普段から美容・健康に気をつけている方や快眠したい方は、寝る前にココアを飲むことをおすすめします。ココアには睡眠の質を高めるほか、美容・健康に関するさまざまな効果があります。
この記事では、ココアを飲むことで得られる効果、ココアのおすすめの飲み方などを紹介します。
寝る前にココアを飲むと得られる効果
程良い甘味と深い味わいが楽しめるココアは、お昼の時間や休憩時間などホッと一息つきたい時によく飲まれている人気の飲み物です。
しかし、ココアの魅力は味だけではありません。下記のように睡眠や美容、健康面に関して良い効果を得られる可能性があるため、寝る前に飲む飲み物としても人気を集めています。
寝る前にココアを飲むことで期待できる効果は、以下のとおりです。
- 睡眠の質が高まる
- 疲労回復を助ける
- 腸内環境が改善される
睡眠の質が高まる
多くの人は1日の中で「日中は活動し、夜に休息する」リズムに沿って生活を送っていますが、これは自律神経と呼ばれる「交感神経」と「副交感神経」の2つのバランスが保てているためです。
起床後は体を覚醒させる交感神経が、夜は体を睡眠しやすいようにリラックスさせる副交感神経が優位となり、それぞれ適切なタイミングで切り替わることで覚醒と休息のリズムを維持しています。
しかし、自律神経はストレスや不安よって乱れてしまうため、普段から整えることが大切です。自律神経が乱れると交感神経から副交感神経に切り替わらず、夜になっても覚醒状態が続いてしまい眠れなくなる場合があります。
自律神経を整えられることが、ココアの魅力の一つです。ココアには自律神経を整えて体をリラックスさせる効果を持つ「テオブロミン」が含まれているため、自律神経の乱れを防ぎやすくなります。
また、寝る前にリラックスした状態になることで入眠しやすくなり、睡眠の質がより高まります。
疲労回復を助ける
ココアに含まれるテオブロミンには、体の疲れを癒す疲労回復効果もあるといわれています。睡眠をとることでも疲労は回復できますが、寝る前にココアを飲めばさらなる疲労回復効果に期待できるでしょう。
また、一般的なココアには体の疲労物質を取り除く糖質が含まれています。糖質は筋肉に溜まった疲労物質を取り除いてくれるので、肉体的な疲労を感じやすい方にもおすすめです。
神林由香
Men’s Clara Clinic院長
ココアそのものと、糖質が含まれているもの全般では、含まれている成分が違うので期待できる効果も異なります。
腸内環境が改善される
ココアは普段から便秘に悩まされている方にもおすすめの飲み物です。ココアには不溶性の食物繊維の一つ「リグニン」が含まれており、腸内環境を改善して便が体内に留まる時間を短くする効果に期待できます。
便秘にはさまざまな原因がありますが、習慣的な便秘は主に食物繊維の摂取不足が原因だといわれています。ココアを寝る前に飲んで食物繊維を摂取すれば、便秘に関する悩みを解消しやすくなるでしょう。
寝る前におすすめのココアの飲み方
ココアには、以下の2種類があります。
- ココアパウダーを主な原材料とした「ピュアココア」
- ピュアココアに砂糖や脱脂粉乳などを加えた「調整ココア」
寝る前にココアを飲むなら、ピュアココアがおすすめです。
ピュアココアは調整ココアよりもカカオポリフェノールの保有量が多いため、より高い美容効果に期待できます。
また、ココアに含まれるカカオポリフェノールはストレス状態から軽減される効果を認めた研究結果があります(※)。ストレスの軽減は睡眠の質の向上を期待できるため、寝る前の摂取はおすすめです。
ほかにも、ピュアココアには砂糖が入っていないため、ダイエットしている時期でも飲みやすいでしょう。
ただし、ピュアココアは砂糖や脱脂粉乳などの材料が用いられていない分、そのまま飲むと苦いので注意してください。
(※)日本チョコレート・ココア協会「Q20 チョコレート・ココアに「抗ストレス効果」はありますか?」
肌トラブルに悩んでいるなら牛乳がおすすめ
一般的に広く知られているのは、ピュアココアと牛乳の組み合わせです。
ココアに含まれる豊富な栄養素だけでなく、牛乳に含まれるカルシウムを同時に摂取できることが魅力です。カルシウムにはリラックス効果があるため、寝る前に飲めばより入眠しやすくなります。
また、牛乳に含まれるビタミンには、肌に弾力を与えて乾燥を防いでくれる効果があります。肌トラブルに悩んでいる方には、特におすすめの組み合わせです。
ダイエットをしている場合は豆乳を入れよう
ダイエットに力を入れている方には、ピュアココアと豆乳の組み合わせがおすすめです。豆乳の原料である大豆は体内での吸収率が高く吸収速度にも時間がかかるため、飲むと満腹感を得られます。
ダイエット中に空腹を我慢していると「お腹が空いて眠れない」状況に陥りやすいですが、寝る前にピュアココアに豆乳を入れて飲めば、程良い満腹感を得て入眠できるでしょう。
ココアの苦味が苦手ならハチミツを入れるのもあり
ピュアココアならではの苦味が苦手な方は、ハチミツを入れると良いでしょう。ハチミツの甘さで苦味を解消できるのはもちろん、ハチミツを形成しているブドウ糖の効果によって疲労回復にも期待ができます。
また、ハチミツは砂糖と比べると低カロリーなので、「甘いものが好きだけど太らないか心配」な方にもおすすめです。
きなこを入れると栄養価が高くなる
きなこは、豊富なビタミンやミネラルが含まれている栄養素の高い食品です。ココアに入れて飲むと、美肌効果や腸内環境の改善、貧血の予防など、健康や美容に関するさまざまな効果が期待できます。
ただし、過剰に摂取するとお腹を壊す原因になる可能性があるので注意してください。ココアにきなこを入れる場合は、大さじ2杯以下の量に留めましょう。
寝る前にココアを飲む際の注意点
ココアを寝る前に飲むとさまざまな美容・健康効果を得られますが、いくつか注意するべきポイントもあります。
以下では、寝る前にココアを飲む際に心がけたい2つの注意点を紹介します。
- カフェインの摂取量に気をつける
- ココアを飲んだ後は歯磨きをする
それぞれ確認しましょう。
カフェインの摂取量に気をつける
ココアにはわずかにカフェインが含まれているため、飲みすぎるとカフェインの覚醒作用によって眠れなくなる可能性があります。
一般的にカフェインが含まれていることで知られているコーヒー、お茶類などと比べ、ココアに含まれるカフェインの量ははるかに少ないです。
しかし、カフェインが入っていることには変わらないので、カフェインに敏感な方は量を減らす、ノンカフェインのココアを飲むなどの工夫をしましょう。
ココアを飲んだ後は歯磨きをする
ココアに含まれているハチミツや糖分は、虫歯の原因となる場合があります。また、糖分の有無にかかわらず、歯磨きを怠ると着色汚れの原因にもなり得ます。
そのため、ココアを飲んだ後は歯磨きを行いましょう。虫歯が気になる方は、無糖のココアを飲むことをおすすめします。
ただし、ココアは歯に悪いことばかりではありません。ココアは歯周病原因菌への抗菌効果があるといわれており、定期的に飲むことで歯周病の予防に期待できます。
ココアを飲む以外でおすすめの睡眠の質の高め方
中には美容や健康に関する目的だけでなく、睡眠の質を高めることを目的にココアを飲んでいる方もいるのではないでしょうか。
ココアを飲む方法以外にも以下の方法で睡眠の質を高めることができます。
- 寝る前に体を軽く動かす
- 就寝時間の90分〜120分前に入浴する
- 就寝前に温かい飲み物を飲む
- 就寝3時間前までに夕食を済ませる
- リラックスする
- 体に合った枕やマットレスを使う
寝る前にココアを飲みつつ上記の方法を実践すれば、睡眠の質をより高めやすくなるでしょう。
なお、眠くなる方法をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
寝る前に体を軽く動かす
睡眠の質を高めたい方は、寝る前にストレッチで体を軽く動かすと良いでしょう。ストレッチをして体の緊張がほぐれると寝つきが良くなり、より入眠しやすくなります。
背伸びをする、腕を伸ばすなど簡単なストレッチで良いので、寝る前に体を伸ばす習慣をつけましょう。
なお、暗めの部屋で深呼吸しながらストレッチをすると、よりリラックスできるといわれています。
睡眠時間の90分〜120分前に入浴する
睡眠の質を高めるには、就寝時間の90分〜120分前の入浴が効果的です。人の体は、体内部の温度「深部体温」が低くなると眠気が訪れる仕組みになっています。
就寝時間の90分〜120分前に入浴をすると入浴中に上昇した深部体温がお風呂上がりに下がっていき、丁度良いタイミングで眠気が訪れてくれるでしょう。
ただし、お風呂の温度が高い、または入浴時間が長すぎる場合は心身が覚醒して眠りにくくなる可能性があるので注意してください。
入浴の際は38℃のぬるめのお湯で25分~30分程度、半身浴なら約40℃のお湯で30分程度、42℃の熱めのお湯であれば5分程度の温度・時間を意識しましょう。
就寝前に温かい飲み物を飲む
深部体温をコントロールして睡眠の質を高めたい方は、寝る前に温かい飲み物を飲むと良いでしょう。
例えば、ホットミルク、白湯などがおすすめです。
温かい飲み物を飲んで体温が上昇すると、時間経過とともに深部体温が下がっていく過程で自然と眠気が訪れます。
就寝1時間前くらいからゆっくり過ごしながら、温かい飲み物を飲んでリラックスしましょう。
ただし、お酒全般、コーヒー、煎茶をはじめとしたお茶類など、アルコールやカフェインが含まれている飲み物は逆に睡眠の質を低くしてしまうので避けるべきです。
以下の記事では、寝る前におすすめの飲み物や効果を詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
就寝3時間前までに夕食を済ませる
就寝直前に食事をすると、就寝中に消化活動が行われる影響で睡眠の質が低くなってしまうので注意してください。消化活動によって胃腸が働くと脳が刺激されてしまい、眠りが浅くなったり目が覚めやすくなったりする可能性があります。
なお、消化活動は一般的に2時間〜3時間かかるといわれています。夕食は就寝3時間前までに済ませ、以降は食事をしないようにしましょう。
リラックスする
「考えごとがあってなかなか寝つけない」経験のある方は多くいるのではないでしょうか。
考えごとやストレスなどで心身が緊張状態にあると寝つきにくくなるため、就寝前はできるだけリラックスすることが大切です。
ココアを飲むことでもリラックスはできますが、ほかにも「アロマを焚く」「心地良い音楽を聴く」など、さまざまなリラックス方法があります。どのリラックス方法が適しているかは人によっても異なるので、自分に合った方法を実践してください。
体に合った枕やマットレスを使う
就寝時に使っている枕やマットレスが体に合っていないと、眠りにくくなる可能性があるので注意してください。
例えば「枕の位置が高すぎる」「マットレスが柔らかすぎる」などの違和感があると、入眠までに時間がかかることがあります。
マットレスや枕などの寝具は各製品で高さ・硬さなどが異なるため、使う人によって合うかどうかが変わってきます。寝具が体に合っていないと感じる方は、自分により合っている寝具を探してみると良いでしょう。
まとめ
疲労回復効果やダイエット効果、腸内改善効果など、ココアは美容や健康面でさまざまなメリットをもたらしてくれる飲み物です。
また、ココアに含まれているカカオポリフェノールはストレス状態を軽減するため、睡眠の質の向上も期待できます。
「最近よく眠れていない」と悩んでいる方は寝る前にココアを飲むことを習慣にしてみてください。
なお、ココアを飲む以外にも、寝る前に体を軽く動かす、睡眠時間の90~120分前に入浴する、体に合った枕やマットレスを使うなど、違うアプローチで睡眠の質を高める方法があります。自分に合った方法を試してみましょう。