NELL
  1. NELL
  2. WENELL
  3. 【医師監修】食後の眠気が起こるのはなぜ?原因やすぐにできる対策を解説
2025.03.07 更新

【医師監修】食後の眠気が起こるのはなぜ?原因やすぐにできる対策を解説

【医師監修】食後の眠気が起こるのはなぜ?原因やすぐにできる対策を解説

食後に急激な眠気に襲われた経験を持つ方は多いのではないでしょうか。職場や学校など、大事なシーンで眠気に襲われると集中力が低下してしまうので、できる限り食後の眠気は避けたいところです。

また、食後の眠気が耐えられない程のレベルの場合、思わぬ病気が潜んでいる恐れもあります。

この記事では、食後に眠くなる理由や考えられる病気、取り入れやすい食後の眠気対策などを紹介します。食後の眠気に悩んでいる方や、対策の方法を知りたい方は参考にしてください。

  1. 食後の眠気はなぜ起こる?
  2. 血糖値スパイクが起こる理由
  3. 食後の眠気を防ぐための食事法
  4. 1日3食・腹八分目を心がける
  5. 血糖値を上昇させやすい食べ物を控えめにする
  6. ゆっくりよく噛んで食べる
  7. 食後の眠気に耐えられない時にすぐできる対策
  8. 散歩やストレッチをする
  9. コーヒーを飲む
  10. ガムを噛む
  11. 15分〜30分程度の仮眠をとる
  12. 食後の眠気がひどい時は速やかに病院へ行こう
  13. まとめ

食後の眠気はなぜ起こる?

食後に眠くなる原因には以下の2つの要因があります。

  • 消化活動によるもの
  • 血糖値の変化によるもの

食後に感じる少しの眠気であれば、誰でも消化活動によって発生しうることなので大きな心配はありません。

食後は消化活動のために消化器官に血液が集まるので、体のほかの部位に血液が不足しやすくなります。脳にも血液や酸素が供給されづらくなることから、眠気が生じやすくなります。

しかし、血糖値の変化で眠くなる場合には「血糖値スパイク」と呼ばれる症状によって眠気がでている可能性もあり、それに該当する場合は注意が必要です。

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことで、「血糖値スパイク」とは、食後の短時間での血糖値の急上昇と急降下のことを指します。

血糖値スパイクを放っておくと、血液中のブドウ糖が大量に増える「糖尿病」に繋がる可能性があるため気を付けなくてはなりません。もしくは、気づかずに糖尿病になっている方の、初期症状として眠気がでている場合もあります。

血糖値スパイクは動脈硬化や心臓病などの疾患に繋がる可能性もあるため、放っておくのではなく、病院に行くなどの対策を行いましょう。

藤堂紗織

藤堂紗織

Alohaさおり自由が丘クリニック 院長

血糖値スパイクの可能性を疑って医療機関を受診する場合は、内科を受診ください。

血糖値スパイクが起こる理由

急激な血糖値の上昇と下降をする血糖値スパイクは、日々の乱れた食生活が影響して起こることがあります。

特に食べ過ぎや早食いは、血糖値を急激にあげてしまう原因となるため、意識的に食事方法に気を付けることが大切です。

また、白米やパンなど糖質中心の食事ばかりを続けていることも血糖値スパイクに繋がります。糖質が体内に摂り込まれるたびに血糖値が急上昇しますが、血糖値が上がることで膵臓が分泌するインスリンというホルモンが大量に分泌され、今度は血糖値が急降下します。

空腹時、短時間に糖質を多量摂取すると血糖値スパイクが起こるため、朝食を抜いてランチに糖質が多く含まれるラーメンやパスタなどを食べる傾向がある方も要注意です。

藤堂紗織

藤堂紗織

Alohaさおり自由が丘クリニック 院長

日常生活において血糖値スパイクを引き起こす1番の原因は食事です。

食後の眠気を防ぐための食事法

食後の眠気を防ぐための食事法

血糖値スパイクによってつらい症状が起きているのであれば、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることが大切です。

それ以外の一般的な程度の食後の眠気に困っている場合は、以下のように普段の食事を見直すことで改善できる可能性があります。

  • 1日3食・腹八分目を心がける
  • 血糖値を上昇させやすい食べ物を控えめにする
  • ゆっくりよく噛んで食べる

どれも気軽に取り入れられる方法なので、ぜひお試しください。それぞれのポイントについて、詳細な内容を解説します。

1日3食・腹八分目を心がける

食べ過ぎによって糖質を多く摂りすぎると、血糖値が急激に上がってしまいます。それを防ぐために、腹八分目を意識して食べ過ぎないように心がけましょう。

同時に、よく噛んでゆっくり食べることも大切です。よく噛むと少量でも満腹感を得ることができ、時間をかけて食べることで血糖値も上がりにくくなります。

また、朝食を抜くなどの欠食をすると、次の食事の際に血糖値が急上昇してしまうため、1日3食きっちり食べることが血糖値の上昇を防ぐことにも繋がります。

加えて、食事はなるべく毎日同じ時間帯で食べるとなお良いでしょう。忙しくて、普段と同じ時間帯に食事を済ませることが難しい場合は、「味噌汁だけ」「バナナだけ」など簡単なものでも構いません。

血糖値を上昇させやすい食べ物を控えめにする

ご飯やパンなど、糖質が多く含まれている炭水化物は、血糖値を急激に上昇させやすい食材です。これらの糖質を多く含む食べ物を過度に食べるのは避けて、可能な限り控えめにしましょう。

血糖値を上昇させやすい食べ物は、ご飯やパンをはじめとして以下のようなものがあります。

  • 麺類(パスタ・うどんなど)
  • 清涼飲料水
  • お菓子
  • アイス

上記のような血糖値を上昇させやすい食べ物を摂り過ぎないように、意識的に控えることをおすすめします。

逆に、血糖値が上がりにくい「低GI食品」とされる肉や魚などのタンパク質、野菜、きのこ、海藻などを多くとるように心がけましょう。

ゆっくりよく噛んで食べる

血糖値の急上昇を防ぐには、ゆっくりよく噛んで食べることが大切です。一気に食べると、血糖値を下げるインスリンの分泌が間に合わなくなり、血糖値が急激に上昇しやすくなります。

食事の時は、一口あたり30回を目安に噛むことを心がけましょう。よく噛んでゆっくり食べることで、食べ過ぎを防げるメリットもあります。

食後の眠気に耐えられない時にすぐできる対策

食後の眠気に耐えられない時にすぐできる対策

食後の眠気に耐えられず、目を覚ましたい時にすぐできる対策には以下の4つがあります。これらを食後にする習慣をつけることで、眠気を防ぐことができます。

  • 散歩やストレッチをする
  • コーヒーを飲む
  • ガムを噛む
  • 15分〜30分程度の仮眠をとる

それぞれ解説します。

散歩やストレッチをする

食後の眠気を抑えるためには、食後の行動も重要です。食べ終わったあといつまでも座っているのではなく、少し体を動かすと血糖値の急上昇を抑えられます。より効果を期待するなら、食後30分以内に体を動かしましょう。

気軽に体を動かす方法として、散歩やストレッチが挙げられます。散歩やストレッチで体を動かすと、消化が促されるメリットもあります。

ウォーキングのような軽めの有酸素運動やストレッチは血糖値の上昇を抑えるのに効果的なので、ぜひ意識して体を動かすことを習慣化させてください。

コーヒーを飲む

カフェインには覚醒作用があり、食後にカフェイン入りコーヒーを飲むと眠気対策になります。コーヒーに含まれるポリフェノールには、血糖値の上昇を穏やかにする働きも期待できるのが嬉しいポイントです。

ただし、コーヒーを飲みすぎると夜の睡眠に影響し、眠れなくなる可能性があるため注意しましょう。カフェインの睡眠への影響については、以下の記事をご覧ください。

カフェイン 眠れない
【医師監修】カフェインを摂ると眠れないって本当?目が覚める理由や摂取量の目安などを解説

ガムを噛む

食後にガムを噛むと、唾液が分泌されて消化を促すことができます。さらに、ガムを噛むことが刺激になって脳が活発になり、眠気覚ましになることが期待できます。

ただし、ガムを噛みすぎると口周辺の筋肉に負荷がかかり、筋肉や骨を痛めたり歯がすり減って噛み合わせが悪くなったりする可能性があります。ガムを噛む時はゆっくりと噛み、長時間噛み続けないようにしましょう。

15分〜30分程度の仮眠をとる

食後の眠気に限らず、日中に眠気が我慢できない場合は仮眠をとるのも選択肢の一つです。仮眠をとることで脳がリフレッシュして眠気が改善するだけでなく、集中力が高まったり、仕事や勉強などの作業効率がアップしたりする可能性があります。

ただし、仮眠が長時間になると、夜の睡眠に影響を与えるため注意が必要です。一般的に、仮眠は15分~30分程度が望ましいとされているので、仮眠時間が長くなりすぎないように心がけましょう。

また、仮眠をとる時は時間帯も大切です。人間には体内時計が備わっており、日中に眠気を感じる時間帯は14時~16時がピークになるといわれています。そのため、仮眠は14時前にとると効果的です。

一方、14時以降に仮眠をとると夜の睡眠に影響する可能性があるため、避けたほうが良いでしょう。

仮眠に関して詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

寝不足 仮眠
寝不足時の効果的な仮眠のとり方!眠気覚ましの方法も紹介

食後の眠気がひどい時は速やかに病院へ行こう

ここまで紹介したとおり、日常生活の中で自ら取り組める眠気対策もありますが、あまりにも眠気が強く病気を疑う場合には医療機関を受診するようにしましょう。

長時間強い眠気が続く場合、血糖値スパイクによってインスリンの過剰分泌が起きているのかもしれません。インスリンの分泌量が増えると膵臓の負担になり、糖尿病に繋がる可能性があります。

糖尿病を疑う場合に受診する医療機関は、以下のとおりです。

  • 内科(糖尿病内科)
  • 外科
  • 泌尿器科等

医療機関ではさまざまな検査が行われ、それに応じた食事療法・運動療法・薬物療法などが行われます。

検査や治療の詳しい内容は医療機関ごとに異なるため、受診した先で医師の指示を仰いでください。  

藤堂紗織

藤堂紗織

Alohaさおり自由が丘クリニック 院長

糖尿病に関して、医療機関で行われる検査方法には「随時血糖検査」や「経口ブドウ糖負荷試験」などがあります。治療については「食事療法」と「運動療法」が主な治療法です。薬物治療などもありますが、あくまで補助的な役割を担っています。

まとめ

食後に発生する多少の眠気は、誰にでも起こり得ることです。

しかし、もし「血糖値スパイク」によって眠気がでている場合は、糖尿病をはじめとした病気の可能性もあるため注意が必要です。病気が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診してください。

血糖値の上昇を抑えるためには、食べ過ぎないように意識するなど、日常的な食生活を見直しましょう。食事の内容や方法に気を配るだけでなく、軽めの運動を習慣として取り入れる方法もおすすめです。

どれも気軽に取り入れやすい対策なので、食後の眠気が気になる方はぜひ取り入れてみてください。

また、眠気がつらい時は、仮眠をとったり、目が覚める行動をとったりすることで対処できる可能性があるため、状況に合わせて実践しましょう。

この記事の監修者
藤堂紗織
藤堂紗織Alohaさおり自由が丘クリニック 院長
Alohaさおり自由が丘クリニック 院長。日本医科大学卒業後、日本医科大学附属武蔵小杉病院研修医/内科専修医、善仁会丸子クリニック院長勤務を経てAlohaさおり自由が丘クリニック院長へ就任。ホームドクターとして家族全員の様子を知り治療していきたい、と思い家族みんなの笑顔を目指しています。
ページのトップへ