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2024.01.22 更新

【医師監修】うつ病で眠れないとき、医療機関の受診以外でできる対処法を紹介

【医師監修】うつ病で眠れないとき、医療機関の受診以外でできる対処法を紹介

うつ病は精神だけでなく身体にも症状が現れ、患っている方の多くが眠れない、途中で起きてしまうなどの不眠を訴えています。不眠が続くと日中でも眠気が残り、集中力や注意力が低下するなど、日常生活にさまざまな支障をきたします。

また、不眠が続くとストレスを溜め込みやすくなり、慢性的なストレス状況に陥りやすくなります。うつ病はストレスが原因で発症する場合があるので、不眠が続くとうつ病を患うリスクも高まります。そのため、早めの対策が重要です。

この記事では、うつ病で眠れない場合の対策や、うつ病と睡眠の関係などをわかりやすく解説します。うつ病で眠れなくて悩んでいる方は、参考にしてください。

  1. うつ病とは
  2. うつ病と睡眠の関係
  3. うつ病によって眠れない影響
  4. うつ病が悪化する
  5. 睡眠障害やほかの病気などを併発する可能性がある
  6. うつ病で眠れない場合の対策
  7. ストレスを解消する
  8. 生活習慣を変える
  9. 考え方を変える
  10. 心身の休養をとる
  11. 医療機関の受診も検討する
  12. まとめ

うつ病とは

うつ病とは、ストレスの蓄積により、抑うつ状態が1日中続く、あるいはほぼ毎日感じる状態のことです。気分障害の一つで、何をしても楽しめない、眠れない、食欲がないなどの身体症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたす場合があります。

うつ病の原因は正確にはよくわかっておらず、感情や意欲を司る脳の働きに不調が生じていると考えられています。

そのため、うつ病を患っている方は大きなストレスを受けたり、小さなストレスの蓄積が続いたりすると、段階的に興味や関心、喜びが失われ、思考力などが低下する傾向があります。

江越正敏

江越正敏

ともしびクリニック 代表医師

うつ病の最初のサインは、寝ようと思っても眠れなくなることです。ずっとマイナス思考に囚われて入眠困難になるのがうつ病のサインです。ほかには文字が頭に入ってこないなどの集中力、判断力の低下が挙げられます。

うつ病と睡眠の関係

うつ病と睡眠の関係

うつ病の身体症状は幾つかありますが、なかでも不眠で悩む方が多く見られます。また、うつ病の身体症状には、眠れなくなる「不眠」だけでなく、眠りすぎる「過眠」も挙げられます。

眠れない不眠や眠りすぎる過眠は日常生活に影響を及ぼす身体症状です。

また、不眠や睡眠不足によって睡眠の質が低下すると、ホルモンの分泌量が少なくなり、ストレスを溜め込みやすくなります。つまり、不眠や睡眠不足が続くことによりうつ病になってしまうケースも考えられます。

うつ病によって眠れない影響

うつ病によって眠れない状態が続くと、次のような影響が現れます。

  • うつ病が悪化する
  • 睡眠障害やほかの病気などを併発する可能性がある

うつ病によって眠れない影響を順番に解説します。

うつ病が悪化する

うつ病と不眠の関係は深刻で、多くの方がうつ病の身体症状として不眠を挙げています。

また、不眠が続き、「今夜も眠れないのではないか」「早く眠らないと」と不安や焦りを覚えるようになると、ストレスを溜め込みやすくなり精神的に疲弊しやすくなります。

つまり、不眠を改善できないと、ストレスが蓄積してうつ病が悪化する可能性があります。

うつ病が悪化すれば更に眠れなくなり、不眠が深刻になる悪循環に陥ってしまう可能性が高いです。悪循環によってうつ病や不眠が悪化すれば日常生活への影響も大きくなるため、なるべく早めに対処しましょう。

睡眠障害やほかの病気などを併発する可能性がある

眠れない状態が続くと倦怠感や不安を感じやすくなり、睡眠障害やパニック障害、統合失調症などを併発しやすくなります。

病名概要
睡眠障害睡眠に関連したさまざまな病気の総称
パニック障害・不安障害理由もなく動機やめまい、手足の震えなどのパニック発作を起こし、日常生活に支障をきたした状態を指す
統合失調症こころや考えがまとまりづらくなる病気
気分や行動、人間関係などに影響を与える

例えば、睡眠障害は必要な睡眠時間を確保できず、日常生活に支障をきたした状態を指します。

上記で解説した不眠や過眠も睡眠障害の一つで、不眠が続くと起きられなくなる過眠症や睡眠中に寝ぼけてしまう睡眠時随伴症を発症しやすくなります。

また、うつ病はさまざまな病気との関連性が深く、パニック障害や統合失調症などの病気を発症した患者の多くがうつ病を併発している傾向があります。

江越正敏

江越正敏

ともしびクリニック 代表医師

眠れない状態が続くと、統合失調症に移行してしまうことがあります。不眠症から、うつ病へ、うつ病から統合失調症へ移行する場合があり、妄想のような言動が見られた場合には入院が必要な場合もあります。
不眠状態が継続すると、脳に回復不可能なほどの破壊が起こり、難治化しやすいのでなるべく早めに治療する必要があります。

うつ病で眠れない場合の対策

うつ病で眠れない場合は、次の対策を試しましょう。

  • ストレスを解消する
  • 生活習慣を変える
  • 考え方を変える
  • 心身の休養をとる

うつ病で眠れない場合の対策を順番に解説します。

ストレスを解消する

うつ病の原因は精神的、身体的なストレスから生じる可能性が高いです。そのため、ストレスを解消するとうつ病が改善されることがあります。

うつ病で眠れない方は、まずはストレスの原因となるものを排除、あるいは遠ざける、解決するなどの対策を試みましょう。

しかし、ストレスの原因が仕事や学業だと簡単に解決できない場合もあります。ストレスの原因を解決できないなら、自分なりのストレス解消法を見つけることがおすすめです。

例えば、次のようなストレス解消法があります。

  • 適度な運動
  • 誰かと話す
  • 自分の思いをノートに書く

ストレスを解消すれば副交感神経が優位になり、眠りやすくなります。不眠や寝不足で悩んでいる方は、自分に合ったストレス解消法を探しましょう。

生活習慣を変える

ストレスを解消する方法の一つに、生活習慣を変えることが挙げられます。うつ病はストレスや不眠だけでなく、日常の生活習慣が原因で発症する場合もあります。そのため、同じ生活習慣のままだとうつ病が改善されない、あるいは悪化する傾向があります。

うつ病改善のために取り入れたい生活習慣例を、以下にまとめました。

  • 朝起きた時に日の光を浴びる
  • 特定の時間に休息をとる
  • 3食しっかり食べる

毎朝日の光を浴びると、ストレスをコントロールする「セロトニン」の分泌量が増えます。セロトニンが増えるとストレスを軽減できるため、毎朝の習慣に取り入れると良いでしょう。

また、特定の時間に休息をとって心身を休ませれば、自律神経やホルモンバランスを整えられます。3食しっかり食べることで、エネルギーの補給も行えます。

上記のようなうつ病改善に効果がある生活習慣を取り入れて、正しい生活リズムを整えれば、正しい睡眠リズムに繋がり、睡眠の質の向上も期待できます。

考え方を変える

うつ病の改善では生活習慣だけでなく、考え方を変えることもおすすめです。

例えば、不眠が続いている時は「眠らないといけない」と考えてしまいますが、かえって緊張して余計に眠れなくなり、うつ病や不眠が悪化しやすくなります。

そのため、「眠らないといけない」と考えるよりも「眠くなったら眠ろう」と割り切った考え方に変えたほうが、緊張が解ける場合があります。また、睡眠時間にこだわらないことも重要です。

心身の休養をとる

休養を十分に取れない状態でうつ病の治療を行っても、効果が出ないことがあるため、心身の休養をとることは重要です。

ストレスの原因が仕事や学業にあるなら、職場や学校から離れて過ごすことも検討しましょう。状況によっては入院したほうが、症状を軽減できる可能性もあります。ストレスから離れた環境で休養をとることは、うつ病治療後の再発予防にも繋がります。

医療機関の受診も検討する

上記で紹介した対策だけではうつ病が改善されない可能性もあります。そのため、不眠が続いたり、うつ病の治療を考えていたりするなら、医療機関の受診も検討しましょう。

医療機関を受診すれば、うつ病の薬物療法や精神療法などを受けられるため、症状の改善が期待できます。また、不眠により症状が悪化した場合や、不安なことがある場合に相談できるので安心できます。

江越正敏

江越正敏

ともしびクリニック 代表医師

不眠や、うつ病の場合は、近くのクリニックの診療にかかるのがおすすめです。治療期間が長くなることが多いですので、自分が通いやすいクリニックを選びましょう。

まとめ

うつ病で眠れないと、日中に眠気が生じやすく、集中力や注意力が低下し、イライラするなど日常生活に支障をきたします。また、不眠はうつ病自体を悪化させ、ほかの病気を発症させるリスクがあります。

そのため、うつ病で眠れない場合は次のような早めの対策を行うことが重要です。

  • ストレスを解消する
  • 生活習慣を変える
  • 考え方を変える
  • 心身の休養をとる

上記の対策を行っても、うつ病で眠れない、あるいは不眠が続くようなら、医療機関の受診も検討しましょう。

この記事の監修者
江越正敏
江越正敏ともしびクリニック 代表医師
ファイヤークリニック新宿院 総院長。佐賀大学医学部を卒業後、病院・美容クリニックでの勤務経験を経て、2020年にファイヤークリニック開業。美容医学、遺伝子学、栄養学、精神医学など肥満治療に関わる多方面から痩身医学研究と実践をする。精神科医としても臨床に当たっており、西洋医学から東洋医学に渡って世界中から集積した独自の短期集中型医療ダイエットを開発。
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