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2024.03.13 更新

【医師監修】梅雨に眠いと感じるのはなぜ?マッサージなど眠気への対処法や予防法を紹介!

【医師監修】梅雨に眠いと感じるのはなぜ?マッサージなど眠気への対処法や予防法を紹介!

梅雨の時期になると眠たくなることが多くなり、なぜなのか疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。眠気以外にも頭痛やだるさなど、病気ではないのに体の不調を感じる方もいるかもしれません。

梅雨の不調を乗り越えるためには、眠気の原因を知って、その原因に合った対策をすることが大切です。

この記事では、梅雨に眠たくなる原因や眠気以外の症状など、梅雨が原因となる体の不調について解説します。眠いと感じた時の具体的な対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

  1. 梅雨に眠いのは「気圧」と「気温・湿度」が原因
  2. 低気圧による自律神経の乱れ
  3. 気温上昇と湿気による不調
  4. 梅雨には眠気以外の症状も起こりやすい
  5. 梅雨に眠いと感じる時の対処法
  6. 耳をマッサージして血流を促す
  7. 手首にある「内関」のツボを押す
  8. ひどく眠い時は仮眠するのもおすすめ
  9. 梅雨の時期に取り組みたい予防法
  10. 適度な運動を取り入れる
  11. 睡眠の質を向上させる
  12. 体内の水分の排出を促す
  13. まとめ

梅雨に眠いのは「気圧」と「気温・湿度」が原因

梅雨になると眠たくなる原因として挙げられるのは、気圧気温・湿度の影響です。これらによって、以下の症状を引き起こすことがあります。

  • 低気圧による自律神経の乱れ
  • 気温上昇と湿気による不調

それぞれについて、詳しく解説します。

低気圧による自律神経の乱れ

雨が降ることが多い梅雨は、低気圧になりやすい時期です。低気圧になると自律神経が乱れやすくなり、その影響で眠気が生じることがあります。

自律神経とは、体温や呼吸など体の機能をコントロールする神経のことをいい、心身の活動を活発にする「交感神経」と、心身をリラックスさせる「副交感神経」があります。

通常、日中には交感神経、夜には副交感神経が優位になることで、心身のバランスが保たれています。ところが、気圧が下がり始めると、自律神経のバランスが交感神経優位の状態になり、体に緊張をもたらして頭痛や疲労を感じやすくなります。緊張が過度になるとその後の反動で眠気を感じやすくなります。

気温上昇と湿気による不調

梅雨の時期に上昇する気温湿度も、体の不調を引き起こす要因の一つです。1日のなかで気温差が激しいと体への負担となり、疲れやすくなって眠気が生じることがあります。

湿度が高くなると体内の水分が排出しにくくなって体内に水分が溜まり、眠気や体のだるさに繋がると考えられています。

山下あきこ

山下あきこ

株式会社マインドフルヘルス 代表取締役

気温が8度上がると眠気が起こりやすくなるという論文があります。梅雨の時期は気温が上昇する時期でもあるため、眠気が起こりやすいと考えられます。

梅雨には眠気以外の症状も起こりやすい

気圧・気温・湿度の影響を受けて体が不調になることは、「気象病」と呼ばれることがあります。特に、天気が変わりやすい梅雨の時期には、急激な気候の変化に体が対応できなくなり、気象病を発症することが多くなるようです。

梅雨の時期には、眠気以外にも以下の症状が起こりやすいといわれています。

  • 手足の冷え
  • 頭痛
  • 食欲不振
  • むくみ
  • 気分が憂鬱になる
  • だるい
  • 疲れやすい

湿度が高いと代謝が悪くなって食欲不振に繋がるほか、体に水分が溜まることでむくみにも繋がりやすくなります。だるさや疲れやすさは、気圧が低くなって自律神経が乱れることで発症する症状です。

梅雨の時期は雨が多くて日照時間が短いため、憂鬱な気分になりやすい傾向にあります。もしこれらの症状がひどい場合は、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。

山下あきこ

山下あきこ

株式会社マインドフルヘルス 代表取締役

気象病を専門に見る科はないため、気圧の変化によって起こる症状に合わせて受診する必要があります。

例えば、頭痛やめまいであれば、脳神経内科です。めまいだけなら耳鼻科、関節の痛みであれば整形外科、咳や息苦しさなら呼吸器内科の受診となります。

梅雨に眠いと感じる時の対処法

梅雨に眠いと感じる時の対処法

梅雨の時期に気圧・気温・湿度の影響を受けることは避けられないため、梅雨の時期にある程度の眠気が生じるのは仕方がないことです。しかし、仕事や外出などで日中眠気に襲われると困る人は多いでしょう。

もし眠気が生じた時には、以下の3つの対処法を試してみてください。

  • 耳をマッサージして血流を促す
  • 手首にある「内関」のツボを押す
  • ひどく眠い時は仮眠する

それぞれの方法を詳しく紹介します。

耳をマッサージして血流を促す

耳の奥にある内耳には、気圧の変化を感じ取るセンサーの役割があります。気圧の変化による症状を改善したいなら、内耳の血流を良くするマッサージをしましょう。

両耳を軽くつまんで上下左右に引っ張ったり回したり、ゆっくり耳と耳の周囲を揉みほぐすようにして血行を促すと効果が期待できます。梅雨の時期は、1日に朝・昼・夜の3回行ってみましょう。

手首にある「内関」のツボを押す

自律神経の乱れを感じる方は、手首にある「内関」と呼ばれるツボを刺激しましょう。内関は、手首から指3本分離れた部分、手首の内側のしわの真ん中にあるので、3秒程度しっかりと押してみてください。

ただし、入浴や食事の前後は血行が良くなり、体調不良を引き起こす可能性があるため、ツボは刺激しないように気を付けましょう。

ひどく眠い時は仮眠するのもおすすめ

我慢できないほどの眠気があるなら、無理せずに15分〜30分程度仮眠するのがおすすめです。短時間の仮眠は、リフレッシュ効果や作業効率アップが期待できます。

しかし、長時間の仮眠は逆効果となってすっきり目覚められなくなるため、短時間の仮眠に留めてください。短時間で起きられるか不安な場合、仮眠する前にコーヒーや緑茶などでカフェインを摂ると、20分程度で目覚めやすくなります。

山下あきこ

山下あきこ

株式会社マインドフルヘルス 代表取締役

仮眠をとるなら15時までにしましょう。夕方以降に眠ると、眠けをもよおす物質のアデノシンが減ってしまうため、夜の寝つきが悪くなります。

梅雨の時期に取り組みたい予防法

梅雨の眠気の予防を目指すなら、生活習慣の改善に努めましょう。食事や運動などの習慣を見直せば、「朝起きて日中に活動して夜眠る」という生活リズムが整って、夜に自然な眠気に繋がりやすくなることが期待できます。

なお、地域によって違いはありますが、日本の梅雨は5月頃から7月頃がシーズンです。この時期は夏至があり、1年のなかで昼間が最も長い時期なので、日中に活動できる時間が増えます。

活動できる昼間の時間が長ければ、運動したりリラックスタイムを設けたりといった生活習慣の改善に取り組みやすくなるでしょう。

ぜひ普段から、以下の3つの改善に取り組んでみてください。

  • 適度な運動を取り入れる
  • 睡眠の質を向上させる
  • 体内の水分の排出を促す

適度な運動を取り入れる

自律神経の働きを整えるためには、軽いジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を習慣にしましょう。夕方でも明るい梅雨の時期は、運動の習慣をつけるのに良いシーズンです。

運動する時間を確保することが難しい方でも、仕事帰りに一駅歩く、買い物に歩いて行くなど、日中を有効活用してみてはいかがでしょうか。寝る前にストレッチを取り入れるのも、副交感神経の働きを高め、リラックスできるのでおすすめです。

睡眠の質を向上させる

昼間の眠気を避けるには、睡眠の質を向上させて夜に熟睡することが大切です。湯船に浸かる、就寝前に音楽を聴く、アロマを焚くなど、就寝前にリラックスできることを取り入れましょう。

湯船に浸かるとリラックスできるだけでなく、体温が上がるため、眠りにつきやすくなります。ただし、温度が熱すぎると返って体を覚醒してしまうため、適度な温度に調整するのが大切です。

また、寝る前に温かい飲み物を飲むのも体温を上昇させるため、自然な眠気を促せます。覚醒してしまうカフェインが入った飲み物は避けましょう。

寝具やパジャマを整えたり、光を遮断したりするのも眠りやすく質の良い睡眠を促します。

体内の水分の排出を促す

湿度が高い梅雨は体に水分が溜まりやすいため、体内の水分の排出を促すカリウムを含む食品を食べることをおすすめします。カリウムは人体に必要なミネラルの一種で、細胞の浸透圧を調整し、水分を保持したり余分な水分を排出したりする働きがあります。

カリウムを含む食品には、豆類・きのこ類・ほうれん草・バナナなどがあるため、意識して摂取してみてください。

また、筋肉をつけると血液循環が良くなり、余分な水分を排出しやすくなるため、体を積極的に動かすのもおすすめです。

まとめ

梅雨の時期は、気圧・気温・湿度によって体が不調になりやすく、眠気やだるさを感じることがあります。梅雨の時期に引き起こされる症状はさまざまですが、症状が長く続く、つらいという場合は医療機関を受診しましょう。

毎年、梅雨の時期に眠気に悩まされているなら、生活習慣を整えて質の高い睡眠をとるよう意識しましょう。日中に軽く運動する、リラックスできる環境を整える、食生活を見直すなど、できることから取り入れることをおすすめします。

日が暮れるのが遅い梅雨のメリットを活かして、ぜひ生活習慣の改善に取り組んでみてください。

この記事の監修者
山下あきこ
山下あきこ株式会社マインドフルヘルス 代表取締役
医学博士、内科医、神経内科専門医、抗加齢医学専門医。 1974年佐賀県生まれ。1999年川崎医科大学卒業、2001年~福岡大学病院脳神経内科勤務、2005年~フロリダ州メイヨークリニックジャクソンビル神経内科留学、2007年~佐賀県如水会今村病院神経内科医長などを経て、病気を治すより、人々が健康づくりを楽しむ社会を目指し、2016年に株式会社マインドフルヘルスを設立。アンチエイジング医学、脳科学、マインドフルネス、コーチングを取り入れたセミナー、企業研修、個人健康コンサルティング等を行っている。自分自身の習慣作りと人に伝える活動ができるマインドフル・ライフコーチの講座が好評。「ZIP!」「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)など、メディア出演も多い。著書:「やせる呼吸」(二見書房 (2018/6/26))、「こうすれば、夜中に目覚めずぐっすり眠れる:医師が教える、薬に頼らない3つの方法」(共栄書房 (2022/7/11))、「賢い食べ方」(あさ出版(2022/10/14))
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