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2022.12.21 更新

【医師監修】ピアスをつけっぱなしにして寝るリスクとは?装着したまま就寝するための方法も紹介

【医師監修】ピアスをつけっぱなしにして寝るリスクとは?装着したまま就寝するための方法も紹介

「ピアスの付け外しが面倒なので、つけっぱなしで就寝したい」と考える方がいるかもしれません。しかし、さまざまなトラブルが起こる可能性があるので、つけっぱなしで寝ることは避けるべきです。

この記事では、ピアスをつけたまま寝るリスクについて解説したうえで、装着したまま就寝するための方法も紹介します。これからピアスを開ける予定の方や、すでに開けている方は、トラブルを避けるために、参考にしてください。

  1. 寝る時は基本的にピアスを外すべき
  2. ピアスをつけっぱなしにしたまま寝るリスク
  3. ピアスが皮膚に押し込められて埋没する
  4. ピアスが顔面や首周辺に当たってケガをする
  5. ピアスホールから細菌に感染する
  6. 寝具などにピアスが引っかかって耳が裂ける
  7. 金属アレルギーなどでかぶれが生じる
  8. 表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)が形成される可能性がある
  9. ピアスケロイドになる場合がある
  10. ピアスをつけっぱなしで寝る場合に気を付けること
  11. 毎日洗浄して清潔に保つ
  12. 肌に優しい素材を選ぶ
  13. 寝具などに引っかかりにくいデザインを選ぶ
  14. つけっぱなしにしていて違和感を覚えたら医療機関に相談する
  15. まとめ

寝る時は基本的にピアスを外すべき

寝る時には、基本的にピアスを外すべきです。つけたまま寝ると、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。

ただし、ファーストピアスの場合は、ピアスホールを安定させる必要があるため、1ヶ月以上つけたままにする必要があります。ファーストピアスは、長期間つけた状態が続くため、なるべく医療機関で開けてもらうほうが安心・安全です。

ピアスをつけっぱなしにしたまま寝るリスク

ピアスをつけっぱなしにしたまま寝るリスク

以下は、ピアスをつけたまま寝ることのリスクの例です。

  • ピアスが皮膚に押し込められて埋没する
  • ピアスが顔面や首周辺に当たってケガをする
  • ピアスホールから細菌に感染する
  • 寝具などにピアスが引っかかって耳が裂ける
  • 金属アレルギーなどでかぶれが生じる
  • 表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)が形成される可能性がある
  • ピアスケロイドになる場合がある

それぞれについて詳しく説明します。

ピアスが皮膚に押し込められて埋没する

横向きの姿勢で寝ていると、耳たぶが圧迫されてピアスが皮膚に押し込められ、埋没してしまうケースがあります。

埋没して取り出せなくなってしまった場合、局所麻酔をしたうえでピアスホールの一部を切開し、ピアスを取り出す処置が必要になる可能性があるので注意してください。特に、耳たぶが厚い方は、軸の短いピアスを無理に装着すると埋没するリスクが高まることを認識しておきましょう。

ピアスが顔面や首周辺に当たってケガをする

形状や大きさによっては、寝ている間にピアスの一部が顔や首などに当たってケガをする場合があります。特に、サイズが大きめのピアスは、寝返りを打った際に当たる可能性が高いです。

また、横向きの姿勢で寝ている際に、キャッチ(ピアス後部の留め具)から飛び出している部分が、耳の裏側や首の周辺に刺さる可能性があることにも注意しましょう。

ピアスホールから細菌に感染する

ピアスホールが安定していても、寝返りを打った際などにピアスホール内部に微細な傷ができ、そこから細菌に感染して炎症を起こす可能性があります。

なお、ファーストピアスの場合、1ヶ月以上は就寝時でも外せません。安定するまでは「生傷」の状態なので、1日1回はピアスホールの前後の部位を消毒したうえで、寝具も清潔なものを使用し、感染リスクを低減させて就寝することをおすすめします。

寝具などにピアスが引っかかって耳が裂ける

ピアスを装着した状態で寝ていると、寝具などに引っかかって耳たぶが裂けてしまうケースもあります。

特に、耳たぶの端っこにホールを開けたり、重いピアスを装着していたりすると裂けやすくなります。なお、耳たぶが裂けてしまった場合、手術をしなければ治りません。

金属アレルギーなどでかぶれが生じる

ピアスの素材によっては、金属アレルギーなどによる「かぶれ」が生じる場合があります。特に、ニッケルやコバルト、クロームといった金属はアレルギーを起こしやすいことを覚えておきましょう。

また、もともとアレルギーを持っていなくても、あとから発症する事例が多数存在します。就寝中も装着していると肌に触れる時間が長くなり、その分、かぶれる可能性も高くなります。

表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)が形成される可能性がある

表皮嚢腫とは、周囲が壁で覆われた袋状の構造物です。嚢腫の壁は表皮と同じ細胞によって形成されており、内部に膿が溜まることもあります。

ピアスをつけっぱなしにして寝ていると、表皮細胞が何らかの原因で皮下組織に入り込んで、表皮嚢腫が形成される場合があることを認識しておきましょう。

村松英之

村松英之

医療法人社団CRS きずときずあとのクリニック豊洲院理事長兼院長

表皮嚢腫ができた場合、状況にもよりますが手術でないと取り除くことは不可能です、局所麻酔を用いてその部分を切除して縫合します。粉瘤は放置して細菌感染などを起こしたりすれば後述するケロイドにつながることもあります。

ピアスケロイドになる場合がある

ピアスホールの状態が悪いまま、つけっぱなしで長期間寝起きしていると、炎症によってケロイド状態(皮膚が赤くなって硬く盛り上がった状態)になるケースがあります。

初期の状態なら、圧迫療法や塗り薬、テープ、注射などが有効な場合がありますが、つけっぱなしにしているとケロイド状態になっていることに気が付かず、悪化してしまう可能性があることにご留意ください。

また、ケロイドが発生しやすい体質の方は、特に注意が必要です。

村松英之

村松英之

医療法人社団CRS きずときずあとのクリニック豊洲院理事長兼院長

ピアスケロイドができた場合、初期であればステロイドのテープや注射などで対応することも可能ですが、半年以上時間が経ってしまった場合は治療効果が出にくくなり、その場合は手術が必要になります。また再発予防のため放射線を当てる場合もあります。

ピアスをつけっぱなしで寝る場合に気を付けること

「ピアスを開けた直後でピアスホールが安定していない」など、どうしてもピアスをつけっぱなしにしたまま寝る必要がある場合は、以下に示す方法によって、リスクを低減しましょう。

  • 毎日洗浄して清潔に保つ
  • 肌に優しい素材を選ぶ
  • 寝具などに引っかかりにくいデザインを選ぶ

各方法について詳しく説明します。

毎日洗浄して清潔に保つ

トラブルを回避するために大切なのは、ピアスホールを清潔に保つことです。ピアスホールが安定するまでの1ヶ月〜半年程度は、毎日石鹸や洗顔フォームなどを使用して、優しく洗うことが必要です。

  なお、消毒薬はかぶれる場合があるため、清潔に保つだけで良いでしょう。

肌に優しい素材を選ぶ

ピアスの素材によって、トラブルの起こりやすさが異なります。つけっぱなしにする場合は、チタンやセラミック、シリコンといったアレルギー反応を起こしにくい素材を選ぶことがおすすめです。

また、素材選びで間違わないために、事前に金属アレルギーの検査を受けることも重要です。

寝具などに引っかかりにくいデザインを選ぶ

服や布団などに引っかかりにくいデザインを選ぶことも大切です。複雑な形状のピアスを装着していると、寝具などに引っかかり耳たぶがちぎれてしまう場合があるので注意してください。

シンプルなデザインのピアスを選ぶほうが、就寝中だけでなく、日中に服を着脱する際にも引っかかりにくいので安心できます。

つけっぱなしにしていて違和感を覚えたら医療機関に相談する

ピアスをつけっぱなしにしたまま就寝して、上述したようなトラブルが発生したり、何らかの違和感を覚えたりした場合は、すみやかに医療機関を受診しましょう。

なお、「就寝中に外している」方でも、トラブルが発生することがあります。自己判断で誤った処理をしていると、症状が長引いたり、悪化したりする可能性があるので、はやめに医師にご相談ください。

まとめ

ピアスをつけたまま寝てしまうと、表皮嚢腫やケロイドなどのトラブルが発生する可能性があります。トラブルを未然に防止するため、就寝時にはピアスを外すことを心がけましょう。

ただし、ファーストピアスを装着している期間(ピアスホールが完成するまで)は、基本的に外すことができません。対策を講じたうえで、就寝時のトラブルを防ぎましょう。

なお、ピアスを装着している部位に違和感を覚えた場合は、自己判断で処置をするのではなく、医療機関に相談することをおすすめします。

この記事の監修者
村松英之
村松英之医療法人社団CRS きずときずあとのクリニック豊洲院理事長兼院長
医療法人社団CRS きずときずあとのクリニック豊洲院理事長兼院長。昭和大学医学部を卒業後、昭和大学医学部形成外科に入局。前橋赤十字病院形成外科をはじめ、国内外の形成外科で診療実績を積む。2017年きずときずあとのクリニック豊洲院を開業。2020年には医療法人社団CRSを設立し、理事長に就任。 日本形成外科学会専門医、日本熱傷学会専門医、日本創傷外科学会専門医、皮膚腫瘍外科分野指導医、小児形成外科分野指導医、形成外科領域指導医。
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