朝起きることができないと、学校や会社に迷惑をかけてしまうため、寝坊は絶対に避けたいところです。しかし、「いつも寝坊してしまう」「一人暮らしで朝起きれるか不安」と悩む方もいるのではないでしょうか。
一度寝坊すると「また遅刻しそう」と不安に思ってしまい、夜なかなか眠れなくなり、睡眠の質が低下する恐れもあります。この不安感を払拭するためには、寝坊しないための方法を把握して、日々の生活のなかで対策を行うことが大事です。
この記事では、寝坊する理由として考えられることや解決方法などについて解説します。寝坊しないために取り組める生活習慣の改善方法も解説するため、寝坊で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
- なぜ寝坊するのか?考えられる5つの理由
- 睡眠時間が足りていない
- 心身にストレスを受けている
- 就寝環境が整っていない
- 体が過度に疲れている
- 何かしらの病気が隠れている
- 一人暮らしや朝が苦手な人必見!寝坊しないための対処法6つ
- ①目覚まし時計を遠くに置く
- ②朝起きたらすぐに水を飲む
- ③カーテンを開けて太陽光を浴びる
- ④目覚ましアプリのスヌーズ機能を活用する
- ⑤どうしても起きたい時は人を頼る
- ⑥目が覚めるまでスマホを操作する
- 生活習慣を改善する方法7選!寝坊しないために日頃からできる対策
- ①夕飯は就寝3時間ほど前に済ませる
- ②カフェインを摂取しすぎない
- ③就寝の約90~120分前までに入浴する
- ④就寝環境を整える
- ⑤ストレスを解消する
- ⑥毎朝同じ時間に起きる
- ⑦意識を変える
- まとめ
なぜ寝坊するのか?考えられる5つの理由
そもそもなぜ寝坊してしまうのでしょうか。考えられる理由には、以下のようなものがあります。
- 睡眠時間が足りていない
- 心身にストレスを受けている
- 就寝環境が整っていない
- 体が過度に疲れている
- 何かしらの病気が隠れている
それぞれの理由について、詳しく解説します。
睡眠時間が足りていない
そもそも睡眠時間が足りていないと、朝起きられず寝坊することが多くなってしまいます。
睡眠時間が慢性的に少なく、その負債が蓄積されて健康状態に悪影響を与える状況のことを「睡眠負債」といいます。睡眠負債は休日の「寝だめ」では解消されないので、常に睡眠が足りていない状態となり、寝坊に繋がるのです。
また、十分な睡眠時間を確保しているはずなのに寝坊する場合は、知らずのうちに睡眠の質が低下している可能性もあります。
成人の睡眠時間は6~8時間の方が多いことから、一般的に必要な睡眠時間の目安の一つは6~8時間となるため、覚えておきまでしょう。
心身にストレスを受けている
学校や会社における人間関係や業務のことなど、ストレスが溜まっていると寝ても疲れが取れづらくなります。
不安なことを抱えている場合、布団のなかでも心配事を考えてなかなか寝つけず、翌朝のコンディションに悪影響を与えるケースもあるでしょう。例えば、「明日の仕事が不安で眠れない」といった経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
このような日々の社会生活のなかで受けるストレスは、精神的なものと肉体的なものとに分けられます。精神的なストレスに該当するのは、人間関係や仕事などに関する不安や悩み事など、肉体的なストレスに該当するのは、病気・けが・過度な運動による疲労などです。
心身のストレスが原因で眠れず、それが寝坊に繋がっているのであれば、自分に合ったストレス発散方法を見つけて、できる限りストレスを溜めないようにすることが大切です。
就寝環境が整っていない
就寝環境とは、室温・明るさ・音といった寝室の環境のことです。就寝環境が乱れていると熟睡しづらくなり、翌朝なかなか起きられないことがあります。
例えば、暑すぎる部屋だと汗をかき、「汗で布団が汚れる」などと考えると、さらに寝つきづらくなってしまうでしょう。
また、幹線道路沿いに住んでおり夜でも車の走行音が途切れない場合は、音がうるさくて眠れず翌朝の寝坊に繋がる場合もあります。
理想的な就寝環境を整えることで安心して眠りやすくなるため、就寝環境の質は良い睡眠に欠かせない項目です。
体が過度に疲れている
スムーズな入眠を促すためには肉体の適度な疲労感が必要ですが、過度に疲れることは望ましくありません。あまりにも日中の活動量が多く疲労が溜まっていると、朝に起きづらくなることがあります。
睡眠とは、心身の疲労を回復させるという重要な役割を持つものです。溜まっている疲労が多ければ、その分回復にも時間がかかり、疲労から回復させるためにより長い時間眠る必要があるため、寝坊に繋がります。
何かしらの病気が隠れている
寝坊が続く、改善しようとしても起きられないといった場合には、何かしらの病気が隠れている可能性があります。寝坊に関連して考えられる病気の一例は、以下のとおりです。
- 睡眠障害
- 睡眠時無呼吸症候群
- うつ病
睡眠障害は、睡眠に関連した病気の総称で、不眠症や過眠症などが含まれます。睡眠時無呼吸症候群は、眠っている時に呼吸が10秒以上止まってしまうなどの症状があり、睡眠の質が低下したり、生活習慣病などの発症・悪化に繋がったりする可能性がある病気です。
また、心の落ち込みや疲労感など、さまざまな症状があらわれるうつ病でも、朝起きられないという症状があらわれることがあります。
このような病気が原因の場合は本人の努力で改善できないため、速やかに医療機関を受診して適切な診断を受けましょう。
なお、寝坊した際に目覚めの悪さを感じる場合は、睡眠の質が低下している可能性があります。こちらの記事では、目覚めが悪い原因や睡眠の質を高める方法について解説しているので、ぜひ参考にしてください。
一人暮らしや朝が苦手な人必見!寝坊しないための対処法6つ
続いて、起床時やその前後で、寝坊しないために取り組める対処法を紹介します。6つの方法を紹介するので、複数のものを組み合わせて挑戦するのもおすすめです。
- 目覚まし時計を遠くに置く
- 朝起きたらすぐに水を飲む
- カーテンを開けて太陽光を浴びる
- 目覚ましアプリを複数回セットする
- どうしても起きたい時は人を頼る
- 目が覚めるまでスマホを操作する
一人で簡単に取り組める方法もたくさんあるため、一人暮らしで寝坊に悩んでいる方はぜひ実践してみてください。
①目覚まし時計を遠くに置く
目覚まし時計を枕元に置いて寝ると、起きてもすぐに止めて再び寝てしまう可能性があるため、置く場所を工夫しましょう。
少し離れた机の上など、一度立ち上がらないと止められない場所に置くことで、ベッドの中でゴロゴロして二度寝してしまうことを防ぎやすくなります。
目覚まし時計が一つだと心配な方は、スマホと時計といったように2つの目覚ましをかける工夫も良いでしょう。昔使っていたスマホやガラケーがある方は、それらを活用するのもおすすめです。
②朝起きたらすぐに水を飲む
起きたらコップ一杯分の水を飲みましょう。起きてすぐに水を飲むことで、胃腸に刺激が与えられて、活動モードの「交感神経」とリラックスモードの「副交感神経」の働きが切り替わります。
副交感神経から交感神経に切り替わることで、自然とスッキリ起きやすくなるでしょう。朝起きてすぐ飲むために、枕元にペットボトルなど飲みものを置いておくのもおすすめです。
③カーテンを開けて太陽光を浴びる
朝から太陽の光を浴びると、脳が起きる準備を始めます。そのため、朝起きてすぐにカーテンを開けて意識的に太陽光を浴びることも、寝坊しないための対策として有効です。
起床後すぐ、カーテンを開けるためにベッドから動けるか不安な方は、夜寝る時に少しカーテンを開けておくと良いでしょう。すると、朝になって太陽が出てきた時、自然と部屋のなかにも光が差して明るくなります。
④目覚ましアプリのスヌーズ機能を活用する
目覚ましアプリのスヌーズ機能をセットして、エンドレスで止める方法もおすすめです。
スヌーズ機能をセットしておけば、一定時間が経つと再びアラームが鳴り、何度も繰り返し止めないといけなくなるため起床しやすくなるでしょう。
⑤どうしても起きたい時は人を頼る
絶対に寝坊できない日には、親やパートナーなど、誰かに直接起こしてもらったり電話してもらったりするのも一つの手です。
電話で起こしてもらう方法であれば、一人暮らしでも取り入れられます。その際には、大きな音で電話の着信音が鳴らないと意味がないため、眠る前にマナーモードを解除して音量を大きくしておきましょう。
また、可能であれば、電話をかけてくれた相手とそのまま少し会話をすることで、より目が覚めやすくなります。
⑥目が覚めるまでスマホを操作する
朝起きてすぐにスマホを操作して指や目線を動かすことで、目が覚めやすくなります。
スマホの画面が発する「ブルーライト」には、睡眠を促すメラトニンの分泌を抑制する働きがあることからも効果的だといえるでしょう。計算問題や迷路のアプリに取り組んで、脳を働かせるのもおすすめです。
逆に寝る前にスマホを操作すると、ブルーライトの働きによって脳が覚醒し、なかなか眠れなくなるケースがあるため注意してください。
生活習慣を改善する方法7選!寝坊しないために日頃からできる対策
寝坊しないためには、日頃から生活習慣に気を付けて睡眠の質を高めておくことも大切です。睡眠の質が高まれば、熟睡感が得られて翌日すっきり起きやすくなる可能性があります。
ここからは、生活習慣を見直す方法について、食事・入浴・就寝環境などジャンルごとに解説します。生活習慣を見直して睡眠の質を高めたい方は、ぜひ生活に取り入れてみてください。
- 夕飯は就寝3時間ほど前に済ませる
- カフェインを摂取しすぎない
- 就寝の約90~120分前までに入浴する
- 就寝環境を整える
- ストレスを解消する
- 毎朝同じ時間に起きる
- 意識を変える
それぞれの対策を詳しく解説します。
①夕飯は就寝3時間ほど前に済ませる
就寝前の食事は、就寝時刻の3時間ほど前までに済ませることをおすすめします。就寝直前に食事をとると、体が消化を優先させて寝つきの悪さに繋がる可能性があるため、自分が寝る時間から逆算して食事の時間を決めましょう。
なお、食事の内容は、栄養面に気を付けて食べることが大切です。
また、朝食を抜かずにきちんと3食食べることも意識しましょう。朝食を食べるとずれた体内時計が調節されるため、朝食を抜いてしまいがちな方も、バナナやヨーグルトなど簡単なものでも食べる習慣をつけてください。
②カフェインを摂取しすぎない
カフェインを含む飲み物は、あまり摂取しすぎないように注意してください。
過剰なカフェイン・アルコールの摂取は、覚醒作用や利尿作用によって睡眠の質が低下する可能性があるため避けることが望ましいです。
カフェインを含むコーヒーや紅茶などを嗜好品として楽しむのは、なるべく夕方までにしましょう。
③就寝の約90~120分前までに入浴する
お風呂は、就寝約90~120分前までに入ることをおすすめします。入浴すると体が温まりますが、入浴後しばらくすると体の中の体温が下がり、眠気を感じるようになるというメカニズムがあるためです。
入浴時、おすすめの温度と時間は以下を参考にしてください。
- 38℃のぬるめのお湯で25分~30分程度
- 42℃の熱めのお湯であれば5分程度
- 半身浴なら約40℃のお湯で30分程度
就寝前に42℃以上の熱いお風呂に浸かると、活動モードである「交感神経」が優位になって寝つきづらくなることがあるため、就寝直前の熱いお湯への入浴は避けましょう。
④就寝環境を整える
快適な睡眠を得るためには、室温・湿度や照明といった就寝環境も大切です。
室温は、夏の場合25~26℃、冬の場合22℃〜23℃。湿度は約50〜60%が理想的とされています。
ただし、室温の感じ方は筋肉量や着用する衣類などによっても異なるため、自分にとってちょうど良い温度を探しましょう。
また、明るい照明がついたままだと、眩しさが気になって熟睡できない場合もあります。
睡眠が最も深くなるのは0.3ルクス(月明かりほどの明るさ)ほどの明るさだとされており、30ルクス以上の明るさになると睡眠が浅くなるようです。真っ暗だと眠れない方は、足元に小さな間接照明を置くと良いでしょう。
なお、寝る前に音楽を聴く方もいると思いますが、激しい曲や歌詞が入っている曲を聴いていると、脳が活性化してしまうため避けたいところです。鳥のさえずりや水の流れる音、焚き火の音などの自然音、歌詞の入っていないクラシックなどを聴くことをおすすめします。
さらに、
枕やマットレスなどの寝具も、就寝環境の一つです。体に合わない寝具を使っているなら、枕やマットレスの買い替えも検討しましょう。
⑤ストレスを解消する
ストレスが溜まっていると睡眠の質が低下し、寝坊する原因になる可能性があります。生きるうえで受けるストレスをゼロにすることは難しいため、ストレスを受けたら解消させて溜めないようにしましょう。
ストレス解消法の一例には、以下のようなものがあります。
- 誰かと話しをする
- カラオケで思いっきり歌う
- 適度な運動をする
- たくさん寝る
- 気持ちを文字にする
- 映画鑑賞や読書をする
- 料理をする
ストレスを解消する方法は人によってさまざまです。自分に合うストレス発散方法を見つけ、上手にストレスを解消させましょう。
⑥毎朝同じ時間に起きる
人間の体には、活動と休息のリズムを切り替えるための「体内時計」が備わっています。
体内時計が正しく機能している時は、就寝のタイミングで体が休息状態となり、自然な眠気が訪れます。そして、朝になると体内時計の働きによって体が覚醒状態へと導かれ、すっきりと目覚められるという仕組みです。
このように、活動と休息のリズムを正しくキープできていれば目覚めが良くなり、寝坊も防ぎやすくなるでしょう。
体内時計は、毎朝同じ時間に起きて朝日を浴びることで正しいリズムに調整されます。休日など時間に余裕のある日はつい寝過ぎてしまうこともありますが、睡眠の質を高めるために毎朝の起床時間はできるだけ統一しましょう。
⑦意識を変える
睡眠のリズムが整うまでは、「なかなか寝付けない」「明日も寝坊しそう」など、不安になって悩むかもしれません。しかし、もし眠れなかったとしても、そのことばかりを考えず焦らないことも大切です。
いわゆる「気持ちの持ちよう」ともいえることですが、睡眠に対して過剰に不安を抱えていると、布団に入ること自体が嫌になってしまう可能性もあります。
寝室から時計は外して「眠れなくても大丈夫」という考え方を意識し、気持ちを安定させるように努めましょう。
ただし、眠れない状態が長期間続いており、生活に支障が出ている場合などは、無理せず医療機関を受診して、専門医より適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
まとめ
寝坊してしまう時には、睡眠不足やストレスなどが原因として考えられます。
さまざまな対策を行っても寝坊してしまうのであれば、何かしらの病気が隠れている可能性もあるため、自分で解決しようとせず医療機関を受診しましょう。
また、起床後の行動に気を付けるだけでも寝坊を防ぎやすくなるため、記事内で紹介した方法のなかから、取り入れやすい対策を行ってみてください。
さらに、寝坊しないためだけでなく、体のためにもきちんと睡眠時間を確保することは大切です。
食生活や就寝環境を見直すことで、日頃から熟睡できる環境作りに努め、寝坊に悩む日々から解放されることを目指しましょう。