寝る時に足の冷えが気になり、靴下を履いて寝ている方もいるのではないでしょうか。
しかし、寝る時に靴下を履くことには保湿やむくみ改善などのメリットがある反面、睡眠に対してのデメリットもあるため、注意しなければいけません。
靴下を履いて寝るのであれば、デメリットを把握したうえで、適切な靴下を選ぶことが大切です。
また、寝る時に靴下を履くデメリットが気になる方の中には、靴下を履く以外の方法で足を温める方法があれば知りたい方もいるでしょう。
この記事では、寝る時に靴下を履くことのデメリットや靴下のおすすめの選び方のほか、靴下以外で足下を温める方法も紹介します。
寝る時に靴下は履いても良い?
結論からいうと、寝る時に靴下を履くことはおすすめできません。靴下を履いたまま寝ると、体温調整などの観点から睡眠の質が低くなる可能性があるからです。
ただし、寝る時に靴下を履くことによるメリットもいくつかあります。
寝る時に靴下を履くとどのような影響や効果があるかを理解して、判断することがおすすめです。
寝る時に靴下を履くデメリット
寝る時に靴下を履くことには睡眠の質に関してはデメリットがあります。
主なデメリットには以下のようなことが挙げられます。
- 足の蒸れが気になり睡眠が妨げられる
- 体温調節が上手くできずに睡眠の質が低くなる
- かえって足下が冷えてしまう可能性がある
それぞれの理由を詳しく解説します。
足の蒸れが気になり睡眠が妨げられる
靴下は長時間履くと熱が靴下にこもり蒸れやすくなります。そのため、寝る時に靴下を履いたまま寝てしまうと、靴下の中が蒸れて汗をかいてしまい不快感を覚え、睡眠が妨げられる可能性があるでしょう。
そのほか、蒸れによって匂いや湿疹など、トラブルの原因になることも考えられます。
体温調節が上手くできずに睡眠の質が低くなる
寝る時に靴下を履いたままだと足から熱が逃げにくくなるため、体温調節が上手くできずに睡眠の質が低くなってしまう可能性があります。
快眠には、深部体温が重要です。人間は深部体温が下がることで自然と眠気が起こり、入眠が促されるメカニズムを持っています。
深部体温を下げるためには手足からの放熱が重要ですが、寝る時に靴下を履いてしまうと、足から熱が逃げずに眠気が高まりにくくなってしまうでしょう。
なお、深部体温についてさらに知りたい方は、下記記事もご覧ください。深部体温と睡眠の睡眠の関係について具体的に解説しています。
かえって足が冷えてしまう可能性がある
「足を温めたい」と考えて寝る時に靴下を履いている方もいると思いますが、靴下を履いたまま寝てしまうと、かえって足が冷えてしまう可能性があります。
就寝時は、健康な成人の方だとコップ1杯程度の汗をかくとされています。特に足裏は汗腺が多いため、人間の体の中でも汗をかきやすい部分です。
汗は気化することで、体から熱を奪います。そのため、靴下を履いたまま寝ると、蒸れによってかいた多くの汗が足を冷やすことになります。
足の冷えによる不快感から、寝にくくなることも考えられます。
寝る時に靴下を履くことにはメリットもある
デメリットを踏まえ、寝る時に靴下を履くのは控えた方がいいと思われていますが、実は靴下を履くことによるメリットもいくつかあります。
足の乾燥やむくみが気になっている際は以下のメリットを優先して就寝時に靴下を履く選択をするのも良いでしょう。
- 就寝中も足を保湿できる
- むくみの防止になる
就寝中も足を保湿できる場合がある
寝る時に靴下を履くことには、就寝中に足を保湿できるというメリットがあります。靴下を履くことで寒さや乾燥から足の裏を保護できるため、素足で寝るよりも多少乾燥を防げるでしょう。
そのため、特にかかとのがさがさやひびなどが気になる方は、靴下を履いて寝るメリットが大きいても良いかもしれません。保湿機能がある靴下を履くことも一つの方法です。
むくみの防止になる場合がある
着圧ソックスを履いて寝た場合は、むくみを防止することが期待できます。着圧ソックスとは、足に圧力をかけることでむくみを解消・予防をする靴下やストッキングのことです。
むくみの原因は、血行不良によって足の毛細血管まで血液が循環しなくなり、血液やリンパの流れが滞ることです。
むくみの解消には患部を温めて適度な圧力をかけることが大切になるため、着圧ソックスなどの適した靴下を履いて寝れば、むくみ防止の効果が期待できるかもしれません。
ただし、弾圧ソックスなどを利用する際は、着圧が強すぎると足が痛くなるなどの症状がでることもあるため、不安な方は医療機関に相談してから利用することをおすすめします。
寝る時に履く靴下のおすすめの選び方
寝る時に靴下を履くとデメリットもあるため、基本的には履かないことをおすすめしますが、保湿やむくみ対策目的でどうしても靴下が必要な方もいるでしょう。
靴下の選び方によっては、ある程度デメリットを解消できる可能性があります。寝る時に靴下が必要な方は、以下の点を考慮して靴下を選びましょう。
- 機能性の良い素材の靴下を選ぶ
- 締めつけが緩い靴下を選ぶ
それぞれ詳しく解説します。
機能性の良い素材の靴下を選ぶ
寝る時に履く靴下は、吸水(吸湿)性・放湿性・通気性といった機能性が良い素材を選ぶことがポイントです。
- 吸水(吸湿)性:寝ている間にかいた汗を吸収してくれる
- 放湿性:吸い取った汗を外気に放出してくれる
- 通気性:熱のこもりや靴下内の蒸れを防止できる
靴下の素材はさまざまありますが、寝る時に靴下を履くのであれば、吸水性や保湿性、通気性に優れているシルクやリネンなどの天然素材がおすすめです。
ポリエステルやアクリルなど化学繊維の靴下はこれらの機能性に劣るため、できれば避けたほうが良いでしょう。
締めつけが緩い靴下を選ぶ
むくみ対策を行わない場合、寝る時の靴下は足を締めつけないものを選びましょう。
締めつけが強い靴下のほうが肌に密着するため、就寝中に足を圧迫しすぎてしまい、血流が悪くなる可能性があります。
そのため、寝る時に靴下を履くのであれば、就寝中に自然と脱げてしまう程度の緩めの靴下を選ぶことがおすすめです。
寝る時に靴下以外で足を温める方法
寝る時、靴下を履かずに寝たいけど、足の冷えが気になるという方もいると思います。
そのような方には、以下の方法であれば靴下を履かなくても、足を温めることができるため、おすすめです。
- 就寝前に入浴する
- 布団を温めておく
- レッグウォーマーを使用する
それぞれ詳しく解説します。
就寝前に入浴をする
就寝時の足の冷えが気になる方には、就寝前の入浴がおすすめです。就寝時間の90分〜120分前に入浴することで、深部体温が上がり足も温まります。
また、入浴によって高くなった深部体温は、就寝するタイミングに合わせて徐々に下がるため、自然と眠気が訪れて睡眠の質も高まるでしょう。
ただし、熱すぎる温度での入浴や長時間の入浴は、かえって睡眠の質を下げてしまう可能性があるため、注意が必要です。入浴時のおすすめの温度と時間は以下になるので、目安として参考にしてください。
- 38℃のぬるめのお湯で25分~30分程度
- 半身浴なら約40℃のお湯で30分程度
- 42℃の熱めのお湯であれば5分程度
布団を温めておく
布団乾燥機や電気毛布、湯たんぽなどを利用して寝具を温めることもおすすめです。寝具を温めておくことで、寒い時期でも快適に寝られます。
就寝時の最適な寝床内環境の目安は以下になるので、参考にしてください。
- 温度:32〜34℃程度
- 湿度:45〜55%程度
なお、電気毛布や湯たんぽは就寝中は低温やけどの原因になったり靴下と同様に深部体温を下げる妨げになったりします。あくまでも就寝前に寝具を温めておくために利用しましょう。
レッグウォーマーを使用する
足の冷えが気になる方は、靴下ではなく、レッグウォーマーの利用がおすすめです。
レッグウォーマーとは、膝下から足首を覆う程度の長さで、保温のために使われる靴下の一種ですが、一般的な靴下とは違い足首より下は素足で過ごすことができます。
レッグウォーマーであれば足全体を覆わないため、熱の放散を妨げずに足首からふくらはぎだけを温めることができるでしょう。
なお、足の冷え性に悩んで靴下を履こうか迷っていた場合は、下記記事も参考にしてください。足の冷えへの対処方法を具体的に解説しています。
寝る時は靴下の着用を避けて適切な方法で足を温めよう
寝る時に靴下を履くのはメリットもあるものの、「睡眠の質」という面ではデメリットになるため、着用は避けたほうが良いでしょう。
ただし、どうしても靴下を履きたい方は、素材や締めつけ具合などを考慮した靴下を選ぶことがおすすめです。
また、靴下を履かなくても足を温める方法はあります。就寝時に足が冷えてしまう方や寒さが気になる方は、紹介した入浴方法やアイテムを使って睡眠の質を高めてください。