「平日はスムーズに眠れるのに、日曜日の夜になると眠れなくなる」と悩む方もいるのではないでしょうか。しかし、よく眠れた場合でも、あまりよく眠れなかった場合でも、月曜日の朝になったら仕事のために起きる必要があります。
この記事では、日曜日の夜になかなか寝付けない方に向けて、眠れなくなる原因を詳しく解説したうえで、寝付きを良くする方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
日曜日の夜に眠れない理由
日曜日の夜に眠れない主な理由は、以下の2つです。
- 週明けの仕事が憂鬱なため
- 睡眠リズムが崩れるため
それぞれについて詳しく説明します。
週明けの仕事が憂鬱なため
「月曜日になったらまた仕事をしなければならない」「職場に行きたくない」といった憂鬱さから、眠れなくなる場合があります。これは、悩みやストレスにより、体を活発にする交感神経が働き、体を休める副交感神経が抑制されるためです。
また、憂鬱な気分で月曜日を迎えることを、「ブルーマンデー症候群」「月曜病」などと呼ぶ場合があります。
睡眠リズムが崩れるため
平日は仕事があるため、毎日決まった時刻に就寝・起床します。しかし、金曜日や土曜日は、飲み会などに参加したり夜更かしをしたりして、就寝・起床の時間がバラバラになることがあります。
その結果、睡眠リズムが崩れ、日曜日の起床時刻が遅くなり、通常の就寝時間に眠れなくなってしまうことがあります。
仕事前の日曜日にスムーズに眠るための対策
日曜日にスムーズに眠るためには、仕事への憂鬱さを無くし、生活リズムを整えることが重要です。そのための対策は、以下の5つです。
- 仕事の悩みをなるべく無くす
- 仕事を次週に持ち越さない
- 日曜日に仕事の準備をしない
- 仕事を変えることも検討する
- 日曜日に朝遅く起きたり夜更かしをしたりしない
それぞれについて詳しく説明します。
仕事の悩みをなるべく無くす
仕事の悩みや不安を抱えている状態ではなかなか寝付けません。家族や友人などに相談して、悩みや不安を解消しましょう。
相談できる人が身近にいない場合は、厚生労働省が運営している「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳」の相談窓口を使用することも検討してください。電話やSNS(LINE)、メールで相談することが可能です。
仕事を次週に持ち越さない
連休の直後に重い仕事が待っていることは精神の健康上良くないという主旨の学術的な報告が存在します。
仕事を月曜に持ち越すのではなく、金曜日までに片づけておけば、日曜日の夜の憂鬱さが軽減されるでしょう。
日曜日に仕事の準備をしない
日曜日に仕事の準備をしていると、憂鬱に感じることがあります。休日は「心と体を休めるための日」であり、仕事の準備をするのはやめるべきです。
休日に仕事に関連する作業をしていると、ストレスや疲労が蓄積し、かえって生産性が低下します。
仕事を変えることも検討する
仕事が原因で不眠に悩んでいる場合、辞めることも選択肢の一つです。不眠を放置していると、「うつ病」などを発症するリスクがあります。ちなみに、うつ病の発症原因の40%が、「仕事」に関係したものです。
仕事のストレスからうつ病になってしまうことは決して珍しくありません。「どうしても仕事内容が自分に合わない」「職場の人間関係が上手くいかない」という場合は、転職することも検討しましょう。
日曜日に朝遅く起きたり夜更かしをしたりしない
日曜日だからといって、朝遅く起きたり、土曜日から日曜日にかけて夜更かしをしたりするべきではありません。スムーズに眠りにつくためには、平日の生活リズムを崩さないことが大切です。
食事をとる時間や起床時間、入眠時間がバラバラな状態では、生活リズムを整える「体内時計」が狂ってしまい、熟睡できません。
睡眠の質を高める方法
質の高い睡眠をとるなら、以下の方法を試してみましょう。
- 寝具を自分に合ったものに変える
- 寝具の手入れを定期的に行う
- アロマテラピーや音楽でリラックスする
- カフェインの摂取を控える
- 過度な飲酒(寝酒)や喫煙を避ける
- 入浴を就寝時間の約90~120分前に済ませる
- スマホやPCなどは就寝2時間前までに済ませる
各方法について詳しく説明します。
寝具を自分に合ったものに変える
マットレスや枕は、自分が心地良いと感じるものを使いましょう。マットレスは、ぜひ「体圧分散性」に優れたものを選んでください。体にかかる圧力を分散して、寝返りが打ちやすくなるため、睡眠の質の向上が期待できます。
なお、理想的な枕の高さは、寝姿勢によって異なります。寝姿勢が「仰向け寝」の場合は「背骨が緩やかなS字カーブを描く高さ」の枕を「横向き寝」をする場合は「首から背骨が真っすぐになる高さ」の枕を選びましょう。
使用する方の体格によっても、おすすめの枕の高さは異なります。しっかりとした体格の方は高めの枕が、細身の方は低めの枕が適しています。
寝具の手入れを定期的に行う
マットレスは、場所によって体重のかかり方が異なり、ずっと同じところに負荷をかけ続けると、ほかの部分よりも早くへたってしまいます。へたりがあると、睡眠の質が低下する場合があります。
へたりを防ぐために、定期的にマットレスの上下表裏をひっくり返して、負荷がかかる部分を変えましょう。
アロマテラピーや音楽でリラックスする
リラックスすると、副交感神経が優位になり、自然な睡眠が促されやすくなります。リラックスするための方法は「アロマテラピー」や「音楽」などが挙げられますが、さまざまな方法を試して、自分に適したものを見つけてください。
カフェインの摂取を控える
カフェインを摂取すると、「覚醒作用」と「利尿作用」によって眠りにくくなるので注意が必要です。
人間は疲れると、神経を静める作用がある物質「アデノシン」が体内で分泌され、アデノシンが脳内の「アデノシン受容体」と結合すると眠気が生じます。しかし、カフェインを摂取した状態では、カフェインがアデノシン受容体と結合してしまうため、アデノシンが結合できません。
そのため、カフェインを摂取すると眠りにくくなることがあります。
また、腎臓から尿が排出される際には、ほとんどが再吸収されて体内に戻りますが、カフェインは再吸収を妨げる作用があります。そのため、夜にカフェインを摂取すると尿意が生じ、眠りの質が低下する原因となります。
お茶やコーヒー、カカオなど、カフェインが含まれている食品は、夕方以降は控えましょう。
過度な喫煙や飲酒を避ける
ニコチンには覚醒作用があるため、就寝前に喫煙をすると入眠の妨げになります。タバコを吸うのは、就寝の1時間前までに済ませましょう。
また、お酒を飲むと寝付きやすくなりますが、酔いが醒めると脳が覚醒して熟睡しにくくなります。アルコールには利尿作用もあるため、夜中に目覚めやすくなることにも注意が必要です。
個人差はありますが、ビール中瓶1本を飲んだ場合、アルコールの分解にかかる時間は男性では2.2時間程度、女性では3時間程度です。体調によっても分解に要する時間は異なりますが、就寝3〜4時間前までに飲酒を終わらせることをおすすめします。
入浴を就寝時間の約90~120分前に済ませる
人間は、深部体温が下がり始めるタイミングで自然な眠気が促されるようになっています。就寝時間の約90~120分前に入浴を済ませれば、上昇した深部体温が下がっていくタイミングで入眠できます。
入浴時間は、38℃のぬるめのお湯であれば25分~30分程度、42℃の熱めのお湯であれば5分程度をおすすめします。半身浴なら、約40℃のお湯で30分程度の入浴が良いでしょう。
スマホやPCなどは就寝2時間前までに済ませる
睡眠の質を高めるため、スマホやPC、タブレット端末などの操作・閲覧は、就寝の2時間前までに済ませるべきです。
寝る前にスマホなどの画面を見ると、ブルーライトや強い光によって脳が昼間だと誤認識し、メラトニン(睡眠を促すホルモン)の分泌が抑制されます。その結果、「なかなか寝付けない」「眠りが浅い」といった睡眠トラブルに繋がります。
不眠が気になる場合には医療機関を受診する
ここまで紹介した方法を試しても眠れない場合は、仕事による憂鬱さやストレスから、睡眠障害などを患っている可能性があります。不眠の原因はさまざまであり、原因に応じた対処が必要です。
眠れない原因を特定し適切な治療を行うために、気になることがある場合には、症状に応じた医療機関で検査や診断を受けましょう。
まとめ
日曜日の夜に眠れなくなるのは、週明けの仕事が憂鬱だったり、週末に普段と異なる行動が多くなって生活リズムが崩れたりするためです。
まずは、「仕事前の日曜日にスムーズに眠るための対策」や「睡眠の質を高める方法」を試しましょう。それでも眠れない場合は、睡眠障害などを患っている可能性があるため、症状に応じた医療機関の受診を検討してください。