「ホワイトノイズは睡眠や集中力アップに期待できる」と聞いたことがあったり、日頃から寝付きが悪くホワイトノイズについて気になっている方もいるでしょう。また、「赤ちゃんを泣き止ませることが期待できる」などとも聞いたことがあるかもしれません。
しかし、ホワイトノイズとは何なのかがあまり知られていないことから、なかなか生活に取り入れにくいものでもあります。
そこでこの記事では、ホワイトノイズとは何なのかに加えて、期待できる効果や、ほかにも色の名前で知られるノイズについて解説します。
さらに、記事の最後には注意点も紹介するので、ホワイトノイズを生活に取り入れたい方はぜひ参考にしてください。
ホワイトノイズとは?
そもそも、ホワイトノイズとは何なのでしょうか。ホワイトノイズの基本として知っておきたいポイントは、以下の2点です。
- ホワイトノイズとはすべての周波数の音が混ざったノイズのこと
- CDや専用のマシンで聞くことができる
それぞれ、わかりやすく解説します。
ホワイトノイズとはすべての周波数の音が混ざったノイズのこと
ホワイトノイズとは、人間に聞こえる範囲(20~20,000ヘルツ)のすべての周波数の音が均一に混ざっているノイズのことをいいます。身近な例としては、以下のような音があります。
- テレビの砂嵐
- ラジオのノイズ
- 換気扇の音
上記のように、「ザーッ」「ゴーッ」といったような雑音をイメージしていただくとわかりやすいでしょう。
ホワイトという名前は音に色があるのではなく、人間の目が認識できる範囲の光の波長をまんべんなく含んだ光が白色に見えることに由来しています。
CDや専用のマシンで聞くことができる
ホワイトノイズは、CDや専用のホワイトノイズマシン、アプリなど、さまざまな方法で聞くことができます。就寝時に聞くならタイマーがついたものが便利です。
ただし、音量が大きすぎると騒音となって聴覚に悪影響を及ぼす可能性があるため、音量は小さめに設定しましょう。
ホワイトノイズ・ピンクノイズ・ブラウンノイズの違い
ホワイトノイズのように色の名前がついたノイズはさまざまありますが、有名なものは以下の2種類です。
- ピンクノイズ
- ブラウンノイズ
どちらもノイズの一種ですが、周波数や音に違いがあります。それぞれ、ホワイトノイズとどのように異なるのかを解説します。
ピンクノイズは反比例した周波数のノイズ
ピンクノイズとは、音のエネルギーと周波数が反比例したノイズのことです。どのオクターブ域でも音の大きさが同じであることから、⾳響調整や音響測定の時に使われることもあります。
ピンクノイズに似た音の例としては、以下の音があります。ホワイトノイズよりも低音域で響くのが特徴です。
- 強い雨
- 滝
ピンクノイズは高い周波数になるにつれて音が弱くなり、「1/f」のゆらぎがあるとされています。1/fの「f」は周波数、もしくは振動数のことを指します。
1/fゆらぎは日々の生活や自然の中にも存在するゆらぎで、川のせせらぎや小鳥のさえずりなどが代表的です。人間の心拍にも1/fゆらぎが存在するとされているため、心拍と同じ不規則な1/fゆらぎを持つものに、不思議と心地よさやリラックス効果を感じやすくなっています。
ピンクノイズという名前は、周波数を光に置き換えるとピンク色に見えることに由来しています。
ブラウンノイズは周波数の2乗に反比例したノイズ
ブラウンノイズとは、音のエネルギーが周波数の2乗に反比例したノイズのことです。
ブラウンノイズはよりゆったりとした、刺激を感じにくく眠気を誘うような音で、「1/f 2乗」のゆらぎがあるとされています。
ブラウンノイズの音は、液体・気体中に浮遊する微粒子が不規則に運動する現象である「ブラウン運動」によって生み出されており、ブラウン運動を発見した植物学者ロバート・ブラウンにちなんで名づけられました。
ホワイトノイズに期待できる効果
ホワイトノイズ自体は「サーッ」というノイズですが、さまざまな効果が期待できます。感じ方は人によって異なりますが、期待できる主な効果は以下の3つです。
- 集中力がアップ
- 快適な睡眠に繋がりやすい
- 赤ちゃんを泣き止ませる
それぞれの効果について解説します。
集中力がアップ
ホワイトノイズは人間に聴こえる範囲のすべての周波数の音が均一に混ざっており、周囲の音を特定しづらくする性質があります。この性質により、周囲のノイズが気になる場所や物音が気になりやすい方でも、ホワイトノイズを流すと不快に感じにくくなることが期待できます。
ホワイトノイズを活用して周囲のノイズが気にならない環境を作ることで、目の前のことに集中しやすくなります。仕事や勉強の時に周囲のノイズが気になる方は、ホワイトノイズを流すと良いでしょう。
快適な睡眠に繋がりやすい
先ほど紹介したとおり、ホワイトノイズは周囲のノイズをかき消すことが可能なため、就寝時に聞くと快適な睡眠に繋がりやすくなる効果が期待できます。
隣の人のいびきや窓の外から聞こえる音、ドアを開け閉めする音など、小さな音でも就寝時には気になるものです。ホワイトノイズを流すと、これらの音をかき消すことができます。
周囲のノイズが気になって眠れない方は、就寝時に聞くことをおすすめします。入眠する時だけ音が気になる場合はタイマーを使うと便利でしょう。
以下の記事では、家族がうるさくて眠れない時の対策方法やスムーズに入眠するポイントを紹介しています。家族と同居されていて、眠れずにお困りの方は併せて参考にしてください。
赤ちゃんを泣き止ませる
ホワイトノイズは母親の心拍音と似ているとされており、赤ちゃんが聞くことでリラックス効果が期待できます。赤ちゃんが泣き止まない時や寝かしつけたい時など、赤ちゃんをリラックスさせたい時にホワイトノイズを聞かせましょう。
ただし、赤ちゃんの聴覚は大人の聴覚よりもはるかに敏感です。聴覚への悪影響を避けるため、大音量や長時間聞かせることは避けてください。必要な時だけバランス良く使うことが大切です。
ホワイトノイズを聞く時に注意したいポイント
ホワイトノイズには期待できる効果がある一方、聞き方を間違えると体に悪影響を及ぼすことがあります。ホワイトノイズを聞く時に注意したいポイントを把握してから、適切な範囲内で生活に取り入れましょう。
周囲のノイズを消したいからといってホワイトノイズを大音量で流し続けると、難聴や耳鳴り、脳への悪影響を引き起こすことがあります。「効果を期待して流しているのに、逆に体に負担がかかった」とならないように注意しましょう。
また、大人と比べて子どもは騒音による影響を受けやすいため、ホワイトノイズを聞かせる時には注意が必要です。
ホワイトノイズによる悪影響を避けるには、ホワイトノイズを聞く時は音量を小さくして、長時間聞き続けないことが大切です。
また、スムーズに入眠できない時や赤ちゃんが泣き止まない時は、音以外に原因がある可能性もあります。部屋を暗くする、快適な室温にする、寝心地の良い寝具を使うなど、就寝する環境を整えることも心がけましょう。
ホワイトノイズを上手に生活に取り入れよう
すべての周波数の音が均一に混ざっているホワイトノイズを活用すれば、周囲のノイズを打ち消すことができます。集中したい時や入眠時に聞くと、周囲のノイズが気になりにくい環境に整えられるでしょう。
また、ホワイトノイズは赤ちゃんが聞くとリラックスすることが期待できるので、泣き止まない時や寝かしつけたい時にも便利です。CDや専用のホワイトノイズマシン、アプリなど、さまざまな方法で聞けるのでぜひ活用してください。
ただし、ホワイトノイズを大音量で聞き続けると、脳や聴覚への悪影響を与える可能性があります。音量を小さめにする、就寝時に聞く時はタイマーを使うなど、ホワイトノイズを聞く時は体に負担にならないように配慮することが大切です。