就寝時は寝室の照明を落として眠ることが一般的ですが、明るい環境のまま眠る選択肢もあります。暗い部屋で眠ることが不安・怖いなどの理由から、電気をつけたまま眠る方は少なくありません。
しかし、中には「電気をつけたまま眠るのは体に良くないのではないか」と不安に感じる方もいるでしょう。
この記事では電気をつけたまま寝る場合の体への影響や、暗い部屋で眠ることが不安な場合の対処法、照明に工夫をして就寝環境を整える方法などを解説します。電気をつけたまま眠る機会がある方は、ぜひご一読ください。
「電気をつけたまま寝る」のを避けたほうが良い理由
暗い部屋で過ごすことが苦手だと、安心感を求めて電気をつけたまま寝たくなるでしょう。
しかし、快適に睡眠をとりたいなら部屋の電気はできるだけ消しましょう。
電気をつけたまま寝ると、心地良い睡眠に必要なメラトニンの分泌が抑えられてしまいます。
メラトニンとは、人の心身をリラックスした状態に導いてくれるホルモンのことです。入眠を促す作用があることから別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれており、主に夜の時間帯に生成されます。
メラトニンは光を浴びることで減少してしまうため、電気をつけたまま眠るとメラトニン不足に陥る可能性があります。メラトニンが不足するとなかなか眠気が訪れず、不眠や生活リズムのずれに繋がる可能性があるので注意しましょう。
また、電気が明るい部屋で入眠できても、光が原因で目が覚めてしまうことがあります。スムーズに入眠し、途中で目が覚めるのを防ぐためにも、就寝時は部屋の電気を消すことをおすすめします。
電気をつけたまま寝ると太る可能性も
メラトニンが減少して眠れない日々が続くと、体内時計の乱れによって太ってしまう場合があるため気をつけてください。
体内時計が乱れると食欲を抑えるホルモンの分泌が低下し、その代わりに食欲を増進させるホルモンの分泌が高まります。その結果食欲が増し、普段の食事の量がいつもより増えることで肥満に繋がる可能性があります。
スマホやパソコンの光も睡眠の妨げとなる
寝室の照明だけでなく、スマホやパソコンの画面から発せられる光も睡眠の妨げとなるため注意しましょう。画面から発せられる光を浴びてしまうとメラトニンの生成が抑制されてしまい、寝つきが悪くなるといわれています。
就寝前はスマホやパソコンの操作を控え、無意識のうちに触らないようにベッドから遠い位置に置いておきましょう。
メラトニンの分泌には毎朝日光を浴びることが大切
先述したメラトニンは、1日中分泌されているわけではありません。朝になると分泌は抑制され、代わりにセロトニンと呼ばれるホルモンが分泌されます。セロトニンは心身を活動状態に導くホルモンで、血圧や呼吸、心拍を活動的にする働きを持っています。
セロトニンはメラトニンを生成する材料となるため、睡眠の質を保つためにも欠かせないホルモンです。セロトニンの分泌が促されるほど、メラトニンの不足を防ぐことに繋がります。
セロトニンは太陽の光を浴びると活性化し、分泌が促されます。メラトニン不足を防いで気持ち良く眠るためにも、毎朝カーテンを開けて太陽の光を浴びるようにしましょう。
真っ暗な部屋で眠ることが不安な時の対処法
電気をつけたまま寝ることは避けたほうが良いとわかっていても、真っ暗な部屋では眠りにくいと感じる方もいるのではないでしょうか。このような場合には、以下の4つの対処法を試してください。
- 常夜灯や豆電球、間接照明をつけて寝る
- 自動で明るさが切り替わる照明に替える
- アイマスクを使う
常夜灯や豆電球、間接照明をつけて寝る
真っ暗な寝室で眠ることが不安な場合は、常夜灯や豆電球、間接照明をつけて寝るのも一つの方法です。無理に電気を消して不安を抱えながら眠るよりは、多少の光があったほうが良い場合もあります。
ただし、照明を薄暗くしていても、電気がついている以上はメラトニンの生成が抑制される可能性があるため注意が必要です。照明をつけて寝る場合は、日中もメラトニンの分泌を増やせるよう意識しながら生活しましょう。
自動で明るさが切り替わる照明に替える
寝入ったあとは電気が消えても問題ない場合には、設定時刻に合わせて自動で電気の色や明るさが切り替わる照明を選んではいかがでしょうか。
最近では、リモコン操作のみでさまざまな設定ができるシーリングライトも販売されています。寝るまでは豆電球で過ごし、就寝後の時間に合わせて真っ暗になるよう調整できます。また、夜眠る時間に合わせて段階的に明るさを落としていく方法もおすすめです。
いずれの場合も、自分が寝やすくなるような明るさに調整しましょう。
アイマスクを使う
真っ暗な部屋が落ち着かないため寝付けない方は、アイマスクで目元だけを暗くする方法もあります。
アイマスクは光を遮る「遮光性」が高いアイテムです。アイマスクで光を遮ると、光の明るさを感じず睡眠の質を高めることができます。
さらに、日中に少し仮眠をとりたい時に部屋が多少明るい場合も、アイマスクを使用すると真っ暗になるため、眠りやすさに繋がります。
なお、アイマスクを選ぶ際は、顔に密着するものを選ぶと、遮光性がより高くなります。
照明に工夫して就寝環境を整える方法
照明は就寝環境を整えるための重要なパーツでもあります。普段から寝つきの悪さを感じている方は下記のように照明に工夫をし、眠りやすい環境を整えてみると良いでしょう。
- 暖色系の照明に変える
- 寝る前に照明の明るさを調整する
- 照明の光が直接目に入らないようにする
以下でそれぞれを詳しく解説します。
暖色系の照明に変える
普段から寒色系の照明を使っている方は、この機会に暖色系の照明に変えてはいかがでしょうか。暖色系の光は体内時計に影響しにくく、夜に光を浴びることで生じる体内時計のずれを防ぎやすくなります。
また、暖色系の照明をつけると暖かみのある雰囲気を演出できるため、部屋での過ごしやすさも向上するでしょう。
寝る前に照明の明るさを調整する
常に一定の明るさで照明をつけている方は、就寝前のタイミングで明るさを調整する癖をつけると良いでしょう。就寝1時間前くらいのタイミングで照明を少し暗くしておけば心身がリラックスし、眠るための準備を整えやすくなります。
照明の光が直接目に入らないようにする
照明の光が直接目に入ってしまうと、眠気が飛んでしまう可能性があるため注意してください。照明は、枕元や部屋の隅に置く、置き型の間接照明がおすすめです。
また、部屋に備え付けられている照明は使わず、別途で間接照明を用意するのも一つの方法です。簡単に移動できる間接照明を使うようにすれば、光が直接目に入ることを避けられます。
天井にぶら下がる豆電球の場合は、光が直接目に入らないように眠る姿勢を変えるようにしましょう。間接照明はデザイン性の高い製品が多いため、おしゃれな寝室を作りたい方にもおすすめです。
また、暗さによる不安を取り除くのであれば、光に頼らず「アロマを炊く」「ぬいぐるみを抱く」などの方法も良いかもしれません。
まとめ
電気をつけたまま眠ると「睡眠の質が低下する」「太ってしまう可能性がある」「途中で目が覚めてしまう場合がある」など、さまざまなデメリットが生じます。暗い部屋で過ごすことが極端に苦手な方でない限り、寝室の電気は消したほうが良いでしょう。
また、部屋の電気だけでなくスマホやパソコンの光も睡眠の妨げとなるため注意してください。特に多くの方にとって身近な機器であるスマホは、無意識のうちに触ってしまいやすいです。寝る前にスマホを見ることが癖になっている方は、意識的に操作を控えるようにしましょう。
そして紹介した就寝環境を整える方法を参考に、自分にとってよりより睡眠環境を整えてください。