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2023.03.14 更新

【医師監修】朝スッキリ起きる方法はある?質の高い睡眠をとる方法も詳しく解説

【医師監修】朝スッキリ起きる方法はある?質の高い睡眠をとる方法も詳しく解説

睡眠をとるうえで、多くの方が悩んでいることが「目覚めの悪さ」です。

なかには「朝にスッキリと起きられずぼーっとしたまま午前中を過ごしてしまう」「眠たいまま通勤や通学をしている」という方もいるのではないでしょうか。

この記事では、朝にスッキリ起きる方法や快適に起きられない原因などを紹介します。「朝気持ち良く起きられるようになりたい」と思う方は、ぜひご一読ください。

  1. 朝スッキリ起きるためには睡眠の質が大事
  2. 睡眠の質を高めて朝スッキリと起きる方法
  3. 寝る前にストレッチなどで体を軽く動かす
  4. 栄養素を重視した食事を心がける
  5. 就寝時間の90分〜120分前に入浴する
  6. 温かい飲み物を飲んで体温を上昇させる
  7. 就寝3時間前までに夕食を済ませる
  8. 就寝前はリラックスする
  9. 体に合った寝具を使う
  10. 朝スッキリ起きられなかったときの対処法
  11. 眠気覚ましのツボを押す
  12. 15分〜30分程度仮眠する
  13. カフェインを摂取する
  14. ストレッチをする
  15. 朝スッキリと起きられない原因
  16. 睡眠不足
  17. 日々のストレス
  18. 肉体的・精神的な疾患
  19. まとめ

朝スッキリ起きるためには睡眠の質が大事

朝にスッキリと起きられない方は、この機会に睡眠の質を見直しましょう。睡眠をとるうえでは、睡眠時間の長さだけでなく質の高さも重要です。

どんなに長時間眠ったとしても、睡眠の質が低いと気持ち良く起きることはできません。熟睡できない時期が続くと睡眠不足に陥り、朝の目覚めの悪さに繋がってしまいます。

紫藤佑介

紫藤佑介

メンタルドクターSidow 精神科専門医/精神保健指定医

睡眠の役割は「スッキリ寝て次の日しっかり活動できること」です。確かに7~8時間が適切な睡眠時間とはいわれますが、これはあくまで平均値であり、人によって適切な睡眠時間はさまざまです。

そのため、睡眠時間が短くなったとしても睡眠の質を高めて、十分に心身の疲れを取ることが重要です。

睡眠の質を高めて朝スッキリと起きる方法

先述の通り、朝スッキリと起きるためには睡眠の質を高めることが大切です。朝スッキリ起きたい方は、質の高い睡眠がとれるように工夫すると良いでしょう。睡眠の質は、主に下記の方法で高めることができます。

  • 寝る前にストレッチなどで体を軽く動かす
  • 栄養素を重視した食事を心がける
  • 就寝時間の90分〜120分前に入浴する
  • 温かい飲み物を飲んで体温を上昇させる
  • 就寝3時間前にまでに夕食を済ませる
  • 就寝前はリラックスする
  • 体に合った寝具を使う

以下ではそれぞれの方法について詳しく紹介します。

寝る前にストレッチなどで体を軽く動かす

夜にぐっすり眠って朝気持ち良く目覚めたい方は、寝る前にストレッチをする習慣をつけると良いでしょう。ストレッチをして体の緊張やコリをほぐしてあげることで、寝つきが良くなり睡眠の質を高められます。

また、暗めの部屋で深呼吸しながら行うとリラックスしやすく、より高い効果が期待できます。簡単なストレッチで良いので、寝る前は体を伸ばす癖をつけましょう。

栄養素を重視した食事を心がける

寝つきが良くない方は、普段摂っている食事の栄養素に注目してみてください。なかでも積極的に摂取したいのが、アミノ酸の一つである「トリプトファン」です。トリプトファンは脳や体を活動状態に導く「セロトニン」というホルモンを作るために必要な栄養素です。

セロトニンは、夜になると心身を休息モードに導く「メラトニン」に変化します。セロトニンとメラトニンが機能していれば「日中に活動して夜に眠くなる」という健康的なサイクルに沿って生活を送ることができ、寝つきの悪さの解消に繋がるでしょう。

なお、トリプトファンは納豆や豆腐をはじめとした大豆製品、卵や牛肉などに含まれています。食事の際はぜひ意識しましょう。

就寝時間の90分〜120分前に入浴する

人の体は、体内部の温度「深部体温」が低くなると眠気が訪れる仕組みになっています。そのため、寝つきを良くしたい方は眠るタイミングで深部体温を低くするために、入浴のタイミングを意識すると良いでしょう。

お湯に浸かって上がった体温はお風呂上がりに下がっていくため、就寝時間の90分〜120分前に入浴をしておけば丁度良いタイミングで眠気が訪れてくれます。入浴にはリラックス効果もあるので、より眠りやすくなるでしょう。

ただし、お風呂の温度が高すぎる、または入浴時間が長すぎる場合は心身が覚醒して眠りにくくなる可能性があるので注意してください。入浴は38℃のぬるめのお湯で25分~30分程度、半身浴なら約40℃のお湯で30分程度、42℃の熱めのお湯であれば5分程度に留めることをおすすめします。

温かい飲み物を飲んで体温を上昇させる

深部体温を低くするには、温かい飲み物を飲むのも効果的です。就寝前に温かい飲み物を飲んで体温が上昇すると、その後体温が下がっていく過程で眠気が訪れ、より眠りやすくなります。

ただし、アルコールやカフェインが含まれている飲み物は、逆に睡眠の妨げとなってしまうので気をつけましょう。就寝前にアルコールを摂取すると寝つきが悪くなるほか、カフェインには覚醒作用があるため眠れなくなってしまいます。

眠る前に飲むのなら、お酒全般、カフェインが含まれているコーヒー、煎茶をはじめとしたお茶類などは避け、ホットミルクなど刺激が少なくリラックスできる飲み物を選びましょう。

就寝3時間前までに夕食を済ませる

夕食は就寝3時間前までに済ませ、それ以降の食事は避けるようにしましょう。就寝ギリギリの時間に食事をすると、就寝中に消化活動が行われる影響で睡眠の質が低くなってしまうためです。

消化活動は一般的に2時間〜3時間程度かかるといわれています。消化活動がもたらす睡眠の質の低下を避けるためにも、夕食は就寝3時間前までに済ませることをおすすめします。

就寝前はリラックスする

スムーズに眠るためには、就寝前にリラックスすることが大切です。考え事をしたり、激しい運動をしたりして心身が緊張していると入眠しにくくなってしまうため、就寝前はリラックスするように心がけましょう。

リラックスする方法の例としては「アロマを焚く」「ヒーリングミュージックを聴く」「読書する」などが挙げられます。どの方法がリラックスしやすいかは人によっても異なるので、自分に合いそうな方法を試してみると良いでしょう。

体に合った寝具を使う

睡眠の質を高めるためには、寝具や寝室の温度などの睡眠環境を整えることが重要です。なかでも就寝時に使う寝具は睡眠の質に影響する要素が大きいため、できるだけこだわることをおすすめします。

自分の体に合っていない寝具を使っていると、寝づらさを感じてなかなか寝つくことができません。マットレスや枕などの寝具は各製品で高さや硬さなどの特徴が異なるため、使う人によって合うかどうかが変わってきます。寝具が体に合っていないと感じる方は、この機会に買い替えてみると良いでしょう。

紫藤佑介

紫藤佑介

メンタルドクターSidow 精神科専門医/精神保健指定医

自分で睡眠の質を判断するのは難しく、睡眠時間で測っても浅い睡眠が長ければあまり意味がありません。そのため、朝起床時のスッキリ感と日中の集中力を睡眠の質を測る判断材料にしましょう。

また、睡眠のリズムや深さを測るためのウェアラブルデバイスの使用もおすすめします。

朝スッキリ起きられなかったときの対処法

朝スッキリと目覚めることができず、昼間仕事や授業中などに眠気を感じた時は、眠気を覚ます方法として下記の4つを試してみてください。

  • 眠気覚ましのツボを押す
  • 15分〜30分程度仮眠する
  • カフェインを摂取する
  • ストレッチをする

これらの方法は眠気覚ましに効果的なのはもちろん、気軽に試せる点でもおすすめです。それぞれの方法について、以下で具体的な内容を紹介します。

眠気覚ましのツボを押す

日中に急な眠気が襲ってきた場合は、眠気覚ましのツボを押して対応すると良いでしょう。

ツボを押すだけなので、デスクワーク授業中で席を離れられない状況でもすぐに実践することができます。

ツボには多くの種類がありますが、眠気覚ましに効くとされているのは「合谷(ごうこく)」「中衝(ちゅうしょう)」の2つです。合谷は手の背面の親指と人差し指の間、中衝は中指の親指寄りの爪の生え際に位置しています。

ツボを押す際は、痛みを感じるくらいの力加減で押すことがポイントです。眠気を感じた際は、机の下などで押してみましょう。

15分〜30分程度仮眠する

急な眠気に勝てない時は、15分〜30分程度仮眠するのも一つの方法です。

仮眠をとると脳がリフレッシュされて眠気を飛ばせるのはもちろん、集中力もアップします。時間に余裕がある際は試してみると良いでしょう。

ただし、仮眠の時間が長すぎると深い眠りに入ってしまい、スッキリと目が覚めず集中力の低下に繋がる可能性があるので注意してください。寝過ぎてしまう可能性がある場合は、事前にアラームをセットするなどして対策することをおすすめします。

カフェインを摂取する

眠気覚ましには、カフェインを含んだ飲み物も効果的です。

カフェインには神経を興奮させて覚醒を促す作用があるため、眠気を飛ばすことができます。効果は摂取してから15分程度で出てくるため、起きた時や仮眠前に摂取しておけばスッキリと目覚められるでしょう。

カフェインは主に以下の飲み物に含まれているので、眠い時はコンビニや自動販売機で販売されていないか探してみてください。

<カフェインが含まれている主な飲み物>
  • コーヒー
  • 紅茶
  • エナジードリンク
  • 烏龍茶
  • 煎茶など

ただし、カフェインを過剰に摂取すると、めまい不眠など体の不調に繋がる可能性があるので注意しましょう。

カフェインがもたらす健康的な影響は個人差があるため摂取許容量は一概にいえませんが、一般的には1日400mgまでが目安とされています。

ストレッチをする

体を動かせる状況にいる方は、眠気覚ましとしてストレッチを行うことをおすすめします。

血行不良の状態だと眠気が増してしまうため、眠い時は背伸びなどの簡単なストレッチをして血流を促すことが大切です。

朝スッキリと起きられない原因

朝スッキリと起きられない原因

朝にスッキリと目覚めたい方は、自分が気持ち良く起きられない原因を把握しておくことも大切です。根本的な原因を解決したうえで睡眠の質を高めれば、より快適に目覚めやすくなります。スッキリと起きられない原因は人それぞれですが、よくある原因として考えられるのが下記の3つです。

  • 睡眠不足
  • 日々のストレス
  • 肉体的・精神的な疾患

各原因について、以下で詳しい内容を見ていきましょう。

睡眠不足

朝にスッキリ起きられない原因として考えられるのが睡眠不足です。眠る時間帯が夜遅い場合は朝起きるタイミングで深い睡眠に入っているため、気持ち良く起きられないといわれています。

このほかにも、「イライラする」「体の疲れが取れない」など、睡眠不足が体の不良に繋がる可能性もあるので注意してください。睡眠不足の方は1日の睡眠時間をしっかりと確保し、できるだけ夜更かしをしないように心がけましょう。

日々のストレス

日中は心身を活動状態に導く「交感神経」が、夕方から夜は心身をリラックス状態に導く「副交感神経」がそれぞれ働くことで自律神経のバランスを保っています。夜に自然と入眠できるのは、副交感神経が優位となって体を眠りやすい状態に導いてくれるためです。

しかし、ストレスを溜めすぎると自律神経のバランスが乱れてしまいます。自律神経のバランスが乱れると夜の時間帯になっても副交感神経に切り替わらず、交感神経が優位のまま眠れなくなってしまう場合があります。眠れない時期が続くと睡眠不足に陥ってしまい、朝スッキリと起きられない原因に繋がる可能性があるので注意しましょう。

ストレスによる自律神経の乱れを防ぐには、適度にストレス解消を行うことが重要です。ストレスを抱えやすい方は自分の時間を多めに確保し、趣味に没頭する、体を動かすなどして溜まったストレスを発散しましょう。

肉体的・精神的な疾患

朝にスッキリ起きられない原因の一つが、肉体的・精神的な疾患です。例えば、怪我や火傷をしているなどの肉体的な疾患がある場合は体の痛みが原因で眠ることができず、目覚めの悪さに繋がる可能性があります。

また、精神的な疾患のなかには「朝に起きられない」など睡眠に関する症状があらわれるものもあります。このような肉体的・精神的な疾患に原因がある場合は、適切な対処法について医療機関に相談しましょう。

紫藤佑介

紫藤佑介

メンタルドクターSidow 精神科専門医/精神保健指定医

例えばうつ病や不安障害、PTSDなどの精神疾患は夜の睡眠に影響を与えます。このような疾患が背景にある場合、夜間眠れず朝スッキリ起きられない原因となります。

また、睡眠時無呼吸症候群でも無呼吸によって睡眠の質が低下するため、朝起きられなくなりやすいです。

まとめ

1日を気持ち良く過ごすためにも、朝はスッキリと目覚めたいところです。

現在、朝スッキリ起きれず悩んでいる方は、まず原因を把握することが大切になります。

「寝る前にストレッチをする」「寝具を買い替える」などして、睡眠の質を高めるように意識すると良いでしょう。

この記事の監修者
紫藤佑介
紫藤佑介メンタルドクターSidow 精神科専門医/精神保健指定医
精神科医として働く中で精神疾患に対する偏見や誤解の解消、早期受診の必要性を実感し、SNSで精神科の情報発信を始める。馴染みやすさと分かりやすさを重視した発信が精神疾患を持つ方に限らず話題となり、総フォロワーは10万人を超え、これまで3冊の著書を執筆。YouTubeの注目するクリエイター「YouTube NextUp 2019」の日本代表にも選出される。2022年に紹介制/会員制のメンタルケアクリニック「メンタルドクタークリニック」をオープンし、インフルエンサーや経営者を中心にプライバシーに配慮したメンタルケア・コーチングを行っている。
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