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2025.02.10 更新

【医師監修】あくびが止まらない原因は?生あくびとの違いや対処法、予防法などを解説

【医師監修】あくびが止まらない原因は?生あくびとの違いや対処法、予防法などを解説

日々の生活で、あくびは無意識のうちに出るものです。

しかし、あくびが止まらなかったり、普段よりも多く出たりするなど、普段との違いを感じると、「もしかして病気?」と不安になることもあるでしょう。

多くの場合、気にする必要はないものの、まれに病気のサインとしてあくびが出ている可能性もあるため、注意が必要です。 また、あくびには眠気から生じるあくびと、眠気がないのに生じる生あくびがあります。

この記事では、あくびが出る仕組みやあくびが止まらない原因、あくびと生あくびの違いを解説します。

そのほか、あくびが止まらない時の対処法や予防法も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

  1. あくびが出る仕組みとは
  2. あくびが止まらないよくある原因2つ
  3. 脳の酸欠状態
  4. 他人のあくびによる誘発
  5. 眠くないのに出る場合は「生あくび」の可能性がある
  6. 頻繁な生あくびには注意が必要
  7. あくびが止まらない場合に考えられる疾患
  8. 睡眠障害
  9. 起立性低血圧
  10. 自律神経失調症
  11. 心筋梗塞、脳梗塞
  12. あくびが止まらない場合の対処法
  13. 冷たい水で顔を洗う
  14. 眠気に効果的なツボを押す
  15. カフェインやブドウ糖を摂取する
  16. 軽いストレッチを行う
  17. あくびが止まらない場合の予防法
  18. 十分に睡眠をとる
  19. 適度な運動を取り入れる
  20. 鉄分を摂取する
  21. 深く呼吸をする
  22. まとめ

あくびが出る仕組みとは

あくびとは、主に眠い時や疲れている時に出る生理現象です。

実際には、あくびの全てが解明されているわけではなく、まだわからない部分が多いことが現状です。

人間が1日の間にあくびをする回数は、平均で7~8回ほどとされています。

特に朝の起床後と夜の就寝前に多くあくびが出ることから、あくびは睡眠と深く結びついていると考えられます。

藤堂紗織

藤堂紗織

Alohaさおり自由が丘クリニック 院長

あくびは、脳を覚醒させるために、酸素をたくさん取り込もうとするため起床時に集中します。また、就寝時は、脳をリラックスさせようとするために生じます。

あくびが止まらないよくある原因2つ

眠気や疲労感がある時に出やすいあくびですが、あくびが止まらない原因として、以下の2つが考えられます。

  • 脳の酸欠状態
  • 他人のあくびによる誘発

それぞれ詳しく解説します。

脳の酸欠状態

眠くなくてもあくびが出る場合、脳が酸欠状態になっていると考えられます。

脳の酸欠状態とは、呼吸によって体内に十分な酸素を取り込めず、脳まで酸素が行き渡らない状態です。

脳の酸欠状態は決して珍しいことではなく、周辺環境や体調によって誰にでも起こり得ます。

例えば、満員電車のように人が密集した状況や狭い室内では、酸素が不足して呼吸が浅くなりやすいです。

また、貧血の時にも脳が酸欠状態になります。酸素は血液の流れに乗って体の隅々に運ばれますが、貧血状態になると血液が薄くなり、体内に十分な酸素が行き渡りません。

その結果、体がより多くの酸素を取り込もうとしてあくびが出ます。ほかにも、乗りもの酔いや疲労などの体調不良によって、あくびの回数が増えることもあります。

他人のあくびによる誘発

脳の酸欠状態や病気以外のあくびの原因として、他人のあくびも考えられます。隣にいる人があくびをすると、自分もあくびが出た経験はありませんか。

このように、他人のあくびから誘発される場合もあります。なお、他人のあくびを見るだけでなく、あくび声を聞いたり、あくびに関する文章を読んだりしたことでも誘発されるとされています。

眠くないのに出る場合は「生あくび」の可能性がある

あくびは眠い時や疲れている時に出ると先述しました。一方、眠くないにもかかわらず、あくびが出る場合もあります。 

このように眠くないのに出るあくびを「生あくび」と呼びます。生あくびは、ストレスや緊張状態が続いた時に起きるといわれています。

あくびと生あくびは、「脳に酸素を多く取り込むため」や「脳に冷たい空気を送るため」など、なぜ起きるのかは諸説ありますが、いずれも起きる明確な原因はわかっていません。

頻繁な生あくびには注意が必要

急にあくびが止まらなくなったり、頻繁に生あくびが出たりする場合は、重大な病気の前兆としてあらわれている可能性があります。病気の前兆として生あくびが出る場合、それ以外にも明らかな異常が見られることが多いです。

そのため、「眠くないのにあくびが出る」「あくびと一緒に冷や汗が出たり手が震えたりする」などの症状があれば、病院を受診しましょう。

なお、生あくびについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひご一読ください。

生あくび
【医師監修】生あくびとは?原因や通常のあくびとの見分け方、病気との関連性など解説

あくびが止まらない場合に考えられる疾患

あくびが止まらない場合に考えられる疾患

ほとんどの場合、あくびがたくさん出ても問題はありません。しかし、隠れた病気によってあくびが出ている可能性もあります。

病気の前兆としてあくびが出ている場合、考えられる疾患は具体的に以下のとおりです。

  • 睡眠障害
  • 起立性低血圧
  • 自律神経失調症
  • 心筋梗塞、脳梗塞

上記の疾患を順番に解説します。

睡眠障害

睡眠障害とは、眠りたいのに眠れない「不眠症」、睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」などが挙げられます。

睡眠障害を患うと、健康を維持するために必要な睡眠時間が足りない、あるいは睡眠の質が低下している可能性があり、日中にあくびが生じやすくなります。日中の活動に支障が出るだけでなく、ほかの病気に繋がる可能性もあるため、早期に治療しましょう。

起立性低血圧

起立性低血圧は、立ち上がる際にめまいや立ちくらみが起こる病気です。前兆として、あくびや冷や汗、吐き気などがあります。

たまに起こるのであれば問題ありませんが、何度も症状が出るなら、病院を受診する必要があります。

自律神経失調症

自律神経失調症とは、臓器の働きを調節する「交感神経」と「副交感神経」のバランスが乱れた状態です。バランスが乱れたままだと、体が緊張して血圧が上がり、リラックスできない状態が続きやすくなります。

自律神経失調症の症状はあくびだけでなく、頭痛やしびれ、動悸、疲労感、不眠などの症状も伴う場合があります。まずは、食事内容や睡眠時間などの生活習慣を見直しましょう。

心筋梗塞、脳梗塞

心筋梗塞や脳梗塞などの病気は血管が詰まるため、脳が酸欠状態になりあくびが出るケースがあります。

また、心筋梗塞や脳梗塞によってあくびが出る場合、冷や汗や吐き気などの症状があらわれるケースがほとんどです。命に関わる病気なので、特に注意しなければなりません。

長く症状が続く場合や明らかに異常を感じた時には、あくびをただの生理現象と甘く見ずに、病院を受診しましょう。

藤堂紗織

藤堂紗織

Alohaさおり自由が丘クリニック 院長

動悸などがある場合は循環器内科、または精神科を受診しましょう。また、心配なことがある、不安感がある時は心療内科の受診をおすすめします。

あくびが止まらない場合の対処法

何らかの疾患が関係してあくびが出る場合は、前述したとおり医療機関を受診しましょう。あくびの原因が眠気の場合には、以下のようにご自分でできる対処法もあります。

  • 冷たい水で顔を洗う
  • 眠気に効果的なツボを押す
  • カフェインやブドウ糖を摂取する
  • 軽いストレッチを行う

上記を順番に解説します。

冷たい水で顔を洗う

冷たい水で顔を洗うと交感神経が刺激され、体が活動的になります。眠気を解消し、集中力を高める効果が期待できるため、おすすめの方法です。

また、冷たい水が苦手な方や、よりリフレッシュ感を得たい方は、少し熱めのシャワーを浴びて血行を促進させ、体全体を目覚めさせる方法を試してみましょう。

洗顔やシャワーを浴びることが難しい場合は、冷却スプレーや冷却ジェルを首に当てるだけでも効果的です。

眠気に効果的なツボを押す

眠気が原因であくびが出る場合、眠気覚ましに効果的なツボを押す方法もおすすめです。

眠気覚ましのツボのイラスト

特に「合谷(ごうこく)」や「耳の心(しん)」は、仕事や勉強の合間でも手軽に実践できます。

合谷は親指と人差し指の骨が合わさる部分にあり、強めに押すと血流が促進され、眠気を和らげる効果を期待できます。

耳の中心にある心は刺激を感じにくいため、ペンか爪楊枝のような細長いもので押すと良いです。眠気に関するツボについては以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

眠気覚まし ツボ
【医師監修】眠気覚ましに効くツボを部位別に解説!眠気を飛ばす方法も紹介

カフェインやブドウ糖を摂取する

次のような飲料に含まれるカフェインは、脳内で眠気を引き起こす物質の働きを抑える覚醒作用があります。

  • コーヒー
  • 緑茶
  • 紅茶
  • エナジードリンク

摂取後15~30分ほどで効果があらわれ始め、覚醒効果は数時間にわたり続きます。

ただし、カフェインを過剰摂取すると覚醒効果が持続し不眠になるほか、健康被害を引き起こす可能性があるため注意しましょう。

カフェインについては以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

眠気を覚ます 飲み物
【医師監修】眠気を覚ます飲み物とは?カフェインを摂取する際の注意点も解説

また、ブドウ糖はエネルギー源であり、血糖値を適度に上げるため集中力の回復効果を期待できます。ブドウ糖が含まれる食べ物の例は以下のとおりです。

  • ラムネ菓子
  • バナナ
  • 蜂蜜

ただし、ブドウ糖も過剰摂取すると血糖値の急上昇を招く可能性があるため、適量を守りましょう。

ブドウ糖については以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

ブドウ糖 眠気
ブドウ糖が眠気覚ましに適している理由とは?日中襲ってくる睡魔の対処法も解説

軽いストレッチを行う

同じ姿勢を長時間続けると筋肉が硬直し、血行不良を引き起こすことがあります。血行不良は眠気の一因ともされるため、あくびが止まらない場合は軽いストレッチを行いましょう。

難しい動きや激しい動きを行う必要はなく、椅子に座ったままできる背伸びを、2~3時間ごとに1回ずつ丁寧に行うと良いです。

あくびが止まらない場合の予防法

あくびが止まらない場合の予防法

寝不足や生活習慣が原因であくびが出る場合、原因を見直してあくびを改善できる可能性があります。

なお、先述した疾患の疑いがある症状が出ている場合には、医師に相談しましょう。

  • 十分に睡眠をとる
  • 適度な運動を取り入れる
  • 鉄分を摂取する
  • 深く呼吸する

それぞれ以下で詳しく解説するため、生活習慣が乱れている自覚がある方は、予防法としてぜひ実践してください。

ただし、体調に大きな違和感がある方は、病気に繋がるリスクを避けるためにも、早めに病院を受診しましょう。

十分に睡眠をとる

睡眠時間が足りず、日中も眠気が収まらない場合は、十分な睡眠時間を確保することが一番です。

なかには、きちんと睡眠時間をとっているものの、睡眠の質が低いことから、自覚がないまま寝不足になっているケースもあります。

長く眠れば良いのではなく、すっきり起きられるよう睡眠の質を高めることが重要です。自分に必要な睡眠時間を理解したうえで適切な睡眠時間を確保し、質の良い睡眠をとると、寝不足の改善に繋がります。

また、寝具が合わないことや、就寝環境が合わないことが原因で睡眠の質が低下しているのであれば、枕やマットレスなどを見直すことも効果的です。

例えば、体に合うマットレスや枕を選べば深く眠れるようになり、眠りの質が高まるかもしれません。

適度な運動を取り入れる

デスクワークや勉強などで同じ姿勢が続く場合、合間にストレッチや軽い運動を取り入れることをおすすめします。

長時間同じ姿勢でいると、血行不良になり酸素が全身に行き渡らなくなります。血流を促すためにも、体を動かして筋肉をほぐすことが大切です。

運動は、スクワットや散歩のように、日常生活に取り入れやすく簡単なもので構いません。

また、適度な運動による適度な疲労感は、寝つきをよくする効果にも繋がります。同時に、ストレス発散にも効果的です。

鉄分を摂取する

貧血を防ぐために、鉄分を豊富に含む食材を意識的に摂取しましょう。

鉄分には、体に吸収されやすい「ヘム鉄」と、吸収されにくい「非ヘム鉄」の2種類があります。それぞれを多く含む食材の代表例は、以下のとおりです。

栄養素名食材
ヘム鉄が豊富・煮干し
・レバー
・しじみ
・あさり
・ほたて
・牡蠣
非ヘム鉄が豊富・小松菜
・枝豆
・水菜
・ほうれん草
・サニーレタス
・ブロッコリー

日本人の食生活では、非ヘム鉄を含む食材の摂取割合が多い傾向があります。しかし、十分な量の鉄分を摂取するには、ヘム鉄と非ヘム鉄のバランス良い摂取が大切です。

そして、吸収率を上げるために、たんぱく質やビタミンCが含まれる食材と一緒に摂ることも心がけましょう。

藤堂紗織

藤堂紗織

Alohaさおり自由が丘クリニック 院長

市販の鉄剤などは添加物も多く、貧血がなかなか改善しにくいものが多いです。海外のものは逆に多く入りすぎており、肝臓を痛めることもあります。

鉄剤を内服するならサプリメントより医療機関で処方してもらうことをおすすめします。

深く呼吸をする

仕事やプライベートでストレスを感じると、心身ともに緊張状態になり、知らないうちに呼吸が浅くなることがあります。

脳の酸欠を防ぐためにも、意識的に深呼吸をして、酸素を多く取り込みましょう。深呼吸を繰り返すことで自律神経のバランスが整い、ストレスが緩和する効果も期待できます。

深呼吸の基本的なやり方は、鼻から深く息を吸い、口から吐く方法です。起床後から就寝前までに、10回程度の深呼吸を取り入れることをおすすめします。

深呼吸を繰り返すことで緊張がほぐれ、リラックスする効果も得られるため、日々の習慣としてぜひ取り入れてください。

まとめ

あくびとは、誰もが経験する生理現象です。ただし、あくびの頻度が多く悩んでいる方は、睡眠や食生活、運動の生活習慣の見直しから始めましょう。

あくびが出ること自体に問題はありません。しかし場合によっては、次のような病気の前兆・症状としてあくびが出ているケースも考えられます。

  • 睡眠障害
  • 起立性低血圧
  • 自律神経失調症
  • 心筋梗塞、脳梗塞

上記のような病気ではなく、眠気が原因であくびが止まらない場合は、冷たい水で顔を洗う、シャワーを浴びる、ツボを押すなどの方法を試すと良いでしょう。

ただし、あくびだけでなく、「ひどい頭痛」「動悸」「手のしびれ」などの異常を伴う場合には注意が必要です。「大丈夫だろう」と自己判断せず、病院の受診をおすすめします。

そして、睡眠の質が低下により日中にあくびが出る場合は、質の良い睡眠がとれるように枕やマットレス、寝室の環境を整えましょう。

この記事の監修者
藤堂紗織
藤堂紗織Alohaさおり自由が丘クリニック 院長
Alohaさおり自由が丘クリニック 院長。日本医科大学卒業後、日本医科大学附属武蔵小杉病院研修医/内科専修医、善仁会丸子クリニック院長勤務を経てAlohaさおり自由が丘クリニック院長へ就任。ホームドクターとして家族全員の様子を知り治療していきたい、と思い家族みんなの笑顔を目指しています。

※医師が特定の商品を推奨しているわけではありません。

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