NELL
  1. NELL
  2. WENELL
  3. 【医師監修】マスクをして寝ると風邪予防になる?期待できる効果や注意点など解説
2023.03.22

【医師監修】マスクをして寝ると風邪予防になる?期待できる効果や注意点など解説

【医師監修】マスクをして寝ると風邪予防になる?期待できる効果や注意点など解説

風邪をひいた時または風邪の予防として、乾燥を防ぐためにマスクをつけて寝ようと考える方もいるのではないでしょうか。

就寝時にマスクを着用する場合は、日中の活動している時に着用するのとは状況が異なるため、注意しなければいけないことがあります。

そのため、マスクをして寝る時は、着用して得られる効果と注意点の両方を把握したうえで、着用するかどうかを決めましょう。

この記事では、マスクをして寝ることで期待できる効果や主な注意点を解説します。就寝時にマスクの着用を検討している方は、ぜひご一読ください。

  1. マスクをして寝ると期待できる効果
  2. マスクをして寝る時の注意点
  3. 「風邪かな?」と感じたら医療機関を受診する
  4. 手軽に取り組める2つの乾燥対策
  5. 就寝前に水分を補給する
  6. 加湿器を活用する
  7. 風邪を予防するために大事な4つの心がけ
  8. 帰宅時は必ず手洗い・うがいを行う
  9. できるだけ密は避ける
  10. 栄養のバランスが良い食事をとる
  11. 十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を高める
  12. まとめ

マスクをして寝ると期待できる効果

マスクをして寝ると、主に以下の効果が期待できるとされています。

  • 口周りの乾燥を防止しやすくなる
  • 喉のケアに繋がる
  • 体の冷えを防ぎやすくなる
  • ウイルスの感染リスクが軽減できる可能性がある

マスクを着用することで口周りの湿度が高くなり、湿った空気を吸うことになるため、口周りや喉の乾燥を防止しやすくなります。

また、寝ている時は唾液の分泌が少なくなるため、口内が乾きやすい状態です。口内が乾くとウイルスに感染するリスクが高くなるといわれていますが、マスクをして乾燥を防ぐことで、ウイルスに感染するリスクも軽減できる可能性があるでしょう。

さらに、マスクによって冷たい外気が口から体内に入ってこないため、体の冷えを防ぐ効果も期待できます。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

睡眠時マスクによる風邪症状の軽減効果が報告されています。

マスクをして寝る時の注意点

マスクをして寝ることには注意点もあり、主に以下のデメリットが生じる可能性があります。

  • 息苦しさや違和感で睡眠の質が低下することがある
  • 熱中症になるリスクがある
  • 蒸れて肌荒れの原因になる可能性がある

マスクをして寝ると、外気を通しづらくなるため息苦しさを感じたり、着用時の違和感が気になることで寝づらくなったりして、睡眠の質が低下する可能性があります。

また、マスクの着用で熱中症のリスクも高くなるため、特に夏場のように気温が高い日は、着用に注意が必要です。

そのほか、マスクを着用することでウイルスの感染リスクを軽減できる可能性はあるものの、マスク内は湿度が高くなるため、雑菌が繁殖しやすい環境になります。加えて、寝返りでマスクがずれると肌を刺激してしまうため、肌荒れの原因に繋がる可能性があります。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

力の弱い子どもや高齢者では呼吸筋の疲労をきたす、または窒息の危険性があります。

「風邪かな?」と感じたら医療機関を受診する

熱が出ていなくても喉の痛みを感じたり、咳がでたりした時は、基本的に医療機関で一度診察を受けましょう。

自分では風邪だと感じていても、一部のウイルスや細菌による感染症の可能性も考えられるうえに、ほかの病気が影響を与えているケースもあります。

特に、数日経過しても症状が改善されない、または気になる症状がある時は、医師に相談することをおすすめします。

医療機関を受診する際は、就寝時のマスク着用を含めた日々の過ごし方に関するアドバイスを受けると良いでしょう。

手軽に取り組める2つの乾燥対策

手軽に取り組める2つの乾燥対策

乾燥の防止を主な目的として就寝時のマスク着用を検討している方は多いと思いますが、就寝時の乾燥を防ぐにはほかにもできることがあります。

  • 就寝前に水分を補給する
  • 加湿器を活用する

上記2つの乾燥対策について、それぞれ解説します。

就寝前に水分を補給する

人は就寝中でも汗をかき、コップ1杯程度(200~300ml)の水分が失われるとされるため、就寝中に失われることが予想される水分をあらかじめ摂取しておくことで、喉の乾燥を防ぎやすくなります。

また、起床時や夜中に喉が渇いて目が覚めた時にすぐ水分補給ができるよう、枕元に飲み物を置いておくのもおすすめです。

ただし、ジュースのように糖分・塩分濃度が高い飲み物は吸収までの時間がかかるため、避けることが望ましいでしょう。

そのほか、カフェインアルコールを含む飲み物は尿量を増やすので、水分補給には適さないことを覚えておきましょう。なお、水分の摂取について医師から指示されている場合は、その指示に従ってください。

加湿器を活用する

部屋が乾燥していては、体の乾燥を防ぐ対策をとっても効果が低いと考えられます。そのため、室内を適切な湿度に保つために、加湿器を上手く利用するのも効果的でしょう。

ただし、湿度が高すぎると加湿器の水に細菌が繁殖しやすくなるほか、発汗による温度調節が上手くいかなくなり、寝つきが悪くなる可能性もある点に注意が必要です。

なお、加湿器を持っていない方は、濡れタオルを部屋にかけたり、水やお湯が入った容器を置いたりすることで代用も可能なので、状況に応じてお試しください。

風邪を予防するために大事な4つの心がけ

「喉が痛くなってからマスク着用などの対策を考える」ではなく、日頃から風邪予防に努めるのも大事なことです。

以下のように、自分の心がけ次第で取り組める対策もあるので、できることから実践してみましょう。

  • 帰宅時は必ず手洗い・うがいを行う
  • できるだけ密は避ける
  • 栄養のバランスが良い食事をとる
  • 十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を高める

それぞれ解説します。

帰宅時は必ず手洗い・うがいを行う

日頃の風邪対策として基本となることが手洗い・うがいです。手洗い・うがいのそれぞれに正しいやり方があるので、確認しておきましょう。

手洗いうがい
①流水でよく手を濡らした後、石けんをつけてこする
②手の甲や指先、爪や指の間など手全体を念入りに洗う
③手首も忘れずに洗う
④石けんを十分に水で流し、きれいなタオルでよく拭き取って乾かす
1回目:水を含んで「ブクブク」し、食べかすを浮かせて吐き出す
2回目:新しい水を含み、上を向いてのどの奥までうがいをする
3回目:再度新しい水を含み、2回目と同様にうがいを行う
齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

手洗いについては、汚染されたものに触れた後に手を洗うこと、料理などをするときに必ず洗うことなど、手を洗う場面に気をつけましょう。

また、うがいについては、うがい薬がなくても水道水でも十分効果があります。

できるだけ密は避ける

「密集・密閉・密接」の3密を避けることも風邪防止には効果があるとされています。

ウイルスは目や口、鼻の粘膜から侵入するため、咳やつばなどの飛沫や不要な接触を避けるほうが望ましいです。また、ウイルスの逃げ場がない密閉された場所へ行くのも、できるだけ避けましょう。

栄養のバランスが良い食事をとる

栄養不足になると免疫力が低下し、風邪にかかりやすくなります。そのため、食事は主食・主菜・副菜を意識してバランス良くとり、栄養不足に陥らないよう気をつけましょう。

調理の際には、免疫力を高めたり粘膜を強くしたりする成分が含まれる食材を意識的に取り入れるのもおすすめです。

一般的に、風邪対策に効果があるとされる成分と食材には以下のものがあります。

  • ビタミンA:人参やレバーなど
  • ビタミンC:ピーマンや柿、キウイフルーツなど
  • タンパク質:魚や肉、大豆製品など

十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を高める

自分にとって必要な睡眠時間を確保し、なおかつ質の高い睡眠を心がけると、体の免疫力アップに期待ができます。

人それぞれ必要な睡眠時間は異なりますが、日本の成人の場合は6~8時間の睡眠時間が一般的です。まずは6~8時間という睡眠時間の目安にして、自分にとって十分といえる睡眠時間を見極めていくと良いでしょう。

また、睡眠の質に関しては、スムーズに眠りに入れるよう睡眠環境を整えることが推奨されます。

就寝時の室温や湿度、光・音環境を整えるのも大切ですが、自分の体に合った寝具を使うことで、睡眠の質が向上しやすくなる可能性もあります。質の高い睡眠で体の免疫力を高めるよう意識しましょう。

まとめ

就寝時にマスクを着用すると乾燥防止になり、喉のケアやウイルス感染リスクの軽減が期待できる可能性があります。ただし、マスクを着用して寝る時は注意点もあるため、しっかりと把握することが大切です。

また、風邪と感じた時は、ほかの病気の可能性も考えられるため、基本的に医療機関の受診をおすすめします。その際に、就寝時のマスク着用についても相談すると良いでしょう。

なお、睡眠時のマスク着用の是非については諸説あるため、乾燥や感染の予防をするなら日常生活でできる基本的な対策にも取り組んでみてください。

この記事の監修者
齋藤幹
齋藤幹さいとう内科・循環器クリニック院長
1996年北海道大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院にて内科研修。その後東京大学医学部付属病院(循環器内科)や専門病院での経験を経て、2019年に「さいとう内科・循環器クリニック」を開業。医学博士、内科認定医、総合内科専門医、循環器専門医・指導医、臨床研修指導医。
ページのトップへ