徹夜明けは、疲れていてもなかなか寝られない場合があります。また、徹夜後に生活のリズムを取り戻せず、夜に寝つきにくくなるケースも見られます。眠れない状態が続くと、その後の睡眠習慣に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。
この記事では徹夜後に寝られない原因や対処法を紹介します。寝られない場合に推奨できないことも併せて解説しているので、徹夜後の過ごし方に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
徹夜明けに寝られない原因
徹夜明けの朝に寝られない原因は、体内時計の働きにより体が覚醒するためです。体内時計は朝日などの光の刺激を受けるとリセットされ、同時に眠気も減少させます。
しかし、徹夜が続くと生活リズムが不規則になる場合があるため注意が必要です。不規則な生活リズムによる体内時計の乱れは、睡眠習慣の乱れに繋がり、余計に寝られなくなる可能性があります。
徹夜明けに寝られない場合はどうする?
徹夜明けの朝に寝られない場合は、無理に寝ようとはせずに普段どおりの一日を意識しましょう。普段と同じ生活リズムを意識すると、徹夜明けでも体内時計が乱れにくくなります。
徹夜明けの朝に寝られない時、夜にしっかり寝るためには以下の対処法をおこなってみましょう。
- 日光を浴びる
- 朝食をとる
- カフェインの摂取を控える
それぞれの対処法を詳しく解説します。
日光を浴びる
朝に日光を浴びると、睡眠ホルモンである「メラトニン」が日中の間抑制され、夜間に多く分泌されます。メラトニンの分泌が多いと眠気が生じるため、朝日を浴びることで、日中は活動的になり夜は自然と眠くなります。
そのため、徹夜明けでも睡眠習慣を乱さずに、夜に自然と眠れます。
朝食をとる
朝食は、脳や体を目覚めさせるだけでなく、体内時計をリセットするため、生活リズムを整えることに役立ちます。
朝食は、脳のエネルギー補給のため、糖分を含むものがおすすめです。
例えば、ごはんやパンに含まれるでんぷんは体内で消化されてブドウ糖となり、脳のエネルギー源となります。また、砂糖に含まれるショ糖も消化によりブドウ糖と果糖になり、朝の目覚めを助けます。
カフェインの摂取を控える
眠気覚ましのためにコーヒーなどのカフェインを摂取することもあるでしょう。
しかし、眠気を抑えるためにカフェインを摂り過ぎると、本来寝るべきタイミングで無理矢理目を覚まさせる状態が続き、疲労が蓄積します。
カフェインを摂取すると交感神経が優位になり、目が覚める効果がありますが、徹夜明けの睡眠を考えると、カフェインを含む飲み物はできるだけ避けたほうが好ましいでしょう。
寝られない時に寝つきをよくする方法
徹夜後は体内時計の乱れから寝られない場合が多くあります。
しかし、寝られないことをプレッシャーに感じてむやみに対策を講じてしまうと、かえって睡眠を妨げてしまう恐れがあります。
ここからは、寝つきをよくする方法を解説します。
- 寝なければいけないと考えない
- スマホやパソコンを遠ざける
- 寝酒をしない
- 喫煙を控える
- 自己判断で睡眠薬を飲まない
それぞれの詳しい内容を解説します。
寝なければいけないと考えない
「寝なければいけない」と考えると、かえって心と体が緊張し、睡眠の妨げとなります。
寝られない場合は一度ベッドを離れ、自分に合った方法でリラックスしましょう。ストレッチや音楽鑑賞など自分の好きな方法でリラックスし、「眠気を感じたらベッドに移動する」程度の気持ちのゆとりがスムーズな睡眠へと繋がります。
スマホやパソコンを遠ざける
スマホやパソコン、テレビの光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制されて眠りにつきにくくなります。
メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれる物質で、睡眠を促す作用があるため、スマホやパソコンを寝る直前まで使うことは避けましょう。
また、寝る前に多くの情報を目にすること自体も脳が覚醒してしまう要因となり得ます。
寝酒をしない
寝られない時に寝酒をする方もいますが、おすすめはできません。
アルコールには寝つきを良くする作用がありますが、同時に睡眠の後半部分の眠りを浅くする働きがあります。またアルコールには、利尿作用や、いびきをかきやすくする作用があるため、かえって睡眠の質を低下させる恐れがあります。
喫煙を控える
たばこに含まれるニコチンには覚醒作用があるため、寝られないストレスなどから喫煙すると、さらに眠れなくなるリスクがあります。
ニコチンの覚醒作用は喫煙後1時間程度持続するため、就寝1時間前や睡眠の途中で目が覚めた時の喫煙は避けましょう。
自己判断で睡眠薬を飲まない
医療機関で処方される睡眠薬にはさまざまな種類があり、医師は症状を診断して適切な用量で処方しています。
そのため、寝られないからといって自己判断で量を変えて服用してはいけません。睡眠薬は必ず医師に相談してから服用してください。
なお、薬局やドラッグストアで市販されているものは「睡眠改善薬」と呼ばれるものです。睡眠薬(睡眠導入剤)は市販されておらず、医療機関で医師の診断のもと処方されます。
寝られない場合は医療機関の受診も検討する
徹夜後にどうしても寝られない状態が続いた場合は、医療機関の受診も検討しましょう。寝られない状態が続くと、睡眠障害に陥るリスクがあります。
医療機関を受診することで、自分の生活習慣や環境のどこが悪いのか、具体的なアドバイスを受けられます。また、アドバイスを受けることで、自分の睡眠を改善する方法が見つかる可能性もあります。
睡眠不足はそれ自体がストレスとなることもあるため、早めの対処が必要です。
まとめ
徹夜明けの朝に寝られない原因は、人間の体に備わる体内時計の働きにより眠気が減少するためです。
徹夜明けに寝られない場合は無理に寝ようとはせず、規則正しい生活リズムで過ごしましょう。徹夜後の夜は十分な睡眠をとり、翌朝は日光を浴びて体内時計をリセットしてください。
徹夜後に寝られない場合には、寝られないことを考えすぎたり寝酒や飲酒をしたりすることはおすすめできません。反対に眠れなくなるリスクがあるため、できるだけ避けましょう。
寝られない状態が続く場合は、医療機関の受診も検討してください。医師のアドバイスや処方により、睡眠習慣の改善が期待できます。