむくみやすい部位です。その理由は、心臓から遠い位置にあるため血液の流れが悪くなりやすく、さらに重力の関係で下半身に水分が溜まりやすいからだと考えられます。

足のむくみの原因はさまざまですが、主に考えられるのは以下の6種類です。

  • 水分量の不足
  • 食生活の乱れ
  • 長時間の同じ姿勢
  • 疲労と睡眠不足
  • 運動不足による筋力低下
  • 加齢

次の項目で、それぞれの内容を詳しく解説します。

水分量の不足

足がむくむ原因は水分の摂り過ぎだと思われることが多いですが、実は水分が不足しているほうがむくみやすいといわれています。

水分が不足した体は、体内にある水を溜め込もうとする仕組みがあるため、この働きにより下半身にも余分な水分が溜まり、むくみを引き起こすのです。

むくみ対策のために水分を控えることは、逆効果になると考えられるので注意しましょう。

食生活の乱れ

食生活の乱れによっても、足がむくむことがあります。むくみに繋がりやすい食生活の例として挙げられるのは、以下の3点です。

  • 塩分の摂り過ぎ
  • 栄養素の不足
  • アルコールの飲み過ぎ

塩分には水分を抱え込む性質があるため、摂り過ぎると体内から余分な水分が排出できなくなり、むくみを引き起こすことがあります。

特定の栄養素が不足することでもむくみに繋がる場合があり、カリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラル、ビタミンB1、ビタミンE、たんぱく質の不足には注意が必要です。

また、血管内脱水の作用があるアルコールは、飲み過ぎると水分不足になって血中濃度が高くなります。

血中濃度を下げるために水分を取り込もうとするため、アルコールを過剰摂取するとむくみやすくなるという仕組みです。

長時間の同じ姿勢

立ち仕事やデスクワーク、高いヒールを履くなどで、長時間同じ姿勢を続けると、足のむくみに繋がりやすくなります。

「夕方になると、ふくらはぎがパンパンになる」「靴下の跡がくっきりと残ってなかなか消えない」など、経験したことがある方は多いでしょう。

同じ姿勢を続けるとふくらはぎを動かさない状態が続くため、筋肉のポンプ機能が上手く働かなくなります。すると、足の血液が循環しにくくなり、むくみへと繋がることがあるのです。

疲労と睡眠不足

体に疲れが溜まると、足がむくみやすくなります。

それは、疲れが溜まると血液を動かす心臓の働きが低下して、血液の循環が悪くなるからです。

また、睡眠不足で自律神経が乱れることでも血液の循環が悪くなり、足がむくむことがあります。

運動不足による筋力低下

運動不足でふくらはぎの筋力が低下すると、筋肉のポンプ機能が低下して血液の流れがスムーズにいかなくなり、足に血液が溜まりやすくなって、むくみへと繋がりやすくなります。

また、高齢化による筋力の衰えや、無理なダイエットによる筋力低下も同様です。これらの要因から血液の流れが滞りやすくなると、足のむくみに繋がりやすくなります。

加齢

高齢化による筋力の衰えがむくみに繋がることは前述のとおりですが、高齢になると心臓のポンプ機能も低下するため、心臓から全身に送り出される血液が不足しやすくなります。

血流が少なくなるとむくみが生じやすくなり、足が特にその影響を受けやすいのは心臓から遠い位置にあるためです。

加齢による心臓のポンプ機能の低下は、足のむくみに加えて動悸や息切れ、呼吸困難を伴うこともあります。

福井美典

福井美典

糖尿病専門医・抗加齢医学会専門医・救急科専門医・総合内科専門医

ただし、むくみが出始める時期は、必ずしも年齢によりません。心不全や腎不全、甲状腺疾患などの基礎疾患があるかどうかに起因するので、一概に何歳頃からあらわれるとはいえません。

お若い方でも、上記疾患のある方は、むくみが出やすいということになります。

慢性的に足のむくみが続く場合は病気の可能性もある

足のむくみには、一時的なものと慢性的なものがあります。

一時的にむくんですぐに治るのであれば、特に心配する必要はないでしょう。ただし、慢性的なむくみは病気の可能性があるため、数日間むくみが続いた場合は医療機関の受診をおすすめします。

むくみに関連する病気はさまざまありますが、代表的なものは以下のとおりです。

病名原因
心不全心臓のポンプ機能が低下して、心臓から遠い足の血行が悪くなる
リンパ浮腫 リンパ管のなかを通るリンパ液の流れが停滞する
腎臓・肝臓の障害腎臓や肝臓に生じる障害によって、血管で水分調整ができなくなる
下肢静脈瘤
足の静脈弁に障害が起き、逆流した血液が足に溜まる
エコノミークラス症候群飛行機や車に乗って長時間窮屈な姿勢でいると、血液の流れが悪くなる

慢性的なむくみが続く以外にも、血管が浮き出てボコボコしていたり、足に痛みを感じたりする場合は、大丈夫だと自己判断せずに医師に相談しましょう。

福井美典

福井美典

糖尿病専門医・抗加齢医学会専門医・救急科専門医・総合内科専門医

医療機関で治療する場合、心臓や腎臓によるむくみであれば利尿薬を用いる治療法が一般的です。甲状腺疾患である場合には、甲状腺の治療薬を用いての調整となります。

それ以外のリンパ性浮腫については特効薬がないため、弾性ストッキングを履くなどの対応になることが多いでしょう。

足のむくみを解消させる3つの方法

足のむくみを解消させる3つの方法

前提として、前述した慢性的なむくみの場合は、病気の可能性があるため医療機関で適切な治療を受けることが大切です。

ただし、一時的なむくみであれば、普段の生活を見直すことでむくみの解消を目指せる場合があります。

日常生活で簡単にできる、足のむくみの解消を目指す方法は以下のとおりです。

  • マッサージでリンパの流れを整える
  • 足を置く位置や姿勢に気を付ける
  • 入浴して血流を促進する

それぞれの方法について、詳しく解説します。

マッサージでリンパの流れを整える

普段から足がむくみやすい方は、リンパの流れを整えるマッサージを生活に取り入れましょう。足をもみほぐすのではなく、なでるようにマッサージすることがポイントです。

ただし、病気による足のむくみの場合は、医師に相談してから行ってください。 足のリンパマッサージは、以下の手順で行います。

  1. ひざの裏側から足の付け根の向きに、手のひらでやさしくなでる(2分)
  2. 足首からひざの裏側の向きに、手のひらでやさしくなでる(1分)
  3. ふくらはぎを下から手でつかみ、ゆっくりと上に滑らせる(1分)

体が温まって血行が良いお風呂上がりにマッサージすると、よりリンパの流れが良くなります。

足を置く位置や姿勢に気を付ける

デスクワークや立ち仕事など、長時間同じ姿勢を続けることが多い方は、足の位置や姿勢を変えることを意識しましょう。

例えば、デスクワークの時は、時々立ち上がって体を動かすと、血液の循環が良くなるうえに気分転換もできます。立ちっぱなしの時は、かかとを上げてつま先立ちを繰り返す運動を定期的に行うと良いでしょう。

仕事の関係で1日中ヒールを履く方もいらっしゃると思いますが、ヒールは足がむくむだけでなく、痛みに繋がる場合もあります。症状がつらいなら、仕事以外の休日などは動きやすいスニーカーを履くのがおすすめです。

また、1日同じ姿勢を続けて足がむくんでいる場合は、寝る時に足の下に足枕などを入れて少し高めにすると、むくみの解消に繋がることがあります。

入浴して血流を促進する

毎日忙しい方は、湯船に浸からずシャワーで入浴を済ませることが多いかもしれません。

むくみが気になるなら、シャワーではなく湯船にゆっくり浸かって、血液の流れを良くしましょう。特に、立ち仕事やデスクワークなどによるむくみへの効果が期待できます。

38℃のぬるめのお湯に、25分~30分程度ゆっくり入りましょう。入浴中に足をやさしくマッサージすると、より効果的です。

また、入浴中は汗をかくため、体から大量の水分が失われます。入浴前後に、水分補給を忘れないようにしてください。

足のむくみを予防する4つの方法

一時的な足のむくみが気になる方は、足がむくんでから対処するのではなく、普段から意識して予防に努めましょう。

ここからは、手軽にできるむくみの予防法を4つ紹介するので、足のむくみが気になる方はぜひ試してください。

  • 塩分・アルコールを控えた食生活にする
  • 日常生活に運動を取り入れる
  • 睡眠不足が原因なら睡眠の質を高める
  • むくみ対策できる弾性ストッキングを使う

それぞれの方法について、詳しく解説します。

塩分・アルコールを控えた食生活にする

食生活の乱れによるむくみが気になる方は、普段の食事を規則正しく摂りましょう。

前述のとおり、ミネラル・ビタミンB1・ビタミンE・たんぱく質が不足するとむくみやすくなるため、意識して摂取することをおすすめします。

塩分の排出を促すカリウムを含む食品は、バナナ・アボカド・りんご・キウイ・ほうれん草・納豆などです。血液の流れを良くするビタミンEは、アーモンド・かぼちゃ・ほうれん草・卵などに含まれています。

体に水分を溜めないためには、塩分を取り過ぎないことも大切です。濃い味のもの・スナック菓子・インスタントラーメンなど、塩分が多いものは避けましょう。

また、アルコールの飲み過ぎもむくみの原因となるため控えることが望ましいです。

日常生活に運動を取り入れる

筋力の低下によるむくみが気になる方は、定期的に運動する習慣を付けて筋力と体のポンプ機能をアップさせましょう。

むくみ予防にハードな運動は必要なく、ウォーキングや軽いジョギングなど軽めの運動で十分です。

忙しくて運動する時間が取れない方は、普段から階段を使う、買い物に歩いて行く、一駅歩くなど、少しだけでも意識すると良いでしょう。

なかなか外に出る機会がない方は、ヨガやストレッチなどで体をほぐすことから始めてみてはいかがでしょうか。

睡眠不足が原因なら睡眠の質を高める

睡眠不足が原因で足がむくんでいる方は、睡眠の質を高めることを意識しましょう。体を横にして寝ると、足に溜まった水分や血液が全身に流れやすくなり、むくみの予防に繋がります。

睡眠の質を高める方法にはさまざまありますが、簡単にできる方法として以下のものがおすすめです。

  • 朝から太陽を浴びる
  • 就寝する部屋の環境(室温・湿度・光・音など)を整える
  • 寝具を見直して就寝環境を整える
  • 就寝前に入浴してリラックスする

朝から太陽を浴びると体内時計がリセットされ、夜に自然な眠気が起こるようになります。就寝する部屋や寝具など、自分が心地良く眠れる環境に整えることも大切です。

また、就寝前に入浴するとリラックスできることはもちろん、血行が良くなりむくみの解消に繋がることも期待できます。

むくみ対策できる弾性ストッキングを使う

加齢などが原因で筋力が衰えて足がむくんでいる方は、弾性ストッキングの使用を検討するのも良いでしょう。

弾性ストッキングとは、足首から上へと段階的に圧迫する医療用のストッキングのことです。足を外側から圧迫して血液の流れを促し、体のポンプ機能をサポートできます。

弾性ストッキングにはさまざまなタイプやサイズがありますが、正しい使い方をしないと逆効果になる可能性があります。使用する際にどれを選べば良いかわからない方は、専門家に相談してアドバイスを仰ぐようにしてください。

まとめ

足がむくむ原因として、水分量の不足・食生活の乱れ・長時間同じ姿勢をするなど、さまざまなケースが考えられます。

一時的なむくみなら特に問題はありませんが、慢性的なむくみは病気の可能性もあります。何日も続く場合や症状がつらい場合には、自己判断せず医療機関を受診しましょう。

一時的なむくみであれば、マッサージ入浴によって解消を目指すことも可能です。普段から足がむくみやすい方は、足がむくんだから対処するのではなく、そもそもむくまないように普段から食生活や運動などに気を付けることをおすすめします。

この記事で紹介した足のむくみの予防法を参考にして、足がむくまない体を目指しましょう。

この記事の監修者
福井美典
福井美典糖尿病専門医・抗加齢医学会専門医・救急科専門医・総合内科専門医
糖尿病専門医・抗加齢医学専門医・救急科専門医・総合内科専門医・栄養療法医・美容皮膚科医。からだにやさしい血糖値コントロールを基本に、低糖質・高たんぱくの食事の大切さを、自ら栄養指導をしている。分子栄養学に基づき、不足栄養素を補うことで、からだの細胞を活性化させる治療法を取り入れている。野菜ソムリエの知識を生かし、栄養素が効率良く摂れる食べ合わせを意識したレシピを考案。美容皮膚科診療においては、美容施術のみならず、栄養療法を基本としたインナーケアにも尽力している。公式Instagram: fukuinaika.biyou.eiyou
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