ビーズクッションは柔らかくて寝心地が良さそうに見えるため、「枕として使いたい」と思ったことがあるかもしれません。しかし、クッションとして作られたものを、枕として使っても良いのかが気になるところです。
この記事では、ビーズクッションを枕代わりにしても良いのかをわかりやすく解説します。ビーズクッションのおすすめの使い方や、寝心地を重視する方に向けた枕の選び方なども紹介するので、快適な眠りを目指す方はぜひ参考にしてください。
ビーズクッションを枕代わりにしても良い?
フィット感が心地良いビーズクッションは枕としても使えそうに思えますが、ビーズに限らず「クッション」を枕として使うことは、基本的におすすめできません。
クッションは座る時に使うものであり、座り心地をアップさせるために作られたものです。クッションには、座り心地を良くする、高さを調整する、体にかかる負担を分散するなどの役割があります。
一方、枕は就寝中の寝姿勢をサポートして、快適に眠れるように作られたものです。お尻や腰、背中を支えるために作られたクッションと、頭や首を支えるために作られた枕では用途が異なります。
ビーズクッションを枕として使用しても、クッションの中身がしっかり詰まっているものもあるため寝返りを打ちにくく、起床時に疲れを感じる可能性があります。
ビーズクッションは形状に応じた用途で使うことをおすすめ
ビーズクッションは枕として使うのではなく、形状に応じた用途で使いましょう。
例えば、大きいスクエアタイプなら椅子や背もたれにする、小さいサイズならオットマンとして足を置くなど、形状に合った用途で使うと快適に過ごせます。ビーズクッションは体にフィットしやすいため、使う方の体や姿勢に合わせて、柔軟に対応可能です。
また、細長いタイプの場合は、頭をのせる枕ではなく抱き枕として使うと快適な眠りに繋がります。抱き枕にはリラックス効果や横向き寝を楽にする効果が期待できるため、普段ストレスが多い人にもおすすめです。
抱き枕の効果や選び方について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
寝心地を重視するなら枕を使おう
寝るために使うなら、「クッション」として作られたものではなく、「枕」として作られたものがおすすめです。枕には以下の3つのメリットがあります。
- 理想の寝姿勢がとれる
- 通気性と吸湿性が高い
- 適度な反発力がある
それぞれ詳しく解説します。
理想の寝姿勢がとれる
枕は、首と布団の隙間を埋めるために必要なアイテムであり、就寝中に理想の寝姿勢がとれるように作られています。
- 仰向け寝の理想の寝姿勢:背骨がゆるやかなS字カーブを描く状態
- 横向き寝の理想の寝姿勢:背骨が真っすぐになっている状態
正しい位置で眠れるように考えて設計されているため、頭が不自然な高さになったりなど、寝姿勢が崩れることが起こりにくいです。
通気性と吸湿性が高い
人は寝ている間に汗をかくため、枕には意外と湿気が溜まります。湿気で頭が蒸れてしまわないよう、通気性と吸湿性が高い素材で作られた枕が多くあります。
通気性・吸湿性の高い枕は、快適に眠れるだけでなく、カビやダニの発生を防ぐ効果もあり、衛生面も安心です。
適度な反発力がある
枕は就寝中の頭を支えるために適度な反発力があり、寝返りを打ちやすい構造をしています。枕には高反発と低反発があるため、自分の好みに合った反発力を見つけやすいのも嬉しいポイントです。
高反発の枕では頭部をしっかり支えられ、高い反発力でスムーズな寝返りをサポートできます。低反発の枕は頭部を包み込むようなフィット感が特徴で、頭にかかる体圧を分散できます。
ビーズ枕の選び方
小さなビーズを中材とするアイテムには、ビーズクッションだけでなく、枕として作られた「ビーズ枕」があります。ビーズの感触が好きな方が就寝中に使うなら、ビーズクッションではなくビーズ枕がおすすめです。
寝心地が良いビーズ枕を選ぶために、以下5つのポイントに注目しましょう。
- 素材で選ぶ
- 高さで選ぶ
- 形状で選ぶ
- サイズで選ぶ
- お手入れのしやすさで選ぶ
それぞれのポイントを解説します。
素材で選ぶ
ビーズ枕の中材には発泡スチロールを小さい粒にした素材が使われており、粒の大きさによって寝心地や通気性が変わります。粒が小さくなるほどフィット感がアップしますが、その分、通気性が悪く湿気が溜まりやすいです。
また、中材がビーズ100%の枕は触り心地が良い反面、頭が固定された状態になってしまうため首が疲れることがあり、蒸れやすいというデメリットがあります。快適な眠りのためには、ウレタンやポリエステルわたなど、ほかの素材と混ざっている枕を選ぶと良いでしょう。
高さで選ぶ
就寝中に理想的な寝姿勢をキープするには、枕の高さが大切です。仰向け寝をする方は、背骨が緩やかなS字カーブを描けるように、目線がやや前を向く程度の高さを選びましょう。
また、横向き寝をする方は、首と床が並行になるように肩幅を考慮して選びます。枕が高すぎると不自然な姿勢になるため注意が必要です。
形状で選ぶ
枕の形状は、標準的で使いやすい長方形のほかにもさまざまな種類があり、それぞれ寝心地が異なります。
例えば、中央がくぼんでいるタイプは、頭にフィットしやすく安定感があります。また、キルティング加工がされてるタイプは、頭を動かしてもビーズが偏りにくく、寝心地が良いところが魅力です。
自分の好みに合わせて枕の高さを細かく調整したい方には、中材の量を調整できる形状が向いています。
サイズで選ぶ
ビーズ枕に限らず、枕を選ぶ時にはサイズも重要です。枕のサイズは、体格と寝返りの打ちやすさ、使用する目的をチェックすると快適な眠りに繋がります。
体格が小さい方は枕のサイズが小さくても構いませんが、体格が大きい方は枕が狭く感じやすいため、大きいサイズがおすすめです。寝相が悪い方は、寝返りをした時に枕から落ちないように幅が広い枕を選びましょう。
また、枕を2人で使う場合や抱き枕として使いたい場合は、長さがあるものを選ぶと窮屈に感じにくいです。
具体的な大きさなど、さらに詳しい枕のサイズの選び方は以下の記事をご覧ください。
お手入れのしやすさで選ぶ
枕には就寝中にかいた汗が染み込むため、衛生的に保つためには洗濯の可否もチェックしたいポイントです。ビーズ枕には、洗えるタイプと洗えないタイプがあります。
枕を衛生的に使いたい方は、洗えるタイプの枕を選ぶと簡単に中までお手入れできて便利です。例えば、中が空洞になった構造のマルコビーズが中材の場合は水洗いできます。
また、判断が難しい場合は、洗濯表示を確認しましょう。以下のように桶マークの中に数字・手のイラストが描かれている場合は洗えますが、バツ印が付いている場合は洗濯処理できません。
(※)消費者庁「洗濯表示(平成 28年12月1日以降)」
洗えないビーズ枕の場合は、定期的にカバーを洗濯して枕を清潔に保ちます。
なお、ここまでビーズ枕の選び方を解説しましたが、ビーズ以外の素材も含めた枕の選び方は、以下の記事で詳しく紹介しています。自分に合った枕を見つけたい方は、ぜひこちらも参考にしてください。
ビーズ枕を選ぶ時の注意点
柔らかいビーズ枕は頭が沈み込みやすいため、人によっては寝返りが打ちにくいと感じることがあります。ビーズ枕には吸放湿性に劣る特徴もあり、上手に寝返りが打てず寝姿勢を変えられない場合、大量の寝汗をかいて寝心地悪く感じるかもしれません。
寝返りの打ちにくさを解消するためにも、前述のとおり、ビーズ枕を選ぶ時にはほかの素材が混ざったものを選びましょう。頭が沈み込んで寝返りが打ちにくい枕を使い続けると、頭の血流が悪くなるため注意しなくてはなりません。
また、中材がぎっしり詰まったビーズ枕では首の疲労に繋がる懸念があります。頭を乗せた時に程よく沈み込み、適度な柔らかさを感じるビーズ枕を選びましょう。
なお、ビーズ枕に限らず、枕を選ぶ際にはご自分の体型や寝姿勢に合った高さの枕を選ぶことが大切です。
枕の高さについては、以下の記事で詳しく解説しています。枕の高さが重要な理由をぜひご覧ください。
ビーズ枕のお手入れ方法
ビーズ枕を長く使うためには、以下の3つのお手入れをしましょう。
- 定期的に干して除湿する
- 枕カバーを使用する
- 風通しの良い場所で乾かす
それぞれの方法を解説します。
定期的に干して除湿する
快適に眠るためには、ビーズ枕に湿気が溜まらないように定期的に干して除湿することが大切です。ビーズ枕に湿気が溜まるとカビやダニの原因になり、不衛生になります。
特に、以下のような特徴があるビーズ枕はより湿気が溜まりやすくなるため、意識して除湿を行いましょう。
- 極小ビーズが使われている
- 中材がビーズ100%ではなく、綿も使われている
枕カバーを使用する
枕は髪や汗、皮脂などで汚れやすいため、枕を使用する時は必ず枕カバーをつけましょう。また、ビーズ枕はビーズが入っている生地が傷みやすいので、生地を保護する目的でも枕カバーは必要です。
衛生的な環境で眠るには、最低でも週1回は枕カバーを洗濯しましょう。洗濯しないと枕カバーに汚れが溜まり、カビやダニが発生しやすくなります。
風通しの良い場所で乾かす
洗えるタイプのビーズ枕は、定期的に洗濯する習慣をつけると清潔に保てます。ビーズ枕は、洗濯機で洗うとカバーが破れた時に気付かない恐れがあるので、手洗いがおすすめです。
ビーズ枕を洗ったあとは、中までしっかり乾燥させないとカビの原因になるため、風通しの良い場所に干して乾かします。
なお、ビーズ枕は、商品によって天日干しができるタイプとできないタイプがあるので、自己判断せずに洗濯表示に従いましょう。ビーズ枕に使われる発泡スチロールは熱に弱いため、乾燥機の使用はおすすめできません。
まとめ
ビーズクッションを枕代わりにしても寝心地が良くないため、快適な眠りのためにはクッションではなく枕として作られたものを選びましょう。枕として作られたものは就寝中の頭や首をしっかり支えることができ、頭にかかる体圧が分散されます。
毎日快適に眠るためには素材や高さなどを考慮して枕を選び、定期的にお手入れをして清潔に保ちましょう。