正しい生活リズムを保つには昼間に活動して夜間に寝ることが大切です。時間によって体内の生活リズムが変化するので、24時間、いつでも同じように活動できるわけではありません。基本的には早寝・早起きを心がけましょう。
しかし、仕事や勉強などのスケジュールが逼迫し「徹夜をしている」「徹夜明けの直後」という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、「徹夜中に眠気を感じる」「徹夜明けの仕事中・授業中に眠くなる」と悩む方に向けて、効果的な眠気覚ましの方法を紹介します。
徹夜中や徹夜明けにおすすめの眠気覚ましの方法
以下は、徹夜中や徹夜明けにおすすめの眠気覚ましの方法です。
- 仮眠をとる
- 顔を洗う
- ガムを噛む
- 体を動かす
- 日光を浴びる
- 眠気覚ましのツボを押す
各方法について、詳しく説明します。
仮眠をとる
少しの時間、「仮眠」をとると、体に溜まった疲労が取り除かれます。脳がリフレッシュして注意力が高まり、寝不足のまま仕事を続けるよりも作業効率が向上します。
ただし、仮眠の時間が長すぎると深い眠りに入ってしまい、起きた後にしっかりと目が覚めず、作業効率が上がらない場合があるので注意してください。仮眠の時間は、15分〜30分程度に留めましょう。
顔を洗う
日常生活のなかで「顔を洗うと眠気が覚める」と感じる方は多いのではないでしょうか。これには学術的根拠があり「洗顔が覚醒を促すきっかけになる」「冷水が効果的」といった主旨の研究結果が報告されています。
ただし、洗顔の覚醒効果は一時的なものなので、同時にほかの対策も行うことが大切です。
ガムを噛む
眠気を感じた場合は、ガムを噛めばスッキリとした気分になります。噛む動作で、脳に刺激が与えられ眠気が覚めやすくなるためです。
必ずしも、眠気覚ましを謳った「辛いガム」を用意する必要はなく、通常のガムでも効果が期待できます。清涼感があるガムなど、好みのフレーバーを選びましょう。
体を動かす
適度に体を動かすことも眠気覚ましに役立ちます。休憩時間に、軽いストレッチなどをしてはいかがでしょうか。
また、人間は血流が悪くなると眠気が増してしまいます。同じ体勢を長時間続けるのではなく、「背伸び」などでも良いので、こまめに体を動かして血流を促しましょう。
日光を浴びる
メラトニン(脳の松果体で生合成されるホルモン)には「催眠作用」があり、目の網膜から入った光の刺激によって分泌が抑制されます。日中にはメラトニンの分泌量は少なく、光を浴びていない夜間には分泌量が増加します。
そのため、眠気覚ましの方法として、カーテンや窓を開けて日光を浴びることも効果的です。
眠気覚ましのツボを押す
手軽に眠気を覚ます方法として、眠気覚ましに効果的なツボを押すのもおすすめです。
眠気覚ましのツボには以下のようなものがあります。若干痛みを感じる程度の強さで、ツボを押しましょう。
眠気覚ましだけに頼らず質の高い睡眠の確保が重要
徹夜などにより寝不足の状態が続くと、睡眠負債に繋がる可能性があります。
睡眠負債とは、1晩あたりではわずかな寝不足でも、それが継続し負債・借金のように積み重なっている状態を指します。一時的な寝不足ではなく、慢性的な寝不足に陥っている状態で、「疲労」「健康リスクの増大」「作業効率の低下」といった問題を生じさせます。
徹夜による寝不足や睡眠負債の根本的な解消には、一時しのぎである眠気覚ましに頼るべきではありません。また、睡眠時間を長くすれば良いわけではないことにも注意してください。大切なのは、徹夜明けに質の高い睡眠を確保することです。
また、休日(週末など)に寝不足をまとめて解消しようとする「寝だめ」では、充分な効果が得られません。長時間眠ると起床時刻が遅くなり、日光を浴びる量が減少する可能性があります。その結果、光による体内時計の調整が行われず生活リズムが変化し、夜の入眠が困難になります。
徹夜明けの寝不足解消に効果的な睡眠の質を高める方法
睡眠の質を高めれば、徹夜による寝不足・睡眠負債の解消に繋がります。
以下に示すように、睡眠の質を高めるために役立つ方法を4つ紹介します。
- マットレスや枕をご自分に合ったものに変える
- アロマテラピーで、気分をリラックスさせる
- 就寝時間の約90~120分前までに入浴を済ませる
- 就寝時刻の2時間前になったら、スマホやPCなどの操作をやめる
各方法を詳しく説明するので、ぜひ参考にしてください。
マットレスや枕をご自分に合ったものに変える
マットレスや枕を自分に合ったものに変えると、睡眠の質の改善が期待できます。体に合う寝具は、個々人によって異なるので、自分が快適と感じる寝具を使いましょう。
なお、硬すぎるマットレスを使うと、体に負担がかかって血流が悪くなり、睡眠の質が低下します。反対に、柔らかすぎるマットレスで寝ると、お尻が沈み込んで腰痛に繋がる可能性があります。
また、就寝中はコップ1杯分の汗をかくため、心地良い睡眠を促すために、通気性についても確認しましょう。
アロマテラピーで、気分をリラックスさせる
アロマテラピーを活用して、リラックスできる空間を作ることも、質の高い睡眠を実現する方法の一つです。
好みの香りは、人によって異なります。さまざまな種類を試して、自分がリラックスできるものを選びましょう。
就寝時間の約90~120分前までに入浴を済ませる
入浴をすると気分がリラックスして副交感神経が優位になり、入眠しやすくなります。
入浴は、少しぬるめのお湯にゆったりとつかり(38℃のお湯なら25~30分程度)、就寝時間の約90~120分前までに済ませることが理想です。
人間は、体内の深部温度が下がると眠気が生じます。入浴で体内の深部温度を一時的に上昇させ、その後、体温が下がったタイミングで就寝しましょう。
就寝時刻の2時間前になったら、スマホやPCなどの操作をやめる
上述したように、光を浴びると分泌されるメラトニンの量が減少し、覚醒状態に導かれます。
就寝前にスマホやタブレット、PCなどを操作していると、画面から発せられる光の刺激によって脳が「昼間である」と錯覚しメラトニンの分泌が増え、スムーズな入眠が困難になる可能性があります。
「ベッドに寝転がりながら、SNSのチェックやテレビ視聴をしたい」という方がいるかもしれませんが、就寝時間の2時間前になったら、スマホやタブレット、PCなどの操作をやめましょう。
まとめ
日中に活動して夜間に寝ることが自然な生活リズムです。しかし、仕事や勉強などのスケジュールが逼迫して、徹夜を余儀なくされる場合があるかもしれません。
徹夜中や徹夜明けに眠くなった場合は、「仮眠をとる」「顔を洗う」「ガムを噛む」「体を動かす」「日光を浴びる」といった方法で眠気を覚ましましょう。
また、徹夜をしなくても良い状況になったら、質の高い睡眠を確保して寝不足や睡眠負債を解消しましょう。