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2024.03.14 更新

【医師監修】寝起きに背中が痛いのはなぜ?主な原因と対処法を詳しく紹介

【医師監修】寝起きに背中が痛いのはなぜ?主な原因と対処法を詳しく紹介

朝起きた時、背中の痛みを感じたことはありませんか?

寝起きに体の痛みがあると、「睡眠時に良くないことが起きているのでは」と不安になってしまう場合もあるでしょう。

寝起きに背中が痛い場合は、痛みの原因と対処法を把握すれば改善できる可能性があります。

この記事では、寝起きに背中が痛くなる原因・対処法について紹介します。

  1. 寝起きに背中が痛くなる主な原因
  2. 寝過ぎている
  3. 血行不良や筋肉疲労
  4. 寝ている時の姿勢が悪い
  5. 背中に痛みが伴う病気が発症している
  6. 寝具が合っていない
  7. 寝起きに背中が痛い場合の対処法
  8. 生活習慣を改善する
  9. 入浴時は湯船に浸かる
  10. ストレッチをする
  11. 医療機関を受診し医師に相談する
  12. 自分の体に合った寝具に買い替えることも大切
  13. マットレスの選び方
  14. 枕の選び方
  15. まとめ

寝起きに背中が痛くなる主な原因

寝起きの背中の痛みにはさまざまな原因がありますが、主に考えられる原因が下記の5つです。

  • 寝過ぎている
  • 血行不良や筋肉疲労
  • 寝ている時の姿勢が悪い
  • 背中に痛みが伴う病気が発症している
  • 寝具が合っていない

それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

寝過ぎている

人は睡眠中に体の各部位で体重を支えています。

特に肩や腰は睡眠中に負担がかかりやすい部位です。睡眠時間が長すぎる場合、その分肩や腰にかかる負荷も増えてしまい、血流が悪化する場合があるので注意が必要です。

血行不良を起こすと、発生した疲労物質がその部位に残ってしまい、痛みが発生しやすくなります。また、腰への負担はその周辺の背中部分にまで影響し、痛みが生じる可能性があります。

血行不良や筋肉疲労

長時間のデスクワークなどにより背中の筋肉が硬くなっていると、血行不良を起こす場合があります。

前述のとおり、血行不良は痛みを引き起こす原因の一つです。普段から血液の循環が悪いと寝起きに十分な血液が行き渡らず、背中の痛みに繋がる可能性があります。

このほかの原因として、背中の筋肉疲労も考えられます。特に普段の姿勢が猫背になりやすい方は、背中に疲労が溜まりやすいので注意してください。

寝ている時の姿勢が悪い

寝起きに背中の痛みを感じる場合、寝姿勢に原因があるかもしれません。

背骨が曲がった不自然な姿勢のまま眠ってしまうと、睡眠中に背中の筋肉を痛めてしまう場合があります。

寝姿勢は横寝、うつ伏せ寝などさまざまありますが、一般的に体に良いとされているのは仰向け寝です。

仰向けで寝ると血流が良くなり、体の筋肉のこりが解消されることがあります。

久手堅司

久手堅司

せたがや内科・神経内科クリニック院長

寝返りをすることで筋緊張からリセットされるため、寝返りをしにくい寝姿勢は背中の痛みに繋がりやすいです。首の位置が高すぎたり低すぎたりすると、首の筋緊張が強くなるため、背中の痛みに繋がりやすくなります。

背中に痛みが伴う病気が発症している

背中の痛みがあまりにもひどい方は、病気の発症も疑いましょう。下記の病気を発症している場合、背中の痛みが発生する症状が出る場合があります。

  • 椎間板(ついかんばん)ヘルニア
  • 骨粗しょう症
  • 変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)など

病気を発症している場合は、医療機関での治療が必要です。しばらく経っても背中の痛みが続く場合、医療機関に相談しましょう。

寝具が合っていない

使っている寝具が自分の体に合っていないと、睡眠時の姿勢が悪くなりやすいです。

不自然な寝姿勢により体に多くの負荷がかかると、背中の痛みを感じる場合があります。

また、寝具が合っていない場合は、体に血流を促すための寝返りを打ちにくくなり、血行不良から背中の痛みに繋がる可能性もあります。

寝起きに背中が痛い場合の対処法

寝起きに背中の痛みを感じる方は、下記5つの対処法を試しましょう。

  • 生活習慣を改善する
  • 入浴時は湯船に浸かる
  • ストレッチをする
  • 医療機関で診察を受ける
  • 自分の体に合った寝具に買い替える

これらの対処法を試せば、背中の痛みの改善や軽減に期待できます。以下では、それぞれの方法について順番に紹介します。

生活習慣を改善する

寝過ぎが原因で背中の痛みを感じる方は、自分の生活習慣を改善しましょう。

生活習慣を改善し、毎日決まった時間に起床・就寝するように心がければ、寝過ぎを防げます。寝過ぎによる血行不良が解消されると、背中の痛みを改善できる可能性があります。

また、生活習慣の改善によって睡眠の質が高まれば、その分体の疲れが取れやすくなり、気持ち良く起きられるようになるでしょう。

生活習慣が乱れている方は、この機会に見直してみましょう。

入浴時は湯船に浸かる

入浴時は湯船に浸かる

普段からシャワーで入浴を済ませている方は、湯船に浸かることをおすすめします。

湯船に浸かると血行が促進されて筋肉や関節が柔軟になるため、背中の痛みの解消に期待できます。

ただし、お湯の温度が熱すぎると、睡眠の質に影響が出る可能性があるので注意してください。体の疲れをとるには、38℃のぬるめのお湯に25分〜30分程度浸かることが効果的です。ぬるめのお湯は副交感神経を刺激し、リラックス作用をもたらしてくれます。

42℃の熱めのお湯が好きな方は、入浴時間を5分程度に抑えるなどして調整しましょう。また、半身浴の場合は約40℃のお湯に30分程度浸かると、体の疲れが抜けて質の高い睡眠に繋がります。

ストレッチをする

背中の痛みを解消するには、ストレッチも効果的です。

日常にストレッチを取り入れると、筋肉がほぐれる分、体の痛みの原因となる血行不良を防げます。

ここでは背中の筋肉をほぐすストレッチ方法を紹介するので、ぜひ試してください。

  1. 椅子に浅めに腰掛ける
  2. 両腕を組んで前に伸ばす
  3. そのままおへそを覗き込むように背中を丸める

ストレッチのポイントは、背中を丸める際に呼吸を止めないことです。正しくストレッチを行い、背中の筋肉をほぐしてあげましょう。

医療機関を受診し医師に相談する

背中の痛みがひどい、または一向に改善しない場合は、背中の痛みを伴う病気にかかっている可能性があります。

背中の痛みが病気によって生じている場合、自力での改善は難しいです。痛みを解消するためにも、早めに医療機関を受診しましょう。

久手堅司

久手堅司

せたがや内科・神経内科クリニック院長

病気が原因で背中の痛みが生じている場合、同じ場所の痛みが続くことが多いです。例えば、膵臓の場合は左側、胃の場合はみぞおちの裏、心臓疾患は前胸部から背中に痛みがあらわれます。

しかし、痛みの強さもさまざまのため、自分で原因を見極めるのは難しいです。痛みが続く場合は、医療機関を受診しましょう。

自分の体に合った寝具に買い替えることも大切

睡眠時に使っている寝具が合っていない場合は、寝具の買い替えを検討しましょう。

寝具が体に合っていない場合、寝姿勢が崩れたり、寝返りが打ちづらくなったりするため、血流が体に行き渡らず、血行不良を起こすことがあります。

起床時の体調不良の原因は、血行不良によるものが多いです。自分の体に合った寝具に買い替えることで、理想的な寝姿勢をキープできるようになり、寝返りも打ちやすくなるため、血行不良による体の痛みや違和感を軽減できる可能性があります。

以下、寝具でも特に重要なマットレスと枕の選び方を紹介するので、参考にしてください。

マットレスの選び方

マットレスは、硬すぎると就寝中に体重のかかりやすい肩や腰などに体圧が集中してしまい、背中の痛みや肩こり、腰痛などの症状が生じやすくなる傾向があります。

逆に、柔らかすぎるマットレスは、体が沈み込むことで「くの字」になってしまい、腰に体圧が集中しやすくなるほか、寝返りの打ちづらさにも繋がります。

そのため、マットレスを選ぶ時は、体圧分散性に優れており、適度な反発力のあるものがおすすめです。

また、マットレスに使われている素材もさまざまあります。素材によって特徴が異なるため、把握しておきましょう。

種類特徴
ポケットコイル・独立したコイルが体を「点」で支えてくれる
・体型に合わせてフィットし、体圧分散性に優れている
ボンネルコイル・連結したコイルが体を「面」で支えてくれる
・通気性が良く、比較的硬めの寝心地
高反発ウレタン・反発力の高いウレタンを使用したもの
・体圧分散性に優れている
低反発ウレタン・反発力が低く、寝ると沈み込みやすい
・包み込まれるような寝心地で、比較的安価
ファイバー・ポリエチレンを繊維状にしたもの
・水洗いでき、通気性が高い
ラテックス・ゴムの木の樹液を原料として作られたもの
・柔らかく弾力があり、体圧分散性に優れている

そのほか、マットレスの厚みも重要です。マットレス1台で寝るのであれば、最低でも10cm以上の厚みのあるものを選ぶようにしましょう。

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枕の選び方

枕の選び方にはいくつかありますが、寝起きに背中が痛いと感じる方は、特に高さと硬さ、サイズを考慮して選ぶことがおすすめです。

就寝中は、仰向け寝が寝やすい方もいれば、横向き寝が寝やすい方もいると思いますが、それぞれ理想の寝姿勢に応じたおすすめの枕の高さがあります。

  • 仰向け寝:背骨が緩やかなS字カーブを描く高さの枕を選ぶ
  • 横向き寝:頭から背中の骨が真っすぐになる高さの枕を選ぶ

枕の高さは、自分が寝やすい姿勢に合わせて、理想的な寝姿勢をキープできるものを選びましょう。

また、枕の硬さも寝姿勢に直結します。枕の硬さは、人によって感じ方が異なりますが、仰向けで寝た時に首のすき間がなく、頚椎が自然とS字カーブの状態を保てるものが基準の一つになるので、覚えておきましょう。

そのほか、枕は寝返りしても頭が落ちないよう、最適なサイズを選ぶことも重要です。

特に自分で寝相が悪いと感じるのであれば、標準サイズより大きめの枕を選ぶことがおすすめです。

枕 自分に合う
自分に合う枕の条件は何?選び方のポイントなど紹介
久手堅司

久手堅司

せたがや内科・神経内科クリニック院長

以下4つのうち、起床時に〇が3つ以上なら適切な寝具だとしています。

1. リラックスしているか?
2. 体がすっきりしているか?
3. 背中の痛みがないか?
4. 顎、首、肩のこりを感じないか?

ただし、答えは一通りではなく、寝具は個々に合うことが大事です。

まとめ

寝起きに背中の痛みを感じた時は、まず、痛みの原因になっている要素を考えることが大切です。

原因を把握したうえで適切な対処法を実践すれば、痛みの軽減や予防ができます。ただし、痛みがひどい場合は無理をせず、医療機関で診察を受けましょう。

また、背中の痛みをはじめとした体の不調は、寝具の買い替えでも改善できる可能性があります。

特に、マットレスと枕は、寝姿勢や寝返りに直結するため、自分の体に合ったものを選ぶことが大切です。

最適な寝具を選んで、質の高い睡眠を目指しましょう。

この記事の監修者
久手堅司
久手堅司せたがや内科・神経内科クリニック院長
医学博士。「自律神経失調症外来」、「気象病・天気病外来」、「寒暖差疲労外来」等の特殊外来を行っている。これらの特殊外来は、メディアから注目されている。著書に「気象病ハンドブック」誠文堂新光社。監修本に「毎日がラクになる!自律神経が整う本」宝島社等がある。
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