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2022.12.13 更新

【医師監修】左向きで寝ることは体に悪い?メリット・デメリットやほかの寝方についても解説

【医師監修】左向きで寝ることは体に悪い?メリット・デメリットやほかの寝方についても解説

体調や健康に影響を与える要素にはさまざまなものがありますが、寝ている際の姿勢もその一つであり、多くの方は毎日同じような寝姿勢で寝ているでしょう。

右向き・左向き・仰向け・うつ伏せと、寝姿勢にはさまざまなパターンがありますが、それぞれ体に与える影響やメリット・デメリットは異なります。

左向きで寝ている方の中には、自分の寝姿勢が体にどのような影響を与えているのかが気になっている方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、左向きで寝ることは体に良いのか、横向き・仰向け・うつ伏せといった寝姿勢ごとのメリット・デメリットなどについて説明します。

  1. 左向きで寝るのは体に良い?
  2. 横向き寝のメリット・デメリット
  3. メリット
  4. デメリット
  5. 横向き寝以外の寝方のメリット・デメリット
  6. 仰向け寝
  7. メリット
  8. デメリット
  9. うつ伏せ寝
  10. メリット
  11. デメリット
  12. まとめ

左向きで寝るのは体に良い?

左向きで寝るのは体に良い?

左向きに寝ると、消化系の臓器や胃・膵臓への負担を軽減できるといわれています。また、胃は左上から右下にかけての三日月形をしています。そのため、左側を下にして寝ることは、胸やけの原因となる胃酸の食道への逆流の抑制に繋がります。ほかにも、リンパ液の流入が促進され、不要な老廃物の排出がスムーズに行われることも期待できます。

ただし、肩が内側に入ったり足を組んだような姿勢になったりするため、体がゆがみやすいことは懸念材料です。このように、左向きで寝ることにはメリットもデメリットもあるため、一概に良いか悪いかということは断言できません。

横向き寝のメリット・デメリット

左向きで寝ることと右向きで寝ることは、寝ている向きこそ違いますが、大別するとどちらも「横向き寝」と考えることができます。横向き寝のメリットおよびデメリットについて、以下で詳しく説明します。

メリット

左向きで寝ることのメリットは、上述したように臓器への負担を軽減できることや、胃酸の食道への逆流を抑制できる可能性などが挙げられます。一方右向きで寝ることのメリットとしては、消化が良くなるということが挙げられます。

胃は体の右側に向かってカーブするように位置しており、右向きで寝ることで胃のカーブに沿って寝る形になるため、消化がスムーズになるといわれています。

また、横向きで寝ると喉の奥に舌が下がってしまうことがなく、気道を確保したまま眠ることができます。そのため右向き寝でも左向き寝でも、いびきを軽減するといわれています。

デメリット

すでに触れたように、横向き寝のデメリットとしては、体がゆがみやすいということが挙げられます。また、仰向け寝では背中全体で寝具と接触しますが、横向き寝では体の側面だけが寝具と触れる形になります。そのため、仰向けで寝る場合よりも体を支える面積が小さくなって下側になっている部分の負担が大きくなることから、下側になっている部分が凝ってしまう可能性も考えられます。

寝る際に腕や手を枕の下に入れたままでいると、朝起きた時にしびれが残ることも考えられるため、寝る際の手の位置には十分気を付ける必要があります。

久米健介

久米健介

整形外科一般・リウマチ科・内科・手の外科

横向き寝をするときは意識的に右向き寝と左向き寝を交互に繰り返したほうがいいということはありません。そのため、寝返りが正常にできていれば問題ないでしょう。

横向き寝以外の寝方のメリット・デメリット

横向き寝以外の寝方としては、仰向け寝やうつ伏せ寝などが主に考えられます。仰向け寝とうつぶせ寝、それぞれの寝方のメリットやデメリットについて、以下で詳しく説明します。

仰向け寝

仰向け寝のメリットおよびデメリットは、以下のとおりです。

メリット

仰向け寝では背中全体が寝具に触れる形になるので、最も安定した姿勢で寝ることができます。布団やマットレスと体が接する面積が大きくなるということは、体にかかる圧力の分散に繋がるため、体への負担を軽減しやすい点も大きなメリットといえるでしょう。

また、睡眠中の寝返りは質の高い睡眠を維持するために重要な要素ですが、仰向け寝は横向き寝やうつぶせ寝と比べると寝返りを打ちやすい寝方です。そのため、寝返りを打てないことによる体の不調も生じにくいでしょう。

デメリット

仰向けで寝ると重力によって舌が喉の奥に落ち込んでしまう懸念があり、呼吸がしにくくなったりいびきをかきやすくなったりする可能性があります。また、反り腰の方の場合は、布団やマットレスと腰の間に隙間ができてしまうことも考えられます。

布団やマットレスと腰の間に隙間ができてしまうと、腰を支える部分が減るため腰への負担が大きくなり、腰痛の原因となる可能性があります。

腰痛が発症するだけでなく、すでに腰痛持ちの方の場合は、症状が悪化してしまう可能性も考えられます。

うつ伏せ寝

うつ伏せ寝のメリットおよびデメリットは、以下のとおりです。

メリット

うつ伏せ寝で寝ると、体が下向きになることで自然とお腹が温められ、安心感を得られてリラックスできます。

また、胸が圧迫されることで横隔膜が下がるため、腹式呼吸がしやすくなります。腹式呼吸法はリラックスするために効果的な呼吸法なので、自然と睡眠の質が向上することが期待できます。いびきをかきにくいことも、うつ伏せ寝のメリットの一つです。

デメリット

うつ伏せ寝では、必ず顔を左右どちらかに曲げて枕に押し付ける形になります。そのため、下になっている方に負荷がかかって歯並びや輪郭のゆがみ、顎関節症に繋がることが考えられます。

また、布団や枕で鼻や口がふさがれて呼吸がしにくくなる可能性もあります。場合によっては窒息のリスクも考えられるでしょう。

顔を曲げることで神経も一緒に曲がるため、朝起きた際に首の痛みやこりが生じる場合もあります。体重のかかる寝方なので、食後すぐに寝てしまったり胃もたれがあったりすると、嘔吐の原因にもなり得ます。

久米健介

久米健介

整形外科一般・リウマチ科・内科・手の外科

成人の場合、うつ伏せ寝を毎日続けることで健康上の問題に発展する危険性はないと思います。赤ちゃんの場合は諸説がありますが、うつ伏せ寝が呼吸困難をきたす可能性があります。

まとめ

左向きで寝ることで消化系の臓器や胃・膵臓への負担を軽減できたり、胃酸の食道への逆流を抑制できたりする可能性がありますが、体がゆがんだり左半身にこりが生じたりといったデメリットも考えられます。

左向き寝以外の寝方としては、右向き寝・仰向け寝・うつ伏せ寝などが考えられますが、いずれにもメリット・デメリットがあり、一長一短です。腰痛持ちかどうかなど自分の体の状態も踏まえて、自分にとって最も合っていると思われる寝方で寝ることを心がけましょう。

寝る体勢が原因で体に異常をきたしていることが考えられる場合は、医療機関を受診してください。

この記事の監修者
久米健介
久米健介整形外科一般・リウマチ科・内科・手の外科
整形外科一般・リウマチ科・内科・手の外科。広島大学医学部卒業後、米国ロマリンダ大学留学、専門はリウマチ、整形外科・日本整形外科学会専門医・日本リウマチ学会専門医・日本リウマチ学会指導医・日本アフェレシス学会専門医などで勤務。
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