「ベッドに入ったのに、なかなか眠れない」「疲れているはずなのに、眠くならない」と悩んだ経験がある方は多いのではないでしょうか。特に、次の日朝早く起きなければならない時は、焦る気持ちからますます眠れなくなることもあります。
なかなか眠れないと悩む方に向けて、この記事では今すぐ実践できる眠るための対策を紹介します。そもそもなぜ眠れないのか、考えられる原因も解説するので、ぜひ参考にしてください。
眠れない時に考えられる原因とは
なかなか眠れないと悩む場合、いくつかの原因が考えられます。なぜ眠れないのか、主な原因として挙げられるのは以下のとおりです。
- ストレスが溜まっている
- 生活リズムが乱れている
- 病気の症状が出ている
- 睡眠環境が合っていない
- 睡眠前に飲酒している
- 睡眠前にカフェインを摂取している
- 寝具が合っていない
眠れない原因には、生活リズムの乱れや病気の症状、睡眠環境などさまざまな要素があります。ストレスや悩みから、ベッドに入っても考え事をしてしまい、なかなか眠れない場合もあるでしょう。
また、飲酒やカフェイン摂取など、睡眠前の行動が原因になるケースもあります。
眠れない原因については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひこちらもご一読ください。
一瞬で寝る方法とは?ベッド上で実践できる対策3選
前提として、寝るために有効とされるさまざまな対策に取り組んだからといって、確実に「一瞬で眠れる」と断言することは難しいです。
とはいえ、眠れない時におすすめの対策は複数存在します。ここでは、就寝時にベッドに入ったまま取り組める対策を紹介するので、ぜひお試しください。
- 漸進的筋弛緩法に取り組む
- 米軍式睡眠法を試す
- 眠りに効果的なツボを押す
それぞれの方法を詳しく紹介します。
漸進的筋弛緩法に取り組む
漸進的筋弛緩法とは、「緊張させた直後に脱力しやすい」という筋肉の働きを利用し、リラックス状態に導く方法です。ベッドの上でもすぐに取り組むことができます。
漸進的筋弛緩法のやり方は以下のとおりです。
- 仰向けに横になり、腹式呼吸をする
- 手、肩、足など各部位ごとに力を入れて筋肉を緊張させ、一気に力を緩める動作を行う
部位ごとに②で力を入れる箇所は異なります。例えば、以下のような方法で取り組むと良いでしょう。
| 部位 | やり方 | 
|---|---|
| 手 | ・指を曲げてこぶしを作った状態で5~10秒キープ ・脱力して10~20秒キープ | 
| 肩 | ・両肩をぐっと上げて5~10秒キープ ・脱力して10~20秒キープ | 
| 足 | ・全体に力を入れ、つま先を体に引き寄せて5~10秒キープ ・脱力して10~20秒キープ | 
脱力時には、力を入れていた部位がじわじわと緩み、温かくなるのを感じながら行います。
米軍式睡眠法を試す
米軍式睡眠法は、パイロットがしっかりと休息を取れるように開発された睡眠法で、実際に米軍で活用されています。米軍式睡眠法は以下の画像に記されているような流れに沿って行います。
流れに沿って、顔から足まで徐々に力を抜いて、脱力していきましょう。⑤で頭を空っぽにすることが難しい時は、以下の方法を取り入れてみてください。
- 緊張がほぐれた状況を想像する
- 幸せな場所をイメージする
- 「考えない」と頭の中で繰り返す
最初は米軍式睡眠法を試しても眠りにつけないかもしれませんが、練習を重ねると眠気を感じやすくなるとされています。
眠りに効果的なツボを押す
私たちの体には、睡眠に良い影響を与えるツボがたくさん存在します。ツボ押しはベッドの中でもできるため、すぐに実践できる手軽な方法です。睡眠に関係するツボには、以下のようなものがあります。
- 失眠(しつみん):足の裏側のかかと中央にあり、押すと少しへこむ部分
- 労宮(ろうきゅう):手のひらの中央にある
- 百会(ひゃくえ):両耳を頭頂部を通るようにつないだ線と体の中央線が交わったところ、頭頂部にある
ツボ押しをする際、特に道具は必要ありません。もう片方の手を使ってグッと押しましょう。ツボを押す時は呼吸を意識し、痛すぎない力加減でゆっくり押すことが大切です。
なお、眠りに関係するツボについては、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひこちらもご一読ください。
一瞬で寝るために心がけたい2つのポイント
スムーズに眠りにつくために、寝床に入ってから意識したいポイントが2つあります。
- 早く寝ようとしない
- 眠れなくても時計を見ない
寝ようと思ってベッドや布団に入ってもなかなか眠れない場合は、この2点を心がけましょう。
早く寝ようとしない
「早く寝ないといけないのに」と思えば思うほど、脳が働いている状態になり、眠れなくなるものです。早く寝ようと意識しすぎず、心を落ち着けて過ごすことが何より大切です。
ただ目を閉じて横になっているだけでも体を休められます。「寝られなくても良いや」と楽観的に考えると、かえってスムーズに眠れるケースもあるため、まずは考えすぎず目を閉じてみましょう。
また、横になってなかなか眠気を感じない時は、無理に寝ようとせずに一度ベッドから出ることもおすすめです。ベッド外で安静にして、眠くなってからベッドに戻って就寝しましょう。
眠れなくても時計を見ない
眠れないと、ついつい時計を確認したくなるものです。しかし、「もう〇〇時になった」「今寝ても、あと○時間しか寝られない」などと考えると、さらに焦って眠りにつきにくくなってしまいます。
ベッドに入ったら、スマホの時計や壁掛け時計などを見ないようにしましょう。夜中に目が覚めた時も同様に、時計を見ないほうが眠りにつきやすいです。
一瞬で寝るために就寝前にできることは?おすすめの行動6選
スムーズに寝るためには、就寝前の行動も重要です。続いて、スムーズな入眠のために就寝前に取り組めることを紹介します。
- スマホやパソコンなどの使用を控える
- カフェインを摂らず温かい飲み物を飲む
- 心が落ち着く香りを嗅ぐ
- 呼吸を意識しながらストレッチを行う
- 室温や照明を調整する
- 騒音をカットする
どの行動も気軽に取り組めるので、ぜひ自分の生活に合ったものや無理なくできそうなものを試してください。
スマホやパソコンなどの使用を控える
寝る直前までスマホを見ていると、発せられるブルーライトによって寝付きにくくなります。ゲームをしたり動画を見たりする行動が寝る前の習慣になっているなら、その行動をやめると就寝しやすくなる可能性があります。
スマホ以外にも、パソコンやテレビのモニターからもブルーライトは出ているため、寝る30分~1時間前には画面を見ないようにするなどの対策を行うと良いでしょう。
カフェインを摂らず温かい飲み物を飲む
コーヒーやお茶に含まれるカフェインには、覚醒作用があります。カフェインの覚醒作用は数時間続くため、寝る前に摂取すると、眠りにくくなったり夜中に目覚めたりと睡眠に悪影響が出ます。
寝る前はカフェインを摂らず、温かい飲み物を飲むことがおすすめです。ホットミルクやホットジンジャー、カモミールティーなどのノンカフェインドリンクから飲みやすいものを選ぶと良いでしょう。
なお、寝る前におすすめの飲み物については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひこちらもご一読ください。
心が落ち着く香りを嗅ぐ
心が落ち着く香りを嗅ぐと、スムーズに眠れる場合があります。一般的に心を落ち着けやすいといわれる香りの例は、以下のとおりです。
- ラベンダー
- カモミール
- サンダルウッド
- クラリセージ
- イランイラン
人によって感じ方は異なるため、上記の香りにこだわるのではなく、自分が好きな香りを選びましょう。
香りを楽しむ手段としてアロマを焚く方法が代表的ですが、ハンドクリームやフレグランス、ルームスプレーなど身近なものを活用する方法もあります。
なお、寝る時におすすめのアロマについては、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひこちらもご一読ください。
呼吸を意識しながらストレッチを行う
人間の体は、内部の温度である「深部体温」が上昇したのち、下降するタイミングで眠気が訪れます。そのため、就寝前にストレッチをすると、血流が良くなることで体が温まり、自然に眠りやすくなるとされています。
ストレッチをする際は、呼吸を意識しながら行いましょう。体内にしっかりと空気を取り込みやすくなるため、腹式呼吸を取り入れることがおすすめです。腹式呼吸は、以下の方法で行ってください。
- 鼻から息を吸い込み、お腹を膨らませる
- お腹の力を抜き、口からゆっくりと息を吐く
- 1と2を繰り返す
数あるストレッチの中でも、腕や足を動かしたり、背伸びしたりする簡単なストレッチは就寝前にも取り入れやすいです。無理のない範囲で、自分が取り組みやすいストレッチを行ってください。
室温や照明を調整する
「暑い」「寒い」と感じるような寝室環境は、睡眠の妨げになります。「なかなか眠れない」と感じたら、部屋の温度が適切か確認してください。
快適に感じる室温は、夏場は25℃~26℃、冬場は22℃~23℃です。湿度は通年50%~60%が理想とされています。
また、寝室の照明がついていないと眠れない方もいますが、照明が明るすぎると睡眠の質に影響を与えます。明るすぎないか確認し、照明をつける場合も光が直接目に入らない位置に調整しましょう。
快適な睡眠環境を作ることで、眠りにつきやすくなります。寝室に適した明かりについては、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひこちらもご一読ください。 
騒音をカットする
外の工事の音や隣人の話し声など、音が気になって眠れない時もあるでしょう。就寝時の音環境は35〜40デシベル以下が理想的だとされていますが、例えば以下のようにさまざまな生活音が40デシベル以上です。
| 生活音の種類 | 音の大きさ | 
|---|---|
| エアコン | 約41~59デシベル | 
| 換気扇 | 約42~58デシベル | 
| 人の話し声(日常) | 約50~61デシベル | 
| テレビ | 約57~72デシベル | 
| 犬の鳴き声 | 約90~100デシベル | 
参考:東京都環境局「生活騒音」
眠れない原因が周囲の音だと考えられる場合は、対策を行うことで眠りにつきやすくなります。
特に、子どもや高齢者は騒音の影響を受けやすいです。耳栓やイヤープラグを用いることで、外部の騒音を手軽にカットできます。
無音だとかえって眠れない場合は、心が落ち着く音楽を流すのも良いでしょう。睡眠導入に向いているBGMもたくさんあるため、自分のお気に入りのBGMを見つけて取り入れてください。
快眠のために日々意識したいポイント
日頃から気をつけることで、スムーズに就寝しやすくなるポイントがあります。
- 生活リズムを整える
- マットレスなどの寝具を見直す
それぞれのポイントを日頃から意識して、質の高い睡眠をとりましょう。
生活リズムを整える
平日と休日の睡眠時間に大きな差があったり、就寝時間と起床時間が違いすぎたりすると、生活リズムが乱れてしまいます。生活リズムの乱れは睡眠にも影響するため、平日と休日の起床時間の差は2時間以内に抑えるよう意識しましょう。
生活リズムを整えることに加え、生活面を見直すことも重要です。食生活の乱れや過度なストレスは睡眠の質を下げる原因になります。日頃からストレスを溜めない、バランスの良い食事を3食摂るなど、生活面の見直しが大切です。
マットレスなどの寝具を見直す
スムーズに寝付けないのは、マットレスや枕などの寝具が体に合っていないことが原因かもしれません。枕が高すぎないか、マットレスが硬すぎないかなど、寝具が合っているか見直しましょう。
寝具が合っていないと寝付きにくいだけでなく、睡眠の質の低下に繋がります。十分寝たはずなのに日中に眠気が襲う、疲れが取れないなど生活に支障が出る場合もあるため、自分に合った寝具を使いましょう。
なお、寝具選びのポイントについては、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひこちらもご一読ください。 
まとめ
スムーズに寝るためには、第一にリラックスすることが大切です。「早く寝ないと」「あと〇〇時間しか寝られない」など考えると、脳が活発になって眠りづらくなります。
まずはスマホを置いて、落ち着いて眠りやすい姿勢になって目を閉じましょう。ストレッチやツボ押し、心が落ち着く香りを取り入れるのも効果的です。この記事で紹介した対策も参考にし、スムーズに眠れる自分に合った方法を取り入れてください。
