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2024.03.28 更新

【医師監修】分割睡眠にはリスクがある?メリットや質の高い睡眠をとる方法を解説

【医師監修】分割睡眠にはリスクがある?メリットや質の高い睡眠をとる方法を解説

仕事が忙しく、「夜に4時間、昼に2時間」といったように睡眠時間を分ける人もいるのではないでしょうか。

睡眠を分けることを一般的に「分割睡眠」などと呼びますが、「本当に効果があるのか」「健康に悪影響はないか」などと心配な人も多いと思います。

この記事では分割睡眠のメリットやリスク、分割睡眠に頼らずに毎日を過ごすための睡眠の質の高め方を紹介します。

忙しくてまとまった睡眠時間が確保できない方などは参考にしてください。

  1. 分割睡眠を取り入れるメリット
  2. 分割睡眠は病気のリスクを高める可能性がある
  3. 分割睡眠に頼らず睡眠の「質」を高めることが重要
  4. 食生活で睡眠の質を高める方法
  5. 寝る3時間前に夕食を済ませる
  6. バランスの良い食生活を心がける
  7. 寝る前に温かいものを飲む
  8. 就寝前のアルコール・カフェイン摂取を避ける
  9. 生活習慣で睡眠の質を高める方法
  10. 寝る90~120分前に入浴して体を温める
  11. 運動を習慣化する
  12. 毎日一定の時間に就寝・起床する
  13. 毎朝日光を浴びて体内時計をリセットする
  14. 就寝環境で睡眠の質を高める方法
  15. 自分に合った寝具を使う
  16. 音楽でリラックスする
  17. アロマを焚いてリラックスする
  18. スマホやパソコン操作を控える
  19. 寝室の温度・湿度などを快適にする
  20. 上手な仮眠のとり方
  21. 分割睡眠ではなく、質の高い睡眠をとることを意識しよう

分割睡眠を取り入れるメリット

分割睡眠とは、1日の睡眠を2回以上に分けることを指します。

普段の睡眠に加え、仮眠でさらに睡眠時間を確保すると、「疲労感の軽減」「疲労回復のための睡眠時間の短縮」といったメリットを受けられます。

特に、夜間に勤務する場合などは夜勤中に2時間程度の仮眠をとることで、寝ぼけた状態を避けられ、仕事のパフォーマンスが向上するとされています。

分割睡眠は病気のリスクを高める可能性がある

本来の睡眠時間に加え仮眠をとることには先述したメリットがありますが、分割睡眠は、健康上のリスクを高める可能性があります。
睡眠様式には「多相性睡眠」と「単相性睡眠」があり、成長に伴い変化するとされています。

睡眠様式時期特徴
多相性睡眠乳幼児期と老年期1日(24時間)のうち、数回に分けて睡眠をとる
単相性睡眠乳幼児期以降~老年期一度にその日の睡眠をまとめてとる

本来、人間は乳児や高齢者を除いて、単相性睡眠が一般的です。しかし、勤務形態の関係で睡眠時間の確保が難しく睡眠を分ける人もいるでしょう。

分割睡眠をしても、その睡眠で質の高い睡眠がとれているのであれば問題ないとされていますが、実際には分割睡眠の効果を示す科学的根拠がまだ乏しく、健康に対するリスクがないとは言い切れません。

1日の睡眠時間が7時間未満の睡眠では記憶障害や糖尿病などのリスクが高まることがわかっているため、健康のことを考えるのであれば分割睡眠をできるだけ避け、質の高いまとまった睡眠をとることをおすすめします。

白濱龍太郎

白濱龍太郎

RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック理事長

人間が起床するタイミングは、心臓や血管等には刺激になります。場合によっては負担がかかることもあります。そのため、分割睡眠は当然ながら、起床回数も増えることになるので、心臓疾患のリスクになる可能性があると考えられます。

各分割の睡眠時間が短い場合は深睡眠まで到達しない可能性もありますし、起床後の倦怠感が抜けないこともあるため注意が必要です。

分割睡眠に頼らず睡眠の「質」を高めることが重要

睡眠において大切なのは「時間」よりも「質」です。

日本人の平均睡眠時間は6〜8時間が一般的とされていますが、あくまでも全体での平均であり、すべての人にとって最適な睡眠時間というわけではありません。実際の最適な睡眠時間は体質や季節、年齢などによって異なるので、自分にとって最適な睡眠時間を見つけることが大切です。

具体的には「日中に眠気で困らない程度の自然な睡眠」が適切といわれています。つまり、一般的な平均睡眠時間よりも短くても日中に眠気で困らない質の高い睡眠がとれていれば問題ありません。

反対に、分割睡眠によって睡眠を複数回に分けたとしても、それぞれの睡眠の質が低ければ睡眠不足の原因となるため注意しましょう。

慢性的な睡眠不足は「睡眠負債」という睡眠不足が積み重なった状態になり、下記のような心身的な体調不良に繋がるリスクがあります。

  • 目覚めが悪い
  • 日中の眠気やだるさ
  • イライラ
  • 自律神経の乱れによる高血圧や不整脈
  • ホルモンバランスの乱れによる肥満や糖尿病
  • 精神神経系の異常によるうつ病
  • アルツハイマー病など認知機能の低下

このような理由から「〇〇時間寝なければいけない」「〇〇時間寝たから大丈夫」など睡眠時間にこだわるよりも、「ぐっすりと眠れたか」「日中に眠気が残らないくらい熟睡できたか」と睡眠の質にこだわることが大切です。

睡眠の質を高めるためには、意識的に日頃からできることを心がけましょう。

快眠と生活習慣

出典:厚生労働省「快眠と生活習慣

以降では、「食生活」「生活習慣」「就寝環境」の3つに分けて心がけたいことを紹介します。

なお、睡眠の質を高める方法は、以下の記事でも解説しています。併せてぜひ参考にしてください。

睡眠の質を上げる
【医師監修】睡眠の質を上げる方法13選!生活習慣や寝室環境を見直そう
白濱龍太郎

白濱龍太郎

RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック理事長

睡眠不足により、本来副交感神経優位になる時間帯にも交感神経優位となり、結果として自律神経失調症のような状態になります。この結果として、ホルモンバランスが崩れて肥満や糖尿病、高血圧、不整脈などが起こります。

また、睡眠中には、認知症の原因となりうる物質の排出が行われると考えられています。そのため、睡眠不足により、認知機能低下、認知症が起こる可能性があると考えられます。

食生活で睡眠の質を高める方法

食生活において睡眠の質を高めるために心がけることとして、下記のようなものが挙げられます。

  • 寝る3時間前に夕食を済ませる
  • バランスの良い食生活を心がける
  • 寝る前に温かいものを飲む
  • 就寝前のアルコール・カフェイン摂取を避ける

それぞれについて以下で詳しく紹介します。

寝る3時間前に夕食を済ませる

食後すぐに寝ると睡眠の質が下がる可能性があるため注意しましょう。

食事を済ませたあとすぐに寝ると、体は消化を優先し胃が活発に活動します。胃の活動が脳に刺激を与え、ぐっすりと深く眠ることの妨げになってしまうため、睡眠の質が低下する可能性があります。

消化は食後3時間くらいで行われるとされているので、食事は寝る3時間前までに済ませると良いでしょう。

バランスの良い食生活を心がける

食事はバランスの良いものを心がけ、特に夕食はその後寝ることを考えて脂っこいものを避け消化の良い食事内容を心がけましょう。

偏った食生活の改善は、快適で質の高い睡眠に繋がります。例えば、脂質や糖質が多いもの中心の食生活を避けることは肥満のリスクを軽減させます。

肥満などの生活習慣は睡眠時無呼吸症候群に繋がり、睡眠時無呼吸症候群は高血圧、脳卒中、心筋梗塞といったさまざまな病気のリスクを高めるため注意が必要です。

睡眠の質を高め健康的に毎日を過ごすためにも、食事内容に気を配ることをおすすめします。

寝る前に温かいものを飲む

人は体温が上昇し、下がり始めるタイミングで自然な眠気があらわれるといわれています。

そのため、寝る前に温かい飲み物で体を温めると、体温が低下するタイミングで心地良い入眠を促されることが期待できるでしょう。

また、体が温まることによるリラックス効果で質の高い睡眠に繋げやすくなるためおすすめです。

おすすめの温かい飲み物には、下記のようなものがあります。

  • ホットミルク
  • ハーブティー
  • 生姜湯
  • 白湯
  • 豆乳

ただし、後述しますが、緑茶やコーヒーなどのカフェインを含む温かい飲み物は覚醒作用により睡眠の質を下げる可能性があるため、睡眠前の摂取は避けましょう。

寝る前 飲み物
【医師監修】寝る前の飲み物おすすめ7選!飲むといいもの、避けたほうが良い飲料も紹介

就寝前のアルコール・カフェイン摂取を避ける

カフェインは眠気を促す脳内物質である「アデノシン」をブロックする効果があるため、寝つきの悪さや睡眠の質を低下させる原因となります。

寝る前に温かい飲み物を飲むことはおすすめですが、下記のようなカフェインを含む飲み物は避けましょう。

  • コーヒー
  • ココア
  • 緑茶
  • 紅茶
  • 栄養ドリンク
  • エナジードリンク

特に敏感な人は睡眠の5〜6時間前からの摂取を控えると良いでしょう。

また、睡眠前にお酒などのアルコールを摂取することも睡眠の質を低下させる原因となるため注意が必要です。

アルコールにはリラックス効果があるため、寝つきが悪い時に「寝酒」として用いる人もいるかもしれませんが、アルコールを摂取すると、睡眠の後半に覚醒度が上がることがわかっています。

目覚めるとその後眠れなかったり、利尿作用によって途中覚醒が増えたりするなど、睡眠の質を低くする原因となることがあります。

さらに、アルコールに依存すると少量では眠れなくなり依存症となるリスクがあるほか、過剰摂取による肥満のリスクも高まるなど、健康面でのデメリットも多くあるのでおすすめできません。

早く眠りにつきたい場合でもアルコールに頼らず、自然に眠れるように日頃から規則正しい睡眠リズムを作ることをおすすめします。

白濱龍太郎

白濱龍太郎

RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック理事長

睡眠の質を高めるには、睡眠ホルモンであるメラトニンの材料になる「トリプトファン(大豆などに含まれる)」を食品や飲み物から摂取しましょう。

さらに、L-テアニンやGABAを含有する食べ物は、睡眠の質を高めるとされています。

生活習慣で睡眠の質を高める方法

生活習慣で睡眠の質を高める方法

続いては、睡眠の質を高めるために、生活習慣において心がけると良いことについて紹介します。

  • 寝る90~120分前に入浴して体を温める
  • 運動を習慣化する
  • 毎日一定の時間に就寝・起床する
  • 毎朝日光を浴びて体内時計をリセットする

上記のような生活習慣が睡眠にどのような影響を与えるかについて、以下で詳しく紹介します。

寝る90~120分前に入浴して体を温める

前述したとおり、人は体温が上昇し、低下し始めるタイミングで自然な眠気があらわれるため、入浴のタイミングを調整することで質の高い睡眠に繋げることが期待できます。

例えば寝る90〜120分ほど前の入浴で体を温めておくと、寝床に入るタイミングで体温が下がり始め、自然な眠気が促され心地良く入眠できる可能性が高くなるでしょう。

ただし、熱すぎるお湯での入浴は体を興奮させ、寝つきの悪さに繋がるため注意が必要です。下記のようなお湯の温度や入浴時間を参考にしてください。

  • 入浴は38℃のぬるめのお湯で25~30分程度
  • 42℃の熱めのお湯であれば5分程度
  • 半身浴なら約40℃のお湯で30分程度

入浴にはリラックス効果もあるため、質の高い睡眠を求めている方が簡単に実践できる方法としておすすめです。

運動を習慣化する

適度な運動は疲労感によりぐっすりと眠る深い睡眠に繋がることが期待できます。特にデスクワークが多く、肉体的疲労がない人などは運動習慣を身につけると良いでしょう。

また、適度な運動習慣がある人は不眠が少ないこともわかっているため「寝つきが悪い」といった問題を抱えている方にもおすすめです。

寝る3時間前ほどの軽い有酸素運動は体を温めるので、入浴のように就寝のタイミングで体温が下がり始めスムーズな入眠にも繋がります。

ただし、激しすぎるストレッチや運動は体を興奮させ寝つきを悪くさせるため、運動内容は軽いランニング散歩などがおすすめです。

毎日一定の時間に就寝・起床する

人の体は習慣に従ってホルモンの分泌や生理的な活動を調節し、次の行動のための準備をします。

睡眠も生活習慣の一つであり、健康的な睡眠リズムが作られていれば毎日ほぼ一定の時間に就寝・起床でき快適な睡眠が期待できるでしょう。

一方で、毎日の就寝・起床時間がバラバラだと、体内時計が乱れていることにより前述したような機能が上手く働かず、ぐっすりと眠るような質の高い睡眠が難しくなるとされています。

運動習慣や食生活も大切ですが、睡眠リズムが乱れているのであれば、まずは就寝・起床の時間を一定にすることから始めましょう。

このように体の機能を考えると、分割睡眠のような睡眠を分ける生活スタイルは睡眠リズムを崩す原因にもなるためおすすめできません。

平日でも休日でも睡眠時間を一定にしてまとまった睡眠を一度にとるなど、メリハリのある毎日を送り睡眠リズムを整えましょう。

毎朝日光を浴びて体内時計をリセットする

不規則な生活で体内時計が乱れている方は日光を浴びて体内時計をリセットしましょう。

人の体温やホルモン分泌などの周期は約25時間であり、地球の周期である24時間とおよそ1時間のずれがあります。

そのため、光を浴びない生活をしていると体内時計が乱れやすくなり、徐々に夜型の生活にシフトしていくとされています。分割睡眠を行う時間帯にもよりますが、日の光を浴びない生活をしている方は注意しましょう。

朝起きて日の光を浴びることで体が地球の周期に合うようにリセットされるほか、体内時計がリセットされてから15〜16時間後に眠気が出現することもわかっています。

このような効果から、体内時計が乱れている方は日光を有効活用して睡眠リズムを整えることをおすすめします。

就寝環境で睡眠の質を高める方法

続いて、睡眠の質を高めるために就寝環境において意識する点として下記のことを紹介します。

  • 自分に合った寝具を使う
  • 音楽でリラックスする
  • アロマを焚いてリラックスする
  • スマホやパソコン操作を控える
  • 寝室の温度・湿度などを快適にする

それぞれについて以下で詳しく紹介します。

自分に合った寝具を使う

ここまで食生活や生活習慣において睡眠の質を高める方法を紹介してきましたが、快適でスムーズな入眠や質の高い睡眠には「自分の体に合う寝具を使うこと」がとても重要です。

毎日の生活習慣に問題がなくても、寝具が体に合っていない場合は質の高い睡眠をとることは難しいでしょう。

体に合わない寝具は、睡眠の質が低下することによる睡眠不足、肩こり・腰痛・寝起きのだるさなど体調不良に繋がるリスクもあるため注意が必要です。

快適で質の高い睡眠を目指すのであれば「体圧分散性」に優れ「適度な反発力」を併せ持つマットレスがおすすめです。

睡眠中の体には、体重による圧力(体圧)がかかっています。そのため、体圧をバランス良く分散できるマットレスは体への負担を減らすことができ、心地良い睡眠が期待できます。

また、
マットレスにおいて快適な寝返りを打つためには体圧分散性だけではなく「適度な反発力」も必要です。

一般的には柔らかいマットレスが体圧分散性に優れているといわれていますが、ただ柔らかいだけだと体が沈み込み寝返りが打ちづらくなるため注意しましょう。

音楽でリラックスする

健康的な人の自律神経は、日中の活動モードである交感神経優位の状態から、夜にかけて体を休ませるモードである副交感神経優位の状態に切り替わっていきます。

アメリカで行われたある研究では、自律神経は免疫系とも関係があり、睡眠時間が7時間未満の人は8時間以上の人より3倍風邪を引きやすいという研究結果も得られています。

自律神経を乱さないためにはメリハリをつけた生活を心がけるほか、寝る前にはリラックスして副交感神経優位の状態を妨げないことが大切です。

リラックス状態を保つ方法としておすすめなことが「音楽」です。

音楽には心身ともにリラックスした状態のときに引き出される α波(アルファ波)という脳波を発生させるものがあり、下記のような特徴がある音楽を寝る前に聴くと、心地良く質の高い睡眠が期待できます。

  • 高周波な音を含む音楽
  • 歌詞が含まれていない音楽
  • ゆったりとしたリズムの音楽

このような特徴がある音楽として、クラシックやヒーリングミュージック、自然音などがおすすめです。

なお、睡眠中にはアルファ波よりも深い脳波になるため、音楽が睡眠の妨げにならないようにタイマーなどをかけておくと良いでしょう。

アロマを焚いてリラックスする

リラックス法としてアロマもおすすめです。

音楽は聴覚からですが、アロマは嗅覚から心身をリラックスさせる効果があります。

匂いの情報は比較的短い伝達経路で脳まで伝わり、自律神経を刺激することによって副交感神経優位の状態にする効果があるとされています。

実際に成人男女19名を対象とした研究では、アロマテラピーが睡眠効率や疲労感の軽減に効果的であることが実験で示されているので、リラックスできる音楽と合わせて睡眠前に取り入れることで質の高い睡眠が期待できるでしょう(※)。

(※)参考:公益社団法人日本アロマ環境協会 「ストレスとアロマテラピーに関する調査(2016)

スマホやパソコン操作を控える

睡眠前にスマホやパソコン操作をする人もいると思いますが、スマホやパソコンなどの電子機器の画面は、可視光線の中で最も強いとされる「ブルーライト」を発するものが多くあります。

睡眠前にブルーライトのような強い光を浴びると、脳が「昼だ」と勘違いして寝つきが悪くなったり睡眠の質が下がったりすることがあるため注意しましょう。

寝つきが悪くなる理由として、強い光を浴びることによって眠気を促すメラトニンという体内物質の分泌が抑制されることも関係しています。

また、スマホやパソコンでゲームや動画を視聴して夜ふかしをすると、睡眠リズムを崩す原因にも繋がるので注意してください。

寝る前は前述したようにアロマや音楽などでリラックスするものを取り入れましょう。

寝室の温度・湿度などを快適にする

マットレスなどの寝具と合わせて、寝室の温度や湿度を整えて理想的な環境にすると快眠に繋がる可能性がより高くなるでしょう。

寝室の温度は夏場で25℃~26℃、冬場で22℃~23℃、湿度は通年50%~60%が理想的とされています。

使用している寝具やパジャマの素材などによっても異なりますが、一つの基準として参考にしてください。

温度や湿度のほか、照明の具合や周辺の騒音にも気を配ることでぐっすりとした深い睡眠が得られるでしょう。

上手な仮眠のとり方

ここまで解説のとおり、できるだけ分割睡眠は避けて、日頃から睡眠の質を高めることが大事です。

しかし、人によっては日中に眠気が生じてしまい、つらく感じることもあるでしょう。眠気を我慢していると、集中力の低下や倦怠感などが生じる可能性があります。

どうしても眠気がつらい時は、状況に応じて仮眠をとることも手段の一つです。仮眠をとることで脳がリフレッシュして集中力が高まり、仕事や勉強の効率が改善する可能性があります。

ただし、仮眠をとる時は、眠る時間の長さと時間帯に注意が必要です。

  • 仮眠の長さ:15分~30分程度
  • 時間帯:14時前後

仮眠の長さは15分~30分程度が理想とされています。仮眠の時間が長すぎると、脳や体が深い眠りに落ちてしまうため、起床後のだるさに繋がる可能性があります。

また、一般的に14時頃は生理的に眠気が生じやすい時間帯とされているので、仮眠をとるのであれば14時頃を目安にすると良いでしょう。

夕方以降に仮眠をとると、夜に寝付けなくなるなど睡眠の質に悪影響を与える可能性があるため、避けたほうが良いです。

仮眠のとり方を詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

寝不足 仮眠
寝不足の時は仮眠をとっても良い?おすすめの時間帯や効果的な方法など紹介

分割睡眠ではなく、質の高い睡眠をとることを意識しよう

普段の睡眠に加え仮眠をとることにはメリットがありますが、本来の睡眠を2回以上に分けてとることには病気などのリスクを高める可能性があります。そのため、積極的におすすめできるものではありません。

どうしても睡眠時間が確保しにくいという人は、睡眠の「時間」にこだわらず「」を高めることを意識しましょう。

一般的な平均睡眠時間を目指すのではなく、自分にとって日中に眠気で困らない程度の睡眠をとることが大切です。

また、基本的に分割睡眠はおすすめできませんが、日中の眠気がつらい時は、状況に応じて仮眠をとることも手段の一つです。ただし、仮眠をとる時は、時間の長さや時間帯に注意しましょう。

今回紹介したような食生活や生活習慣、就寝環境において睡眠の質を高めるためにできることを参考にし、ぐっすりとした深い睡眠を目指してください。

この記事の監修者
白濱龍太郎
白濱龍太郎RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック理事長
筑波大学卒業、東京医科歯科大学大学院統合呼吸器学修了(医学博士)。同大学睡眠制御学快眠センター等での臨床経験を生かし、総合病院等で睡眠センターの設立、運営を行ってきた。それらの経験を生かし、睡眠、呼吸の悩みを総合的に診断、治療可能な医療機関をめざし、2013年に、RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニックを設立。2014年には、経済産業省海外支援プログラムに参加し、インドネシア等の医師たちへ睡眠時無呼吸症候群の教育を行った。2018年にはハーバード大学公衆衛生大学院の客員研究員として睡眠に関する先端の研究に従事。社会医学系指導医、睡眠学会専門医、認定産業医を有し、教育、啓発活動にも取り組んでいる。
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