「シルク製枕カバーは肌触りが良く、美容にも効果が期待できる」と聞いたことがあり、気になっている方も多いでしょう。
しかし、シルク製枕カバーを毎日快適に使うためには、お手入れが難しいなどのデメリットもあります。
この記事では、シルク製枕カバーの購入を迷っている方に向けて、シルク製枕カバーの特徴をわかりやすく解説します。選び方やお手入れ方法も紹介するので、購入を迷っている方はぜひ参考にしてください。
そもそもシルクとはどんな素材?
シルクとは、蚕が作った繭から取れる繊維のことをいいます。シルクは天然繊維の中では唯一の長繊維であり、たんぱく質でできている素材です。
シルクは美しい光沢と滑らかな肌触りで、吸湿性と保湿性に優れていることが特徴です。洋服やインナー、寝具など、幅広いアイテムに使われています。
シルク製枕カバーのデメリット
シルク製枕カバーを購入しようと思った時、まず気になる点がデメリットではないでしょうか。シルク製枕カバーのデメリットには、以下の4点があります。
- 変色しやすい
- 耐久性が低い
- お手入れが難しい
- 滑りすぎることがある
それぞれ順番に解説します。
変色しやすい
シルクは紫外線に弱く、長時間紫外線にさらされると変色することがあります。これは、シルクに含まれているアミノ酸が空気中の酸素や紫外線に触れることで、メラニンに変化して起こります。
シルク製枕カバーの場合、洗濯後に外に干していると変色する可能性があることに注意しましょう。
耐久性が低い
先述のとおりシルクは紫外線に弱いため、日光に当て続けると繊維が弱くなります。また、細い繊維であるため摩擦にも弱く、摩擦で毛羽立ったり破けたりすることがあります。
シルク製枕カバーは、洗濯で摩擦を受けやすいうえに干す時に紫外線によるダメージを受けやすいため、比較的耐久性が低いと考えておきましょう。
お手入れが難しい
枕カバーは寝汗や皮脂で汚れやすいため、清潔に保つには頻繁に洗濯することが大切です。しかし、デリケートな素材であるシルクには、お手入れが難しいというデメリットがあります。
シルク製枕カバーは洗濯機で洗えるものもありますが、一般的には手洗いを推奨するものが多く、なかにはドライクリーニング推奨のものもあります。もともと摩擦に弱いシルクは濡れるとさらに摩擦に弱くなるので、洗濯の際には注意が必要です。
滑りすぎることがある
シルクは光沢があって肌触りが良い一方、人によっては滑りすぎると感じる可能性があります。枕の形はカーブしているため、シルク製枕カバーを使うと寝ている間に頭が滑り落ちてしまうこともあるでしょう。
ただし、滑ることに関しては使用するうちに慣れることが多く、人によっては特に問題を感じない場合もあります。
シルク製枕カバーのメリット
これまでにシルク製枕カバーのデメリットを紹介しましたが、シルクならではのメリットもあります。主に以下の4点です。
- 美しい光沢と滑らかな肌触りの贅沢感
- 夏は涼しく冬は暖かく感じる
- 肌や髪に摩擦の負担がかかりにくい
- 静電気が起こりにくい
それぞれ順番に解説します。
美しい光沢と滑らかな肌触りの贅沢感
1本ずつが長い繊維を「長繊維」と呼びますが、シルクは天然繊維の中で唯一の長繊維とされています。プリズムのように輝く三角形の繊維形状をしているため、美しい光沢と滑らかな肌触りが楽しめます。
肌触りの良いシルク製枕カバーで眠ると、シルクならではの快適な寝心地と贅沢感が味わえるでしょう。
夏は涼しく冬は暖かく感じる
シルクは吸湿性・保温性に優れており、夏は涼しく冬は暖かく感じやすい素材です。
夏に枕カバーとして使うと、シルクが寝汗を吸収して放湿してくれるため、肌がべたつきにくく、快適に眠れます。一方、冬は繊維の隙間に熱を蓄えてくれるので、暖かく感じるでしょう。
肌や髪に摩擦の負担がかかりにくい
シルクは繊維が細いうえに、人間の肌や髪と同じたんぱく質でできているため、肌や髪に負担がかかりにくいとされています。
一般的な枕カバーの場合、就寝中は肌や髪との間に摩擦が起こりやすく、肌や髪へのダメージに繋がる可能性がありますが、負担がかかりにくいシルクなら肌や髪を美しく保つことが期待できます。
静電気が起こりにくい
保水性に優れているシルクには、静電気が起こりにくい性質があります。そのため、シルク製枕カバーを使用することで肌や髪への負担を軽減できる可能性があります。
さらに静電気が起こりにくいと、ホコリや花粉が枕カバーに付着するのを防げるため、これらのアレルギーがある方も使いやすいでしょう。
シルク製枕カバーの選び方
シルクならではのメリットに惹かれてシルク製枕カバーを購入したくなった方は、以下の2点に着目して選びましょう。
- 匁(もんめ)で選ぶ
- 枕への装着方法で選ぶ
それぞれ詳しく解説します。
匁(もんめ)で選ぶ
シルクは、匁(もんめ)という単位で生地の重さを示しています。1匁は3.75gであり、シルクでは93cm四方の大きさが1匁です。匁が大きくなるにつれてシルク生地は厚くなりますが、その分高価になります。
枕カバーの場合は薄すぎると耐久性に問題があるため、19匁以上がおすすめです。
枕への装着方法で選ぶ
枕カバーの装着方法にはファスナー式と封筒式があり、それぞれ特徴が異なるため、好みに合わせて選びましょう。
ファスナー式は枕カバーにファスナーがついており、そこから出し入れするタイプです。ファスナーできちんと閉じられるので、カバーのずれが気になる方や、中の枕にホコリやダニがつくことが気になる方に向いています。
一方、封筒式は片側が開いて袋状になっており、枕を入れたらカバーを折り込んで使うタイプです。出し入れしやすい点はメリットですが、シルクは滑りやすいのでカバーがずれやすくなります。
しかし封筒式は金属を使っていないため、肌や髪への刺激が気になる方におすすめです。
なお、枕カバーには、シルク以外にもさまざまな素材を使ったものがあります。シルク以外の素材も検討している方や、サイズ選びで迷う方は、以下の記事も参考にしてください。
シルク製枕カバーを洗う方法
シルクは洗い方を間違えると品質が変わる可能性があるため、注意が必要です。シルク製枕カバーを洗う時は、使用している枕カバーの洗濯表示を確認してその指示に従いましょう。
自宅で洗えるシルク製枕カバーの場合、以下の2種類の洗い方があります。
- 手洗いで洗う
- 洗濯機で洗う
それぞれの洗い方を詳しく解説します。
手洗いで洗う
シルク製枕カバーの洗濯表示が手洗いの場合、以下の手順で洗いましょう。
- 30℃以下のぬるま湯に中性洗剤、あるいはシルク用洗剤を溶かす
- 裏返した枕カバーを①に入れ、30秒ほど優しく振り洗いをしてから2~3回押し洗いをする
- 水か30℃以下のぬるま湯ですすぐ
- 枕カバーを折りたたんだ状態で押して水気を切ったあと、タオルで包んで脱水する
- 直射日光が当たらない場所に干す
シルクは摩擦に弱いため、手洗いする時はゴシゴシと強くこすらないように気をつけましょう。
洗濯機で洗う
シルク製枕カバーの洗濯表示が洗濯機で洗える場合は、以下の手順で洗いましょう。
- 枕カバーを裏返して洗濯ネットに入れる
- 中性洗剤、あるいはシルク用洗剤を使用する
- 洗濯機の「おしゃれ着洗いコース」「手洗いコース」で洗う
- 枕カバーを折りたたんだ状態で押して水気を切ったあと、タオルで包んで脱水する
- 直射日光が当たらない場所に干す
洗濯機で洗う場合は、摩擦を避けるためほかの衣類と一緒に洗わないようにしましょう。
シルク製枕カバーを洗う時に注意するポイント
シルク製枕カバーを洗う時は、中性洗剤かシルク用洗剤を使用しましょう。洗濯後は脱水しすぎるとしわになるため、枕カバーを折りたたんだ状態で押して水気を切り、タオルで包んで脱水するようにしましょう。できるだけ摩擦がかからないように丁寧に扱うことがポイントです。
また、シルクは直射日光に当てると変色する可能性があるため、洗濯したシルク製枕カバーは陰干しがおすすめです。洗濯できないものは、無理して洗わずにクリーニングに出しましょう。
シルク製枕カバーで気持ち良く眠ろう
シルクは滑らかで肌触りが良いうえに、肌や髪に負担がかかりにくいことが魅力の素材です。日光に弱い、お手入れが難しいなどのデメリットもありますが、美しい光沢で贅沢感が得られるため、シルク製枕カバーを使えば気持ち良く眠れるでしょう。
家庭で洗濯できるものを選べば比較的お手入れもしやすいので、ぜひ一度シルクならではの寝心地の良さを味わってみてください。