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2025.10.17 更新

【医師監修】睡眠の質を上げる方法とは?質の低下を招く原因や健康への影響も解説

【医師監修】睡眠の質を上げる方法とは?質の低下を招く原因や健康への影響も解説

しっかり寝ているはずなのに眠気が取れず、疲労感が残る場合は、睡眠の質が低下している可能性があります。

質の高い睡眠をとることは、目が覚めている時間を効率良く、健康的に過ごすうえで重視すべきポイントです。

この記事では、生活習慣や寝室環境に着目し、自分でできる睡眠の質を高めるための具体的な方法や睡眠の質が低下する主な原因を解説します。

今すぐ取り組める方法も紹介するため、睡眠の質を改善したい方はぜひ参考にしてください。

  1. 質の高い睡眠とは?
  2. 適切な睡眠時間を確保できている
  3. 毎日規則正しく決まった時間に眠っている
  4. 睡眠の質が低下することによる影響
  5. 集中力・記憶力が低下する
  6. うつ病の発症リスクが上がる
  7. 生活習慣病の発症リスクが上がる
  8. 睡眠の質が低下する主な原因
  9. 睡眠の質をチェックしてみよう
  10. 睡眠の質を上げる生活習慣
  11. 就寝3時間前までに夕食を摂る
  12. ②就寝前の夜食を控えて朝食を食べる
  13. ③アルコールは就寝2時間前、カフェインは就寝4~6時間前から控える
  14. ④温かい飲み物で体温を上昇させる
  15. ⑤就寝前は湯温38~42℃程度で入浴する
  16. ⑥起床後はすぐに日光を浴びる
  17. ⑦適度な運動をする
  18. ⑧長すぎる昼寝や夕方以降の仮眠・寝落ちを避ける
  19. ⑨就寝前に電子機器類を操作しない
  20. ⑩ストレスを解消する
  21. 睡眠の質を上げる寝室環境
  22. 室温や湿度は季節に応じて調節する
  23. 寝室は適度な暗さに調整する
  24. 寝室では心地良い音楽を聴く
  25. 体に合う良質な寝具を使う
  26. アロマを焚く
  27. まとめ
  28. おすすめ記事

質の高い睡眠とは?

質の高い睡眠のポイントは、大きく2つあります。「適切な睡眠時間を確保できている」こと、「毎日規則正しく決まった時間に眠っている」ことです。この2つは、どちらか一方だけでは不十分です。

たとえば、たくさん眠っても就寝・起床の時間がバラバラだと体内時計が乱れて眠りが浅くなりますし、逆に規則正しい生活でも睡眠時間が短ければ疲労は回復しません。2つが相互に作用しているため、どちらも行うことで質の高い睡眠をとることができます。

厚生労働省によると、質の高い睡眠をとれているかどうかの目安は以下のとおりです(※)。

  • 昼と夜のメリハリが明瞭である
  • 必要な睡眠時間が確保され、日中に過度な眠気や居眠りが生じない
  • 日中の心身の状態が、自分の生活スタイルにとって適切な状態である
  • 睡眠が安定している(睡眠時間の前半に深い眠りがとれていて、後半にも中途覚醒が少ない)
  • 寝つきが良い(入眠までの時間が気にならない程度の長さである)
  • 寝起きがすっきりしていて、目が覚めてからスムーズに行動できる
  • 自分の睡眠について満足している
  • 過度な疲労感がなく意欲的である

(※)参考:厚生労働省 第3章 より健康的な睡眠を確保するための生活術

適切な睡眠時間を確保できている

睡眠時間は短すぎても長すぎても良くありません。適切な睡眠時間は年齢により異なり、さらに個人差があります。睡眠時間の長さは人それぞれですが、その人にとっての睡眠時間が短すぎると、どんなに質の高い睡眠がとれていても睡眠不足になります。

一方、長すぎる睡眠時間は、眠りが浅くなり中途覚醒が増えるなど、睡眠の質が低下することが知られています。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」によると、睡眠時間の目安は以下のとおりです。

区分睡眠時間の目安
高齢者寝床にいる時間が8時間以上にならないことを目安に必要な睡眠時間を確保する
成人6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保する
子供小学生は9時間~12時間、中学生・高校生は8時間~10時間を目安に睡眠時間を確保する

また、睡眠時間は季節によっても変化します。夏はほかの季節に比べて日長時間が長く、高温多湿な寝室環境になりやすいことから、寝つきや眠りの持続が難しくなる傾向があり、最も睡眠時間が短いと考えられています。

柳原万里子

柳原万里子

眠りと咳のクリニック虎ノ門 院長

長期間にわたって蓄積した睡眠不足を「睡眠負債」と呼びます。睡眠負債は心身に悪影響を生じることが知られています。

具体的には、メンタル面で抑うつ気分やうつ病の発症リスクが増加するほか、身体的には肥満になりやすくなり、生活習慣病や心血管疾患(脳梗塞や心筋梗塞、狭心症など)のリスクが増加します。

日本は世界的に見て国民の平均睡眠時間が短く、睡眠不足が多いことで有名です。

毎日規則正しく決まった時間に眠っている

私たちは昼間に活動し、夜に眠るという昼行性動物としての時計(体内時計)を生まれつき持っています。

交替勤務や不規則な夜更かしなどの影響で毎日の睡眠時間帯がバラバラになると、体内時計が時差ボケを起こしてしまい、「眠りたい時間に目が冴えて寝つきが悪くなる」「中途覚醒が増えてしまう」など、質の高い睡眠がとれなくなります。

また、日中活発に活動したい時間帯に倦怠感や眠気、頭痛や食欲不振などの症状が出てしまう原因にもなります。

柳原万里子

柳原万里子

眠りと咳のクリニック虎ノ門 院長

不規則な夜更かしは避けるように心がけましょう。

例えば、夜勤明けの日中は15時までに仮眠をとる程度にとどめて、できるだけ夜の普段に近い睡眠時間帯にまとめて長時間眠るように工夫するなど、睡眠時間帯の乱れを最小限にするよう工夫しましょう。

睡眠の質が低下することによる影響

睡眠の質の低下は寝不足に繋がるだけでなく、心身にさまざまな悪影響を及ぼします。睡眠の質が低下することで生じる主な影響は以下のとおりです。

  • 集中力・記憶力が低下する
  • うつ病の発症リスクが上がる
  • 生活習慣病の発症リスクが上がる

それぞれ確認しましょう。

集中力・記憶力が低下する

日中に活動していた脳を休息させるには、夜間の睡眠が欠かせません。しかし、睡眠の質が低下すると脳がしっかり休息できず、思考力や集中力の低下に繋がります。

また、睡眠には心身の休息のほかに記憶を整理する役割もありますが、睡眠の質が低い場合はその役割を十分に果たすことができません。その結果、記憶力が低下する可能性があります。

うつ病の発症リスクが上がる

睡眠の質が低下して寝不足の状態が続くと、「些細なことでイライラする」「不機嫌になりやすい」など、精神的にも良くない影響が出てきます。精神的に不安定な状態が続く場合、うつ病(無気力で憂鬱な状態が続いてしまう病気)の発症リスクが上がる可能性があります。

うつ病の主な症状は、「悲しい気分が1日中続く」「疲れやすくなる」「イライラする」「集中力の低下」などです。

なお、不眠はうつ病を引き起こす原因の1つですが、反対にうつ病が原因で不眠の症状があらわれる場合もあります。

生活習慣病の発症リスクが上がる

睡眠の質が低下して寝不足が続くことは、高血圧や糖尿病をはじめとした生活習慣病の発症リスクを高める原因にもなります。

寝不足になると、交感神経が過剰に働くことで体が緊張状態となり、その影響で血圧が上昇しやすくなります。その結果、高血圧のリスクが高まる可能性があります。

また、寝不足だとインスリンが正常に機能せず、糖尿病の発症リスクも上がります。さらに寝不足は食欲増加の原因にもなり、肥満に繋がる可能性もあると考えられています。

睡眠の質が低下する主な原因

睡眠の質を高めるためには、睡眠の質が低下する原因を把握することが重要です代表的な原因としては、以下の6つが挙げられます。

  • ストレスや疲労
  • ブルーライト
  • 睡眠環境が良くない
  • 加齢
  • 肥満
  • 睡眠リズムの乱れ

ストレスや疲労により体が緊張状態にあると、なかなか寝付くことができず、睡眠の質が低下します。また、寝る前にスマホやパソコンの画面から発せられるブルーライトを浴びると、脳が興奮状態となり寝付けなくなるため、注意が必要です。

さらに、「寝具が合っていない」「寝室の温度・湿度が適切でない」など、睡眠環境が良くないことも睡眠の質を低下の原因となります。

また、体型にも注意が必要です。肥満の方は、睡眠時に喉が閉塞したり、寝ている間に一時的に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」になりやすい傾向があり、睡眠の質が低下しやすいといえます。

このほか、睡眠リズムの乱れも睡眠の質の低下の一因です。人は眠りの浅い「レム睡眠」と眠りの深い「ノンレム睡眠」を一定の周期で就寝中に繰り返しており、各睡眠が交互に入れ替わることで正しい睡眠リズムが保たれています。

しかし、何らかの原因でレム睡眠とノンレム睡眠のバランスが崩れると、眠りが浅くなります。睡眠リズムが乱れる主な原因は、体内時計の乱れやストレス、カフェインやアルコールの過剰摂取、加齢などにあるといわれています。

睡眠の質をチェックしてみよう

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まずは現在の睡眠状態を把握し、睡眠の質を高めるきっかけとしてみませんか?

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睡眠の質を上げる生活習慣

睡眠の質を高めるために、日常生活の中で取り組めることはいくつかあります。

  • 就寝3時間前までに夕食を摂る
  • 就寝前の夜食を控えて朝食を食べる
  • アルコールは就寝2時間前、カフェインは就寝4~6時間前から控える
  • 温かい飲み物で体温を上昇させる
  • 就寝前は湯温38~42℃程度で入浴する
  • 起床後はすぐに日光を浴びる
  • 適度な運動をする
  • 長すぎる昼寝や夕方以降の仮眠・寝落ちを避ける
  • 就寝前に電子機器を操作しない
  • ストレスを解消する

以下でそれぞれ詳しく紹介します。睡眠の質を高めたいと考えている方は、ぜひ生活の中で実践してください。

就寝3時間前までに夕食を摂る

夕食や夜食など寝る前の食事は、就寝の3時間前までに済ませましょう。内臓にとって食べ物を消化する活動は重労働です。就寝時には消化活動が終わり、内臓も休める状態にしておきましょう。

また、消化活動が終了した状態で眠れるよう、就寝時間から逆算して食事を済ませる時間を決めてください。そして、就寝前に食事を摂る場合には、できるだけ消化の良い食事を心がけましょう。

②就寝前の夜食を控えて朝食を食べる

体内時計の調整には食事が重要です。就寝前の夜食や間食は体内時計を乱す原因になるため、避けましょう。

また、朝食を抜く方もいるかもしれませんが、朝食は体内時計の調整に寄与するとされているため、しっかりと食べることをおすすめします。

なお、朝食にはタンパク質を多く含むものが良いとされています。タンパク質は、睡眠・覚醒リズムを整えるセロトニンや睡眠を促すメラトニンの生成に不可欠です。

特に睡眠を促すメラトニンは、生成されてから分泌するまでに14時間~16時間かかるといわれています。そのため、朝食にしっかりとタンパク質を摂取することで、就寝時間に自然と眠気を感じられます。

タンパク質と睡眠の関係を詳しく知りたい方は、下記記事もご覧ください。

タンパク質不足 睡眠
【医師監修】タンパク質不足による睡眠への影響は?効率的に摂取できる食品も紹介

③アルコールは就寝2時間前、カフェインは就寝4~6時間前から控える

アルコールを「寝酒」として、普段から就寝前に摂取している方もいるかもしれません。

アルコールは入眠を促す作用がありますが、入眠後の睡眠は浅くなってしまいます。「飲酒した翌朝に寝ていた割には起床時の熟睡感がない」「疲れが取れていない」と感じた経験がある方もいるかもしれません。

睡眠に影響を及ぼさないよう、就寝2時間前になったらアルコールは控えるようにしましょう。

柳原万里子

柳原万里子

眠りと咳のクリニック虎ノ門 院長

アルコールには依存性があります。上手に眠れないという理由から寝酒が習慣化する場合には、依存性のほとんどない睡眠薬や薬剤を使わない不眠対策もあるため、睡眠外来を受診し相談しましょう。

また、カフェインは覚醒作用があるため、寝つきが悪くなる原因となったり、入眠後の睡眠を浅くさせたりします。カフェインを含むコーヒーや緑茶、エナジードリンク、栄養ドリンクは、就寝前4〜6時間の飲用を避けるように心がけましょう。

また、アルコールとカフェインはともに利尿作用があるため、トイレによる中途覚醒が増える原因にもなります。

④温かい飲み物で体温を上昇させる

入眠には体温の変動も影響します。眠気は体温が1℃程度低下したタイミングで促されます。そのため、就寝前に温かい飲み物を飲んで体温をコントロールすることで、スムーズな入眠ができる可能性があります。

体を温めるおすすめの飲み物は、以下のとおりです。

飲み物特徴
白湯胃に負担をかけず体を温められる
生姜湯生姜に体を温める効果がある
ハーブティー香りが良く、心身をリラックスさせてくれる

カフェインレス無糖のものを選んで就寝前に飲むと良いでしょう。

なお、就寝前に飲んだほうが良い飲み物、避けるべき飲み物については、下記の記事でも詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

寝る前 飲み物
【医師監修】寝る前におすすめの飲み物8選!気をつけたいお茶の種類も紹介

⑤就寝前は湯温38~42℃程度で入浴する

前述のとおり、体温が1℃ほど下がり始めたタイミングで自然な眠気が促されるため、就寝前の入浴は温度や時間にも気を付けましょう。 就寝前のおすすめの入浴方法は以下のとおりです。

  • 38℃のぬるめのお湯で25分~30分程度
  • 42℃の熱めのお湯で5分程度
  • 半身浴なら約40℃のお湯で30分程度

入浴は就寝時間の約90分~120分前に済ませましょう。

なお、入浴には体の疲れを癒すリラックス効果もあるため、好みの色や香りの入浴剤を使用すると、心身ともにリフレッシュできるでしょう。

柳原万里子

柳原万里子

眠りと咳のクリニック虎ノ門 院長

心拍数が上がるような高い湯温での入浴は、交感神経系(覚醒を促す方向の自律神経)の活動を促すため、かえって目が冴えてしまいます。

就寝前のお風呂の湯温は38~41℃が目安といわれますが、寒すぎない程度でぬるめの湯温で入浴するよう心がけてください。

⑥起床後はすぐに日光を浴びる

夜にぐっすり眠るためには、起床後に日光を浴びて体内時計をリセットすることが大切です。

人の体には、活動と休息のリズムを切り替えるための体内時計が備わっています。例えば、多くの方は「日中に活動して夜に休息する」というリズムを自然と保っていますが、これは体内時計が機能しているためです。

体内時計は25時間周期で動いているため、1日の24時間に調整するには日光を浴びて体内時計をリセットしなければなりません。体内時計をリセットして活動と休息のリズムが整うことで、夜は自然と寝付けるようになります。

⑦適度な運動をする

人間には、夜になったら眠るという昼行性動物としての体内時計の仕組みのほかに、「疲れたら眠る」という睡眠のための仕組みがあります。つまり、脳だけでなく、体の疲れも溜まっていたほうが睡眠の質が良くなります。

日中に散歩やランニングなどの適度な運動習慣を作りましょう。

柳原万里子

柳原万里子

眠りと咳のクリニック虎ノ門 院長

日中に脳と体の疲れを多く溜め、疲れた勢いで夜に眠ると、質の良い眠りが得られます。

この仕組みを利用するには、起きている時間に休憩しすぎずに、疲れを夜まで溜めておくための体力も必要です。日中に適度な運動を行うことは体力を保つためにも役立ちます。

ただし、眠る直前については、心拍数が増加するような激しい運動は避けましょう。心拍数が上がるような激しい運動は交感神経系(覚醒を促す方向の自律神経)の活動を促すため、かえって目が冴えてしまいます。

⑧長すぎる昼寝や夕方以降の仮眠・寝落ちを避ける

前述のとおり、夜に体が疲れた状態であるほうが質の良い睡眠が得られるため、長すぎる昼寝や夕方以降の寝落ちは避けましょう。

長すぎる昼寝や寝落ちをすることで、夜へ向かって溜まっていたはずの疲れが減ってしまいます。昼寝は15時まで、30分以内にとどめて、日没後の仮眠や寝落ちはできるだけ避けるように工夫しましょう。

⑨就寝前に電子機器類を操作しない

就寝直前は、スマホやタブレットなどの電子機器の使用をできるだけ避けましょう。

朝起きて夜眠るサイクルを作る体内時計に環境光(日光や照明の光、電子機器などが発するブルーライト)が強く影響するためです。

夜中にまぶしい光を目にすると体内時計が乱れ、「夜になったら眠る」というサイクルに支障が生じます。その結果、睡眠の質が低下する可能性があります。

柳原万里子

柳原万里子

眠りと咳のクリニック虎ノ門 院長

遅くとも就寝の30分前には強い光を発する電子機器の使用を止め、間接照明などに照明を落としてリラックスして過ごすよう心がけましょう。

⑩ストレスを解消する

不眠はストレスが原因となる場合があります。さらに、ストレスによって眠れないことで、余計にストレスが溜まって悪循環を招くこともあります。

ストレスの原因は人によって異なるため、自分に合った方法でストレスを解消しましょう。自分で対策が難しい場合は、医療機関に相談することも検討してください。

睡眠の質を上げる寝室環境

食生活や生活習慣の改善と一緒に、寝室環境を整えることで、より質の高い睡眠が期待できます。

  • 室温や湿度は季節に応じて調整する
  • 寝室は適度な暗さに調整する
  • 寝室では心地良い音楽を聴く
  • 体に合う良質な寝具を使う
  • アロマを焚く

それぞれ詳しく解説します。

室温や湿度は季節に応じて調節する

寝室の室温は冬なら22℃〜23℃、夏なら25℃〜26℃、布団の中の温度は季節を問わず32℃~34℃が適切とされています。また、湿度は50%~60%程度を目安として調節すると良いでしょう。

寝室は適度な暗さに調整する

寝室の暗さは、豆電球くらいの明るさである50ルクス未満が理想的とされています。真っ暗でも平気な場合には、必ずしも照明は必要ありません。真っ暗だと眠りにくい場合には、閉じた瞼や目に直接光が当たらないように照明の位置を工夫することもおすすめです。

また、膝より下の高さにフットライトを設けたり、枕から離れた場所に間接照明を設置したりするなど、工夫をしましょう。

寝室では心地良い音楽を聴く

就寝前は、心も体もリラックスした状態でいることが大切です。

心身がリラックスした状態では、副交感神経系(入眠を促す方向に働く自律神経)の活動が活発になるため、寝つきが良くなったり、深い眠りを得やすくなったりする効果が期待できます。

寝室で聴くなら、ヒーリングミュージックのようにゆったりとした音楽を聴くことをおすすめします。

しかし、入眠後も絶え間なく音楽が流れてしまうと、深い眠りを妨げたり、中途覚醒の原因になったりする可能性があります。

就寝前に寝室で音楽を聴く場合には、音量を小さくする、タイマーで入眠後に音楽を停止する、スリープ機能を使うなどして、静かな状態で眠ることをおすすめします。

体に合う良質な寝具を使う

枕の高さや敷布団の硬さ、マットレスの素材など、自分の体に合う寝具を使いましょう。

体に合う寝具は人によって異なるため、自分が快適に感じる寝姿勢を保てる寝具を使うことが望ましいです。寝苦しさや起床時の体の痛みなどを感じる場合には、一度寝具を見直すのも良いかもしれません。

また、就寝中はコップ1杯分の汗をかくといわれていることから、心地良い睡眠を促すために寝具の通気性もチェックしてください。

アロマを焚く

寝室にアロマを焚いて、リラックスできる空間を作る方法もおすすめです。アロマはお湯が入ったカップに数滴垂らすなど、使用方法も簡単です。

好みの香りは人によって異なるため、植物やハーブの香りなど、さまざまなものを試して心地良く感じるものを使ってください。

最近は就寝時の使用に特化したアロマも販売されているため、気になる方は一度試してはいかがでしょうか。

柳原万里子

柳原万里子

眠りと咳のクリニック虎ノ門 院長

睡眠に適した「室温・湿度」「適度な暗さ」「静かさ」「通気性や寝心地の良い寝具」「リラックス感」が良い眠りのための寝室環境として必要です。

まとめ

睡眠の質には生活習慣や就寝環境が大きく影響を与えます。睡眠の質が低下すると、日常生活に悪影響を及ぼすだけでなく、健康リスクも高まります。

睡眠の質が低下している場合、生活習慣や就寝環境を見直すことで改善できる可能性があるため、まず自分でできることから取り組み、睡眠の質を高めてより活力に満ちた日々の生活を手に入れましょう。

この記事の監修者
柳原万里子
柳原万里子眠りと咳のクリニック虎ノ門 院長
医学博士。日本睡眠学会認定睡眠専門医。日本呼吸器学会認定呼吸器専門医・指導医。東京医科大学睡眠学寄附講座客員講師。筑波大学睡眠呼吸障害診療科・睡眠総合ケアクリニック代々木の勤務を経て、2022年11月に眠りと咳のクリニック虎ノ門(https://sleep-toranomon.com/)を開院。皆さまの眠りと健康寿命を守る、をモットーに女性ならではの細やかで丁寧な診療を行っている。

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