昼食後などの眠気を感じやすいタイミングでは、午後に向けて眠気を飛ばして集中力を保ちたいところです。しかし、場合によってはどうしても眠気に勝てず、集中力が下がってしまうこともあるでしょう。
そんな時に役立つのが、眠気覚ましになる飲み物です。この記事では、眠気覚ましに効果的な飲み物の種類やカフェインを摂取する際の注意点などを紹介します。
眠気を覚ますにはカフェインを含んだ飲み物がおすすめ
仕事中などの集中したいタイミングで眠気を覚ますには、カフェインを含んだ飲み物がおすすめです。カフェインとは、コーヒー豆や茶葉、カカオなどの食品に含まれる成分の一つで、集中力が上がり、眠気を覚ます効果があります。
カフェインを摂取した後は15分~30分程度で効果があらわれ、その作用は数時間ほど持続します。そのため、仕事の休憩中などにカフェインを摂取しておけば、その後の業務も集中して取り組むことが可能です。
山下あきこ
株式会社マインドフルヘルス 代表取締役
神経伝達物質のヒスタミンには覚醒作用があります。疲労によってアデノシンという物質がアデノシン受容体に作用すると、ヒスタミンが放出されなくなり、眠くなります。
カフェインを飲むと、カフェインがこのアデノシン受容体に結合するため、疲れてアデノシンが増えても、ヒスタミンを抑制することがないので眠気が起こりにくくなります。
眠気を覚ますためにカフェインを摂取する場合、カフェインを飲んですぐに15分くらいの仮眠をとることがおすすめです。カフェインが作用し始めた頃に目が覚めるので、長時間寝てしまうことがなく、短時間の睡眠によって疲労も取れます。
ただし、疲労が溜まっているときに無理にカフェインを取り続けると、カフェインの効果が切れた時に、強い眠気が反動的に起こる場合があるため注意が必要です。
カフェインを含んだ飲み物にはどんな種類がある?
カフェインを含んだ飲み物には、主に下記の5種類があります。
- コーヒー
- 紅茶
- そのほかお茶類
- チョコレートドリンク
- 一部の炭酸飲料
このように、カフェインを含んだ飲み物は数多くあり、飲み物によって含まれるカフェインの量も異なります。以下でそれぞれの特徴やカフェインの量を紹介するので、自分に適した飲み物を選びましょう。
コーヒー
カフェインを含んだ飲み物として広く知られているのがコーヒーです。
コーヒーはほとんどのコンビニや自動販売機などで販売されており、休憩帰りや出勤時など、どんな状況でもすぐに購入できる気軽さが魅力です。
コーヒーに含まれているカフェインの量は一概にいえませんが、1缶185gの缶コーヒーの場合は85mg〜110mg程度が一般的です。
紅茶
コーヒーが苦手な方には、紅茶がおすすめです。紅茶を製造する際に使う茶葉にはカフェインが含まれているため、飲むと眠気覚ましになります。コーヒーと同様に、多くのコンビニ・自動販売機で販売されているので、入手もしやすいでしょう。
なお、カフェインの量は100mLに対して30mgが目安とされています。
その他お茶類
カフェインは紅茶だけでなく、下記のように日本で一般的に飲まれているお茶にも含まれています。紅茶やコーヒーよりも清涼感があるため、飲み物を飲んでスッキリしたい場合にもおすすめです。
- 緑茶(玉露)
- 煎茶
- 烏龍茶
- ほうじ茶など
カフェインの量は、煎茶や烏龍茶、ほうじ茶が100mLに対して20mg程度となっています。また、緑茶は含まれるカフェイン量が比較的多く、100mLに対して160mgほどのカフェインが含まれています。
チョコレートドリンク
甘い飲み物が好きな方には、チョコレートドリンクがおすすめです。
カカオ豆を原料としているチョコレートにはカフェインが含まれており、ドリンクにして飲むことで眠気覚ましとなります。
カフェインの量は製品によっても異なりますが、一般的に販売されているミルクチョコレートの場合、板チョコレートの約半分の容量である25gに対して7mg程度のカフェインが含まれています。
また、チョコレートに含まれているカフェインは、カカオの含有量が多いほど増えていくのが特徴です。
例えば、カカオ分が70%のブラックチョコレートは、容量25gに対しおよそ21mgのカフェインを含んでいます。
「カフェインをたくさん摂取したい」という方は、ブラックチョコレートを使った製品を選ぶと良いでしょう。
一部の炭酸飲料
スッキリとした飲み口が好きで、カフェインを摂取したい方は、炭酸飲料がおすすめです。炭酸飲料も種類によっては、カフェインを含んでいる飲み物があります。
そのなかでも、代表的なものがコーラです。
コーラには100mLに対して10mgほどのカフェインが含まれているため、眠気を覚ましたい時や、集中力を保ちたい場面で効果的です。
カフェインの摂取量には注意しよう
カフェインが持つ覚醒作用は眠気覚ましに効果的ですが、摂取しすぎないように注意してください。カフェインを過剰摂取すると、下記の体の不調が出る場合があります。
- めまい
- 心拍数の増加
- 興奮
- 不安
- 不眠
- 吐き気など
健康な成人の場合、カフェインの摂取量は一般的に1日最大400mgまでに留めたほうが良いとされています。
400mgとは、缶コーヒーだと約4本分、紅茶だとティーカップ10杯(約1.3L)程度の量です。
カフェイン摂取による体の不調が心配な方は、「飲み物を飲むタイミングを決める」「カフェインが含まれた飲み物を把握する」など工夫をして、1日のカフェイン摂取量を管理しましょう。
山下あきこ
株式会社マインドフルヘルス 代表取締役
4時間以内に200mg以上(コーヒー3.3杯)のカフェインを摂取することは避けるべきです。
また、カフェインには依存性があります。カフェイン摂取を繰り返していると少量では効果が得られにくくなり、摂取量が増えていきます。毎日摂取していると自律神経のバランスが交感神経優位になって不眠症となることもあります。
まとめ
「朝起きてから眠気が覚めない」「眠くて午後の仕事を頑張れない」など、日中に眠気がある場合でも、カフェインを摂取すれば、眠気を覚まして集中力を保つことができます。
ただし、摂取しすぎると、体に不調が出る可能性があるので、カフェインを含んだ飲み物の飲み過ぎには気を付けてください。
また、普段から日中の眠気がひどい方は、夜にぐっすりと眠れていない可能性もあります。
睡眠の質を高めることで日中の眠気は軽減されるので、思い当たる節がある方は「自分に合った寝具を使う」「リラックスできるよう寝る前にアロマオイルを焚く」などして、睡眠の質を高めるために工夫してみましょう。