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2022.12.13 更新

【医師監修】寝ながら瞑想することはできる?効果なやり方を伝授

【医師監修】寝ながら瞑想することはできる?効果なやり方を伝授

瞑想と聞くと、座って座禅を組んで…というイメージをお持ちの方も多いと思います。

ただ、瞑想には非常に多くの種類があり、一般的にイメージされる瞑想はその中の一つに過ぎません。

瞑想にはさまざまな種類があり、なかには寝ながら行うような瞑想もあります。どのような瞑想を行う場合でも、正しい手順を踏んで実施することが大切です。

この記事では、寝ながら瞑想を行う方法や、瞑想の種類などを紹介します。

  1. 寝ながら行う瞑想もある
  2. 瞑想とは
  3. 瞑想の種類を紹介
  4. マインドフルネス瞑想
  5. サマタ瞑想
  6. ヴィパッサナー瞑想
  7. シャバアーサナ瞑想
  8. ヨガニードラ瞑想
  9. 食事瞑想
  10. 歩行瞑想
  11. 就寝時に瞑想を行うことによる効果
  12. 寝ながら行う瞑想のやり方
  13. まとめ

寝ながら行う瞑想もある

寝ながら行う瞑想もある

冒頭でも触れたように、瞑想に対しては「座禅を組んで行うもの」というような、厳しいイメージをお持ちの方も多いですが、寝ながら行う瞑想は気楽に行うことができます。

寝ながら瞑想をすると、次第に浅い睡眠状態になり、やがて意識が徐々に薄れて無意識状態となり、そのまま深い眠りに落ちることもあります。

瞑想とは

そもそも瞑想とは、リラックスや健康・幸福感の増進効果があるとして、古くから活用されている心身療法です。

呼吸と身体の状態に集中して脳内をクリアにする行為であり、今から約紀元前2000年から2500年前のインドにおいて、すでに瞑想を行っていたとされる記録を確認できます。

また、紀元前2600年頃には、インダス文明の都市モヘンジョダロで、瞑想をしているポーズが封印に刻まれている様子も発掘されています。

瞑想においてはさまざまな研究が行われており、不安感、抑うつ感、不眠の改善などに効果があることが報告されています。また、瞑想中は前頭葉をはじめ、種々の部位での脳の活動が活発になることも判明しています。

リラックスした姿勢で目を閉じ、呼吸に集中するだけというのが最もシンプルな瞑想の方法です。ほかにも座って行う瞑想や寝た状態で行う瞑想、歩きながら行う瞑想などいくつかの方法があります。いずれの瞑想においても、基本となるのは「調身調息調心」の3点です。

調身とは「姿勢を整えること」です。瞑想では、姿勢の乱れは心の乱れと連動していると考えられているため、しっかりとした姿勢で瞑想を行わなければ、得られる効果は薄くなってしまいます。

調息とは「呼吸を整えること」です。呼吸も心の状態に大きな影響を与えるので、深く大きな呼吸をしてリラックスすることが重要です。

調心とは「心を整えること」です。息を吸ったり吐いたりという動作に集中することで、心身のバランスが整います。調身・調息・調心は必ずこの順番に行うことが重要で、順番を間違えると良い状態で瞑想を行えません。

名倉義人

名倉義人

新宿ホームクリニック 理事長・院長

医学的にも瞑想の効果は認められています。

瞑想によるリラックス効果によって副交感神経の働きが優位になり、ストレスの低減につながります。ストレスを減らすことで、様々な病気(生活習慣病・脳卒中・胃潰瘍)のリスクを減らします。

瞑想の種類を紹介

これまで何度か触れているように、瞑想にはいくつかの種類があり、以下のようなものが代表的な瞑想の種類として挙げられます。

  • マインドフルネス瞑想
  • サマタ瞑想
  • ヴィパッサナー瞑想
  • シャバアーサナ瞑想
  • ヨガニードラ瞑想
  • 食事瞑想
  • 歩行瞑想

それぞれの瞑想の特徴や効果を、詳しく説明します。

マインドフルネス瞑想

マインドフルネス瞑想は原始仏教で実践されていた瞑想で、2500年以上の歴史があるといわれています。「今この瞬間」に意図的に意識を向け、価値判断をせずにありのままに受け入れるという方法で瞑想を行います。

何かにとらわれ移ろいやすい心を解放し、事実や今の瞬間をあるがままに受容することを目指すのが、マインドフルネス瞑想の目的です。

マインドフルネス瞑想を行うことによって、ストレスの軽減、記憶能力や集中力の向上、感情コントロールの向上などの効果が期待できます。

サマタ瞑想

サマタ瞑想は、インドにおいて広く行なわれてきた修行の、根本を担う瞑想方法です。何か対象となる1点に意識を集中するという形で、瞑想を行います。意識を集中することでほかのものが気にならなくなり、集中力が高まりインスピレーションを得られるといった効果が期待できます。

ヴィパッサナー瞑想

ヴィパッサナー瞑想は、事物に関してありのままをひたすら観察するという瞑想方法です。心身の状態をひたすら観察し続けてどのような変化が生まれるかを、あるがままに受け入れます。

ブッダの悟りも、ヴィパッサナー瞑想によって開かれたものであるといわれています。怒りや不安といったネガティブな感情が低減して、心が穏やかになる効果が期待できます。

シャバアーサナ瞑想

シャバアーサナは、サンスクリット語で「屍(しかばね)」を意味する「シャバ」と、ポーズを意味する「アーサナ」を組み合わせた言葉です。

日本では「屍のポーズ」と呼ばれていますが、これは直訳的な意味であると同時に、魂が抜けた屍のように体を動かさずに、無の意識になるということにも由来しています。

シャバアーサナ瞑想では悲しみや憎しみ、苦しみといった負の感情を手放すことで、リフレッシュできるとされています。また、仰向けの体勢でいることは筋肉、内臓、神経を休め、血液を全身に均等に循環させやすくなるため、疲労回復の効果も期待できます。

ヨガニードラ瞑想

ヨガニードラ瞑想は、シャバアーサナ瞑想と同様、身体を仰向けにしたままリラックスした状態で瞑想に入る方法です。目を閉じて、身体の各部位を一つひとつ解放していくという手順を踏みます。

基本的に瞑想ではそのまま入眠することを推奨していませんが、ヨガニードラ瞑想の場合はそのまま寝てしまってもかまいません。ストレスの緩和や疲労感の解消といった効果が期待できます。

食事瞑想

食事瞑想は、食べ物と、それをゆっくり食べるという行為それ自体に、十分な注意を向ける瞑想方法です。食事以外の作業を一切行わず、咀嚼に全神経を注ぎ、味覚・触覚・嗅覚・視覚・聴覚で食事を味わいます。

そして、食事を通して自身がどのような感情を抱いたかを、徹底的に観察します。感情の安定をもたらす、食事量が減りやすくダイエットに繋がる、といった効果が期待できます。

歩行瞑想

歩行瞑想は、体の細かい動きに意識を向けながら歩く瞑想方法です。頭のなかで動作を実況中継するという方法で、集中力を高めていきます。散歩中や通勤時など、日常のちょっとした時間を利用して手軽に行なうことができ、集中力の向上やストレス解消といった効果が期待できます。

就寝時に瞑想を行うことによる効果

瞑想には心をリラックスさせる効果があり、ストレスを軽減させる効果があるものも多いです。

そのため就寝前に瞑想を行ってリラックスすることで、副交感神経が優位になり、自然と眠りにつきやすくなります。また、ストレスも軽減されることから、睡眠の質が高くなる効果も期待できるでしょう。

寝ながら行う瞑想のやり方

寝ながら行う瞑想には、上述したシャバアーサナ瞑想やヨガニードラ瞑想などがあります。これら2つの瞑想のやり方は、それぞれ以下のとおりです。

【シャバアーサナ瞑想】
  1. ベッドの上で仰向けに寝る
  2. 両手の平を上向きにして体の横に置く
  3. 両足を肩幅にひらいて体の力を抜く
  4. 目を閉じて腹式呼吸を行う
  5. 体の関節を揺らしながらリラックスする
  6. 腰・首・足先・内蔵・脳内まですべての力を抜くイメージを抱く
  7. 体に意識を戻して手や足をゆっくり動かす
  8. 両膝を立ててゆっくり目を開ける
  9. 起き上がって呼吸を整える
【ヨガニードラ瞑想】
  1. ベッドやマットなどの上で仰向けになる
  2. 深呼吸をしたり伸びをしたりして体をリラックスさせる
  3. リラックスしたら足は肩幅以上、脇の下もこぶし一つ分程度のスペースを空ける
  4. 頭の先から、頭のうしろ、おでこ、眉間、目と少しずつ力を抜いていく
  5. 口の中、首筋、肩周り、胸の前、腕、背中、手の力を抜いていく
  6. 腰回り、太もも、ももの後ろ、ふくらはぎ、踵、足裏、足の甲、つま先の力を抜いていく
  7. 体のすべての部位の力を抜いたら、そのままリラックスした状態を保つ

どちらもきちんと手順を守ることで、最大限の効果を得ることができるとされているため、しっかりと上述の手順を踏むことを心がけましょう。

まとめ

瞑想は座って座禅を組んで行うものというイメージがありますが、中には寝ながら行うような瞑想もあります。瞑想を行うことでリラックスできたり、ストレスが軽減したりしますが、きちんとした手順を踏んで行わなければ、その効果も半減してしまいます。

寝ながら瞑想を行いたい場合は、シャバアーサナ瞑想ヨガニードラ瞑想がおすすめです。今回お伝えした手順を経て、最大限の効果を得られるような形で瞑想を行いましょう。

この記事の監修者
名倉義人
名倉義人新宿ホームクリニック 理事長・院長
新宿ホームクリニック 理事長・院長。名古屋市立大学医学部卒業後、春日井市民病院で救急医療に従事。東京女子医科大学病院 救急救命センターに4年間勤務し専門医を取得。東戸塚記念病院で勤務。新宿ホームクリニック開院。当院では病気になってから治療を行うのではなく、日ごろからの健康管理によって病気を予防していく “予防医療”に力を入れています。
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