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2025.06.12 更新

【医師監修】電気をつけたまま寝ると睡眠の質は低下する?照明を工夫して就寝環境を整える方法も解説

【医師監修】電気をつけたまま寝ると睡眠の質は低下する?照明を工夫して就寝環境を整える方法も解説

就寝時は寝室の照明を落として眠ることが一般的ですが、明るい環境のまま眠る選択肢もあります。暗い部屋で眠ることが不安・怖いなどの理由から、電気をつけたまま眠る方は少なくありません。

しかし、中には「電気をつけたまま眠るのは体に良くないのではないか」と不安に感じる方もいるでしょう。

この記事では電気をつけたまま寝る場合の体への影響や、暗い部屋で眠ることが不安な場合の対処法、照明に工夫をして就寝環境を整える方法などを解説します電気をつけたまま眠る機会がある方は、ぜひご一読ください。

  1. 電気をつけたまま寝ることで睡眠に影響を及ぼす
  2. メラトニンが不足し眠気が訪れづらくなる
  3. 体が緊張状態になり睡眠の質が低下する
  4. 体内時計が乱れて太る可能性がある
  5. メラトニンの分泌には毎朝日光を浴びることが大切
  6. 真っ暗な部屋で眠ることが不安な時の対処法
  7. 常夜灯や豆電球、間接照明をつけて寝る
  8. 自動で明るさが切り替わる照明に替える
  9. 照明に工夫して就寝環境を整える方法
  10. 暖色系の照明に変える
  11. 寝る前に照明の明るさを調整する
  12. 照明の光が直接目に入らないようにする
  13. まとめ

電気をつけたまま寝ることで睡眠に影響を及ぼす

真っ暗な寝室だとなかなか眠れない方は、安心感を求めて電気をつけたまま寝る場合もあるでしょう。しかし、快適に眠りたいなら、できるだけ部屋の電気を消すことがおすすめです。

電気をつけたまま寝ると、心地良い睡眠に必要なメラトニンの分泌が抑えられます。睡眠とメラトニンの関係性を抑えて、快適な睡眠をとりましょう。

メラトニンが不足し眠気が訪れづらくなる

メラトニンは、心身をリラックスした状態に導くホルモンです。入眠を促す作用があることから別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれており、主に夜の時間帯に生成されます。

メラトニンは光を浴びることで減少するため、電気をつけたまま眠るとメラトニン不足に陥る可能性があります。メラトニンが不足するとなかなか眠気が訪れず、不眠や生活リズムのずれに繋がる可能性があるため注意しましょう。

体が緊張状態になり睡眠の質が低下する

明るい光を浴びながら眠ると体が緊張状態になるため、寝つきの悪さだけでなく、睡眠の質の低下や睡眠の浅さに繋がる可能性もあります。もし明るい部屋で入眠できたとしても、光が原因で夜中に目が覚める可能性もあるでしょう。

こうして睡眠の質が悪くなると体をしっかり休めることができず、翌日の疲労感などに繋がる可能性もあります。日々のパフォーマンスの質を落とさないためにも、明るい寝室で寝ることはできるだけ避けましょう。

体内時計が乱れて太る可能性がある

メラトニンが減少して眠れない日々が続くと、体内時計の乱れによって太る可能性があります。

体内時計が乱れると食欲を抑えるホルモンの分泌が低下し、代わりに食欲を増進させるホルモンの分泌が高まります。その結果食欲が増し、普段の食事量が普段より増えて肥満に繋がる可能性があります。

また、奈良県立医科大学の研究によると、夜間曝露照度が平均3ルクス以上ある場合、平均3ルクス未満と比較し、肥満症や脂質異常症の割合が1.9倍であると示唆されています(※)。3ルクスとは、例えば夜の住宅街のように、4m先にいる人物の挙動・姿勢が確認できる明るさです。

肥満に悩んでいて電気をつけたまま寝ている場合、原因の1つとして考えられるかもしれません。

(※)出典:奈良県立医科大学「夜間の豆電球使用が肥満・脂質異常症のリスクになる可能性を示唆」

メラトニンの分泌には毎朝日光を浴びることが大切

メラトニンの分泌には毎朝日光を浴びることが大切

先述したメラトニンは、1日中分泌されるわけではありません。朝になると分泌は抑制され、代わりにセロトニンと呼ばれるホルモンが分泌されます。セロトニンは心身を活動状態に導くホルモンで、血圧や呼吸、心拍を活動的にする働きを持っています。

セロトニンはメラトニンを生成する材料となるため、睡眠の質を保つためにも欠かせないホルモンです。セロトニンの分泌が促されるほど、メラトニンの不足を防ぐことに繋がります。

セロトニンは太陽の光を浴びると活性化し、分泌が促されます。メラトニン不足を防いで気持ち良く眠るためにも、毎朝カーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。

なお、睡眠と太陽光の関係は、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひこちらもご一読ください。

カーテン 開けて寝る
【医師監修】カーテンを開けて寝ても問題ない?睡眠と光の関係や就寝環境など解説

真っ暗な部屋で眠ることが不安な時の対処法

電気をつけたまま寝ないほうが良いとわかっていても、真っ暗な部屋では眠れないと感じる方もいるのではないでしょうか。真っ暗な部屋で眠ることが不安な場合は、以下4つの対処法を試してください。

  • 常夜灯や豆電球、間接照明をつけて寝る
  • 自動で明るさが切り替わる照明に替える

常夜灯や豆電球、間接照明をつけて寝る

真っ暗な寝室で眠ることが不安な場合は、常夜灯や豆電球、間接照明をつけて寝るのも1つの方法です。無理に電気を消して不安を抱えながら眠るよりは、多少の光があったほうが良い場合もあります。

ただし、照明を薄暗くしていても、電気がついている以上はメラトニンの生成が抑制される可能性があるため注意が必要です。照明をつけて寝る場合は、日中もメラトニンの分泌を増やせるよう意識しながら生活しましょう。

明るさの目安

睡眠の悪影響とならない、理想的な寝室の明るさは0.3ルクス程度、睡眠への影響を考えた時に気をつけたいのは、30ルクスを超える明かりです。30ルクスを超える明かりになると、睡眠に悪影響を及ぼす可能性があるとされています。

明るさの単位明るさの程度
0.3ルクス薄いカーテン越しに感じる月明かり程度の明るさ。暗闇にうっすらと明かりが灯っている状態。
30ルクスロウソクを20cmの距離で見た明るさ(10~15ルクス)と、街灯の下(50~100ルクス)の間の明るさ。

一般的な家庭照明で考えた場合、0.3ルクスの照明とは暖色系の足元ライトなどが挙げられます。

また、寝室に設置されることも多い豆電球は9ルクス程度のため、理想的な明るさである0.3ルクス程度よりもかなり明るいです。環境を整えて快適な睡眠をとるためにも、できるだけ照明の明るさを落としましょう。

自動で明るさが切り替わる照明に替える

寝入った後は電気が消えても問題ない場合には、設定時刻に合わせて自動で電気の色や明るさが切り替わる照明を選んではいかがでしょうか。

リモコン操作のみでさまざまな設定ができる照明も販売されており、寝るまでは豆電球で過ごし、就寝後の時間に合わせて真っ暗になるよう調整できます。また、夜眠る時間に合わせて段階的に明るさを落としていく方法もおすすめです。

いずれの場合も、自分が寝やすくなる明るさに調整しましょう。

照明に工夫して就寝環境を整える方法

電気 つけたまま寝る

照明は就寝環境を整えるための重要なパーツです。普段から寝つきの悪さを感じている方は下記のように照明に工夫をし、眠りやすい環境を整えると良いでしょう。

  • 暖色系の照明に変える
  • 寝る前に照明の明るさを調整する
  • 照明の光が直接目に入らないようにする

以下でそれぞれを詳しく解説します。

暖色系の照明に変える

普段から寒色系の照明を使っている方は、この機会に暖色系の照明に変えてはいかがでしょうか。暖色系の光は体内時計に影響しにくく、夜に光を浴びることで生じる体内時計のずれを防ぎやすいです。

一方、昼白色や昼光色といった青白い光には、睡眠に関わる体内時計を強く刺激する性質を持つ「ブルーライト」が多く含まれています。

また、暖色系の照明をつけると暖かみのある雰囲気を演出できるため、過ごしやすい部屋を作りやすいでしょう。

寝る前に照明の明るさを調整する

常に一定の明るさで照明をつけている方は、就寝前のタイミングで明るさを調整する癖をつけると良いでしょう。就寝1時間前くらいのタイミングで照明を少し暗くしておけば心身がリラックスし、眠るための準備を整えやすいです。

照明の光が直接目に入らないようにする

照明の光が直接目に入ると、眠気が飛んでしまう可能性があるため注意してください。照明は、枕元や部屋の隅に置く、置き型の間接照明がおすすめです。

部屋に備え付けられている照明は使わず、別途で間接照明を用意するのも1つの方法です。簡単に移動できる間接照明を使えば、光が直接目に入ることを避けられます。

天井にぶら下がる豆電球の場合は、光が直接目に入らないように眠る姿勢を変えましょう。間接照明はデザイン性の高い製品が多いため、おしゃれな寝室を作りたい方にもおすすめです。

また、アイマスクで目元を暗くする方法もあります。アイマスクは光を遮る「遮光性」が高いアイテムです。アイマスクで光を遮ると、光の明るさを感じず睡眠の質を高められます。

なお、アイマスクを選ぶ際は、顔に密着するものを選ぶと、遮光性がより高まります。睡眠時のアイマスクの効果は、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひこちらもご一読ください。

アイ マスク 効果
【医師監修】睡眠時のアイマスクの効果は?ホットアイマスクの効果も詳しく紹介

暗さによる不安を取り除くのであれば、光に頼らず「アロマを炊く」「ぬいぐるみを抱く」などの方法も良いかもしれません。

睡眠環境を整える方法は、照明以外にもたくさんあります。睡眠環境を整えるポイントは、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひこちらもご一読ください。

睡眠環境
快適な睡眠環境を整える方法とは?室温や照明など簡単に取り組める改善策を紹介

まとめ

電気をつけたまま眠ると「睡眠の質が低下する」「太る可能性がある」「途中で目が覚める場合がある」など、さまざまなデメリットが生じます。暗い部屋で過ごすことが極端に苦手な方でない限り、寝室の電気は消すようにしましょう。

また、部屋の電気だけでなくスマホやパソコンの光も睡眠の妨げとなるため注意してください。特に多くの方にとって身近な機器であるスマホは、無意識のうちに触りやすいです。寝る前にスマホを見ることが癖になっている方は、意識的に操作を控えましょう。

この記事で紹介した就寝環境を整える方法を参考に、自分に適した睡眠環境を整えてください。

この記事の監修者
中山明峰
中山明峰めいほう睡眠めまいクリニック 院長
めいほう睡眠めまいクリニック 院長。耳鼻咽喉科専門医、睡眠専門医、めまい専門医。1985年、愛知医科大学医学部卒業。愛知医科大学耳鼻咽喉科准教授、名古屋市立大学睡眠医療センター部長を経て、2021年に睡眠障害・めまい専門診療施設「めいほう睡眠めまいクリニック」開院。
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